COLUMN

コラム

帰化申請の法務局の管轄について

1.帰化申請ができる法務局について 帰化申請の申請先は,法務省のホームページでは下記のように示されています。 「申請をしようとする者の住所地を管轄する法務局又は地方法務局」 法務局には国籍課という部署があり,帰化申請は,現在お住まいの地域を管轄する法務局の国籍課へ申請するのが原則になります。 しかし,法務局によっては,国籍課が無く,帰化申請を取り扱っていないところがあります。 下記において,関西2府4県+三重県の帰化申請にかかる法務局管轄をご案内いたします。 なお,管轄法務局は行政施策により変動することがございますので,ご自身で帰化申請を行う際は,事前に法務局へお問い合わせいただきますようお願いいたします。 2.関西2府4県+三重県の法務局管轄表 大阪府 法務局 管轄地域 大阪法務局本局 大阪市(全区),枚方市,寝屋川市,交野市,守口市,門真市,大東市,池田市,豊中市,箕面市,豊能郡(豊能町,能勢町) 北大阪支局 吹田市,高槻市,茨木市,摂津市,三島郡島本町 東大阪支局 東大阪市,四條畷市,八尾市,柏原市 堺支局 堺市,松原市,高石市,大阪狭山市 富田林支局 富田林市,河内長野市,羽曳野市,藤井寺市南河内郡(太子町,河南町,千早赤阪村) 岸和田支局 岸和田市,泉大津市,貝塚市,泉佐野市,和泉市,泉南市,阪南市,泉北郡忠岡町,泉南郡(熊取町,田尻町,岬町) 兵庫県 法務局 管轄地域 神戸地方法務局本局 神戸市(全区) (*洲本市,淡路市,南あわじ市) 西宮支局 西宮市,芦屋市 伊丹支局 伊丹市,川西市,川辺郡猪名川町,宝塚市,三田市,丹波市,丹波篠山市 尼崎支局 尼崎市 明石支局 明石市,三木市,(*洲本市,淡路市,南あわじ市) 姫路支局 姫路市,神崎郡(神河町,市川町,福崎町),(*西脇市,加西市,小野市,加東市,多可郡(多可町)) たつの市,宍粟市,相生市,赤穂市,揖保郡(太子町),佐用郡(佐用町),赤穂郡(上郡町),豊岡市,美方郡(香美町,新温泉町),養父市,朝来市…

【解決事例】同性婚の在留資格との関係について

1.入管法上の配偶者の意義 日本民法は,男性と女性との共同体形成を法律上の婚姻と定義づけており,同性同士の関係を婚姻とは認めていません。したがって,同性婚は日本では法的に有効な婚姻とはされません。 この点,入管法には婚姻関係を基にした在留資格が規定されており,「日本人の配偶者等」,「永住者の配偶者等」,「家族滞在」,「定住者」が外国人配偶者の在留資格として存在します。平成25年10月18日管在5357号によると,入管法にいう配偶者の意義は日本民法を準拠法として解釈されており,同性婚のパートナーは「配偶者」としてこれらの在留資格を取得することはできないとされています。 2.同性配偶者の在留資格 もっとも,上記の通達は,人道的観点から,外国人同士の同性婚については,当該外国人当事者の各本国において有効に成立している場合は,本体者に在留資格があれば,その同性配偶者に告示外の「特定活動」への在留資格変更を許可するとしています。 日本の入管制度は,あらかじめ法律で定めた類型(在留資格)に該当する外国人だけを,日本での在留を認めるという制度(在留資格制度)を採用しています。しかし,日本での在留を認めるべき外国人のすべてを,あらかじめ類型化するのは現実的には不可能です。 そこで,入管法は,個々の外国人の事情に鑑みて個別救済を図るために,「特定活動」という在留資格を設けています。「特定活動」の在留資格は,法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動と規定されており,あらかじめ告示で定められている告示特定活動と,告示では定められていない告示外特定活動に分かれます。 上記の通達は,同性配偶者に告示外特定活動の在留資格を認めるという画期的な判断と言えるものでした。 3.同性配偶者の特定活動ビザの要件 告示外特定活動の在留資格は,法律上も告示でも規定されていないため,その許可要件は明確ではありません。もっとも,在留資格一般に言える要件として,①在留の必要性と②在留の許容性が求められます。 これを踏まえて上記の通達を紐解くと,以下の要件が求められていると解釈できます。 ①外国人同士の婚姻が各本国法上,有効な婚姻として認められていること(在留の必要性) ②本邦で婚姻生活を送るに足る生計基盤を有すること(在留の許容性) ①は,婚姻当事者の各本国法で有効に同性婚が成立していることが求められます。同棲しているものの婚姻はしていないという内縁関係は事実上の関係に過ぎませんので,特定活動の在留資格との関係では保護されていません。 また,本邦で共同生活を送ることをその活動内容としていますので,単に同性婚として法律上認められているだけでは足りず,実体のある関係性であることが求められます。二人の交際に至る経緯や,親族との交流状況,婚姻に至るまでの経緯等の具体的な証明が求められる点は,「日本人の配偶者等」などの在留資格と異なるところではありません。 ②も,「日本人の配偶者等」などの在留資格と同様に,日本で婚姻生活を送るに足りる収入や資産があることが求められます。基本的には日本で居住するパートナーの年収を示すことで足りますが,同棲生活を維持できないほどに収入が低い場合には,申請人の海外資産等で証明するケースもあります。 4.まとめ 平成25年10月18日管在5357号は,同性婚パートナーに在留資格を認めた点で性的マイノリティの方にとっては大きな一歩といえる通達でした。しかし,上記通達は外国人同士の同性婚パートナーの在留資格を認めたにとどまり,日本人と外国人との同性婚は射程外です。日本人と外国人の同性婚については,日本民法が異性間の法律婚のみを認めている関係から,解釈が分かれるところでしょう。 もっとも,従来から判例法理によって内縁関係は保護されており,そこに同性・異性の区別はありません。同居という事実関係の形成という点では,異性間の法律婚の尊重という日本民法の建前と反するものではなく,日本人と外国人の同性婚についても在留資格制度上も保護に値すべきものです。 基本的人権の尊重は,入管法も目的として規定しているところであり,マイノリティの人権擁護に関する問題は早急に検討すべきでしょう。日本ではまだまだ同性婚の議論が欧米ほど進展していませんが,近い将来,国民的に議論すべきものと考えます。…

