コラム

COLUMN

ベトナムの二国間協定の誓約事項と受入れフロー

1.特定技能の二国間協定とは 二国間協定が締結されている目的は,特定技能制度の運用に関しての誓約事項を定めることで,制度の運用を円滑にして,かつ特定技能外国人が不利益を被らないようルール決めをすることなどが主な目的です。 2.二国間で共有される主な情報内容 ベトナムとの二国間協定では,次の事項について情報共有されることが決定しています。 特定技能外国人やその親族から金銭を徴収する行為 人権侵害に該当する行為 手続き上の不正に関する行為 認められない手数料の徴収などの行為 これらの事項が定められている理由として,ベトナムでは特に外国人労働者から不当な金銭的搾取を行う事例などが多いことが挙げられます。 そのため,ベトナム技能実習生が借金苦を理由に失踪する原因にもなっています。 また,情報共有される事項は,全て入管法にも抵触する事項であるため,違反した場合は,情報共有されるだけでなく,特定技能外国人の受入れができなくなります。 3.ベトナム政府が誓約した重要事項 次の事項については,二国間協定でベトナム政府が誓約した主な内容です。 ベトナム送出し機関許認可に際しての厳密な審査 日本政府からの情報提供により送出し機関の調査実施 改善命令を行った受入れ機関や登録支援機関の情報をベトナムで公表 推薦者表の審査・発行 日本政府の依頼に応じて送出し機関の情報提供 それぞれ解説します。 〇ベトナム送出し機関許認可に際しての厳密な審査 ベトナム人を特定技能ビザで呼び寄せする際には,適格性などについて厳しく審査することが誓約されています。 ベトナムの送出し機関は,許認可を受けた後でも,営業停止などが発表されることが珍しくなく,特定技能の二国間協定でも許認可する際の審査の厳格化が約束されています。 特に,特定技能外国人採用に対しての受入れ機関へのキックバック有無などについては,厳しく確認を受けます。 〇日本政府からの情報提供により送出し機関の調査実施 特定技能外国人が,不当に金銭的な搾取などを受けていることが発覚した場合は,日本政府がベトナム政府へ送出し機関の調査依頼をする可能性があります。 ベトナム人の特定技能外国人を呼び寄せする場合は,送出し機関を仲介することが義務であるため,手続き上の不正などについても調査の対象とされます。 〇改善命令を行った受入れ機関や登録支援機関の情報をベトナムで公表 特定技能外国人にかかわる日本側の機関(受入れ機関・登録支援機関)への改善命令があった場合は,ベトナム政府へ報告され情報が公表されます。 〇推薦者表の審査・発行 ベトナム人が特定技能ビザを取得するためには,推薦者表が必要となります。 そのため,ベトナム政府は,国内外にいるベトナム人から申請を受けた場合は,申請書類の審査と推薦者表の発行をする義務があります。 〇日本政府の依頼に応じて送出し機関の情報提供 日本政府より依頼を受けた場合は,ベトナム送出し機関の情報提供をすることを誓約しています。 4.日本政府が誓約した重要事項 次の事項は,日本政府が誓約した主な重要事項です。 許可を得た送出し機関が仲介したベトナム人を受入れ ベトナム政府からの送出し機関の情報を日本国内で公表 改善命令を行った登録支援機関の情報をベトナム政府に報告 特定技能外国人が入居する寮の適正な運用 ベトナム政府からの要請により受入れ機関や登録支援機関の調査をする…

