コラム

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ミャンマー人との国際結婚手続きを専門行政書士が解説!

1.国際結婚手続きの用語解説 本チャプターでは,国際結婚手続きにおける専門用語を解説していきます。 以降の内容をご参照いただくにあたり必要となる前提知識ですので,ご一読の上,次のチャプターに進んでください。 ①国際結婚の成立とは? 国際結婚が有効に成立するには,双方(本事例でいうと日本とミャンマー)の国籍国において,法的に有効な婚姻関係にあることが原則必要とされています。 日本で先に結婚手続きを行うことを日本方式と言い,ミャンマーで先に結婚手続きを行うことをミャンマー方式と言います。 ②婚姻要件具備証明書とは? 外国人が日本方式の婚姻を有効に成立させるためには,国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件(婚姻できる年齢に達していること,独身であることなど)を満たしていることが必要とされています。 もっとも,日本の市区町村役場で,外国人の国籍国の法律を全て審査することは現実的ではありません。 そのため,国際結婚においては,国籍国の公的機関が発行する婚姻要件具備証明書を提出することによって,国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていると判断することにしています。 なお,発行国によっては,独身証明書などと言われることがありますが,独身であることのみならず,国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていることが明らかになるものであれば,基本的には婚姻要件具備証明書と考えていただいて差支えありません。 2.ミャンマー人との国際結婚手続きで注意すること ミャンマー人と日本人との国際結婚手続きの際,ご注意いただきたい事項を下記に記載いたします。 ①宗教によって適用法が異なる ミャンマーは信仰する宗教によって婚姻の際に適用される法律が異なり,法律ではなく慣習によって決まっているものもあります。ただし,ミャンマー人の90%が仏教を信仰しており,ここでは仏教徒に適用される法律に従って婚姻手続きを解説していきます。 ②婚姻要件具備証明書について ミャンマーには,婚姻要件具備証明書という名称の書類は存在しません。ただし,裁判所指定の公証弁護士が作成したファミリーリスト(戸主を中心とした居住関係を示すものですが,婚姻状況等の身分事項も記載されています。)及び独身証明書が,日本では婚姻要件具備証明書に相当する書類として扱われています。 ③婚姻可能な年齢について 以前は,「身体的に婚姻可能な年齢」が婚姻可能な年齢と定められ,裁判例によって男性は18歳以上,女性は16歳以上とされていましたが,2019年に法改正され,男女ともに18歳以上と定められることになりました。 ④再婚禁止期間について ミャンマーの法律には再婚禁止期間は定められていませんが,再婚禁止期間についてはミャンマー人女性についても日本民法が適用されることになります。すなわち,離婚したミャンマー人女性は,離婚後100日間は原則として再婚することができません。 3.国際結婚手続きにおける必要書類(日本方式) 本題の国際結婚手続きについて解説していきます。 ここからは,日本人とミャンマー人が日本方式で婚姻をおこなう場合の必要書類を記載します。 なお,提出先の市区町村役場によって若干の相違があるため,事前に役所照会することをお勧めいたします。 ①日本の市区町村役場において必要となる書類 <日本人の方にご準備いただく書類> ・婚姻届書(日本人同士の場合と同様のものです) ・本人確認資料(運転免許証又はパスポート等) ・戸籍謄本(本籍地以外に婚姻届を提出する場合) <ミャンマー人の方にご準備いただく書類> ・裁判所指定の公証弁護士が作成した独身証明書(日本語訳を添付)  ※ミャンマー外務省の認証が必要です。 ・裁判所指定の公証弁護士が作成したファミリーリスト(日本語訳を添付)  ※ミャンマー外務省の認証が必要です。 ・パスポート  ※ミャンマー人が在外にいる場合は,パスポートのコピーで代替可能です。 ②ミャンマーへの婚姻報告について ミャンマー側に婚姻の成立を報告していなくても,婚姻の効力が否定されるわけではありませんが,報告の制度は存在します。なお,日本にあるミャンマー大使館では手続きができませんので,夫婦そろってミャンマーに行く必要があります。手続きはミャンマー人配偶者の住所地を管轄する裁判所で行い,判事の面前で夫婦が宣言・署名した結婚宣言書が結婚証明書として扱われています。 4.国際結婚手続きにおける必要書類(ミャンマー方式)…