【解決事例】医療滞在のための特定活動ビザ

1.特定活動告示 日本の入管制度は,あらかじめ法律で定めた類型(在留資格)に該当する外国人だけを,日本での在留を認めるという制度を採用しています。しかし,日本での在留を認めるべき外国人のすべてを,あらかじめ類型化するのは現実的には不可能です。そこで入管法は,個々の外国人の事情に鑑みて個別救済を図るために,「特定活動」という在留資格を設けています。 特定活動の在留資格は,その活動内容が「法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動」と規定されており,入管法は法務大臣の指定に委ねています。これを受けて,法務大臣は特定活動ビザで許される活動内容がいくつか告示という方式で指定しています(特定活動告示)。 医療滞在のための特定活動ビザも特定活動告示に挙げられており,以下のように規定されています。 (参考)特定活動告示25号 「本邦に相当期間滞在して,病院又は診療所に入院し疾病又は傷害について医療を受ける活動および当該入院の前後に当該疾病又は傷害について継続して医療を受ける活動」 では,次項で医療滞在のための特定活動ビザの要件を見ていきましょう。 2.医療滞在のための特定活動ビザの要件 医療滞在のための特定活動ビザの要件は,大きく分けると4つに分解できます。 ①本邦での活動が「病院又は診療所に入院し疾病又は傷害について医療を受ける活動」および「当該入院の前後に当該疾病又は傷害について継続して医療を受ける活動」であること 対象になる活動は,病院又は診療所に入院して医療を受ける活動です。そのため,ホテルや知人宅に滞在して,病院に通院するだけでは,特定活動ビザは許可されません。 もっとも,相当期間入院した後に,継続治療のために退院後も通院を続ける場合には,この退院後の医療を受ける活動も含まれています。「継続して医療を受ける活動」とは,入院前・入院中・退院後の一連の医療が連続的・継続的に行われることを意味し,医療の連続性が要求されます。例えば,抗がん剤治療のために入院していたケースで,退院後も予後観察のために通院する場合には医療の連続性がありますが,全く関係のない事故で傷害を負って治療を受ける場合には医療の連続性は否定されるでしょう。 なお,「疾病又は傷害」には,出産も含まれます。そのため,外国人が日本で出産する場合にも,(他の在留資格に該当しない場合には)医療滞在のための特定活動ビザも検討対象になるでしょう。 ②「本邦に相当期間滞在」すること 「相当期間」とは90日を超える期間を意味します。医師の診断書から,日本での治療に要する期間が判断されます。 90日以内に治療を終える場合には,「短期滞在」の在留資格が当てはまります。 ③日本での滞在費用および治療費を支弁する能力を有すること 医療滞在の特定活動ビザで滞在する外国人は,国民健康保険に加入することができません。医療滞在の特定活動ビザは,あくまで医療のために一時的に日本に滞在することを目的とするものであって,日本に居住することを目的としていないためです。公的医療保険は居住国で賄うべきというのが,日本の医療保険制度の建前です。 国民健康保険に加入することができないため,医療費は自己負担になります。医療費の他に,退院後の滞在費を含め,日本に滞在する間に必要な一切の費用を支弁できる能力がなければなりません。この点,外国人本人に貯蓄等がない場合でも,親族が滞在費等を負担できるのであれば,それも滞在費の支弁能力に含まれます。一般的には民間医療保険に加入することが多いでしょう。 3.医療滞在同伴者のための特定活動ビザ Aさんの母親のように,医療を受ける方の付き添いをする外国人も,特定活動告示に規定されています。 (参照)特定活動告示26条 「前号に掲げる活動を指定されて在留する者の日常生活上の世話をする活動(収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を除く。)」 「日常生活上の世話をする活動」とは,入院中の身の回りの世話や,入院の前後における病院への送迎,付き添い等を意味します。対象となる方は,治療を受ける方の親族に限られませんが,親族以外の方が申請する場合には,活動内容との信憑性の観点から,治療を受ける方との関係性が慎重に審査されます。 なお,カッコ書きにあるように,報酬を受けて付添いをすることは資格外活動になりますので,家政婦さんは対象にはなりません。 4.医療滞在のための特定活動ビザの必要書類 医療滞在のための特定活動ビザを申請するには,以下の書類が必要になります。 ①申請書(在留資格認定証明書交付申請書または在留資格変更許可申請書) ②日本の病院等が発行した受入れ証明書 ③在留中の活動予定を説明する資料 (1)入院先の病院等に関する資料(パンフレット,案内等) (2)治療予定表 (3)入院前あるいは退院後の滞在先を明らかにする資料 ④次のいずれかで,滞在に必要な一切の費用を支弁できることを証する資料 (1)病院等への前払金,預託金等の支払済み証明書 (2)民間医療保険の加入証書及び約款の写し(加入している医療保険等により,治療等に要する経費を支弁することが立証されるもの) (3)預金残高証明書 (4)スポンサーや支援団体等による支払保証書 日本の病院等が発行した受入れ証明書が必要になりますので,海外で受診している医療機関が日本の医療機関との連携がない場合には,短期滞在ビザで来日して日本の病院で受診し,その後に在留資格変更許可申請を申請する方法が考えられます。 また,付添人の申請には,以下の書類が必要になります。…

