コラム

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偽造在留カードと不法就労助長罪の関係について

1.偽造在留カードの摘発事例 2012年7月9日の入管法改正に伴い,外国人登録法は廃止され,現在の在留管理制度がスタートしました。 当時の公表資料によれば,偽造防止対策として在留カードには,ホログラムが印刷されており,また,出入国在留管理庁が提供する在留カード等番号失効情報照会を用いれば,その在留カードが有効なものか失効しているのかを確認することができるという,画期的な内容でした。 さらに,在留カードに埋め込まれているICチップ情報を読み込むことで,真正なカードと確認することができると謳われていたため,これで偽造在留カードの問題は無くなる,そんな期待を抱いたのでした。 しかし,そんな期待を裏切るかのように,次々と偽造在留カードの摘発が報道されるようになってきました。 年々偽造在留カードの摘発事例は増え,2019年には過去最高の摘発数を記録しています。 そして,近時の傾向としては,組織的に,また巧妙になっているのが特徴です。 2020年9月29日 神戸新聞より一部抜粋 「在留カードの偽造密売ビジネス化“1日に200枚作った”不法残留摘発4千件超」 捜査関係者によると,カード偽造容疑で逮捕された女は「1日に200枚作ったこともある。寝る間もないほど忙しかった」と話したといい,需要の高さをうかがわせた。兵庫県警が7月に手掛けた別の不法就労助長事件でも,不法残留者を違法に雇った疑いがある神戸市の会社から偽造カードのコピーが見つかった。 2020年9月9日 佐賀新聞より一部抜粋 「偽造在留カードを提供,ベトナム人の男を容疑で再逮捕8日,鳥栖署など」 再逮捕容疑は昨年11月26日,JR箱崎駅西側ロータリーで20代のベトナム人男性に,行使の目的で,この男性の名前や顔写真などが印刷された偽造在留カード1枚を提供した疑い。 同署によると,男は今年7月29日に同法違反(不法残留)の疑い=同罪で起訴済み=で現行犯逮捕されていた。ベトナム人男性とはSNSを通じて知り合い,カードは有償で手渡していた。カードの製造方法などを調べている。 2020年9月6日 朝日新聞デジタルより一部抜粋 「兵庫)偽造在留カード,需要増の背景は」 捜査本部は4月,製造拠点とみられる埼玉県川口市の集合住宅の一室を捜索。プリンターや材料のカード2千枚,ホログラム1万2千枚などを押収した。パソコンには約1800件の客に関するデータが入っていたという。 捜査関係者によると,偽造在留カードはSNSで注文を募り,ベトナム人らに1枚1万~2万円で販売。2人はほかにも運転免許証や健康保険証,年金手帳なども偽造し,4月までの約半年に400万円の報酬を受け取っていたとみられる。 2.なぜ偽造在留カードが出回るのか!?このタイミングの外国人雇用にご注意ください! 外国人を雇用される企業様には,偽造在留カードにまつわる裏側の世界を知っていただく必要があります。 裏側の世界を知っていただくことで,偽造在留カードを所持する外国人の雇用を防いでいただきたい,そんな風に私たちは考えています。 ところで,なぜ一部の外国人は偽造在留カードを手にしようとするのでしょうか。 それは,正規の在留資格を持たない外国人にとって,日本で働くことが難しくなっているからと考えられています。 換言すると,入管庁がかねてより案内してきた“外国人を雇用する際の在留カードの確認”が日本企業に浸透してきたと評価できるかも知れません。 正規の在留資格を持たない外国人は,このような適正手続きをおこなう日本企業からすり抜けるための便法として,偽造在留カードを行使しているのです。 このような日本の在留管理制度を揺るがす悪事は,断じて許すことはできません。 では,企業は外国人を雇用する際に,常にこの偽造在留カードの危険にさらされるのでしょうか。 結論から言うと,外国人を雇用する際には,偽造在留カードの問題を意識することは必要です。 なかでも,現実的に偽造在留カードが行使されている局面は,以下のようなケースです。 ・既に就労ビザをもっており貴社へ転職してくるケース ・留学や家族滞在のビザをもってアルバイトとして勤務するケース このようなケースでは,特に注意が必要です。 これらのケースに共通するのは,入管への申請を何らすることなく,就業を開始する局面です。 つまり,正規の在留資格を持たない外国人にとって,偽造在留カードを行使しやすい局面というになり,企業にとっては特に注意が必要な場面ということができます。 3.過失がない場合には不法就労助長罪に問われない!? 外国人を雇用する際に,企業で必要となる対応については,「知らなかったでは通用しない不法就労助長罪とは?

知らなかったでは通用しない不法就労助長罪とは?