永住ビザにおける資料提出通知書(追加資料)の特徴

1.永住ビザにおける資料提出通知書(追加資料)とは 資料提出通知書とは,入管へビザ申請を行った後に届く追加資料要求のことです。 入管が永住ビザの審査過程において疑義が生じた場合に,それらを明らかにするため求めるものを指します。 入管が追加資料の要求を書面にまとめたものと考えてください。 例えば,必要書類を完璧に揃えて提出したと思っていたとしても, 提出書類に不足があった場合 提出書類に不備があった場合 提出書類に疑義があった場合 など,様々な場面で資料提出通知書が届くことが想定されます。 入管へ永住ビザ申請をした後,入管から資料提出通知書が届いた場合,びっくりして焦ってしまう方がほとんどです。 “永住ビザが不許可になってしまうのではないか” このように,ネガティブに考え,混乱してしまう方も少なくありません。 しかし,資料提出通知書が届いたからといって,必ず永住ビザが不許可になるわけではありません。 入管が求めていることに対して,一つ一つ丁寧に対応をしていけば,永住許可を取得できる場合もたくさんあります。 そのため,まずは入管が何を知りたいのかを確認し,落ち着いて進めていくことが先決です。 次のチャプターでは,入管から届いた資料提出通知書の対応方法を見ていきます。 2.入管から届いた資料提出通知書への対応について 上記で見た通り,資料提出通知書が届いたからといって,必ず永住ビザが不許可になるわけではありません。 しかし,この資料提出通知書の対応を誤れば,永住ビザの許可は遠のくことになってしまいます。 では,入管から資料提出通知書が届いた場合,どのように対応すれば良いのでしょうか。 少し専門的な知識が必要となりますが,まずは入管が追加資料を要求している趣旨を理解することです。 例えば,所得証明書の提出を求められた場合,単に所得額を確認したいのか,それとも扶養人数や社会保険料控除,配偶者控除などの控除項目を確認したいのか,入管が所得証明書を追加要求する趣旨はそれぞれ異なります。場合によっては修正申告が必要なケースもあります。単純に役所で取得して提出すればいいと短絡的に考えてしまうと,思わぬ落とし穴があるかもしれません。 この判断には,既に提出した申請書類はもちろんのこと,これまでの在留状況を全体的に俯瞰して分析する必要があり,専門的な知識が必要になります。 そのため,心配であれば専門家にご相談されることをお勧めします。 次に,入管から資料提出通知書が届いた場合には,資料提出期限が定められています。 資料提出通知書には,「上記の期日までに提出されないときは,不利益な処分となることがあります。提出が遅れる等の事情がある方はあらかじめお知らせ下さい。」と記載されています。 入管は資料提出通知書で求めている資料が届くまで審査を進めることができません。 そのため,入管が指定する期日に間に合うように書類提出を行ってください。 万が一,資料提出通知書に記載の提出期限までに資料提出が間に合わない場合は,入管に事情を説明し,期限の延長を求める連絡をしてください。 決して,連絡なしに資料提出の期限を超過してはいけません。 上記のとおり,資料提出通知書の対応策としては,入管からの意図を正しく理解し,提出期限を守りながら対応することが必要です。 真摯に入管対応していれば永住ビザが許可されそうな申請であっても,不誠実な対応をしてしまうことで永住ビザ不許可の憂き目を見るのは非常にもったいないです。 行政書士法人第一綜合事務所では,資料提出通知書の対応のみを業務としてお引き受けすることも可能です。 入管から資料提出通知書が来てお困りのお客様は,お気軽に当社(06-6360-6363)までお問合せください。 3.ご質問の多い資料提出通知書の内容 次に,永住ビザ申請の資料提出通知書に関するよくあるご質問について解説します。 永住ビザ申請の特徴は,提出する資料や公文書が多いという点です。 提出資料が多いということは,書類の抜け漏れや,不備が発生する可能性が高くなります。…

