コラム

COLUMN

技能実習生と結婚して配偶者ビザを取る方法

1.技能実習制度とは? ここ最近,新聞やテレビの報道等から“技能実習”という言葉を耳にする機会が増えているのではないでしょうか。 しかし,具体的にどのような制度なのかをご存じの方は少ない印象です。 では,技能実習制度とは,どのような制度なのでしょうか。 厚生労働省のホームページによると, 「我が国が先進国としての役割を果たしつつ国際社会との調和ある発展を図っていくため,技能,技術又は知識の開発途上国等への移転を図り,開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的としております。」と記載されています。 わかりやすく言うと,技能実習生には日本で技能・技術・知識を学んでもらい,日本で学んだ技能等を母国に持ち帰って,母国の経済発展を担ってもらうことが技能実習制度の趣旨ということです。 そのため,技能実習ビザは一般的な就労ビザとは異なり,技能実習過程を修了した後は母国へ帰り,学んだ技術や知識を教えたり,移転させる必要があるのです。 このような事情から,技能実習ビザは,技術の移転を願う送出機関と呼ばれるところや,その外国人の受け入れに協力してくれる日本の監理団体,実習実施機関など,様々な機関との関わりが強いビザということができます。 そして,配偶者ビザとの関係で重要な視点は,技能実習ビザは母国へ帰国することを想定しているということです。 技能実習ビザから他のビザへの変更が難しいと言われるのは,前記の通り技能実習ビザが母国への帰国を前提としているからなのです。 2.増加する技能実習生との国際結婚 2022年6月末に公表された出入国在留管理庁の統計によると,日本には技能実習生が32万人以上いると示されています。 参照:法務省 出入国在留管理庁 厚生労働省 人材開発統括官 技能実習ビザは,最も多い永住ビザに次ぐ在留人数です。 そして,技能実習生の国別の内訳を見ていくと,ベトナムが半数以上を占め,次にインドネシア,中国,フィリピンの順となっています。 参照:法務省 出入国在留管理庁 厚生労働省 人材開発統括官 本ページをご覧いただいている方の中にも,職場や取引先で外国人の方々を見かけたり接する機会は少なからずあるのではないでしょうか。 コロナ禍にあっても,なお在留人数の多さを誇る技能実習ビザ。 上記の在留データからもわかるとおり,技能実習生と日本人が出会い,結婚をするという事例が増えていることは容易に想像することができます。 一方で,何とか日本に残りたいという思いから,配偶者ビザを得るための便法として,国際結婚という手段を選ぶ技能実習生がいるのも事実です。 もちろん,このような真意に基づかない国際結婚は認められるべきではありません。 入管側もどんな在留資格であろうと,このような違法な在留を認めるべきではないと,目を光らせて審査しています。 次のチャプターでは,技能実習生が国際結婚して配偶者ビザへ変更する場合や一度帰国した元技能実習生が配偶者ビザを取得する場合, どのような点に気を付けて準備を進めていくべきか具体的に見ていきましょう。 3.技能実習生と結婚しても配偶者ビザに変更できない? 上記の1.技能実習制度とは?で説明した通り,技能実習生は母国へ帰ることが予定されています。 そのため,原則的には入管は技能実習ビザから他のビザへの変更を想定していません。 しかし,技能実習ビザからのビザ変更を入管は一律不許可にしているのかというと,そういう訳でもないのです。 例えば,技能実習生もしくはその配偶者が妊娠している場合や,すでに子どもを出産している場合など,夫婦(家族)の実体を総合的に判断し,法務大臣の裁量のもと技能実習ビザから配偶者ビザへの在留資格変更許可が認められる可能性があるのです。 では,どのようなケースで技能実習生からのビザ変更が認められているのか,場面分けをして具体的に見ていきましょう。 【技能実習中の場合】 技能実習中の場合には,先に説明した監理団体や実習実施機関において,母国での技術移転が難しくなることを背景に,在留資格変更許可申請に際して,技能実習ビザから配偶者ビザに変更することについて同意書を求められるのが一般的です。 場合によっては,海外の送出機関からの同意書を求められることもあります。…

