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留学ビザから就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)に変更するための要件

1.就労ビザが許可されるための要件 留学ビザから就労ビザへの変更が許可されるためには,(1)在留資格該当性,(2)上陸許可基準適合性,(3)素行が悪くないこと,(4)入管法で定められている届出をおこなっていることが必要とされています。 上記の要件を順に見ていきましょう。 (1)在留資格該当性 就労ビザは,入管法において活動類型ごとにカテゴリーされています。例えば,『通訳』の仕事に就くなら技術・人文知識・国際業務,『料理人』の仕事に就くなら技能,『高校の先生』の仕事に就くなら教育といった具合に,どのような仕事に就くかでビザの種類は異なってきます。 一方,入管法のどのカテゴリーにも属さない仕事については,就労ビザを取得することは出来ません。 つまり,入管法のいずれかの活動類型に該当する仕事に就く場合には,在留資格該当性を有し,反対に,入管法のいずれの活動類型にも属さない仕事に就く場合には,在留資格該当性を有しないと判断することになります。 (2)上陸許可基準適合性 上陸許可基準とは,経済や国民生活に及ぼす影響を考慮して,入管政策上の観点から調整を要する外国人の活動について,(1)の在留資格該当性に加えて,法務省令において定められている要件をいいます。 具体的にいうと,学歴や職歴,また保有する資格などの要件があげられます。 (3)素行が悪くないこと 留学ビザから就労ビザへの変更が許可されるための要件の一つに,素行が悪くないことが必要とされています。 この要件について,入管は留学生の素行の良し悪しをどのように判断しているのでしょうか。 留学ビザから就労ビザへの変更の際に,マイナス評価される代表的な内容を見ていきましょう。 一つ目は,アルバイトです。 ① アルバイトの時間遵守(1週について28時間以内(教育機関の長期休業期間にあっては,1日8時間以内))はもとより,②アルバイトの内容の適正(風営法関連,留学生としての活動が妨げられるようなアルバイト),そして③アルバイトの許可(資格外活動許可といいます。)を取得していたかどうかが大きなポイントです。 留学ビザから就労ビザへ変更する際に,素行要件として在学中のアルバイト状況を入管から確認されますので,留学生の皆さんは,アルバイトの時間遵守,内容の適正,許可の取得の3点を必ず守って下さい。 企業の人事担当の方については,面接の際に,アルバイトの時間遵守,内容の適正,許可の取得の3点を確認し,想定外の不許可を防止するように努めて下さい。 二つ目は,これまでの在学状況です。 例えば,日本で専門学校を卒業し,就労ビザへの変更申請をする際,卒業はしたものの出席率が芳しくないような場合が該当します。 留学ビザから就労ビザへ変更申請をする際には,これまでの活動内容,すなわち留学生としての活動内容も審査対象となりますので,留学生の皆さんはくれぐれも注意をして下さい。 三つ目は,犯罪行為等がある場合です。 法律を遵守し日常生活を過ごしている場合には特段問題にはなりませんが,近頃は留学生が意図せず犯罪行為に巻き込まれている事例も増加しています。 例えば,自宅に居ながら荷物を受け取るだけのアルバイトや,安易に在留カードを人に貸してしまった事例では,後に思いがけないトラブルに発展するケースもあります。 留学生の皆さんは日本の法律を守って,留学生としての自覚を持って日々過ごしてください。 (4)入管法で決められた届出をおこなっていること 入管法第19条の7から第19条の13まで,第19条の15及び第19条の16に規定する届出義務を履行していることが必要とされています。 以下に,具体的に項目を列記していますので,どのようなケースで何の届出が必要なのかを理解して,入管法で定められた期間内に必ず届出をおこなうようにして下さい。 ・第19条の7(新規上陸後の住居地届出) ・第19条の8(在留資格変更等に伴う住居地届出) ・第19条の9(住居地の変更届出) ・第19条の10(住居地以外の記載事項の変更届出) ・第19条の11(在留カードの有効期限の更新) ・第19条の12(紛失等による在留カードの再交付) ・第19条の13(汚損等による在留カードの再交付) ・第19条の15(在留カードの返納) ・第19条の16(所属機関等に関する届出) 2.まとめ 本ページでは,留学ビザから就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)に変更許可されるための要件を見てきました。…

法律・会計業務ビザとは?