”日本人の配偶者”の帰化申請について徹底解説

1.帰化の要件(原則) 日本人の配偶者は帰化許可の要件が緩和されています。 まずは,その解説をする前に,比較対象として,帰化の原則要件を説明しておきます。 以下は,帰化許可の要件が規定された「国籍法」の条文です。 第五条 法務大臣は,次の条件を備える外国人でなければ,その帰化を許可することができない。 一 引き続き五年以上日本に住所を有すること。 二 二十歳以上で本国法によつて行為能力を有すること。 三 素行が善良であること。 四 自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によつて生 計を営むことができること。 五 国籍を有せず,又は日本の国籍の取得によつてその国籍を失うべきこと。 六 日本国憲法施行の日以後において,日本国憲法又はその下に成立した政 府を暴力で破壊することを企て,若しくは主張し,又はこれを企て,若 しくは主張する政党その他の団体を結成し,若しくはこれに加入したこ とがないこと。 このように,帰化申請には大きく6つの要件が規定されています。 そして,この中で配偶者に要件の緩和があるものが,次の2つです。 一 引き続き五年以上日本に住所を有すること。 二 二十歳以上で本国法によつて行為能力を有すること。 ここで規定されている要件とは, 外国人が帰化申請をするためには,原則5年間日本に在留しなければならず,20歳以上でないといけないという内容です。 これが“日本人の配偶者”であることで,どのように緩和されるのでしょうか? 早速,次チャプターで答えを見てみましょう。 2.帰化の要件(配偶者特例) 2-1 要件の緩和 “日本人の配偶者”の帰化の要件緩和は,国籍法第7条に規定されています。 第七条 日本国民の配偶者たる外国人で引き続き三年以上日本に住所又は居所を有し,かつ,現に日本に住所を有するものについては,法務大臣は,その者が第五条第一項第一号及び第二号の条件を備えないときでも,帰化を許可することができる。日本国民の配偶者たる外国人で婚姻の日から三年を経過し,かつ,引き続き一年以上日本に住所を有するものについても,同様とする。 これは,次のいずれかのパターンに当てはまる場合は,前チャプターで説明した2つの要件に該当しないでも良い,ということを意味しています。 ①…

配偶者ビザから永住権を取得する方法

1.配偶者ビザを保有している外国人は永住権を取得しやすい!? 配偶者ビザと一口に言っても, ①日本人の配偶者 ②永住者の配偶者 ③定住者の配偶者 ④就労ビザを持つ外国人の配偶者 など,様々な種類があります。 結婚したことによって,取得できるビザは実はたくさんあるのです。 詳しくは,結婚ビザと配偶者ビザの違いとは? に記載していますのでご覧ください。 本ページでは,①日本人の配偶者,②永住者の配偶者 の方を対象に解説しています。 さて,皆さんは日本人や永住者の配偶者の方は,永住権を取得しやすいということを耳にされたことはありますか? 日本人や永住者の配偶者の方については,永住権の要件が緩和されているのです。 何だか不平等にも感じてしまうのですが,なぜ日本人や永住者の配偶者は特別扱いされているのでしょうか? その理由は,主に2つです。 日本人や永住者の配偶者の方は, 生活の本拠が日本にあるから 家族単位で安定した生活ができるようにする必要があるから というのが主な理由です。 このように,日本人や永住者の配偶者の方については,永住権への近道が準備されているのです。 では,次のチャプターでは,日本人や永住者の配偶者の方について,永住権の要件がどのように緩和されているのか,具体的な要件を見ていきましょう。 2.配偶者ビザから永住権を取得するための要件 永住権を取得するためには, ①素行の善良性 ②独立生計の維持能力 ③国益適合性 という3つの要件が必要とされています。 少し聞きなれない言葉なので,簡単に説明を加えると ①素行の善良性とは,「法律を守り,日常生活を日本の住民として,社会的に非難されることなく生活していること」 ②独立生計の維持能力とは,「公共の負担になることなく,安定した日常生活を過ごせるだけの資産や技能を持っていること」 ③国益適合性とは,「永住権を取得することが,日本にとって有益であること」 と説明されます。 他方で,日本人や永住者の配偶者の方が, 実体を伴った婚姻生活が3年以上継続している 日本に引き続き1年以上在留している といういずれの要件にも該当すれば,①素行の善良性,②独立生計の維持能力は永住権の審査では不問とされます。 これを「簡易永住許可」と言います。 つまり簡易永住許可の要件に該当すれば,③国益適合性だけクリアすれば,永住権の取得ができるということです。…

特定技能ビザから配偶者ビザに変更はできる?

