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韓国人の帰化申請のポイントとは?特別永住者の必要書類についても解説

1.帰化申請とは? 帰化申請とは,外国籍の方が日本国籍を取得する申請のことを言います。 帰化申請は「許可制」で,日本の法務局が日本に帰化することを許可するかどうか審査をします。 「届出制」ではありませんので,申請すれば誰でも帰化が許可されるわけではありません。 帰化すると「日本人」としての身分を得るわけですから,韓国人としてビザの更新やカードの更新をすることなく日本に住み続けられます。 また,無条件に参政権も得られるほか,日本国のパスポートを持ち,193ヶ国の国々にビザ無しで旅行することも可能になります。 ただし,日本は二重国籍を認めていませんから,帰化すれば韓国人としての身分を喪失しなければならないことには注意が必要です。 2.韓国人の帰化申請数 入管が公表している国籍・地域別在留外国人数によると,日本に在留する韓国人の数は,ここ10年で常に40万人を上回っており,2020年にベトナムに抜かれるまでは中国に次いで2番目に在留人数が多い国でした。 なお,2022年6月末時点で日本に在留する韓国人は41万2,340人で, そのうち特別永住者は26万3,827人で全体の64%を占めます。 在留人数こそベトナムに抜かれましたが,すでに日本に帰化した韓国人も多くいらっしゃることを考慮すると,今も昔も韓国にルーツを持つ方が日本に多くいらっしゃることには変わりありません。 法務省民事局が公表しているデータによると, 近時の傾向として,帰化申請をする外国人は全体で年間1万人前後です。 そのうち韓国人の帰化許可件数は 2019年 4,360人 全体の帰化許可者数の52% 2020年 4,113人 全体の帰化許可者数の45% 2021年 3,564人 全体の帰化許可者数の44% となっており,いずれも国籍別帰化許可者数で韓国が1位になっています。 3.帰化申請の条件とは? 韓国人に限らず,日本に帰化するためにはいくつかの条件があります。 将来皆さんが日本人となった時に,外国人が「日本に帰化したい」と言って来た場合を想像してみると分かりやすいかと思います。もし,日本にほとんど住んだことがない人が「日本人」になりたいと言っていたらどうでしょう? あるいは,日本人になりたいとは言うけれど,日本に納税をしていなかったり,公共の負担になっていればどうでしょう? そのような人を,自分と同じ「日本人」として受け入れるのは難しいと感じるのではないでしょうか。 そこで国籍法では,日本に帰化するための条件を6つ定めており,国籍法に既定の無い要件も含めると合計7つの条件があります。 「国籍法」などと聞くと難しい印象を持たれた方も多いと思いますが,実は生まれた時から日本に住み続けている方であれば自然とクリアしている条件も多いのです。 詳しい各条件についての解説は,帰化申請 条件 からご確認頂けますが,例えば住所条件(5年以上日本に住み続けている),日本語能力条件は,特別永住者の方であれば元々備えていることがほとんどです。 そのため,成人していることや,日本帰化の際には韓国籍を離脱すること等,当然に満たさなければならない条件は他にもありますが,日本で生れた韓国人の方が特に気を付けるべき条件としては,以下の2つに限られると言えます。 ①素行条件(交通違反などの法に触れるマイナス行為を行っていないか。納税の義務を怠っていないか。年金の未払いはないかなど) ②生計条件(お金に困らず日本で生活して行けるかなど) 4.韓国人の帰化申請は大変?…

