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オーバーステイ(不法滞在)とは?解消方法を徹底解説

1.オーバーステイとは? オーバーステイとは、在留期間を過ぎた外国人がそのまま日本に留まっている状態を指します。どんな事情があったとしても、在留期間が1日でも越えてしまうとオーバーステイ(不法滞在)になります。 また、オーバーステイは違法になるため、逮捕されたり強制送還の対象となってしまいます。 オーバーステイには大きく不法入国で在留するタイプと在留期間を超えて滞在するタイプの2つが存在します。 それぞれのタイプについて、くわしく見ていきましょう。 ①不法入国で在留 1つ目は、有効なパスポート等を所持しないで日本に入国する「不法入国」で在留するものを指します。不法入国でのオーバーステイが発覚した場合、悪質とみなされたり強制送還されたりする可能性が高いです。 強制送還をされると、以降は日本に入国しにくくなったり、入国拒否期間が設定されたりします。 不法入国の場合はできるだけ早く、適切な対処が必要です。 ②在留期間を超えて滞在 2つ目は、在留期間を超えて滞在してしまうもので、よく見られるタイプです。 短期間の滞在を目的としている 中長期在留者がうっかり期限を超過している 変更・更新手続きを怠っている 上記のいずれの類型であっても、滞在期間を超えている状態でこちらも違法であることに変わりはありません。 そのため、強制送還の可能性はありますが、気付いてからできるだけ早く誠意的な対応を行えば在留資格を得られる可能性が少しだけあがります。 オーバーステイ状態に気付いたら、専門家へ相談して今後の対処法を相談しましょう。 2.オーバーステイの解消方法 1日でも在留期間を過ぎてしまうと、オーバーステイになり、違法な状態になってしまいます。オーバーステイ状態と気が付いた場合、素早い対応が必要になります。 仮に在留期間を過ぎた際には、素早く誠意を持った対応をすることを心がけましょう。 ここでは3つの解消方法を紹介します。 ①退去強制処分 退去強制処分は、強制的に国外に退去させるものであり、できれば避けたい解消方法です。ただ、退去強制処分は、オーバーステイを隠して放置し続けた場合の処分になるため、正確には解消方法とは言えないでしょう。 退去強制処分を受けると1度目で5年間、2度目以降で10年の上陸拒否となります。上陸拒否期間が経過した場合、必ず日本に再入国できるわけではありません。 オーバーステイなどの違反経歴は在留資格の審査の際にチェックされます。その審査結果によっては上陸拒否期間が終わっていたとしても再入国ができない可能性があります。 ②出国命令制度(母国に一定期間帰国する) 出国命令制度は、自分で在留期間を超えている事に気付き、警察や出入国在留管理局へ出頭した場合に利用できる解消方法です。出国命令制度で一度日本を出た場合、上陸拒否期間は1年になります。 退去強制処分の場合と同様に、上陸拒否期間が経過したからといって必ず日本に再入国できるわけではありません。ただ、退去強制処分よりも再入国できる可能性は高いです。 出国命令制度を利用する際には、以下の条件を満たす必要があります。 自ら警察や出入国在留管理局局に出頭し、速やかに帰国する意思がある オーバーステイ以外の退去強制事由に該当しない 日本国内にて犯罪行為が理由の懲役や禁固刑を受けていない 過去に退去強制処分や出国命令を受けていない 速やかに日本から出国することが見込まれる すべての要件を満たしていれば、出国命令制度の対象者としての認定を受けられる可能性があり、認定されれば入管に収容される心配はありません。認定を受けるまでの期間は2週間〜1ヶ月程度かかります。 ③在留特別許可を受ける 在留特別許可とは、日本から退去強制で出国する方を対象に特別に認められる在留許可です。 本来は退去強制事由に該当する場合でも、日本人と結婚していたり日本国籍を持つ子どもがいたりといった特別な事情がある場合に例外的に日本に滞在できます。違反調査の中でどうしても日本を出国できない事情がある場合に限り認められるものです。 簡単に許可が下りるものではなく、個別条件などによって異なりますが、以下の条件に当てはまれば許可が下りる可能性があります。 日本人と結婚している・日本国籍を持つ子どもの親などの特別な事情がある…