1.特定技能ビザとは? 特定技能ビザは,日本の人手不足に対応するため,2019年4月に創設されました。 2021年3月の出入国在留管理庁公表資料によれば,特定技能ビザを保有する外国人数は,うなぎのぼりに増加している状態です。 2020年3月末に3987人だった特定技能ビザを保有する外国人は,2021年3月には,2万2567人まで上昇し,コロナ禍にありながら1年間で566%の増加率となっています。 日本の人手不足も相まって今後も増加が見込まれる特定技能ビザですが,仕事の種類が酷似する技能実習ビザとしばしば比較されます。 最大の違いは,技能実習ビザと特定技能ビザでは,その目的が大きく異なっていることです。 技能実習ビザは,日本の技能・技術・知識を学んでもらい,日本で学んだ技能等を母国に持ち帰って,母国の経済発展を担ってもらうことが目的です。 これに対し,特定技能ビザは,日本の生産年齢人口の減少によって深刻化する人材不足に対応することが目的とされています。 似通った業務に就く技能実習ビザ,特定技能ビザですが,それぞれの目的の違いによって,配偶者ビザへの変更の考え方は大きく異なります。 次のチャプターで,その点を詳しく見ていきましょう。 2.特定技能ビザから配偶者ビザへの変更 技能実習ビザについては,結婚するには制限はないものの,当然に配偶者ビザへの変更が許可されるわけではありません。 なぜかと言うと,技能実習制度は日本で学んだ技能等を母国へ移転することを目的としているため,そのまま日本で生活することを想定していないからです。 この点については,【解決事例】技能実習生と国際結婚して配偶者ビザを取得する方法 に記載していますのでご覧ください。 これに対して,特定技能ビザは,日本の人手不足に対応することを目的とするビザです。 技能実習ビザのように技術移転等の目的がないため,特定技能ビザを保有する外国人が日本人や永住者,定住者と結婚した場合,配偶者ビザへ変更することについて,入管法上の制限はありません。 もちろん,特定技能ビザから配偶者ビザへの変更についても,一般的な許可要件は網羅する必要があります。 日本人,永住者,定住者と結婚したからといって,必ず配偶者ビザが許可されるわけではありませんので,誤解の無いようにしてください。 まとめると,技能実習ビザから配偶者ビザへの変更については,その制度趣旨から様々な規制はあるが,特定技能ビザから配偶者ビザへの変更については,入管法上の制限はないとご理解ください。 3.特定技能ビザから配偶者ビザへ変更するメリット 特定技能ビザを保有する外国人の方が,日本人や永住者,定住者と結婚した場合であっても,必ず配偶者ビザへ変更する必要はなく,特定技能ビザのままでも入管法上は問題ありません。 しかし,特定技能ビザと配偶者ビザを比較すると,配偶者ビザへ変更する方が多くのメリットがあるため,配偶者ビザへ変更することをお勧めしています。 本チャプターでは,特定技能ビザから配偶者ビザへ変更するメリットを解説します。 なお,特定技能ビザは,1号,2号で在留期間や技能水準など様々な内容が異なります。 そのため,いずれの表記かを明確にするために,1号は特定技能ビザ(1号)と表記し,2号については特定技能ビザ(2号)と表記しています。 特定技能ビザという表記の場合には,1号,2号共通事項としてご理解ください。 ①在留期間の上限制限がなくなる 特定技能ビザ(2号)(建設分野,造船・舶用工業)は在留年数の上限はありません。 一方,特定技能ビザ(1号)で在留できる年数は,5年間が上限であることが入管法で定められています。 つまり,特定技能ビザ(1号)を保有する外国人は,5年を上限として本国へ帰国しなければならないのです。 そのため,たとえ日本人や永住者,定住者と結婚した場合であっても,特定技能ビザ(1号)のままでは,5年以上は日本で生活することはできません。 これに対して,配偶者ビザは在留年数の上限がありません。 5年,3年,1年,6ヶ月のいずれかの在留期間の付与を受け,以後ビザ更新をすることで,引き続き日本で生活することができます。 そのため,特定技能ビザ(1号)を保有する外国人の方が,配偶者ビザへ変更することによって,在留年数の制限を受けなくなるのです。 配偶者ビザへ変更することで,在留期間の上限制限がなくなるというのが1つ目のメリットです。 ②就労制限がなくなる 特定技能ビザは,転職することはできるのですが,入管法で定められた仕事でしか働くことができません。 そのため,仕事を選ぶ場合には,常に入管法を意識しながら転職活動を行う必要があります。…

技能実習ビザから就労ビザへ変更ができる場合とは?