老親扶養ビザで親を呼ぶ方法

1.老親扶養ビザとは? 老親扶養ビザとは,高齢で身寄りのない親を日本に呼び寄せ,一緒に生活していくためのビザのことを言います。 日本で生活していると,本国の親が病気や怪我など何かあったとしても,すぐに駆けつけることは困難です。人間誰しも年を重ねることにより体に不調が出てまいります。それが自分の親であればなおのこと心配になるでしょう。 そこで,本国で生活する親を日本に呼び寄せ,長期的に日本での生活することを可能にするビザが老親扶養ビザと呼ばれるものです。 2.老親扶養ビザの取得が難しい理由 老親扶養ビザは,他のビザと比べると難易度が非常に高いと言われています。 なぜなら,入管法には親を呼ぶビザが定められていないからです。 人道上の理由などで,例外的に親の呼び寄せの際に認められているのが本ページでご紹介をする老親扶養ビザです。 ところで,老親扶養ビザは特定活動ビザに分類されます。 老親扶養ビザ,という名称のビザが実際にあるわけではありません。 特定活動と言うビザは,他のビザと異なり活動内容を法務大臣の指定に委ねているため,法務大臣の判断で在留を認めるかどうかが決定されます。 そして,この特定活動ビザは2種類あり,法務大臣があらかじめ活動を想定している“特定活動告示”と,あらかじめ活動を想定していない”告示外特定活動”に分類されます。 特定活動告示の例としては,ワーキングホリデーやインターンシップなどが代表的で,「告示」と言われるためその一覧があります。 しかし,老親扶養ビザは,告示外特定活動に該当し,「告示」の「外」にあるビザで,入管法に規定されていないのです。 特定活動告示 しかし,入管法に規定されていない場合には,一切ビザを取得できないかというと,実はそういう訳ではありません。 個々の事情を鑑みて,日本で在留が必要な外国人に対しては,告示されていないビザであってもビザが取得できるケースはあるのです。 つまり,入管法に規定されていないケースであっても,法務大臣が人道上その他の特別の事情により特に在留を認める場合には,ビザの許可を得るケースがあるということです。 それでは以下,老親扶養ビザについて法務大臣が人道上その他の特別の事情により特に在留を認める場合の要件について見ていきましょう。 なお,高度専門職1号または2号の在留資格で在留する方は,7歳未満の子どもの世話をしてもらうために親を呼び寄せることがきるという優遇措置がありますが,親の体調を心配されて呼び寄せを希望される方からすると,高度専門職の取得や子供の年齢制限などが設けられており,万人に開かれた広き門とは言えない状況です。 高度専門職ビザの優遇措置については,以下のページを参照してください。 高度専門職ビザ 条件 はコチラ 3.老親扶養ビザの実務上の要件 老親扶養ビザは,どのようなケースで認められているのでしょうか。 ここで,老親扶養ビザの実務上の要件をご紹介します。 ① 親に自活能力がないこと ② 本国および第三国に身寄りがないこと ③ 子どもが本国で生活することが困難であること ④ 扶養する子の世帯に扶養能力があること ①から③は,日本で生活する必要性と言い換えることができます。 個別に分けて必要性を考えると, ①番は「本当に親は一人で生活できないのか」 ②番は「他の親族では親の面倒を見られないのか」 ③番は「親が日本に来る必要があるのか」…

高度人材からの永住ビザ申請

1.高度人材とは? 高度人材とは,所定のポイント計算表で計算を行った結果,一定点数以上のポイントを有する人材のみが取得可能な在留資格です。 就労ビザを持つ人の中でも,優秀な方だけが取得できるビザと言い換える事ができます。 高度人材には多くのメリットがあり,その中の1つに永住ビザ申請の条件緩和があります。 そのため,今後日本で永住ビザ申請を目指す方にはぜひ知っておいて頂きたい制度と言えます。 2.原則的な永住ビザの取得条件 永住ビザを取得するためには,原則として以下の3つの要件を満たす必要があります。 ① 素行善良要件 法律を遵守し日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること ② 独立生計要件 日常生活において公共の負担にならず,その有する資産または技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること ③ 国益適合要件 その者の永住が日本国の利益に合すると認められること ア. 原則として引き続き10年以上本邦に在留していること ※ この期間のうち,就労資格(技術・人文知識・国際業務ビザなど)または居住資格(配偶者ビザなど)をもって引き続き5年以上在留していることが必要です。 イ. 罰金刑や懲役刑などを受けていないこと ウ. 公的義務を履行していること ※ 納税,公的年金及び公的医療保険の納付に加え,入管法に定める届出等の義務を適正に履行していることが求められます。 エ. 現に有している在留資格について,入管法に規定されている最長の在留期間をもって在留していること。 ※ 当面の間は,在留期間「3年」を有する場合は,「最長の在留期間をもって在留している」ものとして取り扱われます。 オ. 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと 永住ビザ 要件 の詳しい解説はコチラ 3.原則10年在留に関する特例 永住ビザを取得するためには,原則として10年以上日本に在留し,そのうち5年以上引き続き就労資格または居住資格で在留しなければなりません。 しかし,それは永住ビザの取得を目指す方々にとっては長い道のりです。 一方で「原則10年在留」については,いくつかの特例が認められ,在留年数の要件が緩和されています。 原則10年在留に関する特例の代表例として,以下のようなものがあります。…

