就労ビザコラム

COLUMN

医療滞在ビザとは?取得のための要件や流れ,必要書類,同伴者についても解説

1.医療滞在ビザとは? 医療滞在ビザは,簡単に説明すれば,日本に相当期間滞在して,医療を受けるためのビザです。 医療滞在ビザの許可を得れば,特定活動ビザの在留カードと、医療を受ける目的で日本に滞在できる旨の「指定書」が交付されることになります。 このように,厳密に言えば「医療滞在」という名前のビザはなく,「特定活動」というビザの中に医療滞在目的のビザがあるのです。 なお,ワーキング・ホリデーやインターンシップなど聞きなれたビザも,「特定活動」ビザの一種です。 ①医療を受けるための短期滞在ビザについて 日本で医療を受けるためのビザは,実は医療滞在ビザだけではありません。 観光ビザという名前で認識されている方も多いと思いますが,「短期滞在」ビザも治療目的での日本における滞在を認めています。 以下,出入国管理及び難民認定法別表第一の三の「短期滞在」ビザの内容となりますので,ご確認ください。 本邦に短期間滞在して行う観光,保養,スポーツ,親族の訪問,見学,講習又は会合への参加,業務連絡その他これらに類似する活動 このように日本で医療を受けるためのビザには,「医療滞在」ビザと「短期滞在」ビザがあるところ,この2つのビザの主な違いは,日本での在留期間(日本に滞在できる期間)です。 つまり,希望する在留期間が90日を超える場合には「医療滞在」ビザを,90日以内の場合には「短期滞在」ビザを検討することになります。 なお,「短期滞在」ビザには,有効期間内(短期滞在査証発給から3ヶ月)に一度だけ来日可能な1次ビザ(シングルビザ)と有効期限内(最大3年)であれば何度でも来日可能な数次ビザ(マルチビザ)があるところ,医療機関が必要と判断した場合には,数次ビザ(1回の滞在期間は最大90日です)を申請できます。 ただし,この数次ビザを申請する際には,医師による「治療予定表」の提出が必要となります。 2.医療滞在ビザの要件 ここまでの説明で,日本での予定する治療期間により,検討すべきビザが異なることをご理解いただけたと思います。 そこで,本チャプターでは,短期滞在ビザよりも要件が厳格な医療滞在ビザの要件を説明します。 まず,医療滞在ビザの根拠となる規定(特定活動告示25号)をご確認ください。 本邦に相当期間滞在して,病院又は診療所に入院し疾病又は傷害について医療を受ける活動および当該入院の前後に当該疾病又は傷害について継続して医療を受ける活動 この規定から医療滞在ビザの要件を読み取ることができるところ,その要件は大きく分けると以下の3つに分解できます。 ア.本邦での活動が「病院又は診療所に入院し疾病又は傷害について医療を受ける活動」,及び「当該入院の前後に当該疾病又は傷害について継続して医療を受ける活動」であること このように医療滞在ビザの対象になる活動は,病院又は診療所に入院して医療を受ける活動です(前段)。そのため,ホテルや知人宅に滞在して病院に通院するだけでは,医療滞在ビザは許可されません。 また,相当期間入院した後に,継続治療のために退院後も通院を続ける場合には,この退院後の医療を受ける活動も医療滞在ビザの活動に含まれます(後段)。 「継続して医療を受ける活動」とは,入院前・入院中・退院後の一連の医療が連続的・継続的に行われることを意味し,医療の連続性が要求されます。 この医療の連続性は,医師の診断書により判断されます。 例えば,抗がん剤治療のために入院していたケースで,退院後も予後観察のために通院する場合には医療の連続性がありますが,全く関係のない事故で傷害を負って治療を受ける場合には医療の連続性は否定されるでしょう。 「疾病又は傷害」には,出産も含まれます。 そのため,外国人が日本で出産する場合にも,(他の在留資格に該当しない場合には)医療滞在ビザが検討対象になります。 なお,治療を受けるための「短期滞在」ビザの場合には,入院までは求められていませんので,入院を予定していない場合は,短期滞在ビザを検討すべきです。 イ.「本邦に相当期間滞在」すること 「相当期間」とは,90日を超える期間を意味します。 なお,日本での治療に要する期間は,医師の診断書から判断されます。 上述したように,90日以内に治療を終える場合には,「短期滞在」ビザの対象となります。 ウ.日本での滞在費用および治療費を支弁する能力を有すること こちらが医療滞在ビザの最後の要件となるところ,注意をしていただきたいポイントがあります。 それは,医療滞在ビザで滞在される方は,「国民健康保険」に加入できず,「健康保険の被扶養者」になることもできないという点です。 これは,医療滞在ビザがあくまでも医療のために一時的に日本に滞在することを目的とするものであり,日本に居住することを目的としていないためです。 公的医療保険は居住国で賄うべきというのが,日本の医療保険制度の建前なのです。 なお,一般的には民間医療保険に加入することが多いでしょう。 このように健康保険に加入できず医療費が自己負担にとなるため,医療滞在ビザの要件として,医療費を含む日本での一切の滞在費用を支弁する能力が求められるのです。…