技能実習生と結婚して配偶者ビザを取る方法|必要書類,流れ,注意すべきポイントを解説

1.技能実習制度とは? ここ最近,新聞やテレビの報道等から“技能実習”という言葉を耳にする機会が増えているのではないでしょうか。 しかし,具体的にどのような制度なのかをご存じの方は少ない印象です。 では,技能実習制度とは,どのような制度なのでしょうか。 厚生労働省のホームページによると, 「我が国が先進国としての役割を果たしつつ国際社会との調和ある発展を図っていくため,技能,技術又は知識の開発途上国等への移転を図り,開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的としております。」と記載されています。 わかりやすく言うと,技能実習生には日本で技能・技術・知識を学んでもらい,日本で学んだ技能等を母国に持ち帰って,母国の経済発展を担ってもらうことが技能実習制度の趣旨ということです。 そのため,技能実習ビザは一般的な就労ビザとは異なり,技能実習過程を修了した後は母国へ帰り,学んだ技術や知識を教えたり,移転させる必要があるのです。 このような事情から,技能実習ビザは,技術の移転を願う送出機関と呼ばれるところや,その外国人の受け入れに協力してくれる日本の監理団体,実習実施機関など,様々な機関との関わりが強いビザということができます。 そして,配偶者ビザとの関係で重要な視点は,技能実習ビザは母国へ帰国することを想定しているということです。 技能実習ビザから他のビザへの変更が難しいと言われるのは,前記の通り技能実習ビザが母国への帰国を前提としているからなのです。 2.増加する技能実習生との国際結婚 2022年6月末に公表された出入国在留管理庁の統計によると,日本には技能実習生が32万人以上いると示されています。 参照:法務省 出入国在留管理庁 厚生労働省 人材開発統括官 技能実習ビザは,最も多い永住ビザに次ぐ在留人数です。 そして,技能実習生の国別の内訳を見ていくと,ベトナムが半数以上を占め,次にインドネシア,中国,フィリピンの順となっています。 参照:法務省 出入国在留管理庁 厚生労働省 人材開発統括官 本ページをご覧いただいている方の中にも,職場や取引先で外国人の方々を見かけたり接する機会は少なからずあるのではないでしょうか。 コロナ禍にあっても,なお在留人数の多さを誇る技能実習ビザ。 上記の在留データからもわかるとおり,技能実習生と日本人が出会い,結婚をするという事例が増えていることは容易に想像することができます。 一方で,何とか日本に残りたいという思いから,配偶者ビザを得るための便法として,国際結婚という手段を選ぶ技能実習生がいるのも事実です。 もちろん,このような真意に基づかない国際結婚は認められるべきではありません。 入管側もどんな在留資格であろうと,このような違法な在留を認めるべきではないと,目を光らせて審査しています。 次のチャプターでは,技能実習生が国際結婚して配偶者ビザへ変更する場合や一度帰国した元技能実習生が配偶者ビザを取得する場合, どのような点に気を付けて準備を進めていくべきか具体的に見ていきましょう。 3.技能実習生と結婚しても配偶者ビザに変更できない? 上記の1.技能実習制度とは?で説明した通り,技能実習生は母国へ帰ることが予定されています。 そのため,原則的には入管は技能実習ビザから他のビザへの変更を想定していません。 しかし,技能実習ビザからのビザ変更を入管は一律不許可にしているのかというと,そういう訳でもないのです。 例えば,技能実習生もしくはその配偶者が妊娠している場合や,すでに子どもを出産している場合など,夫婦(家族)の実体を総合的に判断し,法務大臣の裁量のもと技能実習ビザから配偶者ビザへの在留資格変更許可が認められる可能性があるのです。 では,どのようなケースで技能実習生からのビザ変更が認められているのか,場面分けをして具体的に見ていきましょう。 【技能実習中の場合】 技能実習中の場合には,先に説明した監理団体や実習実施機関において,母国での技術移転が難しくなることを背景に,在留資格変更許可申請に際して,技能実習ビザから配偶者ビザに変更することについて同意書を求められるのが一般的です。 場合によっては,海外の送出機関からの同意書を求められることもあります。…