インドネシアの二国間協定の誓約事項と受入れフロー

1.特定技能の二国間協定とは 特定技能の二国間協定は,特定技能外国人の保護や特定技能制度の運用を円滑にすることなどを主な目的としています。 なお,二国間協定が締結されていない国の外国人が,特定技能ビザを取得することも可能です。 この点,誤解があるポイントなので注意してください。 2.インドネシア政府が誓約した重要事項 二国間協定で,インドネシア政府が誓約している次の重要事項について,解説していきます。 インドネシア労働市場情報システムにて求人・求職者情報の公開 インドネシア労働市場情報システムの使い方などについて公表 特定技能外国人へシステム利用・更新の周知 受入れ機関に対する改善命令情報などをインドネシア国内で公表 日本政府が作成した登録支援機関の一覧をインドネシアで公開 全ての特定技能外国人を海外労働者管理システムに登録するように周知 特定技能外国人に対する出国前説明会の実施 日本政府からの情報照会依頼に対応 日本に在留している特定技能外国人に対して推薦状の発行 それぞれ見ていきます。 〇インドネシア労働市場情報システムにて求人・求職者情報の公開 インドネシア政府は,政府が運用しているインドネシア労働市場情報システム(IPKOL)をインドネシアにいる特定技能外国人の求人・求職にも使用することを希望しています。 そのため,IPKOLに登録された求人情報や日本での就労を希望する特定技能外国人の情報を,システムで情報公開をすることが誓約されています。 一方で,特定技能外国人の求人や求職をする際に,IPKOLを使用することは義務ではないため,実際にIPKOLを使っての求人・求職は実例が多くないのが実情です。 〇インドネシア労働市場情報システムの使い方などについて公表 日本では認知度が低いIPKOLの使い方などについて,インドネシア政府が公表することが誓約されています。 しかし,IPKOLの使い方については公表されている情報が乏しく,システムもインドネシア語でのみ使用できるなど,日本向けのシステム利用や使い方についての広報が未だに進んでいないのが実情です。 なお,IPKOLのサイトについては「インドネシア労働市場情報システム(IPKOL)」よりアクセスが可能です。 〇特定技能外国人へシステム利用・更新の周知 特定技能外国人へのシステム利用・更新の周知をすることが,誓約されています。 一方で,新型コロナウイルス感染症の影響により,インドネシアにいる特定技能外国人の採用案件が低水準に留まっていたこともありシステム利用者が増えていません。 また,インドネシアにいる特定技能外国人を呼び寄せする場合は,以前技能実習を行っていた受入れ機関に戻る場合や,人材紹介会社を通して受入れ機関を探す場合も少なくないため,システム利用が進まない要因にもなっています。 〇受入れ機関に対する改善命令情報などをインドネシア国内で公表 受入れ機関が入管法などに抵触して,改善命令などを受けた場合はインドネシア国内でも情報を公表することが誓約されています。 そのため,不正を行った受入れ機関については,インドネシア人の特定技能外国人を採用することが難しくなる可能性がある点には,注意して下さい。 〇全ての特定技能外国人を海外労働者管理システムに登録するように周知 特定技能外国人となる全てのインドネシア人は,海外労働者管理システム(SISKOTKLN)へ登録する必要があります。 SISKOTKLNは,インドネシア国外で就労するインドネシア人がトラブルに巻き込まれた際などに,政府が当該インドネシア人の保護をする際などに役立つシステムです。 インドネシアにいる特定技能外国人が,日本へ出国する際は,事前にSISKOTKLNへ登録しておくことが義務となっている点には注意して下さい。 なお,SISKOTKLNのサイトについては「海外労働者管理システム(SISKOTKLN)」よりアクセスが可能です。…