ラオス人と国際結婚する手続きの流れとは?注意点についても紹介

1.ラオス人と国際結婚する場合は日本で先に手続きをすることがお勧め 国際結婚に関する手続きは,自分の国と相手の国のどちらを先に行っても良いのですが,ラオス人と国際結婚する場合は,特別な事情がない限り日本で先に結婚手続きをすることをおすすめします。 ラオスは住んでいる地域や個人の状況によって,結婚手続きの流れや必要な書類の種類,申請の要件などが大きく変わります。結婚手続きがとても煩雑になり,完了するまで数か月~1年程度かかってしまう可能性もあります。 このことから,まずは日本で先に結婚手続きを行うことをおすすめします。 2.ラオス人と日本で先に国際結婚の手続きをする流れ まずは,日本で先に国際結婚をする手続きの流れを紹介します。 主な流れは以下の通りです。 1. ラオスの役所で必要書類を取得 2. 日本の市区町村:婚姻手続き 3. 日本の外務省で婚姻書類の公印確認手続き 4. 日本にあるラオス大使館へ報告的届出の提出 5. 日本の入管局で配偶者ビザの取得 手続きの流れを詳しく見ていきましょう。 ①ラオスの役所で書類取得 まずは,ラオス本国の役所から,ラオス人の「出生証明書」と「独身証明書」を取得してください。 出生証明書と独身証明書は,ラオスの公用語であるラオ語で記載されています。 日本の役所に提出するために,日本語の翻訳文を作成する必要があります。 日本語の翻訳文はどなたが作成してもかまいません。スマートフォンのアプリなどを使って,自分たちで翻訳しても問題ありません。 ②日本の市区町村で婚姻手続き ラオスの役所から必要書類を取得し日本語の翻訳文も準備できたら,日本の市区町村で婚姻の手続きを行います。 婚姻届を提出する際に必要となる書類は,以下の通りです。 日本人側の必要書類 婚姻届 運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類 戸籍全部事項証明書(=戸籍謄本)※本籍地以外の市区町村で手続きする場合 ラオス人側の必要書類 ラオスの役所で取得した独身証明書と,その日本語翻訳文 ラオスの役所で取得した出生証明書と,その日本語翻訳文 申述書とその日本語翻訳文 ※注1 パスポート 在留カード ※交付されている場合 ※注1:日本人が外国人と婚姻手続きを行う場合,外国人側の書類として「婚姻要件具備証明書」ラオス人側の必要書類である「申述書」は,日本の市区町村でフォーマットを用意しています。そちらを事前に取得しておきましょう。 なお,申述書には下記の内容が記載されている必要があります。…

カンボジア人と国際結婚する手続きの流れとは?婚姻要件についても紹介

1.カンボジア人と日本先行で国際結婚をする手続きの流れ まずは、,日本先行で国際結婚をする手続きの流れを紹介します。 先に日本側の婚姻手続きを行い,その後にカンボジア側の婚姻手続きを行うパターンです。 主な流れは以下の通りです。 1. カンボジア本国で必要書類の取得 2. 日本の市区町村で婚姻の手続き 3. カンボジア本国へ渡航し婚姻登録の手続き 4. 日本の入管局へ配偶者ビザの申請 外国側の婚姻手続きは,日本にある大使館で行える国も多いのですが,カンボジアは日本にある大使館で手続きをすることができません。このため,カンボジア本国へ向かい手続きをする必要があります。 カンボジア国内での手続きには時間と手間がかかるため,早くて3ヶ月,遅いと1年かかることもあります。 配偶者ビザの取得などを検討している場合は,早めに手続きを進めることをおすすめします。 次に,流れについて詳しく見ていきましょう。 ①カンボジア本国にて必要書類の取得 まずはカンボジア本国へ向かい,必要書類の取得と取得した書類の認証手続きを行います。 カンボジア本国の役所で,カンボジア人側の「出生証明書」と「独身証明書」を取得してください。 この出生証明書・独身証明書はクメール語で記載されているため,日本語の翻訳文も作成します。 次に,カンボジア外務省にて,取得した出生証明書・独身証明書とそれぞれの日本語翻訳文を認証してもらいます。 カンボジア本国で取得する書類はこれでOKです。 ②市区町村で婚姻の手続きを行う カンボジア本国での必要書類が取得できたら,日本の市区町村にて婚姻の手続きを行います。 カンボジア人と日本人それぞれの必要書類は以下の通りです。 カンボジア人側の必要書類 独身証明書と日本語翻訳 出生証明書と日本語翻訳 パスポート 在留カード ※交付されている場合 日本人側の必要書類 婚姻届 戸籍全部事項証明書(=戸籍謄本)※本籍地以外の市区町村へ提出する場合 市区町村で用意している「申述書」 提出する市区町村によっては,上記以外の書類も必要になる場合があります。 あらかじめ市区町村の戸籍担当者に確認しておくことをおすすめします。 大都市やカンボジア人が多く住んでいる地域の市区町村であれば,必要書類についてすぐに教えてもらえるでしょう。 ただ,カンボジア人との国際結婚に慣れていない市区町村も多くあります。その場合,必要書類の案内が数日後になる可能性があります。 必要書類が無事に提出できれば,1週間程度で戸籍謄本に結婚した旨が記載されます。日本側の婚姻手続きは,これで完了です。…