1.技能実習制度の目的 入管審査の内部基準である入国・在留審査要領において,技能実習制度は下記のとおり説明されています。 技能実習制度は,開発途上国又は地域等の青壮年を一定期間受け入れ,我が国で培われた技能,技術又は知識を修得,習熟又は熟達することを可能とし,当該青壮年が帰国後に我が国において修得等した技能等を活用することにより,当該国又は地域等の発展に寄与する「人づくり」に貢献する制度である。 要約すると,日本の技能・技術・知識を学んでもらい,日本で学んだ技能等を母国に持ち帰って,母国の経済発展を担ってもらうことが技能実習制度の趣旨ということです。 そのため,母国に帰国することなく,日本でビザ変更することは通常想定されていません。 しかし,技能実習ビザからのビザ変更について,実務上,一切認められていないわけではありません。 次のチャプターで,詳細を解説します。 2.技能実習ビザからビザ変更が認められる場合がある!? 入管の審査基準では,原則として技能実習ビザからの在留資格の変更を認めないとされています。 一方で,身分関係の成立又は出国準備を理由とする場合には,技能実習ビザからの変更であっても,ビザ変更が許可される可能性があることに言及しています。 身分関係の成立とは,例えば結婚した,出産したという事情を意味します。 実際,当社で取り扱った事例においても,日本人と結婚した技能実習生について,配偶者ビザへの変更許可を多数得ています。 詳細は,【解決事例】技能実習生と国際結婚して配偶者ビザを取得する方法 に記載していますので,ご覧ください。 ところで,本コラムのメインテーマである技能実習ビザから就労ビザへの変更については,上記に記載がありません。 そのため,一見すると認められていないようにも思えます。 次のチャプターで詳細を見ていきます。 3.技能実習ビザから就労ビザへ変更するための要件 上記で見たとおり,身分関係の成立又は出国準備を理由とする場合については,技能実習ビザからのビザ変更が認められる可能性があります。 では,その他のビザ変更については,どのように考えられているのでしょうか。 それぞれの場面に分けて見ていきましょう。 (1)技能実習ビザから就労ビザへの変更 以下の要件を全て満たしている場合には,技能実習ビザから就労ビザへの変更が認められる可能性があります。 ①契約機関等の事業内容が,監理団体や実習実施者などの技能実習生の受入れに関するものであること ②技能実習時に修得した技能等について,本国からの技能実習生に対する指導等を行い,申請人が技能移転等,母国の経済発展の貢献に資する活動を行うものと認められること ③申請人がN2相当以上の日本語能力を有すると認められること ④就業場所における技能実習生の在籍数等からみて,十分な業務量が確保されていると認められ,技能実習生と同様の作業を行うものではないことが明らかであること ⑤申請人が技能実習計画上の到達目標を達成していること 少し難しい記述なので,噛み砕いて説明します。 例えば,優秀な技能実習生を就労ビザに変更して,継続雇用するようなケースを想定してください。 これまで学んだ知識,経験をもとに,在籍する技能実習生に指導するような場合です。 そのような場合で,N2以上の日本語能力があり,技能実習計画上の到達目標を達成していれば,技能実習ビザから就労ビザへの変更が認められる可能性があります。 注意点としては,技能実習の趣旨を相反しないことです。 技能実習制度の趣旨は,日本の技能・技術・知識を学んでもらい,日本で学んだ技能等を母国に持ち帰って,母国の経済発展を担ってもらうことです。 そのため,継続雇用される外国人の指導によって,母国への技術移転が強化されたと言える必要があります。 次の注意点は,業務量が十分であることです。 たとえ在籍する技能実習生を指導するような業務内容であっても,受入企業の技能実習生の数が少ない場合には,そもそも指導の必要性は低くなりますし,母国への技術移転が強化されたとは言えません。 そのため,技能実習ビザから就労ビザへビザ変更する場合には,受入企業は技能実習生が多数在籍しているような企業でなければ許可を得ることは困難でしょう。 最後の注意点は,就労ビザへの変更に合理性があることです。…