【特定技能ビザ】自動車整備分野の協議会と試験概要

1.自動車整備分野で特定技能外国人を受入れる要件 自動車整備分野で,特定技能外国人を雇用するための外国人と受入れ企業の要件について,紹介していきます。 1-1外国人の要件 〇技能実習2号を良好に修了 自動車整備職種の技能実習2号を良好に修了した外国人は,特定技能ビザ申請の際の技能試験と日本語試験が免除されます。 技能実習2号を良好に修了とは,技能実習を2年10ヶ月以上修了した外国人を指し,特定技能ビザ申請の際には,証明書類として専門級の合格証書(実技試験のみ可)または技能実習生の評価調書を提出する必要があります。 〇技能試験と日本語試験に合格 自動車整備分野特定技能評価試験または自動車整備士技能検定3級と,日本語能力試験N4以上または国際交流基金日本語基礎テストA2レベル程度の結果を証明することで,自動車整備の特定技能ビザを申請するための要件を満たすことが出来ます。 技能試験については,自動車整備分野特定技能評価試験と自動車整備士技能検定3級の2つの選択肢がある点については,他分野と異なる点ですので注意して下さい。 なお,日本語試験については,開催回数が多く試験結果も当日に分かる国際交流基金日本語基礎テストがお勧めです。 1-2受入れ機関の主な要件 〇地方運輸局長の認証(限定認証や二輪のみも含む)を受けた事業場であること 特定技能外国人を受入れる事業所は,道路運送車両法第78条第1項に基づいた認証工場である必要があります。 そのため,特定技能ビザの申請までに許可を受けていない事業所での受入れは認められません。 〇日本人と同等額以上の報酬の支払い 特定技能外国人を安い労働力として雇用することは認められません。 そのため,特定技能外国人へ支払う報酬は,同じ職場で同程度の経験をもつ日本人従業員と同等額以上である必要があります。 〇特定技能外国人への支援体制確保 生活相談や行政の手続き補助などを含めた,特定技能外国人への支援業務を実施できる環境を整える必要があります。 なお,受入れ機関で支援業務を実施する体制を整えられない場合は,登録支援機関へ支援業務を委託することで特定技能外国人の受入れをすることが可能です。 〇非自発的離職者・行方不明者が1年以内にいないこと 1年以内に非自発的離職者と行方不明者が発生している場合には,特定技能外国人の雇用ができません。 非自発的離職者には外国人のみでなく,日本人従業員も含まれる点については,注意が必要です。 〇5年以内に法令違反をしていないこと 特定技能ビザ取得のためには,受入れ機関が直近5年以内に,入管法や労働法の違反が無いことが求められます。 また,受入れ機関の役員・支援責任者・支援担当者に関しても同様に,違反していない必要があります。 〇特定技能外国人と違法な契約が無いこと 特定技能外国人と締結する雇用契約に関しては,日本人と同様に労働基準法が適応されます。 そのため,労働基準法に抵触する契約内容は認められません。 また,契約満了前の退職に対して違約金や保証金の契約なども認められません。 2.特定技能外国人が従事可能な業務 自動車整備分野の特定技能外国人が従事可能な主たる業務は次の通りです。 自動車の日常点検整備 定期点検整備 分解整備 また,主たる業務とは別に次のような業務が関連業務として想定されており,付随的に従事することが可能です。 整備内容の説明,及び関連部品の販売 部品番号検索 部内発注作業 車枠車体の整備調整作業…

「特定技能」業務区分と「技能実習」移行職種の関係性

1.特定技能の業務区分とは 特定技能の全14分野では,それぞれ業務区分が設定されています。 特定技能外国人は,技能要件を満たした業務区分の業務への従事のみが認められています。 また,14分野のうち8分野では,同じ分野内に複数の業務区分があり,同じ分野内であっても技能要件を満たしていない他の業務区分の業務に,特定技能外国人が従事することは認められません。 一方で,技能実習2号を良好に修了した移行職種が,特定技能の業務区分に対応している場合には,試験を受けずに特定技能ビザ取得のための技能要件を満たします。 2.技能実習の移行職種とは 技能実習の移行職種とは,技能実習2号または3号への移行が認められる職種のことです。 特定技能ビザの取得要件のひとつに「技能実習2号を良好に修了」があり,特定技能の業務区分に対応する職種にて,技能実習を2年10ヶ月以上の期間修了した外国人は,当該業務区分の特定技能ビザ取得をする際に,改めて試験などを受験する必要はありません。 一方で,移行職種でない職種で技能実習ビザを取得した場合は,技能実習1号(1年間)のみの技能実習が認められるため,修了しても特定技能ビザ取得のための要件を満たすことはできません。 なお,宿泊業など,移行職種であっても特定技能ビザ取得要件を満たさない職種もあるので,特定技能ビザの取得予定がある際には要件の事前確認が肝心です。 また,移行職種は3年間の技能実習が修了する前に,専門級の技能試験(実技試験のみ可)の受験が義務である点も特徴です。 但し,専門級の技能試験(実技試験のみ可)に合格できなかった場合でも,評価調書を作成することで特定技能の技能要件を満たすことができる点には注意が必要です。 3.「特定技能」業務区分と「技能実習」移行職種の関係性 14分野それぞれの業務区分を紹介していきます。 技能実習の職種と作業が空欄の業務区分については,対応する移行職種がないため,特定技能ビザ申請のために必ず特定技能の技能試験合格が必須となります。 また,特定技能ビザの日本語要件は介護分野以外では共通のため,いずれかの職種で技能実習2号を修了することで,分野や業務区分の変更をする際にも改めて日本語試験を受験する必要はありません。 3-1介護分野 特定技能(業務区分) 技能実習(職種) 技能実習(作業) 身体介護等 介護 介護 介護職種の技能実習2号を修了した外国人は,介護分野の介護(身体介護等)の業務に従事するための特定技能ビザを取得できます。 技能実習2号修了者以外は,介護技能評価試験の合格と日本語能力試験N4または国際交流基金日本語基礎テストA2レベル以上の結果に加えて,介護日本語評価試験に合格することで特定技能ビザの取得要件を満たせます。 なお,特定技能外国人は訪問介護などの訪問系サービスへの従事はできない点には注意してください。 3-2ビルクリーニング分野 特定技能(業務区分) 技能実習(職種) 技能実習(作業) 建築物内部の清掃 ビルクリーニング ビルクリーニング ビルクリーニング職種の技能実習2号を修了した外国人は,ビルクリーニング分野での特定技能ビザ取得要件を満たします。 3-3素形材産業分野 特定技能(業務区分) 技能実習(職種) 技能実習(作業) 鋳造 鋳造…