興行ビザがわかるコラム

1.興行ビザとは? 興行ビザとは,外国の文化に接する機会を提供し,文化交流を促進することにより,国際理解を増進し,また,日本の文化,スポーツの振興・向上等に寄与するために設けられたビザです。 「興行」は,特定の施設において公衆に対して演劇,演芸,演奏,スポーツ,サーカス,その他のショー等を見せ又は聞かせることをいい,バー,キャバレー,クラブ等に出演する歌手等としての活動もこれに含まれています。 興行ビザは就労ビザの一つで,エンターテイメントビザや芸能ビザと呼ばれることもあります。 テレビなどのメディアで目にする俳優やモデル,歌手,プロスポーツ選手の多くが興行ビザで活躍しています。 興行ビザは,これらの職業の外国人が,コンサート講演やテレビ出演,映画の撮影や音楽のレコーディング,宣伝活動など報酬を得て行う場合に必要となるビザです。 2.興行ビザに該当する職種 どのような職種が,興行ビザに該当するのでしょうか。 本チャプターでは,実際の職種をご紹介します。 ミュージシャン 俳優,モデル 演奏家,オーケストラ プロスポーツ選手,e-スポーツ選手 振付師,演出家 出演者が興行を行うために必要不可欠な補助員 (舞台の演劇の照明係,カメラマン,マネージャー,サーカスの動物飼育係,スポーツ選手のトレーナーなど) このように,様々な職種が興行ビザとして認められているのです。 3.興行ビザは4つのカテゴリー 興行ビザは以下の4つのカテゴリーに分類されます。 どのカテゴリーに該当するかによって,興行ビザの取得の要件や必要書類も異なります。 3-1.興行ビザ1号 「興行ビザ2号」に該当しない演劇,演奏等の興行活動が該当します。 例として,小規模なライブハウスやクラブなどで行われる興行があげられます。 ※飲食の提供を伴う施設で興行活動を行う場合や,実際に飲食の提供を伴わなくても,提供できる設備で興行活動を行う場合には,興行ビザ1号に該当する可能性があります。 3-2.興行ビザ2号 規模が大きく,かつ,短期間で行われるコンサートやフェスなどでの興行が該当します。 また,テーマパークで行われるものも興行ビザ2号に該当します。 3-3.興行ビザ3号 プロスポーツや格闘技の大会,サーカスなどが該当します。 また,監督,コーチ,トレーナーなど選手と一体不可分な関係にある者の活動も,興行ビザ3号に該当します。 3-4.興行ビザ4号 ファッション・ショーに参加するファッション・モデルとしての活動,番組・映画に出演する芸能人,俳優,歌手等の活動が該当します。 興行ビザ4号は,興行ビザ1号から3号と異なり,興行の形態で行われない芸能活動を規定しています。 4.興行ビザを取得するための要件を解説 興行ビザは,上記のように4つのカテゴリーの活動内容に分類されます。 以下では,それぞれの要件についてご説明いたします。 4-1.興行ビザ1号 興行ビザ1号は,演劇等の興行活動に従事しようとする場合であって,興行ビザ2号に該当しないものが対象となります。 飲食の提供を伴う施設で興行活動を行う場合や,実際に飲食の提供を伴わなくても,提供できる設備で興行活動を行う場合には,興行ビザ1号に該当する可能性があります。 興行ビザ1号では,興行ビザの性格上生じうる,不法就労や金銭的な搾取を防止する観点から,非常に厳格な要件を設けています。…

帰化と永住の違いを解説!

