コラム

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特定技能と技能実習の違いをわかりやすく解説

1. 特定技能とは? 特定技能とは,2019年に施行された外国人労働者を受入れするための制度です。 従来では,外国人労働者の受入れを認める制度がなかった日本において,初めて外国人労働者の受入れを認める制度として施行されました。 受入れ可能な業種は人手不足と認められた全12業種で,最長5年の在留が可能な「特定技能1号」と,一部業種でのみ認められている実質無期限の在留が可能な「特定技能2号」があります。 現在,特定技能2号で在留している外国人はわずか2名ですが,特定技能2号の適応業種拡大や試験の整備などにより,今後は特定技能2号の要件を満たして就労する外国人も増えることが予想されます。 2.特定技能と技能実習の違いとは? ここからは,特定技能と技能実習の違いについて解説していきます。 ①特定技能と技能実習の目的 特定技能制度 技能実習制度 生産性向上や国内人材を確保するための施策などを行っても,なお人材不足が深刻な業種の労働力を,一定の専門性・技能をもつ外国人材によって補う 先進国としての役割を果たすため,技能,技術・知識の移転を通して発展途上国の経済発展に協力する 表のとおり,2つの制度の目的は全く異なります。 比較すると特定技能制度の目的の方が,多くの受入れ機関が,外国人を受入れしたい目的と合致するのではないでしょうか。 特定技能では,受入れする外国人を労働者として扱うことが認められているのに対して, 技能実習制度は,あくまでも技能実習を通して,技能等を外国人に習得させるのが目的であるため,労働者として扱うことは認められていません。 そのため,技能実習制度では,認可を受けた「技能実習計画」に沿った活動のみが認められており,従事させる作業まで細かく規定されています。 ②登録支援機関と監理団体(組合)の違い 登録支援機関 監理団体(組合) 特定技能制度で定められた外国人への支援業務を自社で実施できない受入れ機関の代わりに,支援業務をする機関 入国前後のフォローや,受入れ機関への監査や訪問などを通して,技能実習の適正な運用実現をする機関 それぞれの機関の役割は大きく異なります。 登録支援機関は,特定技能外国人に対する支援業務をする機関であるのに対して,監理団体の業務は,技能実習生の支援だけではありません。 監査や訪問を通して受入れ機関が技能実習法に基づいた適正な制度運用をしているか否かを確認・指導する機関としての役割も担います。 また,登録支援機関は,全国に約7,500あるのに対して,監理団体は約3,600の機関が登録されています。 理由としては,登録支援機関は,個人事業主でも許可を得ることができ,許可要件も比較的簡易であるのに対して,監理団体は許可要件が厳格で,非営利団体のみに許可が与えられるためです。 加えて,監理団体が登録支援機関の許可を同時に取得することは認められているため,2つの許可をもつ監理団体も少なくありません。 このように登録支援機関と監理団体では,外国人支援をするという面では,共通点もありますが,実際には異なる点が多いです。 ③受入れ可能な業種と職種 特定技能制度 技能実習制度 特定技能制度で認められた12業種とそれぞれの業種で認められた職種で就労可能 技能実習制度で認められた158の作業のいずれかで技能実習可能 特定技能制度では,人手不足が深刻であると認められた12業種での特定技能外国人の 受入れが認められており,業種ごとに設定された業務区分(職種)の技能要件を満たした外国人が特定技能外国人としての就労をすることができます。 他方で,技能実習制度では,86職種・158の作業に従事可能な業務が分けられており,基本的には,技能実習生は1つの作業への従事のみが認められます。 加えて,技能実習生に関しては従事可能な作業内容が詳細に定められており,特定技能と比べて業務内容の自由度が低く,試験準備などのために受入れ後の手間暇も多くかかると言えます。 ④人材の質…