国際結婚手続きの流れは?必要書類と注意点も解説

1.国際結婚の手続きで必要な書類 国際結婚の手続きを日本で行う場合に,基本的に必要となる書類は以下の4つです。 婚姻届 パスポート 戸籍謄本 婚姻要件具備証明書 外国で国際結婚の手続きを行う場合は、必要となる書類が異なりますので、手続きを行う国に従って下さい。 それでは、日本で国際結婚の手続きを行う場合にどんな書類なのか、詳しく紹介します。 ①婚姻届 まず必要となるのは、婚姻届です。 こちらは、市役所の窓口や法務省のホームページでダウンロードできる婚姻届で,日本人同士で結婚する際に記載するものと同じものになります。 日本人側は日本語で日本人同士の結婚と同様に記入します。 外国人側の指名や父母名はカタカナで記入し、アルファベットでの表記は避けてください。 最後の署名欄は各自直筆で記入し、それ以外の欄は代筆でも問題ありません。 外国方式で国際結婚手続きを行う場合には、外国人のサインは不要です。 また、婚姻届けには押印する場所がありますが、印鑑がない場合は直筆の署名を行ってください。 婚姻届の証人2名は日本に住民票があれば日本人でも外国人でも構いません。 ②パスポート パスポートは外国籍の相手のみで、国籍を証明するために必要です。 顔写真があるページのコピーとそのパスポートの日本語訳を提出します。 提出する書類は必ず、日本語訳されたものを用意してください。 日本語訳は自分たちで行う方法もありますが、必ず翻訳者の氏名と住所を文末に記入してください。 また、婚姻届の提出には本人確認書類の提示が必要になります。 婚姻届を提出する際には、日本国籍があってもマイナンバーカードなどの本人確認書類を用意しておいてください。 ③戸籍謄本 戸籍謄本は日本国籍がある方のうち、本籍地がある市区町村以外で婚姻届を提出する際に必要です。 例として、東京都世田谷区に本籍地がある方が世田谷区役所に婚姻届を提出する場合は戸籍謄本は不要です。 しかし、東京都世田谷区に本籍地がある方が世田谷区役所以外の自治体で婚姻届を提出する場合には戸籍謄本を婚姻届と一緒に提出します。 ただし、戸籍法の改正により、2024年以降は本籍地以外の自治体で婚姻届を提出する場合でも戸籍謄本の提出は不要になります。 ④婚姻要件具備証明書 日本人同士の結婚と国際結婚で大きく違う点が、婚姻要件具備証明書です。 婚姻要件具備証明書とは、外国籍の相手が独身であることや婚姻適齢にあることなどの婚姻要件を満たしていることを示す書類です。 婚姻要件は国によって異なります。 婚姻要件具備証明書の提出によって、「母国の婚姻に関する要件を満たしており日本での婚姻に問題がない」と証明してくれます。 婚姻要件具備証明書は在日大使館か領事館に請求してください。 請求する際に、身分証明書のみが必要な場合と出生証明書や独身証明書が必要な場合もあるため、あらかじめ在日大使館や領事館に確認しておきましょう。 また、婚姻要件具備証明書はペルーやインドなど一部の国では発行されない場合があります。 その場合は、婚姻要件具備証明書がない旨の申述書と独身証明書など別の書類で代用します。 2.国際結婚の手続きの流れ 次に国際結婚の手続きの流れを紹介します。…