1.法律・会計業務ビザとは? 法律・会計業務ビザは,法律や会計業務に従事する外国人を日本へ受け入れるために設けられた就労ビザの一つです。 入管法上は,「外国法事務弁護士,外国公認会計士その他法律上資格を有する者が行うこととされている法律又は会計に係る業務に従事する活動」に就くことができると規定されています。 2.法律・会計業務ビザに該当する資格は? 法律・会計業務ビザは,法律上資格を持っている方が行う法律又は会計に係る業務とされ,資格を持っていなければ従事することができない業務が対象となります。 具体的には,下記の資格が法律・会計業務ビザの対象となります。 ①行政書士 ②外国法事務弁護士 ③外国公認会計士 ④弁護士 ⑤司法書士 ⑥土地家屋調査士 ⑦公認会計士 ⑧税理士 ⑨社会保険労務士 ⑩弁理士 ⑪海事代理士 あまり聞きなれない資格,②外国法事務弁護士,③外国公認会計士について解説します。 ②外国法事務弁護士とは,外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法に基づき,日本において一定の範囲の法律事務を行うことが出来るとされている方をいいます。 ③外国公認会計士は,公認会計士法第16条の2に基づく特例として,日本の公認会計士と同様の業務を行うことが可能とされている方をいいます。 3.法律・会計業務ビザの注意点は? 上記2で記載をした「法律上資格を有している者が行うこととされている法律又は会計に係る業務」の判断が,法律・会計業務ビザの一番のポイントです。 法律・会計業務ビザは,業務独占の資格職業者のためのビザであるため,上記以外の資格ではビザを取得できません。 ※中小企業診断士の資格,不動産鑑定士の資格は含まれていないのでご注意下さい。 また,上記の資格を有している場合でも,資格がなくても出来る業務に就く場合,例えば,弁護士資格を有する方が企業に雇用されて法律知識を活かす業務に就く場合であっても,その業務が無資格でも行える業務である場合には,法律・会計業務ビザは取得することが出来ません。 4.法律・会計業務ビザを申請する場合の必要書類 法律・会計業務ビザを申請する場合の必要書類は,以下のとおりです。 日本の法律や会計に関する資格を有していることがビザ取得の要件となっているため,必要書類は他の就労ビザと比較して簡素化されています。 (在留資格認定証明書交付申請) 〇在留資格認定証明書交付申請書 〇写真(縦4cm×横3cm) 〇パスポートのIDページコピー 〇返信用封筒(簡易書留用) 〇日本の資格を有することを証明する文書(免許書,証明書等の写し) 〇その他,審査上必要となる資料 (在留資格変更許可申請) 〇在留資格変更許可申請書 〇写真(縦4cm×横3cm) 〇パスポート及び在留カード 〇入管所定の葉書…

文化活動ビザとは?

1.文化活動ビザとは? 文化活動ビザは,日本文化の研究者,日本の伝統技能の修行者などを外国から受け入れるために設けられたビザです。収入を伴わない学術上もしくは芸術上の活動または日本特有の文化若しくは技芸について,専門的な研究を行い若しくは専門家の指導を受けて,これを修得する活動を行うことが出来ます。 2.文化活動ビザの活動内容は? 文化活動ビザは,次のいずれかの活動に該当する必要があります。 ①収入を伴わない学術上の活動 ②収入を伴わない芸術上の活動 ③我が国特有の文化又は技芸について専門的な研究を行う活動 ④我が国特有の文化又は技芸について専門家の指導を受けてこれを修得する活動 例えば,外国の大学教授,助教授,講師などで,日本で収入を得ないで研究や調査を行う場合や,生け花,茶道,柔道など日本特有の文化,技芸を専門的に研究する場合,あるいは専門家から個人指導を受ける場合などが該当します。 3.文化活動ビザの注意点は? 文化活動ビザは,就労ビザと異なり収入を得ることは出来ません。そのため,就労することなく,日本で生活することが出来る生活基盤を示すことが入管審査では重要になってきます。 他に注意すべき事項としては,他のビザとの関係についてです。 文化活動ビザの要件に該当する場合であっても,他のビザの要件に該当する場合には下記のとおりの優先劣後の関係となります。 文化活動ビザ < 留学ビザを優先 文化活動ビザ < 研修ビザを優先 4.文化活動ビザを申請する場合の必要書類 文化活動ビザを申請する場合の必要書類は,以下のとおりです。 (在留資格認定証明書交付申請) 〇在留資格認定証明書交付申請書 〇写真(縦4cm×横3cm) 〇パスポートのIDページコピー 〇返信用封筒(簡易書留用) 〇具体的な活動の内容,期間及び当該活動を行おうとする機関の概要を明らかにする資料 ・申請人又は受入れ機関が作成した日本での活動内容及びその期間を明らかにする文書 ・申請人が当該活動を行おうとする機関の概要を明らかにする資料(パンフレット等) 〇次のいずれかで,学術上又は芸術上の業績を明らかにする資料 ・関係団体からの推薦状 ・過去の活動に関する報道 ・入賞,入選等の実績 ・過去の論文,作品等の目録 ・上記に準ずる文書 〇申請人が日本に在留した場合の経費支弁能力を証する文書 〇外国人の方が,専門家の指導を受けて我が国特有の文化又は技芸を修得しようとする場合については,当該専門家の経歴及び業績を明らかにする次のいずれかの資料 ・免許等の写し ・論文,作品集等 ・履歴書…