外国人料理人のビザとは?要件,必要書類,注意点を解説!

1.外国人料理人のビザとは? 外国人料理人のビザとは,一般的には,就労ビザの一種である「技能」ビザを指します。 入管法の文言を引用すると,技能ビザを持って日本で出来る活動は,「日本の企業等との契約に基づいて行う産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する活動」とされています。 しかし,これだけでは具体的な内容が分かりませんね。 技能ビザで認められている具体的な仕事は,上陸基準省令という省令によって,更に以下の9つに分類されています。 1:外国人料理人 2:建築技術者 3:外国特有製品の製造・修理 4:宝石・貴金属・毛皮加工 5:動物の調教 6:石油・地熱等掘削調査 7:航空機操縦士 8:スポーツ指導者 9:ワイン鑑定等 今回のコラムでご説明する外国人料理人のビザは,1つ目のカテゴリーに該当するもので,正確には上陸基準省令で「料理の調理又は食品の製造に係る技能で外国において考案され我が国において特殊なものを要する業務」としてその活動内容が定められています。 2.外国人料理人が日本で働くための要件 本チャプターでは,外国人料理人のビザを取得するためにどのようなポイントに気を付けないといけないかを解説していきます。 ①外国人料理人が調理する料理 前記の通り,外国人料理人のビザ取得のためには,まずその料理人の調理対象となる料理が,外国で考案され,日本において特殊なものでなければなりません。 これは,そのお店が自称する料理ジャンルではなく,実際に提供する料理の内容によって判断する必要があります。 例えば,一口に「中華料理」と言っても,本場さながらの本格的な四川料理を調理するのであれば,それは外国人料理人のビザで想定されている調理業務に当てはまります。 他方で,ラーメン屋や,いわゆる町中華のような,焼きめしや中華カレー等,外国で考案されたものでない独自メニューを主に提供しているようなお店では,外国人料理人のビザで想定されているものには当てはまらず,ビザ取得は出来ません。 ②外国人料理人の実務経験年数 「技能」のビザを取得するためには,外国人料理人に熟練した技能が求められます。 そして,その熟練した技能を図る基準として,「その技能について10年以上の実務経験」が要件とされています。 これは単に外国人料理人として10年以上の実務経験があれば足りるのではなく,日本で従事しようとする料理の分野と同じ分野での実務経験が必要です。 例えば,スペイン料理の料理人として日本に呼び寄せる場合,単に料理人としての経験年数で見るのではなく,「スペイン料理の料理人」として10年以上の実務経験を有しているかどうかを見ることが必要となります。 つまり,スペイン料理の料理人として8年,イタリア料理の料理人として3年の実務経験があった場合,料理人としての経験は合計で10年以上であっても,スペイン料理の料理人としての実務経験単体が10年に満たないため,技能ビザの要件を満たさないことになります。 なお,この10年の実務経験については,外国の教育機関で当該料理の調理コースを専攻した年数も実務経験年数に含まれます。 そのため,上記の例を再度持ち出すと,スペイン料理の実務経験が8年であっても,外国の教育機関で2年以上スペイン料理の調理を専攻していれば,この外国人料理人は10年の実務経験要件を満たすことになります。 ちなみに,タイ料理人については上記実務経験要件10年の例外措置があります。 具体的には,日本とタイの間で経済協定が締結されており,①タイ料理人として5年以上の実務経験,②初級以上のタイ料理人としての技能水準に関する証明書の取得,③ビザ申請直前1年においてタイでタイ料理人して妥当な報酬を受けていたこと,という3つの要件を満たせば,タイ料理の実務経験年数が10年に満たない場合でも,実務経験の要件を満たすことになります。 ③外国人料理人の日本での報酬 他の多くの就労ビザと同様に,報酬額に関する要件が外国人料理人のビザにも設けられています。 具体的には,ビザ取得を希望する外国人の報酬を,日本人が同じ仕事に従事する場合に受ける報酬と同等額以上にしなければならない,というものです。 これは,外国人であることを理由として,賃金に不利な差を設けることを禁止する趣旨です。 賃金規定の整備がされている企業であれば,当該賃金規定に則った報酬を支払うことが求められ,そのような社内規定がない場合にあっては,社内で比較対象となる従業員,または業界内の相場と比較した時に妥当な金額であると説明出来るよう,設定が必要です。 ④外国人料理人を受け入れる店舗の規模,設備 入管法や上陸基準省令の条文には,店舗の規模や設備についての明確な規定はありません。 しかし,外国人料理人が,日本で料理人としての仕事を継続的・安定的に行えるものとして入管から認められるためには,一定の店舗規模や設備が確保されていることは重要です。…