配偶者ビザを申請するには?必要書類や注意点について解説

1.配偶者ビザとは? 配偶者ビザとは,外国人の方が日本人の配偶者とともに日本で暮らしていくために必要なビザのことを言います。 正式には「日本の配偶者等」と言いますが,多くの場合「配偶者ビザ」または「結婚ビザ」などと呼ばれています。 外国人配偶者の居住地が,海外,日本,どちらのケースでも配偶者ビザの申請は可能です。 ただし外国人配偶者が海外,日本のどちらに居住しているかによって,配偶者ビザの申請の種別が異なります。 2.配偶者が海外に居住している場合の申請方法 配偶者が海外に居住している場合は,「在留資格認定証明書交付申請」を行う必要があります。 在留資格認定証明書交付申請とは,海外に居住している外国人配偶者を日本に呼び寄せるための申請のことをいいます。 申請の流れは以下のとおりです。 ①入管に配偶者ビザを申請する ②入管において審査を受ける ③入管から審査結果が送付される ④配偶者に在留資格認定証明書を郵送する ⑤在外日本大使館で配偶者ビザの交付を受ける ⑥3カ月以内に日本に来日する それぞれ順番に解説します。 ①入管に配偶者ビザを申請する まずは,入管に在留資格認定証明書交付申請を行います。 申請先は,申請代理人の住所地を管轄する入管です。 誰でも配偶者ビザを申請できるわけではなく,申請できる人は以下のように決められています。 日本にいる外国人配偶者の親族 行政書士,弁護士 上記の「行政書士,弁護士」とは,申請取次研修および試験を経て,地方出入国在留管理局長に届け出た行政書士または弁護士のみが対象です。 なお,行政書士法人第一綜合事務所には,複数の申請取次行政書士が在籍しています。 ②入管において審査を受ける 申請後,入管にて配偶者ビザの審査が行われます。 入管での審査は込み具合により変動しますが,概ね完了するまでに1カ月~3カ月程度かかります。 そのため,お子様の学校の都合等で入国日が決まっている場合には,計画的にスケジュールすることが肝要です。 ③入管から審査結果が送付される 配偶者ビザの審査が終わったら,以下のうちどちらかの書類が入管から送られてきます。 在留資格認定証明書 在留資格認定証明書不交付決定通知書 送られてきたのが「在留資格認定証明書」だった場合,配偶者ビザ取得のための最初のステップをクリアしたということになります。 一方,送られてきたのが「在留資格認定証明書不交付決定通知書」だった場合は,残念ながら配偶者ビザの申請許可が下りなかったということです。 このように,送られてくる書類によって大きく結果は異なります。 なお,配偶者ビザの申請が不許可になってしまったときの対処法については,以下のコラムにて解説しています。 今回は不許可になってしまったものの,再申請に挑みたいという方はぜひご覧ください。 >>配偶者ビザ 再申請の方法

上陸特別許可を専門行政書士が解説

1.上陸特別許可についての入管法の規定 外国人が日本に上陸しようとする場合,上陸しようとする空港または海港で必ず上陸審査を受けて上陸許可を受けなければなりません。上陸許可の要件は大きく分けて4つ法定されており(入管法7条1項),そのなかの一つに上陸拒否事由に該当していないことが定められています。 Aさんの場合,入管法第5条第1項9号ロの上陸拒否事由に該当するため,5年間日本への上陸を拒否されることになります。上陸拒否事由には,代表的なものとして薬物事犯,売春防止法違反,1年以上の懲役刑の有罪判決(執行猶予付判決を含む)を受けたことなどが定められています。 (参考条文) ・入管法第7条第1項4号 入国審査官は,前条第二項の申請があつたときは,当該外国人が次の各号…に掲げる上陸のための条件に適合しているかどうかを審査しなければならない。 四 当該外国人が第五条第一項各号のいずれにも該当しないこと(以下略) ・入管法第5条第1項9号ロ 次の各号のいずれかに該当する外国人は,本邦に上陸することができない。 九 次のイからニまでに掲げる者で,それぞれ当該イからニまでに定める期間を経過していないもの ロ 第二十四条各号…のいずれかに該当して本邦からの退去を強制された者で,その退 去の日前に本邦からの退去を強制されたこと…のないもの 退去した日から五年 もっとも,上陸拒否事由に該当する場合でも,法務大臣が相当と認める場合には,上陸を許可することができるとされています。法務大臣の裁決の特例として,入管法では以下のように定められています。 (参考条文) 入管法第12条第1項 法務大臣は,前条第三項の裁決に当たって,異議の申出が理由がないと認める場合でも,当該外国人が次の各号のいずれかに該当するときは,その者の上陸を特別に許可することができる。 一 再入国の許可を受けているとき。 二 人身取引等により他人の支配下に置かれて本邦に入ったものであるとき。 三 その他法務大臣が特別に上陸を許可すべき事情があると認めるとき。 実務上,もっとも多く上陸特別許可が認められる類型が,3号の「法務大臣が特別に上陸を許可すべき事情があると認めるとき」です。 このように,入管法は上陸を認めることができない事由を定める一方で,特例として上陸を認める場合があることを定め,個別の事案で救済を図っているのです。 上陸拒否事由については,入管法の上陸拒否事由とは? で解説していますので,ご参照ください。 それでは,次のチャプターで,どのような場合に上陸特別許可が認められているか見ていきましょう。 2.上陸特別許可が認められるケース では,どのような場合に,上陸特別許可が認められるのでしょうか。 上陸拒否事由を定めておきながら,あまりにも広く特例を認めてしまうと,上陸拒否事由を定めた意味がありません。そこで,実務上は,人道上配慮すべき特別な事情がある場合に限り特例を認めるという,かなり限定的な運用がされています。しかも,この要件を満たしていれば特例を認めるというように要件が法定されているわけではなく,法務大臣の相当広範な裁量によって決定されます。 ただ,入管当局も上陸特別許可の運用を明確にするために,毎年1度,許可事例と不許可事例を公表しており,また,実務運用の積み重ねによってある程度の基準が明らかになってきています。それが以下の4つの基準です。 ①日本人,特別永住者,永住者,定住者と法的に婚姻が成立しており,婚姻の信憑性の立証が十分になされていること ②在留資格認定証明書交付時において,婚姻後1年以上が経過していること ③在留資格認定証明書交付時において,退去強制後2年以上経過していること ④執行猶予付き有罪判決を受けた後に退去強制された場合は,執行猶予期間をおおむね経過していること…