老親扶養ビザで親を呼ぶ方法

1.老親扶養ビザとは? 老親扶養ビザとは,高齢で身寄りのない親を日本に呼び寄せ,一緒に生活していくためのビザのことを言います。 日本で生活していると,本国の親が病気や怪我など何かあったとしても,すぐに駆けつけることは困難です。人間誰しも年を重ねることにより体に不調が出てまいります。それが自分の親であればなおのこと心配になるでしょう。 そこで,本国で生活する親を日本に呼び寄せ,長期的に日本での生活することを可能にするビザが老親扶養ビザと呼ばれるものです。 2.老親扶養ビザの取得が難しい理由 老親扶養ビザは,他のビザと比べると難易度が非常に高いと言われています。 なぜなら,入管法には親を呼ぶビザが定められていないからです。 人道上の理由などで,例外的に親の呼び寄せの際に認められているのが本ページでご紹介をする老親扶養ビザです。 ところで,老親扶養ビザは特定活動ビザに分類されます。 老親扶養ビザ,という名称のビザが実際にあるわけではありません。 特定活動と言うビザは,他のビザと異なり活動内容を法務大臣の指定に委ねているため,法務大臣の判断で在留を認めるかどうかが決定されます。 そして,この特定活動ビザは2種類あり,法務大臣があらかじめ活動を想定している“特定活動告示”と,あらかじめ活動を想定していない”告示外特定活動”に分類されます。 特定活動告示の例としては,ワーキングホリデーやインターンシップなどが代表的で,「告示」と言われるためその一覧があります。 しかし,老親扶養ビザは,告示外特定活動に該当し,「告示」の「外」にあるビザで,入管法に規定されていないのです。 特定活動告示 しかし,入管法に規定されていない場合には,一切ビザを取得できないかというと,実はそういう訳ではありません。 個々の事情を鑑みて,日本で在留が必要な外国人に対しては,告示されていないビザであってもビザが取得できるケースはあるのです。 つまり,入管法に規定されていないケースであっても,法務大臣が人道上その他の特別の事情により特に在留を認める場合には,ビザの許可を得るケースがあるということです。 それでは以下,老親扶養ビザについて法務大臣が人道上その他の特別の事情により特に在留を認める場合の要件について見ていきましょう。 なお,高度専門職1号または2号の在留資格で在留する方は,7歳未満の子どもの世話をしてもらうために親を呼び寄せることがきるという優遇措置がありますが,親の体調を心配されて呼び寄せを希望される方からすると,高度専門職の取得や子供の年齢制限などが設けられており,万人に開かれた広き門とは言えない状況です。 高度専門職ビザの優遇措置については,以下のページを参照してください。 高度専門職ビザ 条件 はコチラ 3.老親扶養ビザの実務上の要件 老親扶養ビザは,どのようなケースで認められているのでしょうか。 ここで,老親扶養ビザの実務上の要件をご紹介します。 ① 親に自活能力がないこと ② 本国および第三国に身寄りがないこと ③ 子どもが本国で生活することが困難であること ④ 扶養する子の世帯に扶養能力があること ①から③は,日本で生活する必要性と言い換えることができます。 個別に分けて必要性を考えると, ①番は「本当に親は一人で生活できないのか」 ②番は「他の親族では親の面倒を見られないのか」 ③番は「親が日本に来る必要があるのか」…

帰化と永住の違いを徹底解説!メリット・デメリット,どちらを選ぶべき?

1.帰化と永住の基本をチェック まずは,帰化と永住について基本的な内容を整理しておきましょう。 (1)帰化とは 「帰化」とは,外国人の方が日本国籍を取得して日本人になることです。 日本国民としての権利が行使できるようになり,日本国のパスポートが取得できます。外国人ではなくなりますので,在留カードも返納する必要があります。 (2)永住とは 「永住」とは,国籍は外国のまま変えずに,無期限で日本に住めることです。 外国人のままなので,日本国民にしか認められていない権利は行使できません。 「永住者」という在留資格になり,在留カードも引き続き交付されます。 長く日本に住めるという点は,帰化も永住も同じです。日本人になるか,外国人のままか,が大きな違いです。 2.帰化と永住の違い ここからは,帰化と永住の違いについて詳しく見ていきましょう。 比較しやすいように表にまとめました。   帰化 永住 国籍 日本 外国のまま変わらない 戸籍 作られる 作られない 参政権 (選挙権・被選挙権) ある ない 退去強制処分(強制的に国外へ退去させられる処分) 適用なし 適用あり 住所要件の原則 5年(そのうち就労3年) 10年(そのうち就労5年) 申請手続きをする役所 法務局 入管 3.帰化と永住のメリット・デメリット 帰化と永住には,それぞれメリットになることと,デメリットになり得ることがあります。 下の表で,代表的なものを列挙しています。   帰化…