1.不法就労活動とは? 不法就労助長罪を理解しようとした時,前提として不法就労活動の意味を理解する必要があります。 そのため,本チャプターでは,不法就労活動についてみていきます。 不法就労活動と一言にいっても,実は様々な不法就労の類型があるのをご存じでしょうか。 法務省出入国在留管理庁のページには,不法就労の類型として,以下の3つの場合が記載されています。 ①不法滞在者や被退去強制者が働くケース (例) ・密入国した人や在留期限の切れた人が働く ・退去強制されることが既に決まっている人が働く このケースが,一般的な不法就労のイメージと近いのではないでしょうか。 いわゆるオーバーステイなどの不法残留の外国人が就労するケースを想定しています。 また,オーバーステイの他に,不法に入国した外国人,不法に上陸した外国人なども対象とされています。 ②入国管理局から働く許可を受けていないのに働くケース (例) ・観光等短期滞在目的で入国した人が働く ・留学生や難民認定申請中の人が許可を受けずに働く 観光や親族訪問を目的に短期滞在ビザで入国した場合,収入を伴う活動に就くことはできません。なぜなら,短期滞在ビザは入管法で就労が禁止されているからです。 また,留学ビザや家族滞在ビザは,就労禁止が原則となっており,資格外活動許可(アルバイトの許可)を受けないと就労活動に就くことができません。 このルールを破って就労活動をおこなえば,不法就労活動に該当することになります。 ③入国管理局から認められた範囲を超えて働くケース (例) ・外国料理のコックや語学学校の先生として働くことを認められた人が工場・事業所で単純労働者として働く ・留学生が許可された時間数を超えて働く このケースの摘発事例が最も多くなっていきます。 とても重要な内容なので,上記の例を一つずつ説明しています。 外国料理のコックや語学学校の先生として働くことを認められた人が工場・事業所で単純労働者として働く 入管法の在留資格制度のもと,外国人の就労ビザは,活動類型ごとにカテゴリーされています。具体的にいうと,コックさんなら技能ビザ,語学学校の先生であれば技術人文知識国際業務ビザというような感じです。 要するに,コックさんとして技能ビザを取得しているのであれば,入管法で定められている技能ビザを超える活動によって報酬を受けられない,ということを意味しています。 そのルールを破った事例が,③の例で記載されている一つ目の内容です。 留学生が許可された時間数を超えて働く 次に,③の二つ目の事例を見ていきましょう。 先に記載したとおり,留学ビザを持っている留学生は,原則就労できません。もっとも,一定の職種制限,時間制限はあるものの,資格外活動許可(アルバイトの許可)を受けることによって,留学生も就労活動に就くことができます。 本事例は,留学ビザをお持ちの方のアルバイト時間上限(原則週28時間)を超えて就労活動をおこなってしまった事例です。 いかがでしたでしょうか。 不法就労活動が意外と身近にあることをご認識いただけたかと思います。 それでは,次のチャプターでは,不法就労活動をさせた場合に企業が問われる責任をみていきましょう。 2.不法就労助長罪とは? 上記では,不法就労活動についてみてきました。 本チャプターでは,企業が不法就労活動をさせた場合に問われる不法就労助長罪についてみていきましょう。 不法就労助長罪は,入管法73条の2にその規定があります。…

法定外活動の際に問われる資格外活動罪とは?