就労ビザの許可事例・不許可事例の徹底検証!

1.就労ビザが認められるためには? 就労ビザが認められるためには,在留資格該当性と上陸許可基準適合性をそれぞれ満たす必要があります。 では,在留資格該当性,上陸許可基準適合性を満たすためには,どのような要件をクリアすれば良いのでしょうか。 日本の在留資格(一般的なビザ)は,活動内容ごと,身分,地位ごとにカテゴリーされているのですが,あらかじめ入管法で類型化された活動内容や身分,地位に該当すれば,在留資格該当性を有すると判断され,反対に該当しなければ在留資格該当性を有しないと判断されます。 つまり,入管法があらかじめ定めていない活動内容は,就労ビザを取得することは出来ません。 次に,上陸許可基準適合性について説明をすると,経済や国民生活に及ぼす影響を勘案し,入管政策上の観点から調整を要する外国人の活動について,在留資格該当性に加えて,法務省令において定められている基準のことを上陸許可基準といいます。就労ビザの場合には,学歴や職歴,また保有する資格などが要件とされています。 この基準に適合すれば上陸許可基準適合性を有し,反対に適合しない場合には,上陸許可基準に不適合とされ,就労ビザを取得することは出来ません。 このように,就労ビザが許可されるか否かは,在留資格該当性と上陸許可基準適合性の有無に掛かっているのです。 2.就労ビザの許可事例 本チャプターでは,法務省が公表している「「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について」,「留学生の在留資格「技術・人文知識・国際業務」への変更許可のガイドライン」の2つのガイドラインをもとに,就労ビザの許可事例を掲載しています。 (1)最高学歴が大学の場合の就労ビザの許可事例 ①工学部を卒業した者が,電機製品の製造を業務内容とする企業との契約に基づき,技術開発業務に従事するもの。 ②経営学部を卒業した者が,コンピューター関連サービスを業務内容とする企業との契約に基づき,翻訳・通訳に関する業務に従事するもの。 ③法学部を卒業した者が,法律事務所との契約に基づき,弁護士補助業務に従事するもの。 ④教育学部を卒業した者が,語学指導を業務内容とする企業との契約に基づき,英会話講師業務に従事するもの。 ⑤本国において工学を専攻して大学を卒業し,ソフトウェア会社に勤務した後,本邦のソフトウェア会社との契約に基づき,月額約35万円の報酬を受けて,ソフトウェアエンジニアとしてコンピューター関連サービスに従事するもの。 ⑥本国において経済学,国際関係学を専攻して大学を卒業し,本邦の自動車メーカーとの契約に基づき,月額約20万円の報酬を受けて,本国と日本との間のマーケティング支援業務として,市場,ユーザー,自動車輸入動向の調査実施及び自動車の販売管理・需給管理,現地販売店との連携強化等に係る業務に従事するもの。 ⑦経営学を専攻して本邦の大学を卒業し,本邦の航空会社との契約に基づき,月額約25万円の報酬を受けて,国際線の客室乗務員として,緊急事態対応・保安業務のほか,乗客に対する母国語,英語,日本語を使用した通訳・案内等を行い,社員研修等において語学指導などの業務に従事するもの。 (2)最高学歴が専門学校の場合の就労ビザの許可事例 ①マンガ・アニメーション科において,ゲーム理論,CG,プログラミング等を履修した者が,本邦のコンピューター関連サービスを業務内容とする企業との契約に基づき,ゲーム開発業務に従事するもの。 ②自動車整備科を卒業した者が,本邦の自動車の点検整備・配送・保管を業務内容とする企業との契約に基づき,サービスエンジニアとしてエンジンやブレーキ等自動車の基幹部分の点検・整備・分解等の業務に従事するとともに,自動車検査員としての業務に従事することとなるもの。 ③美容科を卒業した者が,化粧品販売会社において,ビューティーアドバイザーとしての活動を通じた美容製品に係る商品開発,マーケティング業務に従事するもの。 ④国際ビジネス学科において,観光概論,ホテル演習,料飲実習,フードサービス論,リテールマーケティング,簿記,ビジネスマナー等を履修した者が,飲食店経営会社の本社事業開発室において,アルバイトスタッフの採用,教育,入社説明資料の作成を行うもの。 ⑤観光・レジャーサービス学科において,観光地理,旅行業務,セールスマーケティング,プレゼンテーション,ホスピタリティ論等を履修した者が,大型リゾートホテルにおいて,総合職として採用され,フロント業務,レストラン業務,客室業務等についてもシフトにより担当するとして申請があったため,業務内容の詳細を求めたところ,一部にレストランにおける接客,客室備品オーダー対応等「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に該当しない業務が含まれていたが,申請人は総合職として採用されており,主としてフロントでの翻訳・通訳業務,予約管理,ロビーにおけるコンシェルジュ業務,顧客満足度分析等を行うものであり,また,他の総合職採用の日本人従業員と同様の業務であることが判明したもの。 3.就労ビザの不許可事例 本チャプターでは,「留学生の在留資格「技術・人文知識・国際業務」への変更許可のガイドライン」に掲載されている就労ビザ不許可事例の一部を掲載しています。 ※<コメント>は,当社の行政書士が記載しています。 (1)最高学歴が大学の場合の就労ビザの不許可事例 ①経済学部を卒業した者から,会計事務所との契約に基づき,会計事務に従事するとして申請があったが,当該事務所の所在地には会計事務所ではなく料理店があったことから,そのことについて説明を求めたものの,明確な説明がなされなかったため,当該事務所が実態のあるものとは認められず,「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に該当する活動を行うものとは認められないことから不許可となったもの。 <行政書士のコメント> 在留資格該当性(活動内容)が重視される就労ビザの審査にあって,実態がない会社での勤務ということになれば,就労ビザは当然不許可となります。仮に,嘘がばれることなく就労ビザが許可されてしまった場合でも,後に大きなペナルティーを受けることになってしまいますので,虚偽申請は絶対にしないようにして下さい。 (参考) 虚偽申請を取り締まるため,「在留資格等不正取得罪」が平成29年1月1日に創設されました。 偽りその他不正の手段で就労ビザを取得した場合には,3年以下の懲役若しくは禁固若しくは3百万円以下の罰金に処し,又はその懲役若しくは禁固若しくは罰金を併科するとしています(入管法第70条第1項2号の2)。 ②教育学部を卒業した者から,弁当の製造・販売業務を行っている企業との契約に基づき現場作業員として採用され,弁当加工工場において弁当の箱詰め作業に従事するとして申請があったが,当該業務は人文科学の分野に属する知識を必要とするものとは認められず,「技術・人文知識・国際業務」の該当性が認められないため不許可となったもの。 <行政書士のコメント> 技術・人文知識・国際業務ビザの在留資格該当性がないと判断された事例です。就労ビザを取得するためには,学術的な知識を要する業務や外国人の思考,感受性を活かせる業務が必要とされているところ,弁当加工工場における弁当の箱詰め作業は,いわゆる単純作業と判断されています。 技術・人文知識・国際業務ビザは,反復継続して習得できるものや,知識やスキルを必要としない業務は,在留資格該当性を有さないと判断されますので,業務内容の精査は必要不可欠とお考え下さい。 ③工学部を卒業した者から,コンピューター関連サービスを業務内容とする企業との契約に基づき,月額13万5千円の報酬を受けて,エンジニア業務に従事するとして申請があったが,申請人と同時に採用され,同種の業務に従事する新卒の日本人の報酬が月額18万円であることが判明したことから,報酬について日本人と同等額以上であると認められず不許可となったもの。 <行政書士のコメント>…