台湾人の帰化申請

1.帰化申請とは 日本への帰化とは,外国の国籍を持つ方が日本の国籍を持ち「日本人」の身分を得ることです。 帰化申請とは,そのために行う手続きの総称です。 ご自分がもともと持っておられた母国の国籍は喪失しなければなりませんので,「自分のルーツ国ではなく日本で日本人として暮らす」と決めた方が行うのが帰化申請手続きです。 日本に在留する「台湾人」の方の中には,「永住ビザ」を取得して「台湾人として」日本で暮らすことを目指す方もおられるでしょう。 帰化手続きは「永住ビザ」取得とは全く別の手続きです。 窓口もビザ取得を管轄する出入国在留管理庁ではなく,各地の法務局・支局です。 2.日本に滞在する台湾の方の人数 台湾には親日の方も多く,旅行先として選んだり,ワーキングホリデーを使うなどして日本に来る方は多いです。 日本に在留する外国人の国籍別では,おおむね上位8~10位をキープしています。 ことに都道府県別では,私たち行政書士法人第一綜合事務所のオフィスがある東京在住の方がダントツで多いです。 現在,日本に滞在する台湾の方はどれくらいいるのでしょうか。 日本の法務省の外局である「出入局在留管理庁」が公表している,2022年6月末の日本在留の「台湾人」の数は5万4213人でした。 この数はあくまで,日本での「在留カード」などを持っている「台湾人」方の人数です。 先に書いた通り,「祖父母や両親や親族がすでに日本に住んでおり,日本人になると決意して帰化した」人たちもいます。 「台湾ルーツ」を持つ日本人も含めると,この人数の倍以上はおられるのではないかと思います。 日本と台湾は正式な国交はありませんが,民間・経済活動のレベルで交流を深めようと,2009年に「台日特別パートナーシップ」が始まりました。 2012年の在留「台湾人」は2万2千人台でしたが,その後増加し続け,2019年には6万4773人にのぼりました。 ところが,この2019年に新型コロナウィルス感染症が発生しました。 台湾では抑え込みのため,厳しい渡航制限対策をとったことも影響したのか,2021年には5万1千人台まで減少しました。 現在は,台日両方で渡航制限が緩和される傾向にあり,上記のように2022年からは再び増加傾向にあります。 3.帰化申請の一般的な条件 日本への帰化とは,外国籍の方が「日本人になる」「日本人の身分を得る」ことです。 「その人を『日本人』として受け入れるか」にはいくつかの条件があります。 帰化申請を審査する日本国政府(法務局)の立場に立って考えると分かりやすいと思います。あなたが審査するとしたら,どんな外国人に日本人になってもらいたいでしょう? その人は何年くらい日本に住んでいるの?(住所条件)。 日本で犯罪は犯していないよね?(素行条件)。 その人はこの先日本でお金を稼ぎ,生活して行けるの?(生計条件)などが代表的な条件です。 その他に条件ついては,以下のページで詳しく解説しています。 帰化申請 条件 はコチラ 4.台湾人の帰化申請は「台湾戸籍」に注意 台湾の方に限らず,日本に帰化するためには申請者の身分関係(例えばいつどこで生まれたか,両親は誰かなど)を特定し,日本の戸籍に記載する必要があります。 このため,通常の外国人の帰化申請手続きでは,本国が発行する国籍証明書や出生証明書,死亡証明書,結婚証明書など,いろんな書類を集めなければなりません。 その点,台湾の場合は,日本の統治時代(1895年~1945年)の名残として世界でも珍しく戸籍制度が存在します。 ですから,他の外国人であれば別々に集めなければならない各種証明書の代わりに,「戸籍謄本(以下「台湾戸籍」といいます。)」を提出すれば足ります。 この台湾戸籍ですが,2つの特徴があります。 この2つの特徴を理解しないまま書類取得を進める,何度も戸籍謄本などの書類を取り直すことになりかねません。 台湾戸籍の取得のために注意しなければならない点を挙げます。…

香港の方が帰化申請するには?