【特定技能ビザ】転職の要件と必要な手続き

1.特定技能外国人が転職できる要件 まず始めに,特定技能外国人が転職できる要件について紹介します。 1-1技能要件 特定技能外国人は,要件さえ満たせば,特定技能の他分野への転職も認められています。 転職を希望する場合は,必ず転職先の「分野・業務区分」で求められる技能要件を満たしている必要があるため,事前に必要な技能要件については,確認をしておくことが肝要です。 例えば,農業分野で特定技能ビザを取得して就労していた外国人が,宿泊業分野へ転職する場合は,事前に宿泊業の特定技能の技能試験に合格している必要があります。 また,製造業分野など,分野内に複数の業務区分が設置されている場合は,業務区分ごとに特定技能の技能試験が設置されています。 そのため,同じ分野内でも他の業務区分の業務へ従事,または転職する場合は原則として特定技能の技能試験に合格する必要がある点は,誤解が多いところになりますので,注意が必要です。 加えて,介護分野へ転職する際には,介護分野における日本語能力を証明するために「介護日本語評価試験」についても合格しておく必要がある点は,留意して下さい。 1-2在留期間 特定技能(1号)ビザでは,外国人が日本で在留可能な期間は,最長5年間と定められています。 最長5年間の在留期間に関しては,転職前に特定技能ビザにて就労していた期間も含まれます。 そのため,特定技能外国人と締結する雇用契約の期間を決定する際には,残りの在留可能期間を確認しておく必要があります。 なお,既に残りの在留期間が数ヶ月のみのような場合は,転職先で就労するためのビザの切り替えができない可能性もある点には注意が必要です。 2.入管への必要な届出手続き 2-1特定技能外国人 在留資格変更許可申請(ビザ切り替え申請手続き) 〇在留資格変更許可申請(ビザ切り替え申請手続き) 特定技能外国人が転職をする場合は,特定技能ビザの切り替え申請をする必要があります。 申請には多くの書類を準備・作成する必要があり,1ヶ月以上の審査期間も想定する必要があるため,早めの準備が必要です。 また,転職先の機関にて特定技能外国人として就労できるのは,特定技能ビザの切り替え申請後,新しい特定技能ビザを取得してからとなります。 この点,間違いがないようにしてください。 なお,特定技能外国人が同じ受入れ機関で就労を継続しながら,従事する業務区分を変更・追加する場合は,「特定技能所属機関による特定技能雇用契約に係る届出」の提出のみで 足りる点は,誤解が多いところになりますので、注意が必要です。 特定技能ビザの切り替え方法について詳しい内容は,特定技能ビザ 切り替え のページをご確認ください。 2-2受入れ機関 受入れ機関は次の4つの届出を,入管へ提出する必要があります。 特定技能所属機関による受入れ困難に係る届出 特定技能所属機関による特定技能雇用契約に係る届出 特定技能所属機関による支援計画変更に係る届出 特定技能所属機関による支援委託契約に係る届出 〇特定技能所属機関による受入れ困難に係る届出 受入れ機関または特定技能外国人の都合により,特定技能外国人の受入れ継続が困難となった際に提出義務のある書類です。 受入れ継続が困難となった日から14日以内に入管へ提出する義務があり,特定技能外国人が転職する場合は,次の内容について入管へ報告します。 転職する特定技能外国人の情報 転職理由 特定技能外国人の現状…