1.帰化申請とは? 帰化申請とは,外国国籍を持つ方が日本国籍を取得するために行う手続きのことです。 帰化すれば,日本の戸籍が作られ,参政権を取得して選挙で投票することができます。 また,ビザの更新なく日本に住み続けることができるなど,日本人としての権利を得ることとなります。 2.永住ビザとは? 永住ビザとは,外国人が在留期限なく日本に滞在できるビザのことです。 他のビザと大きく異なる点としては,①在留期間の定めがないこと,②日本での活動に制限がないことが挙げられます。 また,日本の金融機関の中には,住宅ローンの審査の際に,永住ビザを持っている事を要件にしていることも珍しくなく,その点も永住ビザを取りたい大きな理由となっている印象です。 永住ビザは,あくまでも「外国人として」日本に住み続けるためのビザであるため,日本国籍となる帰化とは全く別のものです。 2-1.帰化と永住ビザの徹底比較! 本チャプターでは,帰化と永住ビザの違いについて解説していきます。 まずは,以下の表をご覧ください。   永住ビザ 帰化 国籍の変更 変わらない 日本人となる 申請先 入管 法務局 申請取次 可能 不可 必要書類 帰化申請より少ない 永住ビザ申請より多い 審査期間 約4ヶ月 約1年 退去強制処分 有 無 〇申請取次について 永住ビザ申請は,申請取次行政書士などが取次という形で本人に代わって管轄の入管に出頭して行うことができます。 しかし,帰化申請は,申請人本人が管轄の法務局に出頭して行う必要があり,行政書士が書類作成をすることができても、行政書士が代わりに申請することはできません。 なお,帰化しようとする人が15歳未満であれば,親権者や法定代理人が代わりに申請を行うこととなります。 〇必要書類について 永住ビザ申請も帰化申請も,申請人の状況により必要となる書類は変わります。 しかし,一般的には,帰化申請の方が永住ビザ申請よりも,必要書類の分量が多く,必要書類の収集の難易度が高いと言えるでしょう。…

中国人の帰化申請

1.帰化申請とは 帰化申請とは,一言でいうと「日本人になる手続き」を言います。帰化申請が許可されると日本人となるため,日本の戸籍(帰化許可者の生年月日やご両親,婚姻日などのパーソナル情報のこと)が作成されます。 また,日本人なので,ビザの申請をすることなく日本で安定的に生活出来るようになりますし,世界でも信頼度の高い日本のパスポートを持つことになるため,海外旅行の際にビザ申請をすることなく行ける国が増えます。 他方,5.帰化許可後の対応についてで詳しく解説しますが,日本は二重国籍を認めていないため,中国人が日本へ帰化許可されると自動的に中国国籍を喪失することになります。 2.中国人の帰化申請の動向 法務省が発表した国籍別帰化許可者数を見ると,中国国籍の方は2019年が2,374人(全体8,453人),2020年が2,881人(全体9.079人),2021年が2,526人(全体8,167人)となっています。 国別にみると,2019年から2021年の間で順位の変動はなく,1位韓国・朝鮮,2位中国,3位ブラジル,4位ベトナム,5位フィリピンとなっています。 また,1位の韓国・朝鮮は歴史的背景もあるため,特別としても,2位の中国と3位のブラジルでは帰化許可者数が毎年6倍以上もの差が生じています。(2021年のブラジルの帰化許可者数は444人)。 この数字からわかることは,他の国と比較して,中国人の多くが日本人として,日本で長く住みたいと思ってくれているということです。 日本人としては,国籍という自身のアイデンティティを変えてまで日本人となりたいと思ってもらえていることを嬉しく感じますが,法務局との関係で考えると,帰化許可者数が多いということは,中国人の帰化申請について多く審査をしているということの裏返しであり,どこの法務局も中国人の帰化申請の審査に慣れているということです。 そのため,書類の不備があると法務局から「ここが違う」「この書類は取得できるはずだ」とその都度エクスキューズが入り,帰化申請の準備に時間がかかる可能性があります。 だからこそ,中国人の方が帰化申請を円滑に,かつ,早急に進めるためには,書類に不備がないよう正しい知識を持って帰化申請に臨むことが大切になります 3.