芸術ビザとは?

1.芸術ビザとは? 芸術ビザとは,別名アーティストビザなどと言われ,その名のとおり芸術家を対象とした就労ビザの一種です。就労ビザであることから,芸術活動のみで生計を立てられることが許可要件の一つとなっています。このことから,相当程度の実績を有する芸術家が対象となります。 2.芸術ビザに該当する具体的な職業は? 芸術ビザの活動内容は,収入を伴う音楽,美術,文学その他の芸術上の活動と入管法で定められています。 具体的な職業としては,下記の方が対象とされています。 ①創作活動を行う作曲家,作詞家,画家,彫刻家,工芸家,著述家および写真家等の芸術家 ②音楽,美術,文学,写真,演劇,舞踏,映画その他の芸術上の活動についての指導者 なお,上記はあくまで一例で,その他の芸術上の活動に該当するのであれば,芸術ビザを取得できる可能性はあります。 3.芸術ビザの入管審査のポイントは? 芸術ビザを取得するためには,以下のポイントが重要です。 一つ目のポイントは,芸術上の活動のみにより,日本で安定した生活を営むことができるという点です。入管審査においても,社会生活を送ることが可能な収入を得ることという点は,許可と不許可を分けるポイントとして認識されています。 二つ目のポイントは,芸術上の活動において,安定した収入を得ることができる実績があるということです。これまでの芸術上の活動での実績,例えばコンクールでの入賞,展覧会での入選など,安定収入を得られることを予見させる実績を示す必要があります。仮に,実績が全くない場合には,芸術上の活動で安定収入を得る信憑性が低いとして,芸術ビザが不許可になってしまう可能性もあります。 三つ目のポイントは,他の在留資格との関係です。行う業務内容,活動拠点,収入の有無によって,芸術ビザになるのか,はたまた他のビザになるのかという点が重要です。 後述の「5.芸術ビザQ&A」に具体的な事例を記載していますのでご確認ください。 4.芸術ビザを申請する場合の必要書類 芸術ビザを申請する場合の必要書類は以下のとおりです。 ※リンク先は,法務省出入国在留管理庁ホームページ (在留資格認定証明書交付申請) http://www.moj.go.jp/ONLINE/IMMIGRATION/ZAIRYU_NINTEI/shin_zairyu_nintei10_02.html (在留資格変更許可申請) http://www.moj.go.jp/ONLINE/IMMIGRATION/ZAIRYU_HENKO/shin_henko10_02.html (在留期間更新許可申請) http://www.moj.go.jp/ONLINE/IMMIGRATION/ZAIRYU_KOSHIN/shin_zairyu_koshin10_03.html 5.芸術ビザQ&A 芸術ビザについて,ご質問の多い事項を以下にまとめています。 Q 大学に所属して芸術に関する研究の指導を行う予定なのですが,この場合のビザは芸術ビザになるのでしょうか? A 大学における芸術上の研究の指導又は教育を行う活動については,芸術ビザではなく,教授ビザに該当します。 Q 芸術ビザの在留期間を教えてください。 A 5年,3年,1年,3月の在留期間が付与されます。 Q 日本で写真家として活動する予定としています。しかし,過去に芸術上の活動での実績がありません。そのため,最初は無報酬で業務を請け負うつもりなのですが,このような場合でも芸術ビザは取得することが出来ますか? A 芸術上の活動のみによって,日本で安定した生活を営むことが出来ない場合には,芸術ビザは取得することが出来ません。もっとも,本件のように収入を伴わない芸術上の活動を行う場合には,文化活動ビザに該当する可能性はあります。 Q オペラ指揮者の仕事で来日を予定しています。この場合のビザは,芸術ビザで間違いないでしょうか。 A …

教授ビザとは?

1.教授ビザとは? 教授ビザとは,日本における学術研究及び高等教育の向上を目的として,大学教授などを受け入れるために設けられた就労ビザの一つです。 入管法には,「本邦の大学若しくはこれに準ずる機関又は高等専門学校において研究,研究の指導又は教育をする活動」と規定されています。 上記の内容を分解すると,本邦の大学若しくはこれに準ずる機関又は高等専門学校において, ①研究をする活動 ②研究の指導をする活動 ③教育をする活動 のいずれかの活動を行う必要があると理解できます。 それでは,具体的な教授ビザの内容を下記で見ていきましょう。 2.教授ビザに該当する範囲は? 教授ビザに該当する範囲は,以下のケースです。 学長,所長,校長,副学長,副校長,教頭,教授,准教授,講師,助手等が研究,研究の指導又は教育を行う場合に該当します。 なお,上記の職名はあくまでも例示列挙となっています。そのため,実質的に上記機関において研究,研究の指導又は教育をする活動に従事するか否かが,教授ビザ取得の分水嶺となります。 3.教授ビザを申請する場合の必要書類 教授ビザを申請する場合の必要書類は,以下のとおりです。 なお,常勤,非常勤の違いによって,必要な書類が異なります。 (在留資格認定証明書交付申請) 〇在留資格認定証明書交付申請書 〇写真(縦4cm×横3cm) 〇パスポートのIDページコピー 〇返信用封筒(簡易書留用) 〇非常勤の場合には,大学等又は大学等以外の機関が作成する,申請人の大学等における活動の内容,期間,地位及び報酬を証明する文書 〇その他,審査上必要となる資料 (在留資格変更許可申請) 〇在留資格変更許可申請書 〇写真(縦4cm×横3cm) 〇パスポート及び在留カード 〇入管所定の葉書 〇非常勤の場合には,大学等又は大学等以外の機関が作成する,申請人の大学等における活動の内容,期間,地位及び報酬を証明する文書 〇その他,審査上必要となる資料 (在留期間更新許可申請) 〇在留期間更新許可申請書 〇写真(縦4cm×横3cm) 〇パスポート及び在留カード 〇入管所定の葉書 〇非常勤の場合には,住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの) 〇その他,審査上必要となる資料 4.教授ビザQ&A 教授ビザについて,ご質問の多い事項を以下にまとめています。 Q …