1.帰化申請とは 日本への帰化申請とは,簡単に言えば「外国人が日本人になる(日本国籍を取得する)」ための手続きです。 帰化すれば日本の戸籍を持ち,ビザの更新なく日本に住み続けられます。 また,日本のパスポートを所有し,日本人として海外へ渡航することができます。 しかし,それは同時に母国の国籍を喪失することを意味します。 なぜなら,日本が二重国籍を認めていない関係上,日本国籍を得た際には,母国の国籍を持っておく事はできないからです。 2.日本に滞在する香港の方の人数 日本に在留する香港の方の人数は何人か? 法務省は「在留外国人統計」で日本に在留する外国人の国籍別の人数を公表しています。 ただ,2012年7月に外国人登録制度が廃止され,外国人登録証から在留カードでの管理に統一されたために,現在では「中国国籍(香港含む)」の人は何人という形で公表されています。 そのため,いま,日本に在留する「香港人」が何人かということは,残念ながら公表はされていないのです。 かつては,法務省民事局が「中国」のうち「本籍地(出身地)別」の外国人登録者数を発表していました。 それによると,中国国籍を持つ人のうち,香港出身者は1990年代には1900人前後でしたが,2006年には3256人に。 2010年には4196人と,20年間で2倍強に増えています。 もちろんこれは中国国籍のうち「本籍が香港」の方に限っての数字ですので、実際にはより多くの「香港人」の方が日本に在留していたと考えられます。 日本政府観光局によると,2022年の訪日観光客数は,香港は中国・台湾・韓国に次いで第4位の約18万人強。 リピーターも多く,香港の方の日本への興味・関心は強いです。 冒頭に述べたように,香港を巡る厳しい政治情勢を体感し,「香港にとどまるか,海外に脱出するか」悩む方も少なくないと考えられます。 今後,日本政府の対応いかんでは,香港から日本に来る方,そして日本へ移住する方は増加する可能性があると考えられます。 3.帰化申請の一般的な条件 香港に限らず,外国籍の方が日本に帰化するにはいくつかの条件があります。 帰化申請の前に,自分が帰化の条件を満たしているかを知っておきましょう。 帰化の条件を要約すると,国籍法に基づく7つの要件を満たしているかという条件です。 >>帰化申請 条件 はコチラ すでに日本に何年以上住んで居るとか,ある程度日本語ができるかとか,日本で生計を維持するに足る収入があるか――など。 あるいは「日本政府として,あなたを日本人にしてよいかどうか」を問う条件。 また,交通違反などの犯罪を犯していないか? 日本国民として納税しているか?――などを問う条件があげられます。 4.香港の方の帰化申請の流れ 香港の方の帰化申請手続きの流れは,おおむね以下のようになります。 以上がおおまかな帰化申請手続きの流れです。 帰化手続きは提出・作成する書類が多く,何度も法務局や国内外の役所に足を運ぶ必要もあります。 何度も法務局や役所に行くのは面倒,確実に日本国籍を取得したいとお考えの方は,帰化専門の国際行政書士に相談するのも一つの方法です。 5.香港の方の帰化申請に必要となる書類 香港の方が日本への帰化申請をする場合,様々な書類を集める必要があります。 香港の方の帰化申請に限らず,帰化に必要な書類はその人の家族構成や仕事(収入源)によって異なります。 一般的に外国人の帰化申請に提出が必要な書類は, 国籍証明書…

永住ビザの申請代行でおすすめの行政書士とは?