中国人の帰化申請を成功させるための条件 中国人の帰化申請を成功させるための条件として,最も重要となることは,どの本国書類をどこで取得することが出来るのか,取得するための手続きはどのようにするのかということを事前にしっかり調査することです。 また,取得すべき書類を正確に知るためには,自身のことだけでなく,自身のご両親などについても事前にヒアリングすることが大切です。 なぜなら,中国以外の国であれば,本国に届出をしていれば,本国の行政機関からそれぞれの内容の証明書の発行が出来ます。 しかし,中国の場合,届出る行政機関によって発行される場所が変わることがあるからです。 例えば,ご両親がどちらも中国国籍である独身の中国人の方が帰化申請をするとなった場合,ご両親の結婚を証明するための証明書が必要となります。 この際,両親が中国本土で結婚していれば,公証処より結婚公証書の発行が可能となりますが,ご両親が日本の中国大使館,領事館で結婚手続きを進めた場合,本国の公証処から結婚公証書は発行されず,日本の中国大使館,領事館から発行された結婚証のコピーで良いとされます。 そして,帰化申請で必要となる書類について,法務局は申請人から話を聞いて判断するため,法務局での初回相談の際に不確かな情報を伝えると,取得できない書類を案内され,帰化申請が進まないとう事態に陥るかもしれませんので,帰化申請を成功させるためにも,先述した書類の取得場所や取得方法,自身だけでなく親族の情報も事前に調査しておくことは肝要です。 4.中国人の帰化申請の書類で注意すべき点 帰化申請を行うためには,まず,自身が帰化申請するために必要な書類を確定させるために,お住いの住所を管轄する法務局を調べ,初回相談へ行って頂く必要があります。 帰化申請の管轄の法務局を調べ,実際に管轄の法務局へ相談に行った際に,法務局から必要な書類について教えてもらうのですが,中国人の帰化申請の場合,必ず本人(家族)の身分関係を示す書類を取得するように指示を受けます。 例えば,日本で生まれた場合や日本にある中国大使館・領事館で手続きをした事項であれば,日本の大使館・領事館で取得できる書類もありますが,原則,中国本国で身分関係を示す書類を取得する必要があります。 身分関係を示す書類は,「出生公証書」,「親族関係公証書」,「婚姻公証書」,「離婚公証書」および「死亡公証書」です。 なお,これらの書類は申請人本人の分だけでなく,帰化申請に関係している親族の分の提出を求められる書類もありますので,その都度対応が必要になってきます。 上記書類はすべて公証された書類(公証書)が必要となりますので,取得した書類を日本へ発送する場合や持ち帰る場合には,注意してください。 また,「親族関係公証書」を取得する際に,申請人に兄妹がいなく一人っ子の場合,親族関係公証書に「独生子」である旨の記載を行ってもらうようにしてください。 「独生子」とは,申請者が一人っ子であることを示す文言であり,他に兄妹がいないことを明らかにします。 近年は,公証書を発行する公証処で,親族関係公証書に「独生子」の記載をしないところもあるようですが,法務局はこの「独生子」の記載が無いと,申請書類を受理しないケースもありますので,ご注意ください。 さらに,中国人の帰化申請では「領事証明」を取得する必要があります。 領事証明とは,他の国でいうところの国籍証明書のことで,中国でも数年前まで国籍公証書として発行されていました。 この解説だけ読むと,領事証明と国籍公証書は同じものと思われるかもしれませんが,そんなことはありません。 確かに領事証明も国籍公証書も,申請人の国籍が中国であることを証明するための証明書です。 しかし,国籍公証書は,中国政府が当該中国人の国籍離脱意思を認め,中国国籍を離脱したことを示す書類で,取得すると中国のパスポートが使用できなくなるため,法務局より取得の案内があった後に取得の手続きをしていたのに対し,領事証明は取得をしても中国のパスポートが使用出来なくなるわけではないので,有効期限はあるものの,法務局の案内を待つことなく帰化申請書類一式を法務局に提出する際に必ず必要となります。 なお,領事証明書を取得するために必要な書類は次の通りです。 ①パスポート原本とパスポートの写真ページのコピー ②在留カード原本および両面コピー ③領事証明申請書 詳しくは,中国大使館・領事館のホームページをご覧ください(…