教育ビザとは?

1.教育ビザとは? 教育ビザとは,外国語教育等の教育分野の国際化に対応するため,語学教師等を外国から受け入れるために設けられた就労ビザの一つです。 入管法には,「本邦の小学校,中学校,高等学校,中等教育学校,特別支援学校,専修学校又は各種学校若しくは設備及び編成に関してこれに準ずる教育機関において,語学教育その他の教育をする活動」と規定されています。 それでは,具体的な教育ビザの内容を下記で見ていきましょう。 2.教育ビザを申請する場合の必要書類 教育ビザを申請する場合の必要書類は,以下の法務省ホームページをご覧ください。 (在留資格認定証明書交付申請) http://www.moj.go.jp/ONLINE/IMMIGRATION/ZAIRYU_NINTEI/shin_zairyu_nintei10_10.html (在留資格変更許可申請) http://www.moj.go.jp/ONLINE/IMMIGRATION/ZAIRYU_HENKO/shin_henko10_09.html (在留期間更新許可申請) http://www.moj.go.jp/ONLINE/IMMIGRATION/ZAIRYU_KOSHIN/shin_zairyu_koshin10_10.html 3.教育ビザQ&A 教育ビザについて,ご質問の多い事項を以下にまとめています。 Q 入管法で規定するその他の教育とは,どのような教育内容を意味しますか? A 教育ビザは,「語学教育その他の教育をする活動」と入管法で規定されています。ここでいう語学教育は,あくまで例示であって,あらゆる教育が含まれます。そのため,教育ビザの活動内容は,語学教育に限定されるものではなく,幅広い教育活動が許容されています。 Q 高等専門学校(いわゆる高専のことです。)で教育ビザは取得できますか? A 高等専門学校は,高等教育機関と位置付けられています。そのため,高等専門学校において行う教育活動は,教育ビザではなく,教授ビザの対象となります。 Q 専修学校において教育活動は行わず,専ら研究活動に従事する予定です。この場合,教育ビザを取得できますか? A 専修学校において行う教育活動と不可分の関係にある研究,研究の指導を行う場合には,教育ビザを取得することが可能です。もっとも,今回のご質問のように専ら研究活動を行うということであれば,教育ビザの取得は困難です。この場合には,研究ビザの取得可能性があります。 Q 教育ビザの在留期間を教えてください。 A 5年,3年,1年,3月の在留期間が付与されます。 Q 教育ビザのカテゴリー1から3について教えて下さい。 A 教育ビザのカテゴリーは,以下のとおりです。なお,いずれのカテゴリーに該当するかによって,入管への提出書類が異なりますのでご注意下さい。 ①カテゴリー1・・・小学校,中学校,高等学校,中等教育学校,特別支援学校に常勤で勤務する場合 ②カテゴリー2・・・上記以外の教育機関に常勤で勤務する場合 ③カテゴリー3・・・非常勤で勤務する場合 Q 専門学校で教員として勤務することを希望しています。教育ビザを取得するためには,大学等の卒業が必要でしょうか? A …

技能ビザとは?

1.技能ビザとは? 技能ビザとは,産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を有する方を対象とする就労ビザの一種です。技能ビザを取得すれば,日本にはない産業分野や日本よりレベルの高い産業分野などで,熟練した技能を有する外国人材を日本へ招へいすることが出来ます。 2.技能ビザに該当する職業は? 技能ビザに該当する職業として,調理師,ソムリエ,外国特有の建築技術者,外国特有製品の製造又は修理,宝石・貴金属・毛皮加工,動物の調教,石油・地熱等掘削調査,パイロット,スポーツの指導者などがあげられます。 技能ビザの基準省令の1号から9号に,それぞれの内容及び要件が定められています。 3.技能ビザの注意点は? 技能ビザを取得するためには,それぞれ行おうとする活動について,一定の実務経験が必要になります。 それぞれの職業別に,経験年数を下記の表でまとめていますので,ご確認ください。 基準省令 職業 経験年数 1号 調理師 10年以上[※1] 1号 タイ料理の調理師 5年以上[※2 2号 外国特有の建築技術者 10年以上[※3] 3号 外国特有製品の製造又は修理 10年以上[※1] 4号 宝石・貴金属・毛皮加工 10年以上[※1] 5号 動物の調教 10年以上[※1] 6号 石油・地熱等掘削調査 10年以上[※1] 7号 パイロット(航空機操縦士) 250時間以上の飛行経歴 8号 スポーツの指導者 3年以上[※1] 9号 ソムリエ(ワイン鑑定等)…