特定技能ビザと就労ビザの違い

1.特定技能ビザとは 特定技能ビザとは,2019年に新設された就労ビザのひとつで,人手不足が深刻な12分野で一定の専門性や技能をもつ即戦力外国人の受入れを認めたビザです。 特定技能ビザには,1号と2号がありますが現在のところ,特定技能ビザで日本に在留している外国人の全てが特定技能(1号)ビザを取得しています。 なお,特定技能(2号)ビザは,建設と造船・舶用工業の2分野で将来的に,ビザの発行が開始されることが決定しています。 特定技能ビザで認められている12分野は次のとおりです。 特定技能(1号)ビザ 介護分野 ビルクリーニング分野 建設分野 素形材産業分野 産業機械製造業分野 電気・電子情報関連産業分野 飲食料品製造業分野 外食業分野 造船・舶用工業分野 自動車整備分野 航空分野 宿泊分野 農業分野 漁業分野 就労ビザについては,就労ビザの取得方法 に詳しく記載していますのでご覧ください。 2.特定技能ビザと就労ビザの違い 今回は,就労ビザの中でも,外国人数の多い「技術・人文知識・国際業務(技人国)ビザ」を取り上げて,特定技能ビザとの6つの違いについて見ていきます。 ①在留期間 特定技能ビザ 就労ビザ(技人国) 最長5年 ※特定技能(2号)ビザは実質無期限 実質無期限 〇特定技能ビザ 特定技能ビザでは,4ヶ月,6ヶ月,1年のいずれかの期間の在留期間が与えられますが,在留できるのは最大5年間と定められています。 ただし,特定技能(2号)ビザでは回数制限なしでビザの期間更新が認められることが決まっていますので,今後,特定技能(1号)ビザから特定技能(2号)へのビザ変更も増加することが予想されます。 〇就労ビザ(技人国) 就労ビザ(技人国)では,3ヶ月,1年,3年,5年のいずれかの期間の在留期間が与えられ,入管法上の問題が無ければ,回数制限なしでビザの期間更新が認められます。 ②外国人の要件 特定技能ビザ 就労ビザ(技人国) 日本語能力と各分野・業務区分で定められた技能要件を満たす必要がある。…

关于外国人的就劳签证取得方法,以及企业方注意点的解说

1. 「签证」同「在留资格」的不同 签证同在留资格,很多人以为这两者是同一个意思,其实严格意义上来说,他们又不一样。 签证是指在外公馆对外国人,认为入境日本没有问题而发行的一种证书。 签证实际上只能说是入境许可申请证明的一部分,因此就算在外公馆发行了签证,而在入境日本时被入境审查官拒绝入境的情况也是有可能的。 另一方面,在留资格,指的是外国人合法在日本停留的一种资格。 因此,如果能取得在留资格,也就意味着在有效期到来之前,可以在日本停留。 2. 就劳签证的取得要件 就劳签证的取得要件,简单来说,如下内容。 从事符合签证种类的职业 毕业于与业务相关的学部或学科 能得到和日本人同等以上的报酬 就业单位具有持续性和稳定性 详细可以参考我们的记事【人事负责人必读!】了解技术人文知识国际业务签证,还望参考。 3.取得就劳签证所需的必要材料 想要取得就劳签证,需要准备大量的申请资料。 并且,需要的资料,根据类别的不同也有一定出入。 详细可以参考我们的记事,就劳签证的必要资料—–技术,人文知识,国际业务签证,请务必确认是否遗漏。 4. 从国外雇佣外国人时的就劳签证的取得方法 取得就劳签证时,「外国人在国外」以及「外国人已经在日本」的办理方法不同。 首先,我们先来介绍外国人在国外的情况。 ①事先确认是否能够取得就劳签证 首先,需要确认的是即将申请签证的外国人能否申请就劳签证。 也就是说,需要确认上面提到的是否满足就劳签证的取得要件。 要件当中,待遇和企业状况属于企业方的问题,因此能确认的首先是学历要件以及职务内容。 首先学历要件的调查方法,是根据履历书上所记载的学历的毕业证明书等来确认。 毕业证书上会记载本人的姓名,大学名称,发行日,取得学位,专业。 可以通过上述内容确认是否满足学历要件,因此毕业证书也需要同履历书一同提交。 并且,确认学历以后,还需要确认预定在日本企业当中所从事的业务内容是否符合入管法规定。 也就是说需要确认从事的活动内容不是单纯作业,如果是单纯的劳动作业的话则可以判断为无法取得签证。 接下来,确认完业务内容后,还需要确认学历和业务内容的关联性。 例如,取得作为就劳签证代表的技术,人文知识,国际业务签证时,根据类别不同,所要求的学历也不同。 如果是技术范畴,海外大学毕业的情况,要求在日本进行的业务内容和学历具有一定的关联性,另一方面,如果是国际业务范畴,比起学历的关联性,则更注重人才的必要性。 关于这里的要点,因为需要专业的知识,为了避免签证拒签的事态,建议签证申请之前同专业人士确认。…