外国人美容師のビザ申請

1.外国人美容師育成事業とは? 前提として,日本で美容師として働くためには誰でも日本で指定された美容師の養成施設を卒業し,美容師国家試験(国家資格)に合格して美容師免許を取得する必要があります。 この過程は,外国人の方でも同じです。 これまでも,外国人の方が美容師の免許を取ることは出来たのですが,ハードルになっていたのは,外国人の方が実際に日本で美容師として働く時の在留資格(ビザ)の問題です。 外国人が「日本で報酬を得て働くこと」を理由にして日本に上陸・滞在するためには,「在留資格=就労ビザ」が必要です。 ところが,日本で就労ビザの種類の中に,「美容師」が取得できる就労ビザがありませんでした。 このため,外国人の方が日本で美容師として働けるのは「永住者」や「日本人の配偶者・子」などの身分関係の在留資格を持った人のみ。外国人留学生もアルバイトとしてなら美容室で働くことは出来ましたが,美容師免許もないのでヘアカットは出来ません。 このように,外国人の方は養成施設を出て美容師免許も取ったのに,就労ビザが取得できないので日本で美容師として働けない――という問題がありました。 この点が今回の特例措置で変わりました。 特例措置として2021年より「外国人美容師育成事業」が始まり,2022年10月からは実際に東京都内で外国人美容師が日本で就労することが可能になりました。 今後,就労できる地域は拡大することが見込まれています。 外国人美容師育成事業の目的は以下とされます。 外国人美容師育成事業は、日本の美容製品の輸出促進や、インバウンド需要に対応するため、日本の美容師養成施設を卒業して美容師免許を取得した外国人留学生に対し、一定の要件の下、美容師としての就労を目的とする在留を認め、日本式の美容に関する技術や文化を世界へ発信する担い手を育成する事業 引用:内閣府国家戦略特区HP 目的の中に「日本での雇用促進(日本で働く外国人を増やす)」という言葉はありません。 なぜなら,「日本の美容を海外へ」が目的だからです。 外国人の方に日本で美容に関する知識や技術を学んでもらって育成しましょう。 そのために「在留を認め」ますよと。将来的には母国に帰って日本の美容技術・美容製品を積極的に広めてもらいたいのです――というのが,この事業の建て付けです。 この事業は下記で述べる「国家戦略特区」の中だけで行えます。 日本全国どこでも可能ではないことはご理解ください。 特例措置としての事業ですので,他の就労ビザと異なる複雑な仕組みがあります。 引用:内閣府国家戦略特区HP 上記の図にある用語を解説します。 ※「育成機関」とは, 外国人美容師を受け入れる「日本国内の」美容室のことです。「理容院」は「育成機関」に含まれないのでご注意ください。 「育成機関」という言葉通り,外国人が日本式の美容を習得するための勉強の場という位置づけです。 ですから,育成機関になるには様々な条件があります。 事前に自治体に「育成機関になりたい」と申請し,外国人美容師一人一人について「当店ではこんな風に美容師を育てる」という「育成計画」を作成・提出して,認められなければなりません。 さらに育成機関では 外国人美容師を雇用契約に基づく労働者として受入れ 「特定美容活動」に従事させ 監理実施機関と連携 する必要があります。 育成計画通りに育成が進んでいるか等は,毎年報告もしなければなりません。 1美容室あたり育成(雇用)できる外国人美容師は3人までです。 それ以上の雇用はできません。 ※「特定美容活動」とは 在留資格(就労ビザ)の観点から言うと,外国人美容師が日本で就労することを認める根拠となる資格が「特定美容活動」であるということになります。 在留資格の中には,法務大臣が「個々の外国人について特に指定する活動(特定活動)」があり,その一つに外国人美容師の育成のための就労が加わったということです。 国家戦略特区の中で…