配偶者ビザを自分で準備するメリットデメリット

1.配偶者ビザを自分で準備するメリット ①行政書士に依頼すると発生する報酬支払いが不要 行政書士へ支払う報酬が不要となるのが,配偶者ビザを自分で準備する一番のメリットです。 自分で配偶者ビザを申請する場合には,入管への交通費実費,役所への交通費実費,または郵便費用,そして公文書の取得実費などが実際に掛かる金額です。 それぞれを合算しても,非常に安価で配偶者ビザ申請をできます。 ②プライベートな情報を行政書士に伝える必要がない 行政書士に依頼した場合,お二人の馴れ初めなどプライベートな情報を伝える必要があります。 行政書士は法律上の守秘義務を負っていますが,“他人にプライベート情報を伝えたくない!”という方には,配偶者ビザを自分で準備するメリットの一つに数えられるでしょう。 ③入管法の知識を習得することができる 自分で配偶者ビザの申請準備をする場合には,インターネットや書籍で入管法の情報を入手する必要があります。 必要な知識は膨大ですが,これから更に外国人の方が増えることを考えると,そして何より大切なパートナーのために,入管法の知識は知っていて損はありません。 2.配偶者ビザを自分で準備するデメリット ①行政書士に依頼した場合に比べ許可率が下がる 配偶者ビザの許可率が下がるのが自分で準備する最大のデメリットです。 確かに,配偶者ビザを自分で準備すれば行政書士への報酬は必要ありません。 しかし,肝心な配偶者ビザが不許可になってしまっては,元も子もありません。 反対に,行政書士に依頼した場合には,自分で配偶者ビザの申請をする場合に比べ,許可率は高くなるでしょう。 その理由は,国際行政書士は配偶者ビザの審査ポイントを心得ているからです。 どのような行政書士に配偶者ビザを依頼するべきかについては,配偶者ビザの申請代行でおすすめの行政書士とは? に記載していますのでご覧ください。 ②配偶者ビザの準備に時間と労力がかかる 配偶者ビザの申請書類提出は“一日仕事”とよく言われます。 それぐらい労力が掛かるということです。 特に待ち時間が多い東京入管は顕著で,申請の順番が4時間,5時間待ちということもしばしばあります。 その他にも,自分で配偶者ビザの申請準備をする場合には,必要書類の収集,作成に多大な時間を要します。 このように,配偶者ビザの準備には多くの時間と労力を要し,多忙な方にはかなりの負担と言えるでしょう。 ③ビザ更新や永住,帰化などの将来を見据えた申請が困難 配偶者ビザは取得すれば終わりというわけではなく,日本で引き続き生活するということであればビザ更新が必要になります。 また,将来的には永住ビザや帰化申請を考えられる方がほとんどですが,将来を見据えた配偶者ビザ申請をするためには,横断的な知識が必要です。 しかし,専門家でない限り,通常はそのような知識は持ち合わせていません。 そのため,ビザ更新や永住,帰化などの将来を見据えた申請が困難というのも,デメリットの一つと言えるでしょう。 ④書類に不備等があることが多く配偶者ビザの許可まで時間が掛かる 配偶者ビザを申請される方の多くは,“早く”“確実に”許可を取得することを望まれます。 配偶者ビザの審査ポイントがわからないまま申請すると,入管から書類の不備や指摘を受ける可能性は高くなり,結果的に時間を要することになります。 また,配偶者ビザが不許可になってしまうと,改めて一から準備をし直すことを余儀なくされるため,配偶者ビザの許可までに想定以上の時間が必要となってしまいます。 ⑤心配や不安を抱えたまま配偶者ビザを申請することになる 自分で配偶者ビザを申請する場合には,相談する人が通常はいません。 入管の行政相談でも配偶者ビザの相談は可能なのですが,マイナスな事情は相談しづらいのも事実です。 また,たとえインターネットで情報を得ても,正確性,有効性については担保されません。…