【事例解決】入管へのビザ申請の管轄とは?

1.全国の入管官署 入管の組織は,大きな区分として,全国8か所(札幌,仙台,東京,名古屋,大阪,広島,高松,福岡)に地方支局が設置されています。更に,特に外国人の出入国数が多い4つの主要空港と,横浜・神戸・那覇に計7つの支局が地方分局管下に置かれています。 ・札幌出入国在留管理局 ・仙台出入国在留管理局 ・東京出入国在留管理局 ・成田空港支局 ・羽田空港支局 ・横浜支局 ・名古屋出入国在留管理局 ・中部空港支局 ・大阪出入国在留管理局 ・関西空港支局 ・神戸支局 ・広島出入国在留管理局 ・高松出入国在留管理局 ・福岡出入国在留管理局 ・那覇支局 さらに全国で61箇所の出張所が設けられており,各都道府県に1つから5つの出張所が存在します。出張所はその設置された都道府県内を管轄していますが,それに加えて隣接の都府県を管轄に加えているところもあり,そのような場合には都府県をまたいだ出張所に申請をすることもできます。 このように,地方分局,支局,出張所が重畳的に管轄しており,管轄があれば地方分局にも支局にも出張所にも提出することができます。 2.入管の管轄のルール 在留資格に関する申請や届出は,地方出入国在留管理局に提出することになっており,管轄のある地方支局・分局・出張所に申請する必要があります。 実は管轄に関するルール(どこの官署に申請すべきか)は,入管法には規定されていません。審査要領に記載があるのですが,簡単にまとめると以下の地を管轄する地方分局,支局または出張所が申請を受け付ける管轄官署になります(空港支局では航空会社職員の申請のみを受付)。 在留諸申請の場合 → 申請人の住居地(住居地がない場合は宿泊先等の所在地) 在留資格認定証明書交付申請の場合 ①申請人本人が申請する場合 → 申請人の所在地 ②代理人が申請する場合 → 在留資格によって,所属機関の所在地や代理人となる親族の住居地 3.事例のあてはめ AさんはBさんの在留資格認定証明書を代理人として(Bさんの親族として)申請する予定ですので,Aさんの住居地を基準に管轄が決定されます。 Aさん夫婦は来日後,東京都内で生活する予定ですが,管轄は申請時の地点で決定されます。したがって,申請時点でのAさんの住所地である滋賀県が管轄決定の基準地になります。 滋賀県は,大阪出入国在留管理局が地方分局として管轄していますので,大阪入管に申請を提出することができます。 また,大津出張所が滋賀県内を管轄していますので,大津出張所にも提出することができます。 更に,隣接する京都府の京都出張所が滋賀県を管轄にしていますので,京都出張所にも申請をすることができます。 このように,Aさんは大阪入管,大津出張所,京都出張所の3つの官署のいずれにも申請を提出することができます。 4.まとめ…