高度专门职签证的取得条件

1. 什么是高度专门职签证? 1-1. 什么是高度专门职签证? 高度专门职签证,是为了促进具有高级能力和资质的外国人(高级外国人才)的接收,2015年设立了高度专门职签证,该签证有望助经济增长,创造新的需求和雇佣。 为了积极接收高级外国人才,高度专门职签证有在留期间“5年”(符合高度专门职2号的话是“无限期”)的授予和允许复合的在留活动等优待措施。 另外,由于高度专门职签证的入境,在留手续是优先处理的,所以对接收的企业来说也有一定优势。 根据2022年3月29日出入境在留管理厅发表的报告资料,截至2021年末,有1万5735名外国人持有高度专职签证。 从日本经济发展的观点来看,持有高度专门职签证的外国人的动向,可以说是值得关注的指标。 1-2. 高度专门职1号 高度专门职签证分为“高度专门职1号”和“高度专门职2号”。 并且,高度专门职1号根据活动内容,被进一步分类为イ・ロ・ハ三种 符合高度专门职1号的职种具体如下。 高度专门职1号イ 被称为高度学术研究,是根据与日本的公共机关和民间企业等的契约进行的研究,研究的指导或者教育的活动。 具体来说,在大学等教育机关进行教育的活动和在民间企业的研究所进行研究的活动就属于这个签证。 同时,除了这些活动以外,还可以同时活用教育和研究的成果成立事业,自己从事事业经营。 高度专门职1号ロ 被称为高度专门·技术,是指根据与日本的公共机关和民间企业等的契约而进行的从事自然科学或人文科学领域的知识或技术业务的活动。 具体来说,在所属企业中,作为技术人员从事产品开发业务的活动,企划立案业务,比如IT工程师的活动等专业性的职业就属于这个签证。 同时,与这些活动一起,也可以建立关联的事业,自己从事事业的经营。 虽然与技术,人文知识,国际业务签证的活动内容有很多重叠的部分,但是在技术,人文知识,国际业务的签证中,国际业务的活动内容不属于高度专门职1号ロ,这一点需要引起注意。 高度专门职1号ハ 被称为高度经营·管理,相当于在日本的公共机关和民间企业等进行事业的经营或者从事管理的活动。 具体来说,比如公司的经营,律师事务所,税理士事务所等的经营,管理活动。 从事这些工作的同时,也可以成立与活动内容相关的公司或事务所,自己经营事业。 如上所述,高度专门职1号和其他签证的不同,还在于允许从事复合的在留活动。 此外,现在实施的制度当中,一律授予最长“5年”的在留期间。 对于企业来说,可以安定的雇佣高级外国人才也是一个优势。 1-3. 高度专门职2号 高度专门职2号以持高度专门职1号进行了3年以上活动的人为对象。 与高度专门职1号的活动一致几乎所有的就劳活动都可以进行。 具体来说,高度专门职1号イ・ロ・ハ的任意一个,或者与这些活动一起,也可以同时进行以下签证认可的活动。 ※对应“教授”,“艺术”,“宗教”,“报道”,“法律·会计业务”,“医疗”,“教育”,“技术·人文知识·国际业务”,“看护”,“兴行”,“技能”,“特定技能2号”的签证的活动。 高度专门职2号签证的在留期间,只要进行相当于高度专门职签证的活动,就是“无限期”。 另外,还可以跨多个签证进行活动。 1-4. 高度专门职签证1号和2号的区别…