帰化申請の条件7つを徹底解説

1.帰化申請とは 帰化申請とは,国籍を変更する手続きを言います。 言い換えると、「日本人になるための手続き」です。 帰化申請が許可されれば日本人となるので,日本の戸籍を持ち,ビザを更新する事なく日本に住み続けられます。 また,世界でもトップクラスの信用度を誇る日本のパスポートを持つ事もできます。 他方で,日本では二重国籍を認めていないので,帰化申請をすることにより,母国の国籍を失う事になります。 2.帰化申請7つの条件 帰化申請をするための条件は,国籍法に明記されており,条文上は6つの条件があります。 しかし,実は条文では明記されていない条件が1つあります。 それは,日本語能力の条件です。 日本人となるのですから,日本語が書けて,かつ,日本語でコミュニケーションが図れることが必要だと考えられています。 そのため,実際には帰化申請は7つの条件が必要とされているのです。 まずは,この基本となる7つの条件について見ていきましょう。 ①住所条件(国籍法第5条第1項第1号) 1つ目の条件として,申請時点で引き続き5年以上日本に住んでいる必要があります。 この条件は,日本人となるためには,日本との結び付きが強くなければならないという理由から必要とされています。 ここで重要なのは,「引き続き」という部分です。 合理的な理由のない長期出国がある場合や在留資格が途切れてしまった場合には,今までの在留がリセットされてしまいます。 なお,合理的な理由のない長期出国の具体例として,プライベートでの海外旅行が挙げられます。 他方,合理的な理由のある長期出国の具体例として,仕事での海外出張が挙げられます。 この場合ですと,合理的な出国であったことを証明するため,会社からの出張証明書が求められることが多いです。 また,就労系の在留資格を持っている方は,3年以上就労していることが必要となります。 ここでいう就労とは,正社員や契約社員という雇用形態で判断するのではなく,フルタイムで働いているかどうかが重要となります。 そのため,アルバイトは含みません。 住所条件として,引き続き5年以上日本に住んでいる必要があり,就労系の在留資格を持っている方は3年以上就労していることが必要と記載しました。 しかし,実は住所条件には例外規定が存在します。 そのため,「来日から5年経過していないから帰化はまだ無理か,,,」と諦めるのはまだ早いです。 下記3.帰化申請の条件の例外パターン5選をご覧ください。 原則の住所条件に当てはまらなくても,例外のパターンに当てはまれば帰化申請が出来るか可能性があるのです。 ②能力条件(国籍法第5条第1項第2号) 2つ目の条件は,能力条件と呼ばれ,帰化申請をする申請人に行為能力が必要とされています。 聞きなれない行為能力という言葉ですが,簡単に言うと法律行為を単独で確定的に有効に行うことができる能力と説明されます。 そして,ここで重要となるのが,日本だけでなく本国の法律でも成人していないといけないという点です。 例えば,18歳の韓国人が帰化申請をしようとした場合のケースで考えてみましょう。 日本では2022年4月1日から施工されている改正民法により18歳が成人年齢となったため,日本では成人です。 しかし,韓国の成人年齢は19歳ですので,本国法上では成人しておらず,能力条件をクリアしません。 その結果,この方が単独で帰化申請するためには,19歳になるのを待つ必要があるのです。 日本だけでなく本国の法律でも成人していないといけないという点について,ご理解いただけたでしょうか。 このようなお話をすると,両国で成人しないと帰化申請が出来ないということは,未成年だと帰化申請できないのかと思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。 しかし,未成年の帰化申請についても例外があります。…

台湾人の帰化申請

1.帰化申請とは 日本への帰化とは,外国の国籍を持つ方が日本の国籍を持ち「日本人」の身分を得ることです。 帰化申請とは,そのために行う手続きの総称です。 ご自分がもともと持っておられた母国の国籍は喪失しなければなりませんので,「自分のルーツ国ではなく日本で日本人として暮らす」と決めた方が行うのが帰化申請手続きです。 日本に在留する「台湾人」の方の中には,「永住ビザ」を取得して「台湾人として」日本で暮らすことを目指す方もおられるでしょう。 帰化手続きは「永住ビザ」取得とは全く別の手続きです。 窓口もビザ取得を管轄する出入国在留管理庁ではなく,各地の法務局・支局です。 2.日本に滞在する台湾の方の人数 台湾には親日の方も多く,旅行先として選んだり,ワーキングホリデーを使うなどして日本に来る方は多いです。 日本に在留する外国人の国籍別では,おおむね上位8~10位をキープしています。 ことに都道府県別では,私たち行政書士法人第一綜合事務所のオフィスがある東京在住の方がダントツで多いです。 現在,日本に滞在する台湾の方はどれくらいいるのでしょうか。 日本の法務省の外局である「出入局在留管理庁」が公表している,2022年6月末の日本在留の「台湾人」の数は5万4213人でした。 この数はあくまで,日本での「在留カード」などを持っている「台湾人」方の人数です。 先に書いた通り,「祖父母や両親や親族がすでに日本に住んでおり,日本人になると決意して帰化した」人たちもいます。 「台湾ルーツ」を持つ日本人も含めると,この人数の倍以上はおられるのではないかと思います。 日本と台湾は正式な国交はありませんが,民間・経済活動のレベルで交流を深めようと,2009年に「台日特別パートナーシップ」が始まりました。 2012年の在留「台湾人」は2万2千人台でしたが,その後増加し続け,2019年には6万4773人にのぼりました。 ところが,この2019年に新型コロナウィルス感染症が発生しました。 台湾では抑え込みのため,厳しい渡航制限対策をとったことも影響したのか,2021年には5万1千人台まで減少しました。 現在は,台日両方で渡航制限が緩和される傾向にあり,上記のように2022年からは再び増加傾向にあります。 3.帰化申請の一般的な条件 日本への帰化とは,外国籍の方が「日本人になる」「日本人の身分を得る」ことです。 「その人を『日本人』として受け入れるか」にはいくつかの条件があります。 帰化申請を審査する日本国政府(法務局)の立場に立って考えると分かりやすいと思います。あなたが審査するとしたら,どんな外国人に日本人になってもらいたいでしょう? その人は何年くらい日本に住んでいるの?(住所条件)。 日本で犯罪は犯していないよね?(素行条件)。 その人はこの先日本でお金を稼ぎ,生活して行けるの?(生計条件)などが代表的な条件です。 その他に条件ついては,以下のページで詳しく解説しています。 帰化申請 条件 はコチラ 4.台湾人の帰化申請は「台湾戸籍」に注意 台湾の方に限らず,日本に帰化するためには申請者の身分関係(例えばいつどこで生まれたか,両親は誰かなど)を特定し,日本の戸籍に記載する必要があります。 このため,通常の外国人の帰化申請手続きでは,本国が発行する国籍証明書や出生証明書,死亡証明書,結婚証明書など,いろんな書類を集めなければなりません。 その点,台湾の場合は,日本の統治時代(1895年~1945年)の名残として世界でも珍しく戸籍制度が存在します。 ですから,他の外国人であれば別々に集めなければならない各種証明書の代わりに,「戸籍謄本(以下「台湾戸籍」といいます。)」を提出すれば足ります。 この台湾戸籍ですが,2つの特徴があります。 この2つの特徴を理解しないまま書類取得を進める,何度も戸籍謄本などの書類を取り直すことになりかねません。 台湾戸籍の取得のために注意しなければならない点を挙げます。…