【特定技能ビザ】飲食料品製造業の協議会と試験概要

1. 特定技能「飲食料品製造業」について まずは,飲食料品製造業の特定技能で従事可能な業務内容について紹介します。 次の表では,特定技能制度と技能実習制度のそれぞれで認められている業務内容を比較しています。 1-1従事可能な業務内容 特定技能(業務区分) 技能実習(職種) 技能実習(作業) 飲食料品製造全般 (畜産食料品製造業,水産食料品製造業,野菜缶詰・果実缶詰・農産保存食料品製造業,調味料製造業,糖類製造業,精穀・精粉業,パン・菓子製造業,動植物油脂製造業,その他の食料品製造業,清涼飲料製造業,茶・コーヒー製造業(清涼飲料を除く),製氷業,菓子小売業(製造小売),パン小売業(製造小売),豆腐・かまぼこ等加工食品小売業) 缶詰巻締 缶詰巻締 食鳥処理加工業 食鳥処理加工 加熱性水産加工 食品製造業 節類製造 加熱乾製品製造 調味加工品製造 くん製品製造 非加熱性水産加工 食品製造業 塩蔵品製造 乾製品製造 発酵食品製造 水産練り製品製造 かまぼこ製品製造 牛豚食肉処理加工 業 牛豚部分肉製造 ハム・ソーセージ・ ベーコン製造 ハム・ソーセージ・ ベーコン製造 パン製造 パン製造 そう菜製造業 そう菜加工 農産物漬物製造業 農産物漬物製造…

特定技能ビザ「建設業」受入れ機関の要件と業務区分

1. 建設業での特定技能ビザ取得状況 まずは,建設業での特定技能ビザ取得状況について紹介します。 2019年に特定技能制度が施行された際には,建設業にて5年間で4万人の特定技能外国人の雇用が見込まれていました。 しかし,2021年9月末時点のデータを見ると,建設業で就労している特定技能外国人の数は3,745名のみで,当初発表された見込み数とは大きな乖離があります。 建設業の特定技能外国人数は,日本にいる特定技能外国人の全体数の約10%を占めているため,建設業での受入れのみが遅れているわけではありませんが,特定技能の他分野と同様に今後も受入れが加速していくことが予想できます。 2. 従事可能な業務区分「技能実習の職種と比較」 建設業では,特定技能外国人が従事可能な業務が18種類に分類されています。 次の表では,技能実習と特定技能それぞれの制度で従事可能な業務を紹介しています。 技能実習 特定技能 職種 作業 業務区分 建築板金 ダクト板金作業 建築板金 内外装板金作業 建築大工 大工工事作業 建築大工 型枠施工 型枠工事作業 型枠施工 鉄筋施工 鉄筋組立て作業 鉄筋施工 とび とび作業 とび かわらぶき かわらぶき作業 屋根ふき 左官 左官作業 左官 配管 建築配管作業 配管…