新型コロナウイルスが配偶者ビザに与える影響

1.2021年8月11日現在の水際対策 配偶者ビザを保有していれば,日本に新規入国できるのか。 これから配偶者ビザを目指す方にとって,この点が最大の関心事ではないでしょうか。 現在は,日本上陸前14日以内に上陸拒否対象の159の国・地域に滞在歴のある外国人については,原則上陸拒否とする運用です。 しかし,「特段の事情あり」として,例外的に入国することが可能なケースもございます。 では,どのようなケースで「特段の事情あり」として扱われるのでしょうか。 ここからは,「特段の事情あり」として扱われる類型についてご紹介します。 ①再入国許可(みなし再入国許可を含む。)による再入国 ただし,一部の国からの入国については例外があります。 ②日本人・永住者の配偶者又は子の新規入国 ③定住者の配偶者又は子で,日本に家族が滞在しており,家族が分離された状態にあるもの ④「教育」又は「教授」の在留資格を取得する者で,所属又は所属予定の教育機関に欠員が生じており,その補充がないと当該教育機関の教育活動の実施が困難となるなどの事情を解消するために入国の必要があるもの ⑤「医療」の在留資格を取得する者で,医療体制の充実・強化に資するもの ⑥「外交」又は「公用」の在留資格を有する又は取得する者 ⑦入国目的に公益性が認められる者 ⑧その他人道上の配慮の必要性がある場合 新規入国という点で見ると, ②に記載のとおり,日本人の配偶者,永住者の配偶者,またはそのお子様については,新規入国は可能です。 また,③に記載のとおり,定住者の配偶者やそのお子様については,条件付きではありますが,入国できる可能性はあります。 つまり,配偶者ビザ保有者は日本に入国することが可能です。 他方,観光を目的とする短期滞在ビザや就労ビザについては,現在の水際対策によって,入国することはできません。 もっとも,親族訪問を目的とする短期滞在ビザについては,一部の国で入国の実績があります。 この点については個別の判断になりますので,ご希望の際はご相談ください。 2.コロナ禍でも配偶者ビザで入国できる? 上記で見たとおり,配偶者ビザ(日本人の配偶者や永住者の配偶者等)については,特段の事情があるとして,日本への新規入国は可能です。 本チャプターでは,それらを前提に配偶者ビザでの入国手順を見ていきます。 ①コロナ禍の結婚手続き 配偶者ビザを取得するためには,法的に有効な婚姻の成立が必要です。 しかし,新型コロナウイルスの影響によって, ・本国での書類が取得できない ・一方の国でしか婚姻を成立できない ・日本に来ることも相手国へ行くこともできない など,様々なイレギュラーが想定されます。 この点,整理をすると, 新型コロナウイルスの影響による場合であったとしても,日本での婚姻手続きが執れない場合には,例外なく配偶者ビザを取得することは困難です。 つまり,「将来結婚をするので配偶者ビザをください」という申請は許可されないということです。 仮に,必要書類の収集ができないような場合には,残念ながら当該書面を取得できるまで,お待ちいただくしかありません。 次に,日本のみで婚姻が成立している場合について記載します。 国際結婚については,原則両国での婚姻履行によって成立と考えます。 しかし,この点については,例外があります。…

アメリカ人との国際結婚手続きを専門行政書士が解説!

1.国際結婚手続きの用語解説 本稿では,国際結婚手続きにおける専門用語を解説していきます。 以降の内容をご参照いただくにあたり必要となる前提知識ですので,ご一読の上,次の稿に進んでください。 ①国際結婚の成立とは? 国際結婚が有効に成立するには,双方の国籍国(本事例でいうと日本とアメリカ)において,法的に有効な婚姻関係にあることが原則必要とされています。 日本で先に結婚手続きを行うことを日本方式と言い,アメリカで先に結婚手続きを行うことを米国方式と言います。 ②婚姻要件具備証明書とは? 外国人が,日本方式の婚姻を有効に成立させるためには,国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件(婚姻できる年齢に達していること,独身であることなど)を満たしていることが必要とされています。 もっとも,日本の市区町村役場で,外国人配偶者の国籍国の法律を全て審査することは現実的ではありません。 そこで,国際結婚においては,相手国が発給した婚姻要件具備証明書を提出することによって,国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていると判断することにしているのです。 なお,発行国によっては,独身証明書などと言われることがありますが,独身であることのみならず,国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていることが明らかになるものであれば,基本的には婚姻要件具備証明書と考えていただいて差支えありません。 2.アメリカ人との国際結婚手続きで注意すること アメリカ人と日本人との国際結婚手続きの際,ご注意いただきたい事項を下記に記載いたします。 ①適用法について 米国は連邦制を採用しており,婚姻に関する事項は州が管轄することになっています。州により異なる婚姻法が定められていることから,米国方式に従った婚姻手続きを行う場合は,婚姻挙行地になる州の婚姻法に従った手続きを行う必要があります。 ②婚姻要件具備証明書について 在日米国領事の面前で,その者の所属する州法により婚姻適齢に達していること,日本人と結婚することについて法律上の障害がないことを宣言した旨の宣誓供述書(Affidavid)が,婚姻要件具備証明書として取り扱われています。宣誓供述書は在日米国大使館・領事館に両当事者が出頭して取得するため,米国人配偶者の来日が必要になります。 もっとも,米国人配偶者の来日が困難な場合は,その者の所属する州の公証人の面前で宣言した宣誓供述書が婚姻要件具備証明書として取り扱われますので,米国人配偶者が来日しない場合でも婚姻手続きは可能です。 ③婚姻可能な年齢について アメリカ人の婚姻可能な年齢は,ネブラスカ州とミシシッピ州以外は,男女ともに18歳以上と定められています。ネブラスカ州は男女とも17歳以上,ミシシッピ州は男性17歳以上,女性15歳以上が婚姻適齢として法定されています。 なお,父母の同意や裁判所の許可を受ければ,婚姻適齢に達していない者が婚姻できる州もあります。もっとも,日本法では16歳未満の女性との婚姻は公序良俗に反するものとして無効な婚姻になりますので,アメリカの裁判所の許可があったとしても,結局のところ16歳以上でなければ婚姻することはできません。 ④再婚禁止期間について 米国のどの州法にも,再婚禁止期間は定められていません。もっとも,日本法では女性は離婚後100日間の再婚禁止期間があり(妊娠していないことの医師の証明書を提出すれば離婚後100日未満でも禁止されません),この規定はアメリカ人との婚姻にも適用されます。 3.国際結婚手続きにおける必要書類(日本方式) 本題の国際結婚手続きについて解説していきます。 ここからは,日本人とアメリカ人が日本方式で婚姻をおこなう場合の必要書類を記載します。 なお,市区町村役場によって若干の相違があるため,事前に役所照会することをお勧めいたします。 ①日本の市区町村役場において必要となる書類 <日本人の方にご準備いただく書類> ・婚姻届書(日本人同士の場合と同様のものです) ・本人確認資料(運転免許証又はパスポート等) ・戸籍謄本(本籍地以外に婚姻届を提出する場合) <アメリカ人の方にご準備いただく書類> ・宣誓供述書※(日本語訳を添付) ・パスポート ※ アメリカ人配偶者が日本に在留している場合は,在日アメリカ大使館または領事館で取得が可能です。日本に在留していない場合は,所属の州の公証役場で取得してください。 ②米国への婚姻報告について 米国では,外国の法律に則って行われた婚姻手続きは,通常米国内でも法的に有効とみなされており,日本で成立した婚姻を合衆国政府にも州政府にも届ける制度が存在しません。そのため,日本で成立した婚姻を大使館・領事館に届ける必要はありません。 4.国際結婚手続きにおける必要書類(米国方式)…