配偶者ビザの更新!必要書類や不許可にならないためのポイント解説

1.配偶者ビザの更新期間 配偶者ビザの更新は,在留期間が満了する3ヶ月前から,住所地を管轄する入管に申請することができます。ただし,入院や長期出張などの特別な事情が認められる場合は,3ヶ月以上前から更新申請することができる場合もあります。 一般的に在留期間の更新申請を行った際の審査期間は,2週間から1ヶ月程度とされており,その後に付与される配偶者ビザの在留期間は,「6月」,「1年」,「3年」,「5年」と定められています。 「6月」の在留期間は,離婚調停又は離婚訴訟が係属している方が該当するので,初回の配偶者ビザの更新申請では,付与される在留期間は「1年」となる方が多い印象です。 一方,提出された書類を総合的に判断して初回から「3年」や「5年」の在留期間を付与される方もいらっしゃいます。 初回から「3年」や「5年」の在留期間を付与される方は,婚姻後の同居期間が3年を超えている方や,既にお子様がいらっしゃって小学校及び中学校に通われている方など,婚姻の実体が安定・継続している方が対象となります。 配偶者ビザの更新については,前回の申請時と生活状況等に変更がある場合には,更新申請の必要書類や審査の難易度が大きく異なる事になるので注意が必要です。 2.配偶者ビザ更新時の審査ポイント 配偶者ビザの更新は,婚姻が継続している事実のみをもって当然に許可されるわけではありません。 本チャプターでは,配偶者ビザの更新時の審査ポイントについてご説明します。 ①婚姻生活が安定・継続していること 夫婦が同居・扶助・協力して,生計を共にしていることが必要です。 しかし,やむを得ない事情で週に1回しか同居していない場合や,外国人である配偶者が長期間日本に不在であった場合でも,理由によっては,配偶者ビザの更新が許可されることもあります。 では,配偶者ビザの更新許可をもらえる理由とは一体どのような理由なのでしょうか。 それは,単身赴任等の仕事上の理由や,病気,本国にいる両親の介護等が代表例です。 ここでご注意いただきたいのは,例にあげた合理的な理由があったとしても,それを入管に立証できなければ,配偶者ビザの更新許可はされないということです。 たとえば,自宅と単身赴任先を行き来していることを証明できる資料(高速道路を利用した領収書や,新幹線のチケットや領収書など)や,両親の介護が必要であることを明らかにする書類(医師の診断書など)や,日本人夫が服役中の場合は在監証明書を必要書類と共に提出することが,入管審査の観点からは重要な書類となります。 ②素行が不良でないこと 法律を犯すことなく,また税金の支払い等の公的義務を履行していることが求められます。 よくあるのが,住民税などの税金に関して納付期限を過ぎても支払いをしていないケースです。 配偶者ビザの更新前に,公的義務の履行状況は確認するようにしてください。 ③婚姻生活を営むための経済的基盤があること 扶養者である配偶者の収入が低かったり,夫婦どちらも無職の場合には,配偶者ビザの更新申請が不許可になってしまう可能性があります。 しかし,上記のような状況にあっても,例えば日本にいる両親や親族から生活費の援助を受けている場合や,夫婦どちらか一方の就職先が決まっており安定した収入を見込める場合は,配偶者ビザの更新申請前に,生活費の援助を受けていることが分かる資料や,内定先の雇用契約書や内定通知書等を必要書類と共に提出することで,配偶者ビザの更新申請が認められる可能性もあります。 収入については,直近の1年間の収入額が,本人に被扶養者を加えた人数に78万円を乗じた金額(国民年金の基礎年金の年間受給額が参考とされています。)以上であるか否かが,目安とされています。 ④入管法に定める届出等の義務を行っていること 中長期在留者は,在留カードの記載事項に係る届出,所属機関等に関する届出などの義務を履行しなければなりません(入管法第19条の7から第19条の13まで,第19条の15及び第19条の16)。 配偶者ビザをお持ちの方も中長期在留者に該当するので,引っ越しにより住居地に変更が あった場合などは,住居地を定めた日から14日以内に従前の住所地を管轄する役所への転出届と,引越先の住所地を管轄する役所に転入届を提出する必要があります。 以上が,配偶者ビザの更新時の審査ポイントとなります。 なお,配偶者ビザの更新において不利な事情があるからといって,虚偽の内容を記載することは絶対にしてはいけません。 実務上では,虚偽申請を行ったことの一事をもって不許可になる事例が多く発生しています。 例えば,配偶者と婚姻後日本で同居の事実がないにも関わらず,その事実を隠して入管に更新許可申請を行い不許可になる,といったものです。 配偶者ビザの更新申請にご不安のある方は,まずは弊社の無料相談をご利用ください。 無料相談のお問い合わせ先 3.配偶者ビザの更新申請する際の必要書類 申請人の方が,日本人の配偶者である場合には, 在留期間更新許可申請書 1通 証明写真(縦4cm×横3cm) …