1.資格外活動罪とは? 我が国の在留資格(一般的にビザと呼ばれるもの。)は,外国人が本国に入国・在留して行うことのできる活動等を類型化したものと定義されます。簡単にいうと,調理師で勤務するなら技能ビザ,会社経営をするなら経営管理ビザ,大学教授の職に就くのであれば教授ビザといった具合です。 言い換えると,どの活動類型にも該当しない場合には法定外活動と評価され,ビザを取得することはできません。実務的にいうと,通訳として勤務するとして就労ビザを取得したにも関わらず,活動実態は倉庫内での単純作業や飲食店での接客などを行っている場合には,どの活動類型にも該当せず,法定外活動として入管法違反になることを意味します。 この際に問われるのが,資格外活動罪です。 先に述べたとおり,外国人は予め類型化した活動を行うことを予定して在留資格を付与されます。にもかかわらず,本来の在留資格の活動以外の活動で,かつ,収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動に従事する場合に,資格外活動罪に問われる可能性が出てきます。 つまり,外国人の方は,在留資格の活動範囲内でしか収入を得ることができないことを意味し,このルールを破った場合に,資格外活動罪に問われることになります。 上記に関連して一点補足をすると,収入を伴わない活動については,資格外活動罪の対象にならないということです。例えば,昼間は会社勤めしている外国人が,夜間の学校へ通う場合を例にあげてみましょう。一見すると,就労ビザを持っている外国人が,留学という別の活動を行うためには,入管で何らかの許可を取得しなければならないように感じられる方もいるのではないでしょうか。 今回の事例では,留学の活動において収入は得ていません。そのため,資格外活動罪が成立する余地はないというのが正しい結論です。 2.専従資格外活動罪の正しい理解 実は資格外活動罪は,専従資格外活動罪と非専従資格外活動罪に分類されます。 本チャプターでは,専従資格外活動罪の詳細をみていきましょう。 専従資格外活動罪については,入管法70条1項4号にその規定があります。 入管法70条抜粋 次の各号のいずれかに該当する者は,三年以下の懲役若しくは禁錮若しくは三百万円以下の罰金に処し,又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。 ④第十九条第一項の規定に違反して収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を専ら行っていると明らかに認められる者 本条文を簡単に説明すると,違法な資格外活動(法定外活動)を専ら,かつ,明らかに行っている場合,刑罰を科すとしています。 ここでいう「専ら」とは,違法な資格外活動(法定外活動)を主たる活動として行っている場合を指します。換言すると,本来の在留資格の活動が実質的に変更したと言える程度まで,違法な資格外活動(法定外活動)に従事していたということを意味します。 具体的な事例でいうと,旅館やホテルなどでフロントとして採用され,就労ビザを取得したにも関わらず,客室の清掃や料飲部門で接客のみを行っていた場合などが該当します。もう一例をあげると,飲食店でマーケティング等を行うために就労ビザを取得したにも関わらず,飲食店舗で接客のみを行っている場合などが該当します。 次に,ここでいう「明らかに認められる」というのは,本人や関係者の供述や証拠資料によって,違法な資格外活動(法定外活動)に従事していたことが明白であることを意味します。 上記を併せ検討すると,「専ら」,「明らかに」違法な資格外活動(法定外活動)に従事し,その活動によって「報酬を受ける場合」には,専従資格外活動罪に問われるということがわかります。 それでは,「専ら」と言えない程度に資格外活動を行っていた場合には,どうなるのでしょうか。 このような場合に登場するのが,非専従資格外活動罪です。 3.非専従資格外活動罪の正しい理解 まずは,非専従資格外活動罪の規定をみていきましょう。 入管法第73条 第七十条第一項第四号に該当する場合を除き,第十九条第一項の規定に違反して収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行った者は,一年以下の懲役若しくは禁錮若しくは二百万円以下の罰金に処し,又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。 先の例にならい本条文に説明を加えていきます。 第七十条第一項第四号とは,上記でみた専従資格外活動罪のことを指しています。つまり,専従資格外活動罪に該当する場合以外で,違法な資格外活動(法定外活動)を行った場合が本条文の射程範囲であることがわかります。 そのため,非常に広い範囲で,非専従資格外活動罪が成立することになります。 では,通訳として就労ビザを取得している外国人は,在留資格の範囲内でしか活動することができず,一切の例外はないのでしょうか。 ここで,参考になる考え方をご紹介します。 法務省が平成27年12月に公表したガイドラインによれば,日本で従事しようとする活動が,入管法に規定される在留資格に該当するものであるか否かは,在留期間中の活動を全体として捉えて判断するとしています。 そのため,例えば入社当初に研修があり,その研修期間,研修目的が合理的な場合には,本来の在留活動から離脱する期間があったとしても,それをもって直ちに資格外活動罪には問われないということです。 次に,本来の在留資格の活動を一時的に離脱し,資格外活動(法定外活動)を行った場合です。上記のガイドラインでは,フロント業務に従事している最中に団体客のチェックインがあり,急遽,宿泊客の荷物を部屋まで運搬することになった場合などが例にあげられています。 この場合でも,直ちに違法性は帯びないとしています。もっとも,このような場合であっても,宿泊客の荷物を部屋まで運搬することが一時的な本来の活動の離脱にとどまらず,主たる活動となっているような場合には,資格外活動罪の成立の余地はあるとしています。 4.強制退去もあり得る資格外活動罪の罰則とは? 上記では,専従資格外活動罪,非専従資格外活動罪についてみてきました。 それでは,このような資格外活動罪が成立した場合,どのようなペナルティーがあるのでしょうか。 本チャプターでは,それぞれの罰則をみていきます。 (1)専従資格外活動罪に問われた場合…

就労ビザのカテゴリーによって提出書類が変わる!?