ベトナム人の帰化申請

1.ベトナム人の帰化申請の流れ 帰化申請の全体の流れは概ねどこの国も同じです。 しかし,各国の法律によって国籍喪失手続きのタイミングは異なります。 例えば,韓国は帰化許可後,中国は官報公告後~身分証明書発行前,といった具合です。 多くの国では国籍喪失手続きは帰化許可前が一般的であり,ベトナムも日本国籍取得の前に国籍放棄の手続きをすることとなります。 上記を踏まえて,ベトナム人の帰化申請の全体の流れを見ていきましょう。 (帰化申請受付までの流れ) 法務局での事前相談 必要書類の収集(日本の役所,ベトナムの役所) 申請書類の作成 法務局での点検及び修正指示 追加の資料収集及び作成書類修正 法務局での受付前点検 書類最終修正 法務局で申請受付 審査官と面接(受付から3~4ヶ月後) 担当官より国籍放棄手続きの指示 完了後,官報に公示 帰化後の各種手続き 帰化許可がほぼ確実になると,担当審査官から指示がありますので,法務局提供の書類を認証し,申請書と併せて在日公館に提出をしましょう。 そこから本国に転送され手続きが取られます。 ただし,ベトナムに租税債務がある場合や刑事責任を負っている場合,公務員や軍所属の場合は国籍を放棄できませんので事前の確認が必要です。 なお,ベトナムでは一定の条件下で二重国籍が認められますが,日本の国籍法が二重国籍を認めていないことから,帰化申請のためには必ず国籍放棄をしなければなりません。 2.ベトナム人の本国書類(一般) 次に,国籍による違いが一番大きく表れる,本国書類について説明します。 一般的に帰化申請に必要となる本国書類として必要な書類は,以下のようなものです。 (一般的な本国書類) 国籍証明書 出生証明書 死亡証明書 結婚証明書 離婚証明書 家族関係証明書 韓国や台湾は,これらに代えて大量の戸籍謄本を提出する必要がありますが,幸運なことに,ベトナム人は上記に対応する書類の全てを本国政府機関から取得することが出来ます。 (ベトナムの本国書類) 国籍証明書 出生証明書 死亡登録の摘録 婚姻証明書 離婚公認証明書(協議離婚と関係者による合意に係る決定書)…