香港の方が帰化申請するには?

1.帰化申請とは 日本への帰化申請とは,簡単に言えば「外国人が日本人になる(日本国籍を取得する)」ための手続きです。 帰化すれば日本の戸籍を持ち,ビザの更新なく日本に住み続けられます。 また,日本のパスポートを所有し,日本人として海外へ渡航することができます。 しかし,それは同時に母国の国籍を喪失することを意味します。 なぜなら,日本が二重国籍を認めていない関係上,日本国籍を得た際には,母国の国籍を持っておく事はできないからです。 2.日本に滞在する香港の方の人数 日本に在留する香港の方の人数は何人か? 法務省は「在留外国人統計」で日本に在留する外国人の国籍別の人数を公表しています。 ただ,2012年7月に外国人登録制度が廃止され,外国人登録証から在留カードでの管理に統一されたために,現在では「中国国籍(香港含む)」の人は何人という形で公表されています。 そのため,いま,日本に在留する「香港人」が何人かということは,残念ながら公表はされていないのです。 かつては,法務省民事局が「中国」のうち「本籍地(出身地)別」の外国人登録者数を発表していました。 それによると,中国国籍を持つ人のうち,香港出身者は1990年代には1900人前後でしたが,2006年には3256人に。 2010年には4196人と,20年間で2倍強に増えています。 もちろんこれは中国国籍のうち「本籍が香港」の方に限っての数字ですので、実際にはより多くの「香港人」の方が日本に在留していたと考えられます。 日本政府観光局によると,2022年の訪日観光客数は,香港は中国・台湾・韓国に次いで第4位の約18万人強。 リピーターも多く,香港の方の日本への興味・関心は強いです。 冒頭に述べたように,香港を巡る厳しい政治情勢を体感し,「香港にとどまるか,海外に脱出するか」悩む方も少なくないと考えられます。 今後,日本政府の対応いかんでは,香港から日本に来る方,そして日本へ移住する方は増加する可能性があると考えられます。 3.帰化申請の一般的な条件 香港に限らず,外国籍の方が日本に帰化するにはいくつかの条件があります。 帰化申請の前に,自分が帰化の条件を満たしているかを知っておきましょう。 帰化の条件を要約すると,国籍法に基づく7つの要件を満たしているかという条件です。 >>帰化申請 条件 はコチラ すでに日本に何年以上住んで居るとか,ある程度日本語ができるかとか,日本で生計を維持するに足る収入があるか――など。 あるいは「日本政府として,あなたを日本人にしてよいかどうか」を問う条件。 また,交通違反などの犯罪を犯していないか? 日本国民として納税しているか?――などを問う条件があげられます。 4.香港の方の帰化申請の流れ 香港の方の帰化申請手続きの流れは,おおむね以下のようになります。 以上がおおまかな帰化申請手続きの流れです。 帰化手続きは提出・作成する書類が多く,何度も法務局や国内外の役所に足を運ぶ必要もあります。 何度も法務局や役所に行くのは面倒,確実に日本国籍を取得したいとお考えの方は,帰化専門の国際行政書士に相談するのも一つの方法です。 5.香港の方の帰化申請に必要となる書類 香港の方が日本への帰化申請をする場合,様々な書類を集める必要があります。 香港の方の帰化申請に限らず,帰化に必要な書類はその人の家族構成や仕事(収入源)によって異なります。 一般的に外国人の帰化申請に提出が必要な書類は, 国籍証明書…

永住ビザの申請代行でおすすめの行政書士とは?