企業内転勤ビザとは?

1.企業内転勤ビザとは? 企業内転勤ビザは,企業活動の国際化に対応し,人事異動により外国の事業所から日本の事業所に転勤する外国人を受け入れるために設けられたものです。同一企業等の内部で外国の事業所から日本の事業所に一定期間転勤して,技術・人文知識・国際業務ビザの活動を行うものが該当します。 2.企業内転勤ビザに該当する範囲は? (1)企業内転勤ビザにより行うことができる活動内容は,技術・人文知識・国際業務ビザの活動内容と同じです。 転勤者であれば,入管法に定めの無い法定外業務も従事できると勘違いされている方が多い印象ですので,この点には特に注意してください。 入管法別表第1の2の表の「企業内転勤」の項の下欄は,日本において行うことができる活動を以下のとおり規定しています。 本邦に本店,支店その他の事業所のある公私の機関の外国にある事業所の職員が本邦にある事業所に期間を定めて転勤して当該事業所において行うこの表の技術・人文知識・国際業務の項の下欄に掲げる活動 (2)条文の解説 ア.「本邦に本店,支店その他の事業所のある公私の機関」とは 民間企業のみならず,公社,独立行政法人およびその他の団体(JETRO,経団連等)が含まれます。外国の政府関係機関または外国の地方公共団体(地方政府を含みます。)の関係機関も含まれます。ただし,外国の政府関係機関の場合に当該機関における活動が「外交」または「公用」の在留資格に該当するときは,これらの在留資格が付与されます。 イ.「転勤」とは 「転勤」は日常用語では,同一社内の異動を指すことが多いですが,「企業内転勤」の在留資格該当性にいう「転勤」は,系列企業内の出向等も含まれます。ここでいう「系列企業内」とは,財務諸表等の用語,様式および作成方法に関する規則(以下「財務諸表規則」といいます。)第8条にいう「親会社」,「子会社」,および「関連会社」を指します。財務諸表規則第8条の「親会社」,「子会社」,または「関連会社」にあたらない,単なる業務提携関係では,企業内転勤ビザは取得できませんので注意してください。 (3)上陸許可基準の定め 企業内転勤ビザは,在留資格該当性に加え,上陸許可基準適合性も求められる在留資格です。 基準省令によれば,申請人が次のいずれにも該当していることとされています。 【上陸許可基準】 一 申請に係る転勤の直前に外国にある本店,支店その他の事業所において法別表第1の2の表の技術・人文知識・国際業務の項の下欄に掲げる業務に従事している場合で,その期間(企業内転勤の在留資格をもって外国に当該事業所のある公私の機関の本邦にある事業所において業務に従事していた期間がある場合には,当該期間を合算した期間)が継続して1年以上あること。 二 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。 転勤前の業務は,「技術・人文知識・国際業務」の項の下欄に掲げる業務であれば足り,転勤後日本において従事する業務と同一または関連する業務であることまでは必要ではありません。 また,申請人が日本の本店,支店その他の事業所に転勤する直前に1年以上継続して勤務していたことが必要です。ただし,直前の1年以内に外国の事業所等から転勤して日本にある事業所に「企業内転勤」の在留資格により在留していた期間がある場合は,その期間を含めることができます。 なお,「技術・人文知識・国際業務」の上陸許可基準で要求される学歴要件や実務要件は要求されていませんので,大卒者でない方や実務経験が浅い方でも企業内転勤ビザの対象になります。 報酬の支払主体については,「技術・人文知識・国際業務」のように雇用契約の締結主体に限定されません。例えば,基本給は外国の本社が支払い,それに加えて,日本にある支社が住居費等の生活に伴う各種手当をいくらか補完して支払うという場合でも,その合計額が「日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上」であれば,企業内転勤ビザは許可されます。 3.企業内転勤ビザを申請する場合の必要書類 企業内転勤ビザを申請する場合の必要書類は以下のとおりです。 (在留資格認定証明書交付申請)http://www.moj.go.jp/ONLINE/IMMIGRATION/ZAIRYU_NINTEI/shin_zairyu_nintei10_13.html (在留資格変更許可申請)http://www.moj.go.jp/ONLINE/IMMIGRATION/ZAIRYU_HENKO/shin_henko10_12.html (在留期間更新許可申請)http://www.moj.go.jp/ONLINE/IMMIGRATION/ZAIRYU_KOSHIN/shin_zairyu_koshin10_13.html 4.企業内転勤ビザQ&A 企業内転勤ビザについて,ご質問の多い事項を以下にまとめています。 Q  入社したばかりの新入社員を外国の親会社から日本にある子会社へ転勤させることはできますか? A 企業内転勤ビザは,申請人が転勤する直前に外国にある本店,支店その他の事業所において1年以上継続して勤務していたことが必要です。この場合は,企業内転勤ビザの取得はできませんので,技術・人文知識・国際業務ビザを検討することになります。 Q 外国の親会社から日本法人の取締役として,転勤をしてもらうことになっています。この場合,企業内転勤者として企業内転勤ビザを取得すれば良いでしょうか。…