【特定技能ビザ】「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野」分野統合後の変更点と注意点

1.「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野」統合の背景 従来は,3分野に分かれていた素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野は,受入れ上限数に達した統合前分野での受入れ再実現や,手続きの簡素化を主な理由として統合されました。 特定技能外国人の受入れが認められている12分野では,それぞれ受入れ上限数が設定されており,統合前にあった「産業機械製造業分野」で設定されていた特定技能外国人の受入れ上限数(5,250人)が,2022年2月末時点で人数超過しました。 人数超過の結果として,産業機械製造業分野では,一時的に,国外にいる外国人に対しての特定技能ビザ交付が停止される措置がとられました。 加えて,統合前の製造業3分野では,同じ就業場所でも複数の分野で特定技能外国人の受入れをする場合には,分野ごとに協議会加入手続きが必要であった点や,協議会加入手続きが煩雑であるなどの意見もあり,分野統合の実現を後押しする要因となりました。 元々は,3つの分野に分かれていた「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野」を統合することで,製造業3分野それぞれの受入れ上限数も合算され,現在では,統合前に産業機械製造業分野に該当していた受入れ機関でも,再度,特定技能外国人の受け入れが可能となりました。 2.「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野」統合後の変更点 製造業3分野の分野統合後の主な変更点について紹介します。 2-1.受入れ分野と業務の対応関係 統合前には,製造業3分野のそれぞれで,受入れ可能な特定技能外国人の業務区分が設定されていました。 他方で,統合後の現在では業務区分についても統合されたため,結果として,統合前には受入れが認められなかった業務区分の技能をもつ,特定技能外国人の受入れが可能となった受入れ機関もあることになります。 統合後に,素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野で受入れ可能となった業務区分は次の表の通りです。 受入れ可能となった業務区分 鋳造 鍛造 ダイカスト 機械加工 金属プレス加工 鉄工 工場板金 めっき アルミニウム陽極酸化処理 仕上げ 機械検査 機械保全 電子機器組立 プリント配線板製造 プラスチック成形 電気機器組立て 溶接 工業包装 塗装     それぞれの業務区分の技能要件を満たす特定技能外国人であれば,受入れが可能です。 また,統合前には,特定技能外国人が就労する分野を変更する場合には,仮に就労先に変更が無かった場合でも,新たに特定技能ビザの切り替えをする必要があったため,複数の分野に該当していた製造業の受入れ機関は,手続き上の手間が大幅に削減されています。 2-2.特定技能外国人の受入れ上限数 統合前には,製造業3分野での特定技能外国人の受入れ上限数は,次の通りに設定されていました。 素形材産業分野 産業機械製造業分野…

就職活動のための特定活動ビザ(留学生向け)