申請代理人の範囲について

1.ビザ申請は本人出頭が原則!? 外国人が在留資格に関する諸申請を行う場合は,申請人となる外国人本人が,地方出入国在留管理局に出頭して申請するのが原則とされています。これを本人出頭原則と言います。 (参考)入管法61条の9の3第1項 外国人が次の各号に掲げる行為をするときは,それぞれ当該各号に定める場所に自ら出頭して行わなければならない。 (各号省略) すなわち,在留資格に関する申請を行うには,申請人である外国人本人が自ら入管に出向いてビザ申請をしなければなりません。しかし,この原則を貫くと,不合理なケースもあります。そこで,本人出頭原則の例外として,申請代理人制度が入管法に規定されています。 申請人となる外国人が日本にいる場合の申請(在留申請)と,海外から日本に入国するために行う申請(在留資格認定証明書交付申請)とでは,申請代理人の範囲が異なるため,以下ではそれぞれの申請に分けて解説します。 2.【事例1】在留申請の代理人の範囲 申請人となる外国人が日本にいる場合の申請(在留資格変更許可申請,在留期間更新許可申請,在留資格取得許可申請,永住許可申請等)では,申請人の法定代理人が申請代理人になることができます。法定代理人には,未成年者の親権者や成年後見人などが該当します。 (参考)入管法入管法61条の9の3第4項 第一項第三号に掲げる行為については,外国人の法定代理人が当該外国人に代わつてする場合その他法務省令で定める場合には,同項の規定にかかわらず,当該外国人が自ら出頭してこれを行うことを要しない。 その他に,法務省令(入管法施行規則59条の6第3項)には,疾病その他やむを得ない事情で申請人本人が出頭することができないと地方出入国在留管理局長が認める場合には,申請人の「親族又は同居者若しくはこれに準ずる者」が申請代理人になることもできると規定されています。この場合には,診断書等の出頭ができない理由を証明する資料を提出しなければなりません。 【事例1】のXちゃんのケースでは,Xちゃんは未成年ですので,親権者であるAさんとBさんがXちゃんの法定代理人です。したがって,AさんBさんいずれもXちゃんの在留期間更新許可申請の申請代理人になることができます。つまり,Xちゃんが入管に行かなくても,Aさん若しくはBさんが代わりに入管に行って申請を行うことができます。 3.【事例2】在留資格認定証明書交付申請の代理人の範囲 在留資格認定証明書交付申請は,海外にいる外国人が日本に入国するために行う申請手続きですので,申請人である外国人本人が日本にある入管に出頭して申請することはあまりありません。 入管法には,「当該外国人を受け入れようとする機関の職員その他の法務省令で定める者」が代理人として申請を行うことができると規定されています(7条の2第2項)。 これを受けて,入管法施行規則では,申請する在留資格ごとに代理人の範囲が規定されています。 (参考)入管法施行規則6条の2第3項 法第七条の二第二項に規定する代理人は,当該外国人が本邦において行おうとする別表第四の上欄に掲げる活動に応じ,それぞれ同表の下欄に掲げる者とする。 例えば,日本人の配偶者等の在留資格であれば,「本邦に居住する本人の親族」が,企業内転勤の在留資格であれば,「本人が転勤する本邦の事業所の職員」が代理人として定められています。 【事例2】のYさんのケースでは,Yさんが日本人と婚姻関係にありますので,日本人の配偶者等の在留資格で申請することができます。また,米国企業の日本支社への出向でもあることから,企業内転勤の在留資格にも該当します。いずれの在留資格で申請するかはYさんの選択によりますが,このようなケースでは,就労制限のない日本人の配偶者等の在留資格で申請する方が多いでしょう。 日本人の配偶者等の在留資格で申請する場合,代理人は「本邦に居住する本人の親族」が該当します。日本に住んでいる親族であれば,日本人でも外国人でも構いません。親族の範囲は民法725条に規定されており,6親等内の血族,配偶者,三親等内の姻族がこれに該当します。 Yさんのように夫婦で海外から移住してくるケースでは,奥様のCさんのご両親(二親等姻族)や兄弟姉妹(三親等姻族)に代理人になっていただくことが可能です。また,奥様のCさん(配偶者)も親族ですので,先にCさんが日本に帰国してYさんの在留資格認定証明書交付申請を行うこともできます。 仮に企業内転勤の在留資格で申請する場合は,「本人が転勤する本邦の事業所の職員」が申請代理人になりますので,Yさんの親族ではなく,日本支社の職員の方が申請代理人となって申請する必要があります。 4.まとめ 本ページでは,申請代理人の範囲についてご紹介しました。 行政書士に申請手続きを依頼する場合でも,申請人本人が入管に出頭して申請しない場合には,申請代理人を立てなければなりません。行政書士による申請取次と代理人の違いは,入管手続における行政書士の役割で解説していますので,そちらも併せてご参照ください。…

留学ビザを専門行政書士が徹底解説!