介護分野の特定技能ビザの活用方法

1. 特定技能の介護とは? 特定技能ビザは12分野において取得が認められており,特に介護は政府が最も特定技能ビザ取得を推進している分野のひとつです。 従来ある介護分野での就労が可能な「技能実習」や「EPA」と違い,特定技能では転職が可能であり,介護技能評価試験などに合格することで特定技能ビザを取得できます。 そのため,他分野で就労していた元技能実習生などが試験に合格をして,介護職に転職するケースも見られるようになりました。 今後も介護分野の特定技能ビザは高いニーズがあると予想されます。 2.介護分野での特定技能ビザ取得状況 特定技能ビザが施行された2019年に,日本政府は今後5年間で,約6万人の外国人を介護分野の特定技能ビザで受入れすると発表しており,12分野の中で介護分野が最多です。 しかし,2022年6月末に入管庁から公表された数字を見ると,特定技能外国人の介護分野での受入れ人数は約1万人に留まっています。 新型コロナウイルス感染症の影響などで,直近では介護分野の特定技能外国人の数は予想を下回るペースで推移しておりましたが,日本の生産年齢人口の減少を考慮すると,介護分野での特定技能ビザが今後増加していくことは間違いありません。 3.介護分野の特定技能ビザ取得要件 介護分野で特定技能ビザを取得するには,特定技能ビザを希望する外国人と受入れ機関のそれぞれが満たさなければならない要件があります。 3-1.外国人の主な要件 介護分野で特定技能ビザを取得するために外国人が満たすべき要件を紹介します。 ➀技能実習2号を良好に修了 介護分野において技能実習を2年10ヶ月以上修了した外国人については,技能実習2号を良好に修了した外国人として,介護分野の特定技能ビザ申請をすることができます。 技能実習を2年10ヶ月以上修了した上で,介護技能実習評価試験の専門級(実技試験のみ可)の合格証明書を特定技能ビザ申請の際に提出すると,技能実習2号を良好に修了したとみなされます。 仮に,介護技能実習評価試験の専門級に合格できなかった場合でも,技能実習中の実習評価について,受入れ機関と監理団体に評価調書を発行してもらうことで,技能実習2号を良好に修了したとみなされます。 ②技能試験と日本語試験に合格 介護技能評価試験,介護日本語評価試験,および日本語能力検定N4以上に合格(国際交流基金日本語基礎テスト合格を含む)することで,介護分野の特定技能ビザ申請をすることができます。 特に,介護分野では,日本語能力検定N4以上に加えて「介護日本語評価試験」の受験も必須である点は,他分野と異なるため注意が必要です。 そのため,既に他職種の「技能実習2号を良好に修了者」が介護分野で特定技能ビザを取得するためには,「介護技能評価試験」と「介護日本語評価試験」の合格が必要となります。 介護分野での最新の試験情報については,【特定技能ビザの試験内容】全12分野の解説もご確認ください。 ③介護福祉士養成施設を修了 介護福祉士養成施設を修了した場合でも,介護分野の特定技能ビザ申請をすることができます。 介護福祉施設に通う期間については,入学前の学歴によっても期間が変わります。 ④EPA介護福祉士候補者として在留期間(4年間)満了 EPA介護福祉士候補者として在留期間を満了した場合には,介護分野の特定技能ビザ申請をすることができます。 在留期間の満了をしていない場合でも,EPA介護福祉士候補者として就労・研修を3年10ヶ月以上修了し,直近の介護福祉士試験の結果で5割以上の点数をとることができれば,介護分野の特定技能ビザ申請が可能です。 ただし,EPA介護福祉士候補者は,フィリピン,インドネシア,ベトナムと日本が締結している経済連携協定に基づいて日本の介護施設で就労・研修をしながら介護福祉士の資格を目指す制度であるため,上記3ヶ国の外国人のみが該当します。 3-2.受入れ機関の主な要件 介護分野で特定技能ビザの外国人を雇用したい機関は,主に下記の受入れ要件を満たす必要があります。 ①介護の特定技能協議会への加入 初めて介護分野で特定技能外国人を受入れ後,4ヶ月以内に介護分野の特定技能協議会へ加入する必要があります。 介護分野の特定技能協議会は,厚生労働省が運営しており厚生労働省のホームページの案内に従い,加入手続きを行う必要があります。 加入手続きの主な流れは次のとおりです。…