1.卒業しているのに「留学」ビザのままって大丈夫? 「留学生が学校を卒業した後,留学ビザのまま在留し続けることはできますか」というご質問をよく受けます。 まず,外国人は在留期間の満了日まで適法に日本に在留することができるというのが,理解の前提です。 これは,在籍していた学校を卒業した後も同じです。 しかし,外国人は,永住者と定住者を除き,在留資格に対応する活動をしていなければ在留資格を取り消される可能性があるのです。 この点には,特に注意が必要です。 留学生についていえば,正当な理由がある場合を除き,学校を卒業後,大学等で教育を受ける活動を行うことなく3ヶ月を経過すれば,在留資格を取り消される可能性があります。 また,在留資格は取り消されないまでも,在留資格の取消事由があることは,他の在留資格(例えば,技術・人文知識・国際業務)に変更する際のネガティブな事情となります。 2.就職活動のための特定活動ビザとは? 卒業後に留学ビザのままでいれば上記のようなリスクがあるため,卒業前から続けていた就職活動を卒業後も継続する場合には,留学ビザから就職活動のための特定活動ビザに変更する必要があります。 留学ビザと同様に,就職活動のための特定活動ビザにも許可を受けるための要件があります。 このチャプチャーでは,就職活動のための特定活動ビザの対象と要件を簡単に整理します。 ① 就職活動のための特定活動ビザの対象 まず,就職活動のための特定活動ビザの対象は,卒業前から引き続き行っている就職活動を行うことを目的とする以下の留学生です。 a.継続就職活動大学生 日本の大学(短期大学及び大学院を含みます。)を卒業した外国人であれば,これに当たります。 b.継続就職活動専門学校生 専修学校専門課程(いわゆる専門学校)において専門士の称号を取得し,同課程を卒業した外国人が,これに当たります。 ただし,当該専門学校における専門課程の修得内容が,「技術・人文知識・国際業務」を代表とする就労ビザの在留活動と関連している必要があるので,その点には注意が必要です。 c.継続就職活動日本語教育機関留学生(海外大卒者のみ) 海外の大学又は大学院を卒業又は修了した後に(学士以上の学位の取得が必要です。),日本の日本語教育機関を卒業した外国人が,これに当たります。 なお,日本語教育機関側についても,いくつか要件が定められています。 詳細については,下記のページからご確認ください。 ※出入国在留管理庁サイトより https://www.moj.go.jp/isa/content/930004793.pdf ② 就職活動のための特定活動ビザの要件 次に,就職活動のための特定活動ビザの要件は,以下の通りとなります。 ① 留学ビザをもって在留していること ② 卒業後1年未満であること ③ 卒業前から引き続き行っている就職活動を継続することを希望する者 ④ 在留中の一切の経費を支弁する能力を有すること ⑤ 卒業した学校から推薦を受けていること ⑥…

ネパールの二国間協定の誓約事項と受入れフロー

1.特定技能の二国間協定とは ネパールと日本の間で締結された特定技能の二国間協定は,特定技能外国人の保護や特定技能制度の適正な運用を実現するために締結されました。 2.二国間で共有される主な情報内容 二国間協定で共有される内容は次の通りです。 特定技能外国人や家族・親族の金銭や財産の管理 契約不履行時などの違約金に関する約束 特定技能外国人に対する人権侵害 特定技能ビザ取得時の不正な手続き 特定技能外国人からの不当な手数料の徴収 特定技能外国人を保護するための事項を中心に,特定技能ビザを取得する際の手続き上の不正についても情報共有されます。 また,特定技能外国人の受入れ後は,受入れ機関が四半期ごとに賃金台帳などを添付した報告書を入管へ提出する義務があるなど,労働法についても日本人従業員以上に保護されています。 そのため,入管法やその他の法律に違反する行為が発覚した場合は,二国間で情報共有され特定技能外国人の受入れができなくなる可能性もある点には注意して下さい。 3.二国間で協議される主な内容 二国間協定では,次の内容について協議されることが誓約されています。 二国間の政策実施・変更に関する事項 採用プロセスや費用負担に関する事項 特定技能制度の手続きに関する審査 特定技能制度に関わる機関に関する事項 特定技能試験の実施に関する事項 特定技能制度の適正な運用を継続して実現するために,上記の内容を中心に随時協議されることが誓約されています。 協議される内容については,採用プロセスや手続きに関する事項から,特定技能試験に関する事項まで特定技能制度全般にかかわる内容が協議されます。 4.二国間の特定技能試験に関する誓約 二国間協定で誓約された特定技能試験についての誓約事項は次の通りです。 日本政府からの各種要請に可能な限り応じる 技能・日本語試験の適正な実施 試験などの不正を行った情報を共有 ネパール国内での特定技能の技能試験や日本語試験の実施に関して,日本政府からの要請などがあった場合の協力や,両国内で実施される試験での不正を防止するための情報共有をすることが誓約されています。 なお,ネパール国内では介護を含む4業種の技能試験の技能試験が実施されています。 5.特定技能外国人の受入れフロー(呼び寄せ) 特定技能外国人を呼び寄せする際の,受入れフローは次の通りです。 ①採用する人材の選定 ②雇用契約の締結 ③特定技能ビザの取得 ④在ネパール日本大使館での手続き ⑤健康診断・オリエンテーション受講 ⑥海外労働保険等への加入手続き ⑦海外労働許可証の取得 ⑧日本へ入国・就労開始 ①採用する人材の選定 技能実習2号以上を良好に修了した人材や,特定技能の技能試験や日本語試験に合格した人材の中から採用する人材の選定をします。…