1.就労ビザのカテゴリーの仕組み 就労ビザについては,外国人を雇用する会社等の規模によって,カテゴリー1からカテゴリー4の4つのカテゴリーに分かれています。 では何故,就労ビザはこのようなカテゴリー分けをしているのでしょうか。 カテゴリー1の代表格は,上場企業です。他方,カテゴリー4は,新規開業した法人等を指します。この2つを比較すると,カテゴリー1の企業は上場企業であることから,社会的な信用性もあり,また事業の安定性や継続性も高いと考えられます。その一方で,カテゴリー4は,新規開業した法人等であることから,外国人材を雇用するといっても,事業の安定性や継続性に疑念を抱かれやすくなります。 実は就労ビザをカテゴリー分けしたのは,この両者を一律に審査することが不合理と考えられたことが背景にあります。 その結果,カテゴリー1は就労ビザの際の入管への提出書面を簡素化し,また在留期間については,最長の5年を取得しやすい運用が取られ,カテゴリー4については,入管への提出書面の簡素化等の措置はなく,原則として1年の在留期間が付与される運用になっています。 2.就労ビザのカテゴリー対象は? 現在,我が国には29種類の在留資格があります。 その中で,就労ビザの所属機関カテゴリー区分があるのは,以下の6種類です。 ・高度専門職 ・経営・管理 ・研究 ・技術・人文知識・国際業務 ・企業内転勤 ・技能 上記の就労ビザを申請する場合には,事前にカテゴリーを確認するようにしてください。 3.就労ビザのカテゴリー区分 それでは,就労ビザのそれぞれのカテゴリーについて見ていきましょう。 外国人材を雇用される企業ご担当者様においては,自社がどのカテゴリーに属しているかを知ることで,入管へ提出する書類が明らかになります。 (1)カテゴリー1 ・日本の証券取引所に上場している企業 ・保険業を営む相互会社 ・日本又は外国の国・地方公共団体 ・独立行政法人 ・特殊法人・認可法人 ・日本の国・地方公共団体の公益法人 ・法人税法別表第1に掲げる公共法人 ・高度専門職省令第1条第1項各号の表の特別加算の項の中欄イ又はロの対象企業 (イノベーション創出企業) ・一定の条件を満たす企業等 一定の条件を満たす企業等とは ①厚生労働省が所管する「ユースエール認定制度」において,都道府県労働局長から「ユースエール認定企業」として認定を受けているもの。 ②厚生労働省が所管する「くるみん認定制度」,「プラチナくるみん認定制度」 において,都道府県労働局長から「くるみん認定企業」,「プラチナくるみん認定企業」として認定を受けているもの。 ③厚生労働省が所管する「えるぼし認定制度」,「プラチナえるぼし認定制度(令和2年6月施行)」において,都道府県労働局長から「えるぼし認定企業」, 「プラチナえるぼし認定企業」として認定を受けているもの。 ④厚生労働省が所管する「安全衛生優良企業公表制度」において,都道府県労働局長から「安全衛生優良企業」として認定を受けているもの。 ⑤厚生労働省が所管する「職業紹介優良事業者認定制度」において,指定審査認定機関から「職業紹介優良事業者」として認定を受けているもの。 ⑥厚生労働省が所管する「製造請負優良適正事業者認定制度(GJ認定)」に おいて,指定審査機関から「製造請負優良適正事業者」として認定を受けているもの。…

【教育機関・企業向け】 留学ビザから就労ビザの許可確率・不許可確率について(後編)