【登録支援機関の総まとめ】行政書士の解説!

1. 登録支援機関とは? 登録支援機関とは,特定技能制度で義務付けられている特定技能外国人への支援業務を受入れ機関からの委託を受けて実施する機関です。 登録支援機関は,特定技能外国人の日本での生活をサポートすることを主な業務としています。 登録支援機関の登録が認められた機関は,既に日本全国で,7,500件以上(2022年10月時点)あり,個人事業主でも登録が認められることから,登録支援機関の数は現在でも増え続けています。 2.登録支援機関は儲かる? 正しい知識をもち上手に運用をすることで,登録支援機関としての業務で大きな利益を出している機関もあります。 ただし,登録支援機関の業務の多くは,日本語レベルが高いとは言えない外国人労働者の日本での生活サポートをすることであるため,多くの手間暇がかかり簡単な業務ではありません。 そのため,上手に運用している登録支援機関は,少ない数の受入れ機関(事務所近辺だとなお良い)に,1社あたり数十人~数百人など多くの外国人を受入れする機関と契約をしている場合が多いと言えるでしょう。 事故や怪我などの突発的な対応も支援業務のひとつであるため,遠方にある受入れ機関の支援や数人程度の受入れ機関と多く契約することは,支援業務を遂行する上で大きな負担となるため,あまりお勧めできません。 また,既に技能実習生などの受入れ実績が豊富な機関であれば,そのノウハウを生かして,登録支援機関となることも可能です。 登録支援機関は技能実習生とは違い,株式会社でも許可取得ができるため,グループ企業の支援業務を担う登録支援機関設立や,関係先の特定技能外国人を支援する目的でも要件さえ満たせば許可を得ることができます。 このように,登録支援機関としての業務は,単に利益を得るためだけでなく,支援業務を通じて関係先との距離を縮めることもできるため,金銭的な利益以外のメリットを得ることもできるのではないでしょうか。 3.登録支援機関が行う支援内容とは? 登録支援機関に実施義務のある特定技能外国人への支援内容は次のとおりです。 事前ガイダンス 出入国の際の送迎 住居確保・生活に必要な契約支援 生活オリエンテーション 公的手続きへの同行 日本語学習の機会提供 相談・苦情への対応 日本人との交流促進 転職支援(受入れ機関都合での解雇時) 定期面談・行政機関への通報 一見難しく見えますが,技能実習生を受入れしたことのある機関であれば既に馴染の多い内容も多いのではないでしょうか。 内容は主に,特定技能外国人が日本で生活するのに困らないためのサポートであるため,ガイダンスなど母国語の通訳が必要な支援もありますが,送迎や公的手続きのサポートなど基本的には,専門的な知識を要する支援でないものが多いです。 4.登録支援機関の登録要件は? 登録支援機関の登録認定を得るためには,最低でも次の要件を全て満たしている必要があります。 支援責任者及び1名以上の支援担当者を選任していること 以下のいずれかに該当すること ・登録支援機関になろうとする個人又は団体が,2年以内に中長期在留者の受入れ実績があること ・登録支援機関になろうとする個人又は団体が,2年以内に報酬を得る目的で,業として,外国人に関する各種相談業務に従事した経験を有すること ・選任された支援担当者が,過去5年間に2年以上中長期在留者の生活相談業務に従事した経験を有すること ・上記のほか,登録支援機関になろうとする個人又は団体が,これらと同程度に支援業務を適正に実施できると認められていること 1年以内に責めに帰すべき事由により特定技能外国人又は技能実習生の行方不明者を発生させていないこと 支援の費用を直接又は間接的に外国人本人に負担させないこと 刑罰法令違反による罰則(5年以内に出入国又は労働に関する法令により罰せられたなど)を受けていないこと 5年以内に出入国又は労働に関する法令に関し著しく不正又は不当な行為を行っていないこと 上記をわかりやすく説明すると,下記の内容となります。…