特定活動ビザ(帰国困難・雇用維持支援)の内容と変更点

1. 特定活動ビザ(帰国困難・雇用維持支援)とは 特定活動ビザ(帰国困難・雇用維持支援)とは,新型コロナウイルスの影響で,元々保持していたビザの期限内に帰国困難な外国人や,受入れ機関が倒産したなどの理由で解雇された外国人を対象に発給されているビザです。 なお,「特定活動ビザ」とは新型コロナウイルスの影響を受けた外国人を救済するためだけのビザではなく,現行あるビザでは対応できない活動に対して,法務大臣の権限で発給することができるビザです。 そのため,今回は新型コロナウイルスの影響を受けて帰国困難などに直面している外国人を救済する目的で特定活動ビザが使われていますが,実際には本記事で紹介する事例以外でも,さまざまな用途で特定活動ビザが使われています。 2. 特定活動ビザ(帰国困難・雇用維持支援)の変更点 特定活動ビザ(帰国困難・雇用維持支援)は,外国人の往来が実質的に再開されている現在においても,帰国困難な合理的な理由が説明できれば,入管での審査を経てビザを取得することができます。 これまでは,ビザ申請の際に提出された帰国が困難である理由書などの資料から,各入管にてビザ発給の可否が判断されていました。 そのため,同じ条件下の外国人でも,管轄の入管や審査を担当する審査官によって,ビザ申請の審査結果が異なるような事例も散見されました。 一方で,今回の発表により,今後の特定活動ビザ(帰国困難・雇用維持支援)の発給に関わるルールが明確にされました。 まずは,今回発表された変更点について解説して行きます。 なお,本記事では特定活動ビザ(帰国困難・雇用維持支援)と併せて,多くの帰国困難な外国人が取得をしている「短期滞在ビザ」についてもご紹介します。 2-1.対象者 新たな発表では,現在,特定活動ビザ(帰国困難・雇用維持支援),短期滞在ビザで在留している外国人または2022年11月1日までに現在保持しているビザの期限が満了する外国人に限り,今後の特定活動ビザ(帰国困難・雇用維持支援),短期滞在ビザへの変更や更新が認められることになりました。 2-2.許可される在留期間と変更・更新の可否 今後,許可される在留期間や変更・更新の可否は,ビザ申請する外国人のビザの状況によって,次の➀~➂の何れかのルールに則り決定されます。 ➀現在保持している特定活動ビザ(帰国困難・雇用維持支援)または短期滞在ビザの在留期限が6月29日までの外国人 特定活動ビザ(帰国困難・雇用維持支援)または短期滞在ビザで在留している外国人で,在留期限が6月29日までの外国人は,下記のルールでビザの更新が認められます。 現在のビザ 更新で取得できる在留期間 特定活動ビザ(帰国困難・雇用維持支援) 4ヶ月 短期滞在ビザ 90日 なお,ビザ更新をした後も,引き続き帰国困難な状況が認められることで,再度のビザ更新が認められる可能性がありますが,その際には6月30日以降の更新として②の取扱いになりますので、再度のビザ更新は「今回限り」のものになり、それ以降の更新は認められません。 ②現在保持している特定活動ビザ(帰国困難・雇用維持支援)または短期滞在ビザの在留期限が6月30日以降の外国人 特定活動ビザ(帰国困難・雇用維持支援)または短期滞在ビザで在留している外国人で,在留期限が6月30日以降の外国人は,下記のルールでビザ更新が認められます。 現在のビザ 更新で取得できる在留期間 特定活動ビザ(帰国困難・雇用維持支援) 4ヶ月 短期滞在ビザ 90日 なお,ビザ更新が認められるのは「今回限り」とされているため,ビザ更新をした後は在留期限が満了する前に,母国へ帰国する必要があります。 ➂新たに特定活動ビザ(帰国困難・雇用維持支援)または短期滞在ビザの取得を希望する外国人 特定活動ビザ(帰国困難・雇用維持支援)または短期滞在ビザ以外のビザで在留する外国人で,11月1日までに在留期限を迎える外国人については,下記のルールでビザの取得が認められます。 希望するビザ 取得できる在留期間 特定活動ビザ(帰国困難)…