3.特に注意すべき事項 (2)ジョブ型雇用のススメ 入管法の在留資格制度は,活動類型ごとにカテゴリーされています。例えば,コックさんであれば技能の在留資格,経営者であれば経営・管理の在留資格,プロスポーツ選手であれば興行の在留資格といった具合です。反対に,予め入管法で用意された活動類型に該当しない場合には,原則として在留資格を得ることはできません。 入管法が在留資格制度をとっている以上,企業も外国人材の採用については,活動内容を意識した採用をする必要があります。 これまで日本の企業は,主にメンバーシップ型雇用の形をとってきました。簡単にいうと,先に人材を採用してから仕事を割り振るという考え方です。しかし,先述のとおり,我が国の在留資格制度は,活動類型ごとにカテゴリーされています。つまり,在留資格を申請する際には,すでに活動内容が決定している必要があります。新人研修を経て,本人の適性を見てから業務内容を決定するという形は,在留資格制度のもとでは,馴染みにくいことがご理解いただけるかと思います。 そこで,ご紹介したいのがジョブ型雇用という考え方です。 ジョブ型雇用とは,職務を予め特定し,その業務に就く人材を雇用する手法です。欧米では主流であったジョブ型雇用が,経団連第5代会長中西宏明氏が推進されたこともあって,日本人外国人の採用を問わず,近年日本の労働市場でも注目を集めています。 ジョブ型雇用で重視されるのは,端的にいうと仕事内容に見合うスキルがあるかどうかです。そのため,前提として業務内容は決定しています。この入社前の「業務内容の決定」が外国人材の雇用と非常に親和性が高いのです。 留学ビザから就労ビザへの不許可を未然に防ぐためには,入社前に業務内容が決定していることが極めて重要です。 企業の人事担当者の方は,留学生を採用される際には,ぜひジョブ型雇用の考えを取り入れ,「業務内容の決定」をするようにしてください。予め業務内容が就労ビザの活動類型にあてはまっているかどうかを検証することができれば,留学ビザから就労ビザへの不許可は無くせるはずです。 (3)入管へ提出する書類は中身が重要! 留学ビザから就労ビザへ変更するための書類は,入管HPにある書面を添付すれば問題ない,そんな風に思われていませんか。 例えば,外国人材の活動内容について。 上述のとおり,入管法の在留資格制度は,活動類型ごとにカテゴリーされています。言い換えると,どの活動類型にも該当しない場合には,法定外業務とされ,就労ビザを取得することができません。そのため,外国人材の活動内容については,どの活動類型に該当するのか,明確にする必要があります。 次にご認識をいただきたいのは,立証の視点です。入管へのビザ申請は,申請人側が立証責任を負っています。つまり,形式上書面を添付すれば良いのではなく,きちんと就労ビザの要件を立証できる書面を添付する必要があります。添付された書類からでは嫌疑を抱かれたり,立証不十分な場合には,就労ビザが不許可になってしまう可能性があるのです。 そのため,入管法に適合した活動内容か,また,活動内容をきちんと立証できているかという点は,入管へ書類を提出する前に,必ず確認をするようにしてください。 (4)教育機関,企業がすべきこと ①教育機関がすべきこと 留学ビザから就労ビザへ変更を目指す場合,その企業で予定されている業務をよく確認するようにしてください。求人票の内容からでは,業務内容の実態が明らかにならないこともあります。その場合は,実際の業務内容を正確に把握するようにしてください。 また,補足で説明を加えると,例えば就労ビザが許可されにくい業種の場合であっても,絶対に不許可というわけではありません。この点,ミスリードしないようにご注意いただく必要があります。 どういうことかというと,コンビニでレジ打ちや商品の陳列をする場合,就労ビザを取得するのは一般的に困難です。しかし,コンビニの本部で総務的な業務を行うのであれば,就労ビザの許可の可能性が出てきます。何が言いたいかというと,企業の事業内容のみによって,就労ビザは判断されないということです。結局は,就労ビザを取得したい企業で,どのような業務に就くのかが重要になります。 次に,企業で行う活動内容と教育機関での修得内容の関連性について言及します。 ここでは,大学と専門学校を比較しながら記載します。 まずは,大学卒業の場合です。 大学生が留学ビザから就労ビザへ変更をする場合,企業で行う活動内容と教育機関での修得内容の関連性の程度は緩和されています。実際,「大学における専攻科目と就職先における業務内容の関連性の柔軟な取扱いについて」(平成20年7月17日)という通達が,入管局長から出されています。 この通達によって,企業で行う活動内容と教育機関での修得内容の関連性の程度は柔軟に判断されていることがわかります。そのため,教育学部卒業の留学生であっても,企業の法務部で勤務できる可能性があります。 念のため付け加えると,現段階では企業で行う活動内容と教育機関での修得内容の関連性の程度は大卒者は柔軟に取り扱われるものの,関連性は全く不問とはしていないことには注意が必要です。したがって,企業で行う活動内容と教育機関での修得内容については,関連付けることを意識してください。 次に,専門学校の場合です。 先述の大学卒業の場合とは,取扱いが大きくことなります。 専門学校卒業の場合には,企業で行う活動内容と教育機関での修得内容の関連性は,厳しく問われることになります。 例えば,観光系の専門学校を卒業した方が,不動産会社で勤務するのは困難です。なぜなら,観光系の専門学校で修得した内容が,不動産会社で行う活動内容と合致しないと判断されるからです。 ここで更に注意点があります。専門学校卒業の場合の入管審査が上記のとおりになっている関係上,専門学校で学んだ内容を立証すること,また企業で行う活動内容を立証し,それぞれ関連付けた立証が必要になります。 この立証が曖昧であったり,そもそも立証ができていないケースでは,留学ビザから就労ビザへの変更は不許可になってしまう可能性が高まります。 専門学校の就職支援を担当されている方は,上記の関連性を強く意識するようにしてください。 ②企業がすべきこと 企業の人事担当者の方は,留学生の採用にあたり,下記の事項にご注意いただく必要があります。 ・業務内容を意識した採用をしていただくこと ・企業で行う業務内容と教育機関での修得内容の関連性を意識していただくこと ・留学時代の素行を確認すること 「業務内容を意識した採用をしていただくこと」とは,先述のとおり,ジョブ型雇用を意識していただくことです。たとえ人物的に高評価で日本語能力が高くとも,法定外の業務であれば就労ビザは取得できません。そのため,就労ビザを取得するためには,業務内容が就労ビザの活動類型にあてはまっているか,意識をしてください。…