【特定技能ビザの試験内容】全12分野の解説

1. 特定技能ビザの試験 1-1 特定技能ビザ(1号) 特定技能の12分野では,特定技能ビザ(1号)を取得するための,日本語基準と技能基準が設けられており,技能基準については,分野・職種ごとに独自の試験も用意されています。 1-1-1 日本語試験 特定技能ビザ(1号)取得のための日本語能力を証明できる試験は「日本語能力試験」と「国際交流基金日本語基礎テスト」の2つです。 それぞれ,日本語能力試験はN4以上,国際交流基金日本語基礎テストはA2レベル程度の結果が求められます。 日本語能力試験(JLPT) 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic) 管轄機関 ・国際交流基金 ・財団法人日本国際教育支援協会 ・国際交流基金 実施日程 毎年7月と12月の計2回 国内外で毎月実施 実施国 日本と海外68か国 ※2021年12月実施データ 日本と海外10か国 ※2022年10月実施データ 直近の国内試験合格率 N4合格率43.4% ※2021年12月実施データ A2レベル程度 ※総合得点と判定基準で評価のため合否なし 試験方法 多肢選択式 多肢選択式 介護分野に限り,上記の日本語試験に加え,介護日本語評価試験に合格する必要があります。 介護日本語評価試験 管轄機関 厚生労働省 実施日程 国内外で毎月実施 実施国 日本と海外10か国 (ミャンマー,フィリピン,カンボジア,ネパール,インドネシア,モンゴル,タイ,インド,スリランカ,ウズベキスタン)…