配偶者ビザの不許可理由と対応策

1.配偶者ビザが不許可となる理由~交際に関すること~ 1-1.交際歴が短い 配偶者ビザを取得するためには,交際を経て,その関係が結婚にまで昇華したということを書面で立証していく必要があります。 自分たちは偽装結婚ではないから大丈夫!と考えられる方も多いのですが,交際歴が短い場合には,入管からあらぬ嫌疑を抱かれ,配偶者ビザが不許可になってしまうケースもあります。 では,どれくらいの交際歴が適正なのかという問いには,仮に身近なご友人が国際結婚をする場合,その交際歴で結婚をして大丈夫?と不安を感じるようであれば,配偶者ビザの不許可リスクは高まるとお考え下さい。 そのような場合には,通常よりも高度な婚姻実体の立証が必要となります。 1-2.年齢差が大きい 本来は,愛があれば年の差は関係ないはずです。 しかし,年の差婚の場合には,類型的に見ると日本人側が騙されてしまっている場合があり,入管もそういった事例を認識しています。 そのため,年の差婚で配偶者ビザを取得するためには,通常よりも慎重かつ丁寧な書面を作成し,夫婦としての実体を立証する必要があります。 1-3.コミュニケーションが取れていない 近時の配偶者ビザの審査で,入管が特に気にしているのが夫婦のコミュニケーションです。というのも,アプリを使ってコミュニケーションを図るケースや通訳者が別にいるケースは,夫婦のコミュニケーション不足から起きるトラブルも少なくないからです。 配偶者ビザの許可,不許可に関わらず,夫婦共通のコミュニケーション言語を持つことは,今後の夫婦関係はもちろんのこと,外国人配偶者の日本での生活を考えると非常に重要です。 1-4.親族が国際結婚をしたことを知らない 親,兄弟姉妹など,親族が結婚した事実を知らない場合には,配偶者ビザの不許可リスクが高まります。 実際,入管に提出する質問書という書類でも,親族が結婚の事実を知っているか否かは問われており,交際の信憑性を左右する一つの要素になっています。 そのため,両親に結婚を反対されていながらも結婚をしたケースなどでは,その経緯を丁寧に説明し,その他の交際実態の立証に注力することによって,真正婚であることを明らかにしていく必要があります。 1-5.一方の国でしか結婚をしていない 国際結婚は,当事者の双方の国籍国での手続きが完了していなければなりません。 そのため,一方国でのみ結婚を成立させた状態では,完全には国際結婚手続きを履践したとはいえず,婚姻の信憑性の判断において,不許可となる可能性があります。 「法務省における法令適用事前確認手続」(※注1)によれば,一方の国でしか結婚をしていない場合は,配偶者ビザが必ず不許可になるとは記載していないものの,相手国の婚姻証明書が提出されないことに起因して,婚姻実体の立証が不十分となることはあり得るとしています。 (※注1)法令適用事前確認手続とは,民間企業等が,実現しようとする自己の事業活動に係る具体的行為に関して,その行為が特定の法令の規定の適用対象となるかどうかをあらかじめその規定を所管する行政機関に確認し,その機関が回答を行うとともに,その回答を公表するものです(出典:法務省における法令適用事前確認手続~法務省におけるノーアクションレター制度について~)。 他方,日本人と外国人の結婚において,外国側の手続きが何らかの理由で履行できない場合であっても,婚姻届が受理され日本側の手続きを履行している場合には,入管に説明書を提出すれば,配偶者ビザの許可が下りる可能性はあります。 1-6.交際期間が前婚と重なっている 入管審査は,警察と同じく民事不介入であるため,たとえ交際期間が前婚と重なっている場合でも,配偶者ビザの審査上は問題ないとも考えられます。 確かに,入管の審査は,不貞行為の有無を明らかにする事を目的にするものではありません。しかし,社会通念で判断する入管審査においては,前婚期間中の交際は,信憑性がないと判断される可能性があります。 そのため,仮に前婚の婚姻関係が実質的に破綻をしていたのであればその具体的事実を,また前婚が破綻はしていなかった場合であっても,どのような経緯で交際を開始し,前婚が離婚に至り,そして再婚にまで至ったのかを明らかにする必要があります。 1-7.インターネットで出会っている 情報通信網の発達もあり,国際結婚の局面においても,出会いの形は多様化しています。それに伴い,偽装結婚の手口も,複雑かつ巧妙化しているのが現状です。 これらの状況に鑑み,出会いの経緯については,入管は特に慎重な審査をしています。インターネットで男女が出会うことは決して悪いことではありませんが,配偶者ビザの入管審査では通常よりも高いレベルで,婚姻に至るまでの経緯を明確にする必要があります。 1-8.結婚紹介所を介して出会っている 上記のインターネットで出会っている場合と同様,結婚紹介所を介して出会っている場合も交際の実態に嫌疑を抱かれやすく,配偶者ビザが不許可となりやすい一類型と言えます。 また,日本人側の婚姻意思が明らかであったとしても,外国人の方が国際結婚をビザ取得のための便法としていることもあるため,注意が必要です。 結婚紹介所を介して出会っている場合には,それぞれについて,なぜ結婚紹介所に登録するに至ったかなどを赤裸々に説明すると共に,二人の交際実態を明らかにしていく必要があります。 1-9.今のビザの期限直前に配偶者ビザ申請をしている 就労ビザを保有する外国人が離職中でビザの期限が迫っている場合や,留学ビザを保有する外国人が退学や卒業をして,次の進路が決まっていない状態でビザの期限が迫っている場合は,配偶者ビザの不許可リスクが上がります。 その理由としては,日本に滞在を続ける理由として,配偶者ビザを申請していると見られてしまう可能性があるため,通常に比べると配偶者ビザの審査が難化する傾向にあるからです。 このような場合には,就労ビザや留学ビザでの活動を離脱するに至った経緯を説明することはもとより,ご夫婦の交際実態の立証を慎重におこなった上,配偶者ビザを申請する必要があります。…