【教育機関・企業向け】 留学ビザから就労ビザの許可確率・不許可確率について(前編)

1.留学ビザから就労ビザへの許可・不許可のデータ 下記のデータは,上記でお示しした平成30年10月,法務省入国管理局が公表した「留学生からの就職目的の処分数等の推移」です。 横スクロールで表全体をご覧いただけます。 単位:人 H.18 H.19 H.20 H.21 H.22 H.23 H.24 H.25 H.26 H.27 H.28 H.29 処分数 9,034 11,410 11,789 10,230 8,467 9,143 11,698 12,793 14,170 17,088 21,898 27,926 許可数 8,272 10,262 9,584 7,831 8,586 10,969 11,647 12,958 15,657 17,088…

就労ビザではない!?研修ビザとは?

1.研修ビザに該当する職種は? 研修ビザの活動内容(在留資格該当性)は,「本邦の公私の機関により受け入れられて行う技術,技能又は知識を修得する活動」と定められています。 ここで一つの疑問が生じます。 上記の活動内容に該当していれば,研修ビザで招へいする外国人材はどのような研修(職種)内容であったとしても良いのか。という点です。 下記,事例と共に検証していきましょう。 【事例】 申請人(30歳)は母国で医師免許を取得しており,申請人の母国では未だ取り入れられていない最先端の手術方法(手術支援ロボットを使用)を日本の医療機関で採用している場合,当該医療機関は1年間の研修予定で,申請人を研修ビザで招へいすることができるのか。 【事例検証】 研修ビザには上陸基準省令が定められていますので,在留資格該当性のみならず上陸基準省令に適合しているかどうかも検証する必要があります。 研修ビザの上陸基準省令は,以下のように定められています。 ①「申請人が修得しようとする技術,技能又は知識が同一の作業の反復のみによって修得できるものではないこと」 ⇒同一作業の反復によって修得できる技術等や単純作業と呼ばれる非熟練作業では,研修目的として扱われません。 ②「申請人が18歳以上であり,かつ,国籍又は住所を有する国に帰国後本邦において修得した技能等を要する業務に従事することが予定されていること」 ⇒研修ビザは日本で学んだ技術等を外国人の本国に持ち帰って移転することを目的としているため,研修予定を明らかにし,滞在年数を示す必要があります。 ※入管法上,研修期間の定めはありませんが,実務上,2年を超える研修期間はハードルが高いと言われています。 ③「申請人が住所を有する地域において修得することが不可能又は困難である技術,技能又は知識を修得しようとすること」 ⇒日本で修得しようとする技術等が申請人の本国において修得が容易である場合には,申請人を招へいする必要性が乏しいと判断されます。 事例に沿って確認していきます。 ①について,最先端の手術方法(手術支援ロボット)が専門知識および過去の経験を活かして修得する技術であることを立証すれば,要件を満たします。 ②については,上述のとおり1年間の研修予定を明らかにすれば,要件を満たします。 ③については,「申請人の本国で未だ取り入れられていない技術である」という事実と,日本で招へいする医療機関が最先端の手術方法(手術支援ロボット)の使用実績を立証すれば,要件を満たします。 したがって,今回の事例は,研修ビザの活動内容および上陸基準省令の観点から鑑みると,申請人を研修ビザで招へいすることは十分可能であると判断できます。 ※もちろん具体的に研修ビザを申請するにあたっては,その他の事情を確認する必要があります。 2.研修ビザの理解に不可欠!非実務研修と実務研修とは? 研修ビザでは「非実務研修」と「実務研修」の2つの研修があります。 非実務研修とは,当該研修において修得する技術を見学,座学および短期間の体験を用いて 修得する研修内容のことを指します。 具体的には,日本語教育,生活指導,安全教育などの座学形式の研修や,現場見学,試作品の作成などがあります。 実務研修とは,商品を生産し若しくは販売する業務又は対価を得て役務の提供を行う業務に従事することで技術等を修得することを指します。 研修ビザは学ぶことを目的としているため,実務研修は限定的に認められているにすぎません。すなわち,実務研修を取り入れる場合は,法務大臣が告示で定める場合の特例以外の研修のときは,研修全体の3分の2以下とすることが定められています。 研修内容が非実務研修もしくは実務研修であるかどうかは非常に重要です。 実務研修を含む研修内容である場合は,検討する事項(基準省令)が増え,慎重に手続きを進める必要があります。研修内容の判断がつかない場合は,是非,当社へお問い合わせください。 3.研修ビザの受入れ機関が注意すべき点は? 研修ビザを取得するためには,上記でご紹介した研修内容以外にもう一つ重要なポイントがあります。 それは,研修生を受け入れる側の受入れ体制です。 入管が求めている受入れ機関の基準を確認していきましょう。 ①「申請人が受けようとする研修が研修生を受け入れる本邦の公私の機関(以下「受入れ機関」という。)の常勤の職員で修得しようとする技能等について五年以上の経験を有するものの指導の下に行われること」 ⇒研修は研修指導員が指導して行う必要があります。研修指導員は,受入れ機関の常勤の職員で,研修生が修得しようとする技術等について,5年以上の経験がなければなりません。 ②「受入れ機関又はあっせん機関が研修生の帰国旅費の確保その他の帰国担保措置を講じていること」 ⇒研修ビザは,研修生が本国へ日本の技術等を持ち帰ることを目的としていますが,過去には人材不足解消のための手段として悪用され問題視されていました。そこで,研修生の帰国までの在留管理責任が受入機関にあることを明確にし,研修修了後の帰国が担保される措置を講じていることが受入の条件とされました。…