1.留学ビザとは? 留学ビザは,日本にある教育機関で外国人が教育を受けるために設けられたビザです。 2008年に留学生30万人計画(2020年達成目標)が政府より発表され,以来留学生の数は増加の一途をたどっています。その結果,計画よりも3年早く,2017年に留学生の数は目標の30万人に達しました。2018年末時点において留学ビザで在留する外国人は約33万7000人,日本に在留する外国人全体の12.3%を占めます。 留学ビザは,入管法には「本邦の大学,高等専門学校,高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。)もしくは特別支援学校の高等部,中学校(中等教育機関の前期課程を含む。)若しくは特別支援学校の中学部,小学校若しくは特別支援学校の小学部,専修学校若しくは各種学校又は設備及び編成に関してこれらに準ずる機関において教育を受ける活動」と規定されています。 以下では,入管法に列記されている教育機関ごとに,留学ビザの対象範囲をご説明します。 2.留学ビザが認められる学校 (1)大学 ここにいう大学には,学部の他に,大学院,短期大学,大学の別科なども含まれます。いずれも通信制の課程は対象外とされています。また,大学院を除き,専ら夜間通学によるものは対象外とされています。 大学に準ずる機関として,水産大学校や防衛大学校などの省庁大学校の一部も対象になります。 海外大学の日本分校については,学校教育法上の認可を受けている場合は留学ビザの対象になりますが,認可を受けていない場合は文化活動ビザに該当することになります。 大学・大学院の研究生・聴講生も留学ビザを取得できますが,専ら聴講による教育を受ける場合には,1週間につき10時間以上の聴講をする必要があります。 (2)高等専門学校 全国に57校ある高等専門学校(いわゆる“高専”)も留学ビザの対象になります。そのほとんどが国公立ですが,私立の高等専門学校も対象です。 (3)専修学校 専門課程(専門学校),高等課程,一般課程の3つの課程がありますが,いずれの課程も留学ビザの対象になります。 専修学校において留学ビザを取得するには,日本語要件が定められており,(5)の日本語教育機関で6ヶ月以上の日本語教育を受けたことがあるか,日本語能力の試験による証明が必要になります。試験によって証明する場合は,以下のいずれかに該当しなければなりません。 ・日本語能力試験N2以上 ・日本留学試験200点以上 ・BJTビジネス日本語能力テスト400点以上 (4)各種学校 学校教育に類する教育を行う機関として,学校教育法上の認可を受けた学校を言います。大学進学予備校やインターナショナルスクールなどが多く,当該機関が学校教育法上の認可を受けていれば留学ビザの対象になります。 インターナショナルスクールを除く各種学校において留学ビザを取得するためには,専修学校と同様に日本語要件が定められており,日本語教育機関での6ヶ月以上の学習,又は試験による日本語能力の証明が必要になります。 (5)日本語教育機関(いわゆる日本語学校) 専修学校,各種学校,または施設および編成に関して各種学校に準ずる教育機関において,専ら日本語の教育を行う場合,留学ビザを取得するには,当該教育機関が法務大臣の告示(留学告示)によって定められていなければなりません。留学告示に定められていない日本語学校では,留学ビザは取得できません。 (6)高等学校 国公立・私立を問わず留学ビザの対象になりますが,定時制や通信制の学校は対象外とされています。中等教育機関の後期課程(中高一貫校の高等部)や特別支援学校の高等部も留学ビザの対象に含まれます。 ただし,原則として,20歳以下であり,かつ,教育機関において1年以上の日本語教育を受けたことが求められます。 (7)中学校 国公立・私立を問わず留学ビザの対象になります。中等教育機関の前期課程(中高一貫校の中等部)や特別支援学校の中学部も対象になります。 原則として,17歳以下の方が対象になります。 なお,対象者が低年齢であることから,日本において監護する方がいること,生活指導を担当する常勤職員が置かれていること,日常生活を支障なく営むことができる宿泊施設が確保されていることが求められます。日本において監護する者には,本人の在日親族の他,寄宿舎の寮母さんや,ホームステイ先のホストファミリーがこれに該当します。 (8)小学校 国公立・私立を問わず留学ビザの対象になります。特別支援学校の小学部も対象になります。 原則として,14歳以下の者が対象になります。 中学校の場合と同じように,日本において監護する方がいること,生活指導を担当する常勤職員が置かれていること,日常生活を支障なく営むことができる宿泊施設が確保されていることが求められます。 3.留学ビザの審査ポイント 留学ビザの主な審査ポイントとして,活動実態と経費支弁能力の2点が挙げられます。 (1)活動実態 留学ビザに限らず,活動実態はどのビザについても審査ポイントに挙げられますが,特に留学ビザの場合は厳格に審査される傾向にあります。 留学ビザは就労資格ではありませんので,原則として就労活動ができませんが,留学中の生活費や学費を賄うために,資格外活動許可を取得すれば,週28時間以内のアルバイトが認められます。これを奇貨として,所得水準の高い日本で働くための便法として,留学ビザが悪用されている実態があります。留学ビザを取得して来日したものの,実際には授業には出席せず,アルバイトに専念し,国許の家族に給料を送金しているようなケースです。…