スリランカの二国間協定の誓約事項と受入れフロー

1.特定技能の二国間協定とは 日本とスリランカの間の二国間協定は,特定技能制度でのそれぞれの国の役割を明確にして,制度の適正な運用や特定技能外国人の保護を目的としています。 2.両国の連絡窓口 二国間協定では,次の機関がそれぞれの政府の連絡窓口として定められています。 日本 法務省出入国在留管理庁在留管理支援部在留管理課 スリランカ 通信・海外雇用・スポーツ省スリランカ海外雇用局求人課 3.二国間で共有される主な情報内容 二国間協定では,次の内容について情報共有されることが誓約されています。 特定技能外国人やその家族からの金銭や財産管理 契約不履行時の違約金などに関する契約有無 人権侵害に関する事項 特定技能ビザ取得時の不正な手続き 不当な手数料の徴収 二国間協定では,特定技能制度の適正な運用に必要または有益な情報を共有することが定められています。 共有される情報の内容からも分かるように,特に求人・求職に関わる仲介機関の不正を防止する内容の情報共有がなされます。 4.二国間で協議される主な内容 二国間協定で,定められている協議内容は次の通りです。 二国間の政策実施・変更に関する事項 仲介機関の適正に関する事項 受入れ機関や送出し機関に関する事項 技能・日本語試験に関する事項 二国間協定では,特定技能制度の適正な運用実現のために,上記の内容について定期または随時協議を行うことが誓約されています。 特定技能制度の運用にあたり,問題となる事象などがあれば,協定内容も随時更新される可能性があります。 5.二国間の特定技能試験に関する誓約 二国間協定では,特定技能試験に関する事項も次の通り誓約されています。 日本政府からの要請に可能な限り対応 技能・日本語試験の不正を防止・情報共有 〇日本政府からの要請に可能な限り対応 スリランカで実施される特定技能の技能試験や日本語試験の実施などに関して,協力を要請された場合はそれに応じることが誓約されています。 〇技能・日本語試験の不正を防止・情報共有 実施した試験に関して,替え玉受験や合格証の偽装などが発覚した場合は,両国間で迅速に情報共有することが誓約されています。 6.特定技能外国人の受入れフロー(呼び寄せ) スリランカから特定技能外国人を呼び寄せする際の,受入れフローは次の通りです。 ①採用する人材の選定 ②雇用契約の締結 ③特定技能ビザの取得 ④在スリランカ日本大使館での手続き ⑤海外労働者登録…

ミャンマーの二国間協定の誓約事項と受入れフロー

1.特定技能の二国間協定とは ミャンマーと日本との間で二国間協定が締結された目的は,特定技能制度を運用する上での2国間の役割を明確にし,適正な制度運用を実現することで,特定技能外国人の保護をするためです。 2.ミャンマー政府が誓約した重要事項 二国間協定で,ミャンマー政府が誓約した重要事項は次の通りです。 送出し機関の審査・認定の実施 送出し機関情報を日本政府へ報告 日本政府からの情報に応じて送出し機関の調査などを実施 指導などを受けた受入れ機関情報の公表 日本政府からの依頼に応じて情報提供 〇送出し機関の審査・認定の実施 送出し機関について十分な審査を行い,基準を満たした機関のみを許可することが誓約されています。 なお,ミャンマーにいる人材を採用する場合は送出し機関を仲介することが必須となっています。 〇送出し機関情報を日本政府へ報告 送出し機関の許可を出した場合は,日本政府へ情報共有することが誓約されています。 〇日本政府からの情報に応じて送出し機関の調査などを実施 送出し機関の不正な活動について,日本政府より情報提供を受けた場合は,該当する送出し機関の調査・指導などを行うことが誓約されています。 〇指導などを受けた受入れ機関情報の公表 日本政府が受入れ機関などに対して改善命令などを行った場合は,ミャンマー政府にも情報共有され,ミャンマー国内でも公表することが誓約されています。 そのため,不正を行った受入れ機関は,今後ミャンマー人の受入れを希望する場合も人材獲得が難しくなることが想定されます。 〇日本政府からの依頼に応じて情報提供 ミャンマーの送出し機関などに関する情報照会を日本政府より受けた場合は,必要な情報を調査して日本政府へ提供することが誓約されています。 3.日本政府が誓約した重要事項 日本政府が誓約した重要事項は次の通りです。 ミャンマー政府からの送出し機関情報を日本国内で公表 ミャンマー政府からの依頼に応じて情報提供 〇ミャンマー政府からの送出し機関情報を日本国内で公表 送出し機関に関する情報や,認定取り消しなどが行われた情報について,ミャンマー政府より情報提供を受けた場合は,日本国内にて公表することが誓約されています。 〇ミャンマー政府からの依頼に応じて情報提供 ミャンマー政府より,特定技能外国人受入れに関する情報の照会を受けた場合は,必要な情報を共有することが誓約されています。 4.特定技能外国人の受入れフロー(呼び寄せ) ミャンマーにいる特定技能外国人を呼び寄せする際の手続きは次の通りです。 ①送出し機関との契約 ②求人票の承認 ③採用する人材の選定 ④雇用契約の締結 ⑤特定技能の在留資格認定証明書の取得 ⑥ミャンマー労働省よりOWIC取得 ⑦在ミャンマー日本大使館での手続き ⑧日本へ入国・就労開始 ①送出し機関との契約…