1.永住ビザを依頼するなら,こんな行政書士がおすすめです! 永住ビザを行政書士に依頼する際の決め手として,「料金」と考える方も多いのではないでしょうか? しかし,一言に「料金」と言っても,サービス内容により安いか高いかという判断は全く異なります。 なぜなら,行政書士に同じ永住ビザの依頼をしても,事務所によっては役所での書類は自分で集める必要があったり,追加資料が発生する度に追加料金が発生したりと,サービス内容が同じではないからです。 そのため,サービスが良く依頼者の負担が少ない行政書士と,サービスが悪く依頼者の負担が多い行政書士を「料金」だけで単純比較することはおすすめできません。 また,永住ビザの申請は,行政書士が案件をお受けしてから結果が出るまで,おおよそ半年くらいの時間を要します。 そのため,行政書士選びに失敗すれば,長期間のストレスを抱えることになり,最悪のケースでは,コミュニケーションがうまくいかず不許可という憂い目を見ることになってしまいます。 そこで本チャプターでは,永住ビザの申請代行でおすすめの行政書士を同業者目線で記載しています。 ぜひ,永住ビザの申請を行政書士へ依頼する際の参考にしてください。 1-1.永住ビザの申請実績が十分にある行政書士がおすすめ 永住ビザの許可率を紹介します。 年によりばらつきはありますが,直近5年間(2017年~2021年)の許可率は,平均すれば約54.8%です。 思っていたよりも厳しいと感じる方が多いのではないでしょうか。 実は,そう感じるのは自然なことと言えます。 その前の5年間(2012年~2016年)の許可率は,平均すれば約69.9%であり,以前よりも許可率が下がっているためです。 このように,入管の審査は不変のものではありませんので,その時々の入管の審査の傾向を正確に把握することが,永住ビザの申請においては極めて重要です。 もっとも,入管に問い合わせをすれば,審査の傾向が分かるという訳ではありません。 入管の審査の傾向は,永住ビザの申請の“経験”から判断するほかないのです。 その意味において,永住ビザの申請代行においては,国際業務を専門としていることは当然のこと,永住ビザの申請代行の実績が十分にある行政書士をおすすめします。 1-2.役割が明確な行政書士がおすすめ 永住ビザ申請に限った話ではありませんが,行政書士がどこまで対応してくれるのか,依頼者は何をしなければならないのか,この点を依頼時に明確にしてくれない行政書士は,おすすめしません。 行政書士に依頼する方のニーズは様々で,申請書類の作成が難しいから依頼するという方のみならず,仕事や家事で忙しいから依頼する方もたくさんいらっしゃいます。 「忙しいから依頼したのに,あれもこれも自分でしないとダメなの?」と後悔することのないように,行政書士に依頼する前に,依頼した場合に自分が何をする必要があるかを確認していただくことをおすすめします。 1-3.永住ビザの申請に必要な公文書の収集をしてくれる行政書士がおすすめ 永住ビザ申請に必要となる公文書の収集は,手間がかかるものです。 特に,日頃このような書類収集をしたことがない一般の方にとっては,ご負担は大きくなります。 なぜなら,永住ビザ申請に添付する書類は,一つの役所のみで書類収集ができるわけではなく,市区町村役場,税務署,年金事務所など,実に多くの役所において公文書を取得する必要があるからです。 しかし,永住ビザ申請を行政書士に依頼した場合でも,“書類収集はお客様で!”という行政書士事務所もあります。 その分だけ報酬が極端に安いのであれば,少しでも費用を抑えたいという方には良いかもしれません。 一方で,公文書は行政書士が取得してくれると思っていた場合や,公文書取得の大変さを理解していない場合には,想定外の労力が掛かってしまいます。 そのため,行政書士に永住ビザの申請を依頼する場合には,公文書の取得は誰がするのか明確にしておく事をおすすめします。 個人的には,せっかく行政書士に依頼するのであれば,公文書の収集代行もしてくれる行政書士を良いと思います。 1-4.ネガティブ要素をフォローする説明書の作成をしてくれる行政書士がおすすめ 永住ビザ申請においては,年収や出国歴などの審査ポイントがたくさんあります。 永住ビザ 要件 はコチラ 永住審査ポイントについてネガティブな要素があったとしても,それを補う資料や説明書を付ければ,永住ビザを取得できるケースがあります。 他方で,永住審査ポイントについて,ネガティブな要素があるにも関わらず,その点をフォローしないで永住ビザ申請を行うと不許可の可能性は高くなります。 そのため,永住ビザの申請前には,ネガティブな要素の検証が必要になります。…