留学ビザから就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)に変更するための要件

1.就労ビザが許可されるための要件 留学ビザから就労ビザへの変更が許可されるためには,(1)在留資格該当性,(2)上陸許可基準適合性,(3)素行が悪くないこと,(4)入管法で定められている届出をおこなっていることが必要とされています。 上記の要件を順に見ていきましょう。 (1)在留資格該当性 就労ビザは,入管法において活動類型ごとにカテゴリーされています。例えば,『通訳』の仕事に就くなら技術・人文知識・国際業務,『料理人』の仕事に就くなら技能,『高校の先生』の仕事に就くなら教育といった具合に,どのような仕事に就くかでビザの種類は異なってきます。 一方,入管法のどのカテゴリーにも属さない仕事については,就労ビザを取得することは出来ません。 つまり,入管法のいずれかの活動類型に該当する仕事に就く場合には,在留資格該当性を有し,反対に,入管法のいずれの活動類型にも属さない仕事に就く場合には,在留資格該当性を有しないと判断することになります。 (2)上陸許可基準適合性 上陸許可基準とは,経済や国民生活に及ぼす影響を考慮して,入管政策上の観点から調整を要する外国人の活動について,(1)の在留資格該当性に加えて,法務省令において定められている要件をいいます。 具体的にいうと,学歴や職歴,また保有する資格などの要件があげられます。 (3)素行が悪くないこと 留学ビザから就労ビザへの変更が許可されるための要件の一つに,素行が悪くないことが必要とされています。 この要件について,入管は留学生の素行の良し悪しをどのように判断しているのでしょうか。 留学ビザから就労ビザへの変更の際に,マイナス評価される代表的な内容を見ていきましょう。 一つ目は,アルバイトです。 ① アルバイトの時間遵守(1週について28時間以内(教育機関の長期休業期間にあっては,1日8時間以内))はもとより,②アルバイトの内容の適正(風営法関連,留学生としての活動が妨げられるようなアルバイト),そして③アルバイトの許可(資格外活動許可といいます。)を取得していたかどうかが大きなポイントです。 留学ビザから就労ビザへ変更する際に,素行要件として在学中のアルバイト状況を入管から確認されますので,留学生の皆さんは,アルバイトの時間遵守,内容の適正,許可の取得の3点を必ず守って下さい。 企業の人事担当の方については,面接の際に,アルバイトの時間遵守,内容の適正,許可の取得の3点を確認し,想定外の不許可を防止するように努めて下さい。 二つ目は,これまでの在学状況です。 例えば,日本で専門学校を卒業し,就労ビザへの変更申請をする際,卒業はしたものの出席率が芳しくないような場合が該当します。 留学ビザから就労ビザへ変更申請をする際には,これまでの活動内容,すなわち留学生としての活動内容も審査対象となりますので,留学生の皆さんはくれぐれも注意をして下さい。 三つ目は,犯罪行為等がある場合です。 法律を遵守し日常生活を過ごしている場合には特段問題にはなりませんが,近頃は留学生が意図せず犯罪行為に巻き込まれている事例も増加しています。 例えば,自宅に居ながら荷物を受け取るだけのアルバイトや,安易に在留カードを人に貸してしまった事例では,後に思いがけないトラブルに発展するケースもあります。 留学生の皆さんは日本の法律を守って,留学生としての自覚を持って日々過ごしてください。 (4)入管法で決められた届出をおこなっていること 入管法第19条の7から第19条の13まで,第19条の15及び第19条の16に規定する届出義務を履行していることが必要とされています。 以下に,具体的に項目を列記していますので,どのようなケースで何の届出が必要なのかを理解して,入管法で定められた期間内に必ず届出をおこなうようにして下さい。 ・第19条の7(新規上陸後の住居地届出) ・第19条の8(在留資格変更等に伴う住居地届出) ・第19条の9(住居地の変更届出) ・第19条の10(住居地以外の記載事項の変更届出) ・第19条の11(在留カードの有効期限の更新) ・第19条の12(紛失等による在留カードの再交付) ・第19条の13(汚損等による在留カードの再交付) ・第19条の15(在留カードの返納) ・第19条の16(所属機関等に関する届出) 2.まとめ 本ページでは,留学ビザから就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)に変更許可されるための要件を見てきました。…

法律・会計業務ビザとは?

1.法律・会計業務ビザとは? 法律・会計業務ビザは,法律や会計業務に従事する外国人を日本へ受け入れるために設けられた就労ビザの一つです。 入管法上は,「外国法事務弁護士,外国公認会計士その他法律上資格を有する者が行うこととされている法律又は会計に係る業務に従事する活動」に就くことができると規定されています。 2.法律・会計業務ビザに該当する資格は? 法律・会計業務ビザは,法律上資格を持っている方が行う法律又は会計に係る業務とされ,資格を持っていなければ従事することができない業務が対象となります。 具体的には,下記の資格が法律・会計業務ビザの対象となります。 ①行政書士 ②外国法事務弁護士 ③外国公認会計士 ④弁護士 ⑤司法書士 ⑥土地家屋調査士 ⑦公認会計士 ⑧税理士 ⑨社会保険労務士 ⑩弁理士 ⑪海事代理士 あまり聞きなれない資格,②外国法事務弁護士,③外国公認会計士について解説します。 ②外国法事務弁護士とは,外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法に基づき,日本において一定の範囲の法律事務を行うことが出来るとされている方をいいます。 ③外国公認会計士は,公認会計士法第16条の2に基づく特例として,日本の公認会計士と同様の業務を行うことが可能とされている方をいいます。 3.法律・会計業務ビザの注意点は? 上記2で記載をした「法律上資格を有している者が行うこととされている法律又は会計に係る業務」の判断が,法律・会計業務ビザの一番のポイントです。 法律・会計業務ビザは,業務独占の資格職業者のためのビザであるため,上記以外の資格ではビザを取得できません。 ※中小企業診断士の資格,不動産鑑定士の資格は含まれていないのでご注意下さい。 また,上記の資格を有している場合でも,資格がなくても出来る業務に就く場合,例えば,弁護士資格を有する方が企業に雇用されて法律知識を活かす業務に就く場合であっても,その業務が無資格でも行える業務である場合には,法律・会計業務ビザは取得することが出来ません。 4.法律・会計業務ビザを申請する場合の必要書類 法律・会計業務ビザを申請する場合の必要書類は,以下のとおりです。 日本の法律や会計に関する資格を有していることがビザ取得の要件となっているため,必要書類は他の就労ビザと比較して簡素化されています。 (在留資格認定証明書交付申請) 〇在留資格認定証明書交付申請書 〇写真(縦4cm×横3cm) 〇パスポートのIDページコピー 〇返信用封筒(簡易書留用) 〇日本の資格を有することを証明する文書(免許書,証明書等の写し) 〇その他,審査上必要となる資料 (在留資格変更許可申請) 〇在留資格変更許可申請書 〇写真(縦4cm×横3cm) 〇パスポート及び在留カード 〇入管所定の葉書…