結婚ビザと配偶者ビザの違いとは?

1.結婚ビザと配偶者ビザに違いはある? これまでに,結婚ビザと配偶者ビザの違いを尋ねられることが何度かありました。 はたして結婚ビザと配偶者ビザに違いはあるのでしょうか。 実は,いずれも国際結婚したことにより取得するビザであり,違いはありません。 もっとも,結婚ビザや配偶者ビザがどのビザを意味するかについては,一方配偶者の方のビザの種類や国籍によって異なります。 例えば,日本人と結婚した場合には,日本人の配偶者等というビザ,永住者と結婚した場合には,永住者の配偶者等というビザという具合に,結婚ビザや配偶者ビザといっても,実際に取得するビザの名称は異なることがわかります。 つまり,結婚ビザや配偶者ビザと言われるものは,国際結婚をしたことによって取得するビザの総称であって,具体的なビザの種類は,一方配偶者のビザや国籍により異なるということです。 次のチャプターでは,国際結婚の組み合わせと取得できるビザの種類をみていきましょう。 2.結婚することで取得できるビザは意外に多い!? 現在,入管法には大きく分類すると,33種類のビザがあります。 さらに,その中の1つである特定活動ビザでは49種類に,定住者ビザも8種類に分類されています。 ここでは,国際結婚をすることによって,取得できるビザをみていきます。 配偶者の属性 取得できるビザ 日本人 日本人の配偶者等ビザ 永住者 永住者の配偶者等ビザ 定住者 定住者ビザ(定住者告示5号) 教授,芸術,宗教,報道,高度専門職,経営・管理,法律・会計,医療,研究,教育,技術・人文知識・国際業務,企業内転勤,介護,興行,技能,特定技能2号,文化活動,留学(※1)のいずれかのビザをお持ちの方 家族滞在ビザ 外交 外交ビザ 公用 公用ビザ 高度専門職 家族滞在ビザ又は特定活動ビザ(特定活動告示33号) 特定活動 特定活動ビザ(※2) ※1 但し,基準省令第1号ハは家族滞在ビザの対象になりません。 ※2 但し,特定活動告示3号,4号,7号,18号,19号,23号,24号,30号,31号,38号,41号,45号,47号,49号のいずれかに該当する場合に限ります。 上記の表からもおわかりのとおり,国際結婚をすることで取得することができるビザの種類は多岐に亘ります。 上記の表に関連して補足をすると,同性婚のパートナーが取得できるビザもあります。 その内容については,同性婚のパートナーはビザを取得できる? で詳しく記載していますので,ぜひ参考にしてください。 次に,たとえ国際結婚をしても,家族滞在ビザを取得できないビザがあることには注意が必要です。…