1.永住ビザを依頼するなら,こんな行政書士がおすすめです! 永住ビザを行政書士に依頼する際の決め手として,「料金」と考える方も多いのではないでしょうか? しかし,一言に「料金」と言っても,サービス内容により安いか高いかという判断は全く異なります。 なぜなら,行政書士に同じ永住ビザの依頼をしても,事務所によっては役所での書類は自分で集める必要があったり,追加資料が発生する度に追加料金が発生したりと,サービス内容が同じではないからです。 そのため,サービスが良く依頼者の負担が少ない行政書士と,サービスが悪く依頼者の負担が多い行政書士を「料金」だけで単純比較することはおすすめできません。 また,永住ビザの申請は,行政書士が案件をお受けしてから結果が出るまで,おおよそ半年くらいの時間を要します。 そのため,行政書士選びに失敗すれば,長期間のストレスを抱えることになり,最悪のケースでは,コミュニケーションがうまくいかず不許可という憂い目を見ることになってしまいます。 そこで本チャプターでは,永住ビザの申請代行でおすすめの行政書士を同業者目線で記載しています。 ぜひ,永住ビザの申請を行政書士へ依頼する際の参考にしてください。 1-1.永住ビザの申請実績が十分にある行政書士がおすすめ 永住ビザの許可率を紹介します。 年によりばらつきはありますが,直近5年間(2017年~2021年)の許可率は,平均すれば約54.8%です。 思っていたよりも厳しいと感じる方が多いのではないでしょうか。 実は,そう感じるのは自然なことと言えます。 その前の5年間(2012年~2016年)の許可率は,平均すれば約69.9%であり,以前よりも許可率が下がっているためです。 このように,入管の審査は不変のものではありませんので,その時々の入管の審査の傾向を正確に把握することが,永住ビザの申請においては極めて重要です。 もっとも,入管に問い合わせをすれば,審査の傾向が分かるという訳ではありません。 入管の審査の傾向は,永住ビザの申請の“経験”から判断するほかないのです。 その意味において,永住ビザの申請代行においては,国際業務を専門としていることは当然のこと,永住ビザの申請代行の実績が十分にある行政書士をおすすめします。 1-2.役割が明確な行政書士がおすすめ 永住ビザ申請に限った話ではありませんが,行政書士がどこまで対応してくれるのか,依頼者は何をしなければならないのか,この点を依頼時に明確にしてくれない行政書士は,おすすめしません。 行政書士に依頼する方のニーズは様々で,申請書類の作成が難しいから依頼するという方のみならず,仕事や家事で忙しいから依頼する方もたくさんいらっしゃいます。 「忙しいから依頼したのに,あれもこれも自分でしないとダメなの?」と後悔することのないように,行政書士に依頼する前に,依頼した場合に自分が何をする必要があるかを確認していただくことをおすすめします。 1-3.永住ビザの申請に必要な公文書の収集をしてくれる行政書士がおすすめ 永住ビザ申請に必要となる公文書の収集は,手間がかかるものです。 特に,日頃このような書類収集をしたことがない一般の方にとっては,ご負担は大きくなります。 なぜなら,永住ビザ申請に添付する書類は,一つの役所のみで書類収集ができるわけではなく,市区町村役場,税務署,年金事務所など,実に多くの役所において公文書を取得する必要があるからです。 しかし,永住ビザ申請を行政書士に依頼した場合でも,“書類収集はお客様で!”という行政書士事務所もあります。 その分だけ報酬が極端に安いのであれば,少しでも費用を抑えたいという方には良いかもしれません。 一方で,公文書は行政書士が取得してくれると思っていた場合や,公文書取得の大変さを理解していない場合には,想定外の労力が掛かってしまいます。 そのため,行政書士に永住ビザの申請を依頼する場合には,公文書の取得は誰がするのか明確にしておく事をおすすめします。 個人的には,せっかく行政書士に依頼するのであれば,公文書の収集代行もしてくれる行政書士を良いと思います。 1-4.ネガティブ要素をフォローする説明書の作成をしてくれる行政書士がおすすめ 永住ビザ申請においては,年収や出国歴などの審査ポイントがたくさんあります。 永住ビザ 要件 はコチラ 永住審査ポイントについてネガティブな要素があったとしても,それを補う資料や説明書を付ければ,永住ビザを取得できるケースがあります。 他方で,永住審査ポイントについて,ネガティブな要素があるにも関わらず,その点をフォローしないで永住ビザ申請を行うと不許可の可能性は高くなります。 そのため,永住ビザの申請前には,ネガティブな要素の検証が必要になります。…

ベトナム人の帰化申請

1.ベトナム人が帰化申請するとは? ベトナム人が帰化申請するとは,ベトナム国籍の方が,本人の希望によって,日本の国籍を取得して『日本国民』になることを言います。 帰化をすれば,日本で戸籍を持ち,参政権を持ち,ビザの更新なくずっと日本に住み続けられる等,「日本人」としての権利を得られます。 簡単に言えば「日本人」としての身分を得るのです。 もちろん「日本人になる」ための審査は,無条件に誰にでも許可されるものではありません。「この人は『日本人』になる条件を満たしているか,この先ずっと『日本人』として,日本国民たる義務を果たし,日本で暮らして行く気があるのか」など,いろんな点での審査が日本政府(法務省)によって行われます。 また,日本は二重国籍(二つの国どちらにも国籍があること)を認めていませんから,ベトナム人の方が帰化(日本国籍を取得)するためには,ベトナム国籍の喪失手続きが必要になります。 2.日本に滞在するベトナム人の数 日本の法務省の外局である「出入局在留管理局」が公表している,2022年6月末の日本在留ベトナム人は47万6000人強です。 この数は2020年に初めて韓国人を抜いて以来,1位の中国に次いで2番目の多さです。 引用元:出入国在留管理局:国籍・地域別在留外国人の推移 日本に在留するベトナム人の数は,2012年には5万2000人強でした。 しかし,ここ10年で大幅に増加しています。 新型コロナウィルス感染症の影響で2021年には減少に転じましたが,2022年には再び増加に転じ,47万人に伸びています。 それに伴い,日本国籍への帰化を申請するベトナム人の数も増えているようです。 これは法務省が帰化申請を「許可した」外国人の数ですが,2019年から2021年まででベトナム人は①韓国・朝鮮②中国③ブラジルに次いで第4位。 2019年は264人,2020年は301人,2021年は269人です。 国籍別帰化許可者数 2019年 2020年 2021年 1 韓国・朝鮮 4360 韓国・朝鮮 4113 韓国・朝鮮 3564 2 中国 2374 中国 2881 中国 2526 3 ブラジル 383 ブラジル 409 ブラジル…