特定技能と技能実習の違いをわかりやすく解説

1. 特定技能とは? 特定技能とは,2019年に施行された外国人労働者を受入れするための制度です。 従来では,外国人労働者の受入れを認める制度がなかった日本において,初めて外国人労働者の受入れを認める制度として施行されました。 受入れ可能な業種は人手不足と認められた全12業種で,最長5年の在留が可能な「特定技能1号」と,一部業種でのみ認められている実質無期限の在留が可能な「特定技能2号」があります。 現在,特定技能2号で在留している外国人はわずか2名ですが,特定技能2号の適応業種拡大や試験の整備などにより,今後は特定技能2号の要件を満たして就労する外国人も増えることが予想されます。 2.特定技能と技能実習の違いとは? ここからは,特定技能と技能実習の違いについて解説していきます。 ①特定技能と技能実習の目的 特定技能制度 技能実習制度 生産性向上や国内人材を確保するための施策などを行っても,なお人材不足が深刻な業種の労働力を,一定の専門性・技能をもつ外国人材によって補う 先進国としての役割を果たすため,技能,技術・知識の移転を通して発展途上国の経済発展に協力する 表のとおり,2つの制度の目的は全く異なります。 比較すると特定技能制度の目的の方が,多くの受入れ機関が,外国人を受入れしたい目的と合致するのではないでしょうか。 特定技能では,受入れする外国人を労働者として扱うことが認められているのに対して, 技能実習制度は,あくまでも技能実習を通して,技能等を外国人に習得させるのが目的であるため,労働者として扱うことは認められていません。 そのため,技能実習制度では,認可を受けた「技能実習計画」に沿った活動のみが認められており,従事させる作業まで細かく規定されています。 ②登録支援機関と監理団体(組合)の違い 登録支援機関 監理団体(組合) 特定技能制度で定められた外国人への支援業務を自社で実施できない受入れ機関の代わりに,支援業務をする機関 入国前後のフォローや,受入れ機関への監査や訪問などを通して,技能実習の適正な運用実現をする機関 それぞれの機関の役割は大きく異なります。 登録支援機関は,特定技能外国人に対する支援業務をする機関であるのに対して,監理団体の業務は,技能実習生の支援だけではありません。 監査や訪問を通して受入れ機関が技能実習法に基づいた適正な制度運用をしているか否かを確認・指導する機関としての役割も担います。 また,登録支援機関は,全国に約7,500あるのに対して,監理団体は約3,600の機関が登録されています。 理由としては,登録支援機関は,個人事業主でも許可を得ることができ,許可要件も比較的簡易であるのに対して,監理団体は許可要件が厳格で,非営利団体のみに許可が与えられるためです。 加えて,監理団体が登録支援機関の許可を同時に取得することは認められているため,2つの許可をもつ監理団体も少なくありません。 このように登録支援機関と監理団体では,外国人支援をするという面では,共通点もありますが,実際には異なる点が多いです。 ③受入れ可能な業種と職種 特定技能制度 技能実習制度 特定技能制度で認められた12業種とそれぞれの業種で認められた職種で就労可能 技能実習制度で認められた158の作業のいずれかで技能実習可能 特定技能制度では,人手不足が深刻であると認められた12業種での特定技能外国人の 受入れが認められており,業種ごとに設定された業務区分(職種)の技能要件を満たした外国人が特定技能外国人としての就労をすることができます。 他方で,技能実習制度では,86職種・158の作業に従事可能な業務が分けられており,基本的には,技能実習生は1つの作業への従事のみが認められます。 加えて,技能実習生に関しては従事可能な作業内容が詳細に定められており,特定技能と比べて業務内容の自由度が低く,試験準備などのために受入れ後の手間暇も多くかかると言えます。 ④人材の質…

特定技能ビザと就労ビザの違い

1.特定技能ビザとは 特定技能ビザとは,2019年に新設された就労ビザのひとつで,人手不足が深刻な12分野で一定の専門性や技能をもつ即戦力外国人の受入れを認めたビザです。 特定技能ビザには,1号と2号がありますが現在のところ,特定技能ビザで日本に在留している外国人の全てが特定技能(1号)ビザを取得しています。 なお,特定技能(2号)ビザは,建設と造船・舶用工業の2分野で将来的に,ビザの発行が開始されることが決定しています。 特定技能ビザで認められている12分野は次のとおりです。 特定技能(1号)ビザ 介護分野 ビルクリーニング分野 建設分野 素形材産業分野 産業機械製造業分野 電気・電子情報関連産業分野 飲食料品製造業分野 外食業分野 造船・舶用工業分野 自動車整備分野 航空分野 宿泊分野 農業分野 漁業分野 就労ビザについては,就労ビザの取得方法 に詳しく記載していますのでご覧ください。 2.特定技能ビザと就労ビザの違い 今回は,就労ビザの中でも,外国人数の多い「技術・人文知識・国際業務(技人国)ビザ」を取り上げて,特定技能ビザとの6つの違いについて見ていきます。 ①在留期間 特定技能ビザ 就労ビザ(技人国) 最長5年 ※特定技能(2号)ビザは実質無期限 実質無期限 〇特定技能ビザ 特定技能ビザでは,4ヶ月,6ヶ月,1年のいずれかの期間の在留期間が与えられますが,在留できるのは最大5年間と定められています。 ただし,特定技能(2号)ビザでは回数制限なしでビザの期間更新が認められることが決まっていますので,今後,特定技能(1号)ビザから特定技能(2号)へのビザ変更も増加することが予想されます。 〇就労ビザ(技人国) 就労ビザ(技人国)では,3ヶ月,1年,3年,5年のいずれかの期間の在留期間が与えられ,入管法上の問題が無ければ,回数制限なしでビザの期間更新が認められます。 ②外国人の要件 特定技能ビザ 就労ビザ(技人国) 日本語能力と各分野・業務区分で定められた技能要件を満たす必要がある。…