【特定技能ビザ】期間更新の必要書類と注意点

1.「特定技能ビザ」期間更新手続きの流れ まずは,特定技能ビザを更新する際の手続きの流れについて紹介します。 ➀必要書類の準備 特定技能ビザの期間更新の申請は,保有しているビザ有効期限の3ヶ月前から行うことができます。 申請に必要な書類の中には,役所などで取得する書類もあり,それらは3ヶ月の有効期限があります。 そのため,申請予定日に合わせて計画的に特定技能ビザの期間更新の準備を進める必要があります。 ②入管へのビザ申請 必要書類を全て揃えたら,本人・代理人または申請等取次者の資格をもつ行政書士などが,入管またはオンラインにて特定技能ビザ更新の申請を行います。 申請した際には受理票が発行されます。 受理票は,審査状況の照会などに必要となるので大切に保管して下さい。 ➂審査終了の通知 申請する入管の場所や申請の混雑状況にもよりますが,2週間から1ヶ月程度の審査期間を経て,審査終了の通知が届きます。 審査終了の通知は,「入管へ申請した場合ははがき」で,「オンラインで申請した場合はメール」にて届きます。 ④特定技能ビザの受け取り 入管で申請した場合は,申請した入管へ出向いて,新しい在留カードの受け取りをします。 その際に,次のものを持参して下さい。 現在保有の特定技能ビザの在留カード原本 パスポート原本 指定書 手数料納付書(4000円の印紙を貼付したもの) 受理票 通知はがき オンライン申請の場合は,保有している在留カードを「東京出入国在留管理局在留管理情報部門オンライン申請手続班」へ郵送することで,新しい在留カードを郵送にて受け取ることができます。 郵送する際には,次のものを同封して下さい。 現在保有の特定技能ビザの在留カード原本 指定書 手数料納付書(4000円の印紙を貼付したもの) 新しい在留カードを受け取るための返信用封筒 2.「特定技能ビザ」外国人の必要書類 特定技能ビザの期間更新するための必要書類を紹介していきます。 申請書 特定技能外国人の人定情報や申請内容などを記載する書類です。 特定技能外国人の報酬に関する説明書 特定技能外国人が受け取る報酬額が適正であることを証明する書類です。 報酬の算出根拠などの内容を中心に記載します。 特定技能雇用契約書の写し 雇用条件書の写し 受入れ機関と特定技能外国人が合意した契約書の写しを提出します。 個人住民税の課税証明書 取得できる最新年度のものが必要です。…

【特定技能ビザ】漁業分野の試験概要と雇用形態

1. 特定技能「漁業分野」について まずは,特定技能の漁業について,業務区分からご紹介していきます。 1-1 業務区分 特定技能「漁業」には,次の表のとおり2つの業務区分があります。 それぞれに対応する技能実習制度の職種・作業で,「技能実習2号を良好に修了」した外国人は,漁業技能測定試験の合格をしなくても,特定技能ビザを取得する要件を満たします。 また,特定技能制度は,技能実習制度と違い「漁業」の業務区分が作業ごとに分けられていません。 そのため,例えば「漁船漁業職種・かつお一本釣り漁業作業」の技能実習を修了した外国人が漁業の特定技能ビザを取得した場合は,技能実習中は従事できなかった他の作業への従事も可能となります。 特定技能制度(業務区分) 技能実習制度(職種) 技能実習制度(作業) 漁業 (漁具の製作・補修,水産動植物の探索,漁具・漁労機械の操作,水産動植物の採捕,漁獲物の処理・保蔵,安全衛生の確保等) 漁船漁業 ・かつお一本釣り漁業 ・延縄漁業 ・いか釣り漁業 ・まき網漁業 ・ひき網漁業 ・さし網漁業 ・定置網漁業 ・かに・えびかご漁業 養殖業 (養殖資材の製作・補修・管理,養殖水産動植物の育成管理,養殖水産動植物の収穫(穫)・処理,安全衛生の確保等) 養殖業 ほたてがい・まがき養殖 なお,どちらの業務区分においても,同じ職場の日本人従業員が通常行う業務に,付随的に従事することは関連業務として認められています。 認められる関連業務例は,次のとおりです。 〇漁業 漁具の積込み・積下し,漁獲物の水揚げ,漁労機械の点検,船体の補修及び自家原料を使用した製造・加工・出荷・販売等 〇養殖業 梱包・出荷及び自家原料を使用した製造・加工・出荷・販売等 1-2 外国人の要件 〇技能試験と日本語試験に合格 漁業技能測定試験と日本語能力試験N4以上,または国際交流基金日本語基礎テストA2レベル程度の結果を証明することで,漁業の特定技能ビザを申請するための要件を満たすことが出来ます。 〇技能実習2号を良好に修了 漁業の該当職種・作業にて,「技能実習2号を良好に修了」を良好に修了した外国人は,特定技能ビザ申請にあたり,技能試験と日本語試験が免除されます。 1-3…