モンゴルの二国間協定の誓約事項と受入れフロー

1.特定技能の二国間協定とは 二国間協定は,特定技能制度でのそれぞれの国の役割を明確にして,適正な制度運用や特定技能外国人の保護を目的として締結されました。 2.二国間で共有される主な情報内容 二国間協定で情報共有が誓約されている主な事項を紹介します。 特定技能外国人やその家族の金銭や財産の管理 契約不履行時の違約金契約 特定技能外国人への人権侵害行為 特定技能ビザ申請手続きの不正 特定技能外国人の同意なしの費用徴収 二国間協定では,上記内容の事項について,随時共有されることが誓約されています。 共有される内容を見ると,特定技能外国人の保護に関する事項が中心となっていることが分かります。 これらの事項は,外国人技能実習生が被害を受けることで知られる項目でもあるため,特定技能外国人に対しても同様に,被害防止のための情報共有がなされます。 3.モンゴル政府が誓約した重要事項 二国間協定の中で,モンゴル政府が誓約している重要事項について見ていきます。 GOLWSをモンゴル唯一の送出し機関とする 日本国内で処罰を受けた機関の情報をモンゴルで公表 特定技能候補者をGOLWSのデータベースに登録すること 日本政府からの要請により必要な情報提供をすること 〇GOLWSをモンゴル唯一の送出し機関とする 特定技能外国人をモンゴルから呼び寄せする際には,モンゴル労働・社会保障省労働福祉サービス庁(GOLWS)を仲介する必要があります。 そのため,民間の送出し機関がモンゴルにいる特定技能外国人の斡旋を行うことは認められていません。 なお,モンゴル政府は,GOLWSを特定技能外国人の送出しに関わることのできる唯一の機関として定めています。 〇日本国内で処罰を受けた機関の情報をモンゴルで公表 日本政府が登録支援機関や受け入れ機関に対して,指導や許可取消などを行った場合には,モンゴル政府に情報が伝達され,モンゴル国内でも公表することが誓約されています。 〇特定技能候補者をGOLWSのデータベースに登録すること 特定技能の技能試験や日本語試験に合格するなどして,特定技能外国人となる要件を満たしたモンゴル人に対してGOLWSの求職者データベースに登録することを求めることが誓約されています。 〇日本政府からの要請により必要な情報提供をすること 日本政府より特定技能外国人などに関する情報の照会を受けた際は,情報提供をすることが誓約されています。 4.日本政府が誓約した重要事項 次に日本政府が誓約した重要事項について紹介します。 雇用契約や支援計画の適正な審査実施 登録支援機関の厳正な審査実施 雇用契約や支援計画内容の適正な実施状況の確認 必要に応じて登録支援機関へ指導等の実施 特定技能外国人の適正な労働環境の確保 日本国内の悪質ブローカーの排除 GOLWSに関する情報を日本国内で公表 処罰した機関の情報をモンゴル政府へ共有 特定技能適格性を厳正に審査 モンゴル政府からの要請により必要な情報提供…