東京で帰化申請を失敗しないためのコツ

1.帰化申請とは 帰化申請とは,ある国の国籍を持つ方が日本の国籍を取得するために行う手続きのことです。 帰化しようとする人が15歳以上なら本人が,15歳未満なら親権者や法定代理人が,各地の法務局に出頭して行います。 帰化すれば,日本で戸籍を持ち,参政権を持ち,ビザの更新なくずっと日本に住み続けられる等,日本人としての権利を得ることができます。 帰化申請と間違われやすいのが永住ビザです。 永住ビザは「外国人として」日本に住み続けるための手続きですので,帰化申請は永住ビザの取得とは全く別の手続きです。 永住ビザと比べて帰化申請は,必要書類も多く,審査期間も長いのが特徴です。 また,帰化申請が許可されると日本国籍を取得することになるため,申請される方の書類のみならず,ご家族や同居人の書類も必要になってきます。 2.帰化申請の条件 上記のように,帰化することで得られる権利・利益は簡単に言えば「日本人」としての身分を得ることです。 しかし帰化申請をすれば,誰にでも無条件に「日本人」としての身分が付与されるものではありません。 外国籍の方が「日本人」としての身分を取得するには,いくつかの条件があります。 何年以上は日本に住んでいないと帰化が認められない住所要件や,犯罪行為などを行っていないという素行要件,そして日本で生活できるだけの経済的資力があるか問われる生計要件などが代表的な要件です。 その他の条件については,以下からご確認ください。 帰化申請の条件 はコチラ 3.東京に住んでいる外国人の推移 東京都によると2022年10月1日現在の外国人人口は56万9979人です。 この人数は,東京都総務局統計部が公表している住民基本台帳上の人口となっています。 1980年には9万人台だった東京都の外国人の人口は増加の一途をたどり,近年では常時50万人を超えています。 2011年の東日本大震災,2020年の新型コロナウィルス感染症の世界的な拡大など,外国人が日本を離れる,もしくは日本に入国しづらい事情があった影響で,一時的に減少に転じることはありました。 しかし,2022年に限っても4月1日の51万3057人から10月には56万人台と増加に転じています。 今後も東京に住む外国人は,増加することが見込まれます。 次に,東京都にはどのような国籍の外国人が多いのか見てみましょう。 最も多いのは中国(約22万5000人)。 次いで,韓国(約8万5700人),ベトナム(3万6700人)の順です。 他にフィリピン,ネパール,台湾,アメリカなどの国も多く住んでいます。 東京の住む外国人を地域別に見ると,東京23区のトップは新宿区で3万9514人。 区の人口の一割強が外国人ということになります。 4.東京在住の方が帰化申請を提出する法務局はどこ? 帰化申請の窓口は出入国在留管理局ではなく,各地の法務局です。 東京在住の方に注意が必要なのは,「お住まいの近くの法務局すべてで帰化申請を取り扱っているわけではない」ということです。 東京で帰化申請を取り扱っているのは,以下の4か所です。 東京法務局(本庁)国籍課(TEL:03-5213-1347) 東京法務局八王子支局(TEL:042-631-1377) 東京法務局府中支局(TEL:042-335-4753) 東京法務局西多摩支局(TEL:042-551-0360) 基本的に,帰化申請する人の住所地を管轄する法務局・支局で手続きをすることが必要です。 職場の近くなどにしたいからといって,帰化申請の書面を提出する法務局を自分で選ぶことはできません。 (引用:…