国際結婚して連れ子を呼び寄せるビザとは?定住者の取得条件や必要書類,解決事例を公開!

1.国際結婚して連れ子を呼び寄せるビザとは? 国際結婚をして連れ子を呼び寄せるためには,連れ子の在留資格である「定住者」が必要です。 連れ子の在留資格の種類は個別の事情によって異なりますが,一般的なケースでは「定住者」が該当します。 定住者ビザは,個々の外国人に対して特別な理由を考慮して居住を認める在留資格です。 このビザは,連れ子を含む外国人や難民,日系人などのケースにおいて,出生や人道上の理由に基づいて取得されることが一般的です。 以下では,連れ子が定住者ビザを取得する場合の要件や,手続き方法について詳しく解説します。 (1)連れ子ビザ(定住者ビザ)の取得条件とは? 連れ子ビザ(定住者ビザ)の取得は,以下の条件を満たす必要があります。 ①親が配偶者ビザを保有している 連れ子が定住者ビザを取得するためには,まず親が「日本人の配偶者」ビザ,または「永住者の配偶者」を取得している必要があります。 そのためには,法律上の正式な婚姻関係が必要です。 ②親の実子である 連れ子は外国人の親の実子である必要があります。 養子や前の配偶者の連れ子の場合は,定住者ビザの取得要件を満たせません。 ③子供本人が未成年かつ未婚である 連れ子は未成年かつ未婚である必要があります。 未成年とは,日本の法律で定められた18歳未満のことを指します。 ④親の扶養を受けて生活する 連れ子は日本で養育されるために呼び寄せられるので,親の扶養を受けて生活することが条件です。 連れ子を受け入れる家庭の経済状況や連れ子と夫婦の同居も審査の対象となります。 申請時には連れ子の年齢や親の扶養実績,交流の証拠などを提出する必要があります。 当事務所では,連れ子と外国人配偶者を同時に呼び寄せるための申請など様々なケースに対応していますので,ご相談ください。 (2)連れ子ビザ(定住者ビザ)のカテゴリーについて 定住者ビザのカテゴリーは,主に以下の5つに分類されていますが,本ページに記載している連れ子ビザは,④となります。 同じ定住者ビザではありますが,必要書類等を間違えないようにしてください。 ①外国人(申請人)の方が日系3世である場合 ②外国人(申請人)の方が日系2世の配偶者(夫又は妻)である場合 ③外国人(申請人)の方が日系3世の配偶者(夫又は妻)である場合 ④外国人(申請人)の方が「永住者」,「定住者」,「日本人の配偶者等」,「永住者の配偶者等」又は「特別永住者」のいずれかの方の扶養を受けて生活する,未成年で未婚の実子である場合 ⑤外国人(申請人)の方が「日本人」,「永住者」,「定住者」又は「特別永住者」のいずれかの方の扶養を受けて生活する,6歳未満の養子である場合 (3)連れ子との養子縁組は必ず必要ではない 国際結婚をして連れ子を呼び寄せる際に,連れ子との養子縁組が必要なのかという疑問を持つ方もいます。 しかし,定住者の在留資格で申請する場合, 日本人の父または母との養子縁組を行う必要はありません。 仮に,養子縁組が必要な場合には,外国法の手続きが複雑な場合もありますので大変です。 定住者ビザの申請においては,養子縁組をする必要はありませんので,安心して手続きを進めることができます。 (4)連れ子ビザ(定住者ビザ)も永住許可申請の対象になる 国際結婚をして連れ子を呼び寄せる際,連れ子ビザ(定住者ビザ)も永住許可申請の対象になります。 定住者ビザから永住許可を得ると,在留期間の定めがなくなり,ビザ更新の手間がなくなるので取得するのがおすすめです。 定住者ビザから永住許可を得るためには,以下の条件を満たす必要があります。…