文化活動ビザとは?

1.文化活動ビザとは? 文化活動ビザは,日本文化の研究者,日本の伝統技能の修行者などを外国から受け入れるために設けられたビザです。収入を伴わない学術上もしくは芸術上の活動または日本特有の文化若しくは技芸について,専門的な研究を行い若しくは専門家の指導を受けて,これを修得する活動を行うことが出来ます。 2.文化活動ビザの活動内容は? 文化活動ビザは,次のいずれかの活動に該当する必要があります。 ①収入を伴わない学術上の活動 ②収入を伴わない芸術上の活動 ③我が国特有の文化又は技芸について専門的な研究を行う活動 ④我が国特有の文化又は技芸について専門家の指導を受けてこれを修得する活動 例えば,外国の大学教授,助教授,講師などで,日本で収入を得ないで研究や調査を行う場合や,生け花,茶道,柔道など日本特有の文化,技芸を専門的に研究する場合,あるいは専門家から個人指導を受ける場合などが該当します。 3.文化活動ビザの注意点は? 文化活動ビザは,就労ビザと異なり収入を得ることは出来ません。そのため,就労することなく,日本で生活することが出来る生活基盤を示すことが入管審査では重要になってきます。 他に注意すべき事項としては,他のビザとの関係についてです。 文化活動ビザの要件に該当する場合であっても,他のビザの要件に該当する場合には下記のとおりの優先劣後の関係となります。 文化活動ビザ < 留学ビザを優先 文化活動ビザ < 研修ビザを優先 4.文化活動ビザを申請する場合の必要書類 文化活動ビザを申請する場合の必要書類は,以下のとおりです。 (在留資格認定証明書交付申請) 〇在留資格認定証明書交付申請書 〇写真(縦4cm×横3cm) 〇パスポートのIDページコピー 〇返信用封筒(簡易書留用) 〇具体的な活動の内容,期間及び当該活動を行おうとする機関の概要を明らかにする資料 ・申請人又は受入れ機関が作成した日本での活動内容及びその期間を明らかにする文書 ・申請人が当該活動を行おうとする機関の概要を明らかにする資料(パンフレット等) 〇次のいずれかで,学術上又は芸術上の業績を明らかにする資料 ・関係団体からの推薦状 ・過去の活動に関する報道 ・入賞,入選等の実績 ・過去の論文,作品等の目録 ・上記に準ずる文書 〇申請人が日本に在留した場合の経費支弁能力を証する文書 〇外国人の方が,専門家の指導を受けて我が国特有の文化又は技芸を修得しようとする場合については,当該専門家の経歴及び業績を明らかにする次のいずれかの資料 ・免許等の写し ・論文,作品集等 ・履歴書…