【特定技能】ビルクリーニング分野の内容と技能試験

1. ビルクリーニングでの特定技能ビザ取得状況 日本政府は特定技能制度の施行から5年間の間に,ビルクリーニング業での特定技能外国人の受入れ見込み数を37,000人と公表しており,特定技能14業種の中でも,4番目に多い数字です。 しかし,入管庁の公表によると,2021年9月末時点で,日本のビルクリーニング業で就労している特定技能外国人の数は,日本全体で487人に留まっています。 特定技能外国人の全体数が38,337人であるため,ビルクリーニング業の特定技能外国人は,全体のわずか1%程度です。 ビルクリーニング業での低い外国人雇用状況を受け,受入れ機関や登録支援機関,技能実習の監理団体へ外国人受入れについての情報提供を行う「ビルクリーニング外国人受入支援センター」も設置されるなど,外国人受入れ数を増加させるための活動も活発に行われています。 これらの事実を考慮すると,ビルクリーニング業での特定技能外国人の受入れ人数は,今後増えていくことは間違いないでしょう。 2.「特定技能」ビルクリーニングの業務内容 ビルクリーニング業では,特定技能外国人が,建築物内部の清掃業務全般(床・天井・内壁・トイレ・洗面所等)に従事することが認められています。 また,関連業務として,次のような業務にも従事することが認められます。 資機材倉庫の整備作業 建物外部洗浄作業(外壁,屋上等。ただし高所作業を伴う窓ガラス外壁清掃作業は除く) 客室整備作業(ベッドメイク含む) 建築物内外の植裁管理作業(灌水作業等) 資機材の運搬作業(他の現場に移動する場合等) 参照:出入国在留管理庁(特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領) なお,上記業務に住宅内部の清掃を目的として従事することはできず,関連業務に従事する割合が清掃業務を超えることも認められません。 3.「特定技能」ビルクリーニングの協議会 ビルクリーニング業の特定技能協議会は,協議会員の相互連絡や情報共有などを目的として設立されており,初めて特定技能外国人の受入れを開始してから,4ヶ月以内に加入する必要があります。 また,協議会の目的達成のために,次の事項について協議または情報共有を行うとしており,協議会員は必要に応じて,協議会からの要請に協力する必要があります。 特定技能外国人の受入れに係る制度の趣旨や優良事例の周知 受入れに係る人権上の問題等への対応 特定技能所属機関等に対する法令遵守の啓発 特定技能所属機関の倒産時等における特定技能外国人に対する転職支援(特定技能所属機関が支援義務を果たせない場合における情報提供等の必要な協力) 就業構造の変化や経済情勢の変化に関する情報の把握・分析 地域別の人手不足の状況の把握・分析 前号を踏まえた大都市圏等への集中回避に係る対応策の検討・調整(看過しがたい偏在が生じた場合の協議会による大都市圏等での受入れの自粛要請や大都市圏等の特定技能所属機関による特定技能外国人引抜きの自粛要請等を含む。) 特定技能所属機関に対する構成員であることの証明 円滑かつ適正な受入れのために必要なその他の情報,課題等の共有・協議等 上記事項に掲げるもののほか,上記の目的を達成するために必要なこと 参照:厚生労働省(ビルクリーニング分野特定技能協議会設置要綱) なお,特定技能外国人を受入れする企業は「建築物製造業」または「建築物環境衛生総合管理業」の登録もしている必要がある点について注意してください。 4.特定技能ビザ取得の外国人の要件 外国人が,ビルクリーニング業で特定技能ビザを取得するためには,次の2つのいずれかの要件を満たす必要があります。 4-1 技能試験・日本語試験に合格…