介护签证指的是?

1.介护签证指的是? 介护签证,是外国人作为介护福祉士(国家资格)在日本工作,2017年9月,入管法新设的一种就劳签证。 介护签证,是为了在急速老龄化的日本社会中,灵活采用外国人才在介护现场工作,以改善介护人材不足的现状。 入管法中,规定了“基于日本公私机关的契约上,持有介护福祉士资格者,可以从事介护或者介护指导业务活动。” 2.可以以介护福祉士在日本工作吗? 介绍介护签证之前,先介绍除了介护签证,身份系签证以外,还有其他可以在日本医院或者介护设施等从事介护业务的签证。 首先,先来简单介绍这些签证。 Ⅰ.技能实习(1号以及2号) 外国人技能实习制度当中有包含有介护职种。同介护签证不同,技能实习签证不需要介护福祉士资格,但是对申请人的经验或者日语能力,所属机关的指导以及事业所的体制等有要求。 Ⅱ.特定技能(1号以及2号) 2019年4月新设立的在留资格,规定当中介护领域也是对象领域的一种。这里同技能实习一样,也不需要介护福祉士的资格,但是需要申请人的知识能力,以及所属机关的领域该当性和接收体制(支援计划)。 Ⅲ.特定活动(EPA介护福祉士候补者,介护福祉士) EPA指的是,日本同特定的国家以强化经济关系为目的所缔结的协定。同日本缔结EPA协定的关系国,该国的外国人才取得介护福祉士资格为止,以及取得资格后,也可以继续留在日本就劳。 以上3种介护签证,身份系签证以外,外国人可以从事介护业务的签证。考虑申请人的国籍或者经验之上,根据情况选择合适的签证。 那么,下面来详细介绍护签证。 3.如何取得介护签证 想要取得介护签证,需要满足以下4点。 ①持有介护福祉士资格 ⇒后述的【4.如何取得介护福祉士资格】另外说明。 ②基于日本的公私机关的契约上仅限介护或者介护指导业务活动。 ⇒同日本的介护设施等缔结雇佣契约时,要求对需要介护的人,进行沐浴,排泄等身体的介护以及付随的介护等全部业务内容。 ③申请人如果符合社会福祉士以及介护福祉士(内容省略)的规定,且从事法别表第一的二的表的技能实习项下栏所揭示的活动的话,则该当活动在日本习得,且所学得的熟练技能等向本国努力转移的这一行为被承认。 ⇒技能实习生成为介护福祉士的时候,从技能实习制度的宗旨来看,需要被承认技能实习所学到得技能等有努力向本国转移。 ④同日本人从事该活动所获得的报酬是同等以上。 ⇒规定雇佣契约中申请人同从事同样工作的日本人的报酬是等同以上。 4.如何取得介护福祉士资格 想要取得介护签证,最重要的是先取得介护福祉士资格。 想要取得属于国家资格的介护福祉士资格,有以下4种方法。 A 实务经验方法(在介护现场工作三年以上,实务者研修完成后,通过介护福祉士的国家考试,并取得资格。) B 养成设施方法(介护福祉士养成设施(专门学校等))中学所习得的必要的知识以及技能,之后通过介护福祉士的国家考试,并取得资格。) C 福祉系高中方法(从高中的福祉系班级毕业后,通过介护福祉士的国家考试和技能考试,并取得资格的方法。) D EPA考试方法(通过EPA入国,在接收设施里完成业务研修,之后通过介护福祉士的国家考试,并取得资格。) 重点① 之前,无法通过B方法取得介护签证。但是,2020年4月1日,介护签证基准省令改正后,不仅仅是介护福祉士资格的取得,也承认了“介护”这一在留资格。…

介護ビザを申請するための要件とは?