介護分野の特定技能ビザの活用方法

1. 特定技能の介護とは? 特定技能ビザは12分野において取得が認められており,特に介護は政府が最も特定技能ビザ取得を推進している分野のひとつです。 従来ある介護分野での就労が可能な「技能実習」や「EPA」と違い,特定技能では転職が可能であり,介護技能評価試験などに合格することで特定技能ビザを取得できます。 そのため,他分野で就労していた元技能実習生などが試験に合格をして,介護職に転職するケースも見られるようになりました。 今後も介護分野の特定技能ビザは高いニーズがあると予想されます。 2.介護分野での特定技能ビザ取得状況 特定技能ビザが施行された2019年に,日本政府は今後5年間で,約6万人の外国人を介護分野の特定技能ビザで受入れすると発表しており,12分野の中で介護分野が最多です。 しかし,2022年6月末に入管庁から公表された数字を見ると,特定技能外国人の介護分野での受入れ人数は約1万人に留まっています。 新型コロナウイルス感染症の影響などで,直近では介護分野の特定技能外国人の数は予想を下回るペースで推移しておりましたが,日本の生産年齢人口の減少を考慮すると,介護分野での特定技能ビザが今後増加していくことは間違いありません。 3.介護分野の特定技能ビザ取得要件 介護分野で特定技能ビザを取得するには,特定技能ビザを希望する外国人と受入れ機関のそれぞれが満たさなければならない要件があります。 3-1.外国人の主な要件 介護分野で特定技能ビザを取得するために外国人が満たすべき要件を紹介します。 ➀技能実習2号を良好に修了 介護分野において技能実習を2年10ヶ月以上修了した外国人については,技能実習2号を良好に修了した外国人として,介護分野の特定技能ビザ申請をすることができます。 技能実習を2年10ヶ月以上修了した上で,介護技能実習評価試験の専門級(実技試験のみ可)の合格証明書を特定技能ビザ申請の際に提出すると,技能実習2号を良好に修了したとみなされます。 仮に,介護技能実習評価試験の専門級に合格できなかった場合でも,技能実習中の実習評価について,受入れ機関と監理団体に評価調書を発行してもらうことで,技能実習2号を良好に修了したとみなされます。 ②技能試験と日本語試験に合格 介護技能評価試験,介護日本語評価試験,および日本語能力検定N4以上に合格(国際交流基金日本語基礎テスト合格を含む)することで,介護分野の特定技能ビザ申請をすることができます。 特に,介護分野では,日本語能力検定N4以上に加えて「介護日本語評価試験」の受験も必須である点は,他分野と異なるため注意が必要です。 そのため,既に他職種の「技能実習2号を良好に修了者」が介護分野で特定技能ビザを取得するためには,「介護技能評価試験」と「介護日本語評価試験」の合格が必要となります。 介護分野での最新の試験情報については,【特定技能ビザの試験内容】全12分野の解説もご確認ください。 ③介護福祉士養成施設を修了 介護福祉士養成施設を修了した場合でも,介護分野の特定技能ビザ申請をすることができます。 介護福祉施設に通う期間については,入学前の学歴によっても期間が変わります。 ④EPA介護福祉士候補者として在留期間(4年間)満了 EPA介護福祉士候補者として在留期間を満了した場合には,介護分野の特定技能ビザ申請をすることができます。 在留期間の満了をしていない場合でも,EPA介護福祉士候補者として就労・研修を3年10ヶ月以上修了し,直近の介護福祉士試験の結果で5割以上の点数をとることができれば,介護分野の特定技能ビザ申請が可能です。 ただし,EPA介護福祉士候補者は,フィリピン,インドネシア,ベトナムと日本が締結している経済連携協定に基づいて日本の介護施設で就労・研修をしながら介護福祉士の資格を目指す制度であるため,上記3ヶ国の外国人のみが該当します。 3-2.受入れ機関の主な要件 介護分野で特定技能ビザの外国人を雇用したい機関は,主に下記の受入れ要件を満たす必要があります。 ①介護の特定技能協議会への加入 初めて介護分野で特定技能外国人を受入れ後,4ヶ月以内に介護分野の特定技能協議会へ加入する必要があります。 介護分野の特定技能協議会は,厚生労働省が運営しており厚生労働省のホームページの案内に従い,加入手続きを行う必要があります。 加入手続きの主な流れは次のとおりです。…