不許可事例から見る永住ビザ申請のポイント

1.永住ビザ申請が不許可となるポイント 永住ビザを自分で申請したところ不許可になってしまったというご相談を,日頃より多くいただきます。近年は,永住審査が厳格化しており,以前と比べて永住ビザを取得するのが難しくなってきている印象です。 実際,法務省は2019年5月31日に「永住許可に関するガイドライン」を改訂し,納税の他,「公的年金及び公的医療保険の保険料の納付並びに出入国管理及び難民認定法に定める届出等の義務を適正に履行していること」という審査事項を付け加えました。 これに伴い,以前であれば永住ビザが許可されていた案件でも,不許可となってしまう方が増加しています。 また,法務省は2019年7月1日から新たな必要書類として,「源泉所得税及び復興特別所得税,申告所得税及び復興特別所得税,消費税及び地方消費税,相続税,贈与税に係る納税証明書(その3)」,「ねんきん定期便(全期間の年金記録が情報が表示されているもの)」,「国民年金保険料領収証書の写し(直近2年間において国民年金の被保険者であった場合)」等を,永住申請の際に提出を求めるようになりました。 このように,要件の厳格化・提出資料の増加もあって,今後も永住ビザの審査は厳しさを増すことが予想されます。 ここでは,実際に永住ビザが不許可になりやすい代表的な例を順に見ていきます。 (1)年収について 永住ビザ申請においては,年収が許可・不許可を分ける最も大きなポイントです。お住いの地域によって,またお持ちのビザの種類によって,多少の差はありますが,永住ビザを取得するために必要な年収の目安は,おおよそ300万円といわれています(この300万円の年収要件は,実務的な基準であり,入管法やガイドラインに記載されているものではありません。)。 就労ビザや定住者ビザをお持ちの外国人の方が永住ビザの申請をする際には,従来は直近3年分の収入が審査されていました。しかし,永住のガイドラインが変更され,2019年7月1日からは直近5年分の所得証明書の提出が求められるようになっています。また,配偶者ビザをお持ちの外国人の方が永住ビザ申請をするにあたり,かつては直近1年分の収入が審査されていましたが,現在は直近3年分の所得証明書を提出しなければなりません。 仮に,提出すべき所得証明書の全年度において年収が300万円に達していなくても,徐々に年収が上がっていることや勤続年数によって,今後も安定的な生計を維持できることが立証出来れば,永住許可を得られている事例もあります。ご不安な方は一度当社までご相談下さい。 (2)扶養家族について 年収に比べて扶養家族が多いという理由で,永住が不許可となるケースも多く見受けられます。 日本で一緒に暮らしている家族以外に,海外で暮らすご両親やご兄弟を扶養家族に入れている場合,税法上は一定額の所得控除が受けられますが,その反面で扶養控除を受けていることが永住ビザ申請の大きな足かせになることがあるので注意が必要です。 この点,「扶養家族は入れない方が良いか。」というご質問をよくいただきますが,扶養の実態がないのに所得控除を受けている場合は,納税義務を果たしていないと評価される可能性があります。その場合は,当然に扶養家族を入れない方が良いという回答になります。 その反面で,扶養の必要があって,なおかつ扶養の実態があるのであれば,扶養控除を受けること自体を入管が禁止している訳ではありません。入管が永住ビザ申請の際に審査しているのは,その外国人の収入で所得控除を受ける家族人数分の扶養をした場合に,その外国人自身が安定した生計を維持できるのかという点にあります。そのため,年収に比べて扶養家族が多い場合には,扶養家族を減らすことも検討したほうが良いでしょう。 この点についても,判断が難しいと思いますので,ご不安がございましたら当社へお尋ね下さい。 (3)海外への出国状況について 出国日数が多い,あるいは出国が頻繁にある場合も不許可となるケースがあります。 1年のうち半分以上を海外で過ごされている方は,日本に生活の本拠がないと判断される可能性が高いため,不許可となるリスクが高くなります。 もっとも,仕事の都合で,頻繁にあるいは長期間出国せざるを得ないケースもあります。そのようなケースでは,出国の理由を明らかにし,出国理由が合理的なもので,出国の頻度や期間が相当である事を説明するようにしましょう。勤務先にご協力をお願いし,出張記録を証明する資料を作成して,永住許可を取得した事例もあります。 (4)年金の未納・滞納について 外国人の方でも,日本人と同様,日本に住所がある20歳以上の方については,公的年金に加入しなければなりません。就労ビザをお持ちの方で,厚生年金に加入している方であれば問題となることは少ないのですが,国民年金の場合は注意が必要です。 特に配偶者ビザをお持ちの方で,配偶者が個人事業主の場合,そもそも年金を支払ったことがなかったり,年金保険料の支払いに滞納があったりと,年金にかかわるご相談を受けることが多くあります。 2019年7月以前は,年金の支払記録について,公に永住申請の必要な書類として求められていませんでした。しかし,2019年7月1日以降は,必要書類として年金記録に関する書類が求められ,年金の未納・滞納が原因で不許可となる事例が相次いでいます。 では,年金の未納・滞納があった場合に,どのように対処すべきでしょうか。 未納・滞納がある年金保険料は,2年遡って納付することができます。永住ビザ申請をする前に,まずは未納・滞納がある年金を支払いましょう。 ただ,未納・滞納となっている年金保険料を全て支払ったからと言って,直ちに永住ビザ申請をして許可を得ることができるかというとそうではありません。未納・滞納がある年金保険料を支払った後も定期的に滞納なく年金を支払っていることを証明するため,一定期間は納期通りに納付した実績を作ってから永住ビザを申請することをお勧めします。 また,配偶者ビザをお持ちの外国人の方の場合は,配偶者の年金保険料の納付状況も審査対象になりますので,ご自身の年金保険料の支払状況に問題がなくても,配偶者の納付状況にも注意を向けておく必要があります。 永住ビザ申請時には,年金保険料の未納・滞納状況がないことを事前に確かめてから申請することが肝要です。 2.まとめ 永住許可になると,在留期間の更新許可申請や在留資格の変更許可申請が不要になるため,永住申請は入管が外国人の在留状況を審査できる最後の申請になります。そのため,多岐に亘る事項が審査対象になり,これまでの在留状況が適正であったかをチェックされます。 上記に記載するポイントの他,国民健康保険の未払・滞納,税金の滞納,交通違反の程度・頻度,在留歴,経歴なども不許可となるポイントがあるため注意が必要です。 永住ビザを取得するためには,永住ビザの要件・審査ポイントを確認し,それぞれの要件に適合しているか検証をすることが重要です。紙幅の関係上,不許可となりうる全てのポイントをご説明することができませんが,永住ビザ申請をするにあたり,ご不安がございましたら,ご遠慮なく当社までお問い合わせください。…