1.介護業界で仕事するには介護ビザだけが道ではない? 介護ビザをご紹介する前に,介護ビザ・身分系ビザ以外にも,日本の病院や介護施設等で介護業務に従事することができるビザがあります。 まずは,そのビザについて簡単に確認しておきましょう。 Ⅰ.技能実習(1号および2号) 外国人技能実習制度の中に介護職種があります。介護ビザとは異なり,技能実習ビザは介護福祉士の資格を必要としていませんが,申請人の経験や日本語能力,所属機関の指導および事業所の体制などが必要になります。 Ⅱ.特定技能(1号および2号) 2019年4月に創設された在留資格で,介護分野も対象分野として定められています。こちらも技能実習同様に介護福祉士の資格は必要ありませんが,申請人の知識および能力や所属機関の分野該当性ならびに受入体制(支援計画)などが必要になります。 Ⅲ.特定活動(EPA介護福祉士候補者・介護福祉士) EPAとは,日本と特定の国が幅広い経済関係の強化を目的として締結した協定のことを言います。日本とEPAを締結している国の外国人材が,介護福祉士の資格を取得するまでの間と,資格を取得した後も,引き続き日本で就労することができようになっています。 上記3つが介護ビザ・身分系ビザ以外で,外国人が介護業務に従事することができるビザになります。申請人の国籍や経験を考慮して,状況に合ったビザを選択しましょう。 それでは,以下において介護ビザの詳細を確認していきます。 2.介護ビザを取得するためには? 介護ビザを取得するためには,4つのポイントを押さえる必要があります。 ①介護福祉士の資格を有していること ⇒後述の【3.介護福祉士を取得するためには?】のパートで説明致します。 ②本邦の公私の機関との契約に基づいて介護又は介護の指導を行う業務に従事する活動を行うこと ⇒日本の介護施設等と雇用契約を締結し,介護が必要な人に対して,食事,入浴,排せつなどの身体的介護および付随する介護全般業務を行うことが求められます。 ③申請人が社会福祉士及び介護福祉士法(中略)の規定に該当する場合で,法別表第一の二の表の技能実習の項の下欄に掲げる活動に従事していたときは,当該活動により本邦において修得,習熟又は熟達した技能等の本国への移転に努めるものと認められること ⇒技能実習生が介護福祉士となった場合,技能実習制度の制度趣旨から,技能実習で学んだ技能等について本国への移転に努めるものと認められることを要件としています。 ④日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること ⇒申請人と同じ業務を従事する日本人と同等額以上の報酬を雇用契約において定める必要があります。 3.介護ビザに必要な介護福祉士を取得するためには? 介護ビザを取得するために,最も重要なポイントは介護福祉士の資格を取得することです。 国家資格に位置する介護福祉士を取得するためには,4つのルートがあります。 A.実務経験ルート (介護現場で3年以上働き,実務者研修を修了後,介護福祉士の国家試験に合格して資格を取得する方法。) B.養成施設ルート (介護福祉士養成施設(専門学校等)において必要な知識及び技能を修得した後に,介護福祉士の国家試験に合格して資格を取得する方法。) C.福祉系高校ルート (高等学校の福祉系コースを卒業後,介護福祉士の国家試験と実技試験に合格して資格を取得する方法。) D.EPAルート (EPAにより入国し,受入施設での業務研修を修了後,介護福祉士の国家試験に合格して資格を取得する方法) 重要ポイント① これまでは,介護ビザを取得するためには”B”のルートしか認められていませんでした。 しかし,2020年4月1日に介護ビザの基準省令が改正され,介護福祉士の資格を取得したルートに限らず「介護」の在留資格が認められることとなりました。 したがって,実務経験ルート及び福祉系高校ルートから介護福祉士の資格を取得した場合も介護ビザを取得できることになっています。 重要ポイント② 2021年度までに介護福祉士養成施設を卒業する留学生は,介護福祉士養成施設を卒業した年度の翌年度の4月1日から介護福祉士登録証が交付されるまでの間,介護施設等で就労することができるように介護福祉士登録証無しに介護業務に従事する特例措置が取られています。…