医療ビザとは?

1.医療ビザとは? 医療ビザとは,国際化が進む医療分野において,医療関係業務に従事する方を海外から受け入れるために設けられた就労ビザの一つです。医師や歯科医師など,当該資格を有することが法律上必要とされている業務に従事する方を対象としています。 2.医療ビザに該当する資格は? 医療ビザは,以下の場合に該当します。 医師,歯科医師,薬剤師,保健師,助産師,看護師,准看護師,歯科衛生士,診療放射線技師,理学療法士,作業療法士,視能訓練士,臨床工学技士,義肢装具士 なお,上記以外の「法律上資格を有する者が行うこととされている医療に係る業務」については,基準適合性を有さないため,医療ビザを取得することが出来ません。 3.医療ビザを申請する場合の必要書類 医療ビザを申請する場合の必要書類は以下のとおりです。 ※リンク先は,法務省出入国在留管理庁ホームページ (在留資格認定証明書交付申請) http://www.moj.go.jp/ONLINE/IMMIGRATION/ZAIRYU_NINTEI/shin_zairyu_nintei10_08.html (在留資格変更許可申請) http://www.moj.go.jp/ONLINE/IMMIGRATION/ZAIRYU_HENKO/shin_henko10_07.html (在留期間更新許可申請) http://www.moj.go.jp/ONLINE/IMMIGRATION/ZAIRYU_KOSHIN/shin_zairyu_koshin10_08.html 4.医療ビザQ&A 医療ビザについて,ご質問の多い事項を以下にまとめています。 Q 外国の医師を招へいする場合には,医療ビザに該当しますか? A 医療ビザを取得するためには,「法律上資格を有する者が行うこととされている医療に係る業務」に就く必要があります。ここでいう「法律上資格を有する」とは,日本の法律を指しています。したがって,外国人医師の方の本国では医師免許を有していたとしても,日本の医師免許を有していない場合には,医療ビザを取得することは出来ません。 なお,このような場合であっても,例えば病院において行う先進医療行為の見学などの場合には,非実務研修として研修ビザを取得できる可能性があります。 Q 医療ビザの在留期間を教えてください。 A 5年,3年,1年,6月,3月の在留期間が付与されます。 Q 看護師免許を有していますが,一度母国に戻りました。その後,改めて日本で看護師として勤務を希望しているのですが医療ビザの取得は可能でしょうか。 A 日本の看護師免許を有していますので,一度帰国されている場合であっても,改めて医療ビザを取得し,日本で看護師として勤務することが可能です。 Q 日本の医師免許を有していますが,医療行為はせずに,病院経営をすることを検討しています。このような場合も医療ビザに該当するのでしょうか。 A 医療行為は行わず,専ら病院の経営をされる場合には,医療ビザではなく,経営管理ビザに該当する可能性が高いと判断されます。 Q 准看護師としての業務に従事する場合には,准看護師の免許を受けた後,4年以内の期間中に研修として業務を行う必要があると聞きました。准看護師免許取得後,4年を超えている場合には,医療ビザを取得することは出来ないのでしょうか。 A 准看護師の免許取得後,4年を超えている場合には,基準省令に適合せず,医療ビザを取得することが出来ません。 Q 准看護師が免許取得後,4年以内の期間に行う研修は,報酬を受けて構わないのでしょうか。…