行政書士法人第一綜合事務所

就労ビザのカテゴリーによって提出書類が変わる!?

就労ビザにおいて,外国人を雇用する会社側がカテゴリーに分類されていることはご存じでしょうか。
このカテゴリー分類によって,どのような違いがあるのでしょうか。

日ごろあまり意識されることが少ない就労ビザのカテゴリーについて,本ページでご紹介します。

それでは,就労ビザのカテゴリーについて記載していきます。

1.就労ビザのカテゴリーの仕組み

就労ビザについては,外国人を雇用する会社等の規模によって,カテゴリー1からカテゴリー4の4つのカテゴリーに分かれています。

では何故,就労ビザはこのようなカテゴリー分けをしているのでしょうか。

カテゴリー1の代表格は,上場企業です。他方,カテゴリー4は,新規開業した法人等を指します。この2つを比較すると,カテゴリー1の企業は上場企業であることから,社会的な信用性もあり,また事業の安定性や継続性も高いと考えられます。その一方で,カテゴリー4は,新規開業した法人等であることから,外国人材を雇用するといっても,事業の安定性や継続性に疑念を抱かれやすくなります。

実は就労ビザをカテゴリー分けしたのは,この両者を一律に審査することが不合理と考えられたことが背景にあります。

その結果,カテゴリー1は就労ビザの際の入管への提出書面を簡素化し,また在留期間については,最長の5年を取得しやすい運用が取られ,カテゴリー4については,入管への提出書面の簡素化等の措置はなく,原則として1年の在留期間が付与される運用になっています。

2.就労ビザのカテゴリー対象は?

現在,我が国には29種類の在留資格があります。
その中で,就労ビザの所属機関カテゴリー区分があるのは,以下の6種類です。

・高度専門職
・経営・管理
・研究
・技術・人文知識・国際業務
・企業内転勤
・技能

上記の就労ビザを申請する場合には,事前にカテゴリーを確認するようにしてください。

3.就労ビザのカテゴリー区分

それでは,就労ビザのそれぞれのカテゴリーについて見ていきましょう。
外国人材を雇用される企業ご担当者様においては,自社がどのカテゴリーに属しているかを知ることで,入管へ提出する書類が明らかになります。

(1)カテゴリー1

・日本の証券取引所に上場している企業
・保険業を営む相互会社
・日本又は外国の国・地方公共団体
・独立行政法人
・特殊法人・認可法人
・日本の国・地方公共団体の公益法人
・法人税法別表第1に掲げる公共法人
・高度専門職省令第1条第1項各号の表の特別加算の項の中欄イ又はロの対象企業
(イノベーション創出企業)
・一定の条件を満たす企業等

一定の条件を満たす企業等とは
①厚生労働省が所管する「ユースエール認定制度」において,都道府県労働局長から「ユースエール認定企業」として認定を受けているもの。

②厚生労働省が所管する「くるみん認定制度」,「プラチナくるみん認定制度」 において,都道府県労働局長から「くるみん認定企業」,「プラチナくるみん認定企業」として認定を受けているもの。

③厚生労働省が所管する「えるぼし認定制度」,「プラチナえるぼし認定制度(令和2年6月施行)」において,都道府県労働局長から「えるぼし認定企業」, 「プラチナえるぼし認定企業」として認定を受けているもの。

④厚生労働省が所管する「安全衛生優良企業公表制度」において,都道府県労働局長から「安全衛生優良企業」として認定を受けているもの。

⑤厚生労働省が所管する「職業紹介優良事業者認定制度」において,指定審査認定機関から「職業紹介優良事業者」として認定を受けているもの。

⑥厚生労働省が所管する「製造請負優良適正事業者認定制度(GJ認定)」に おいて,指定審査機関から「製造請負優良適正事業者」として認定を受けているもの。

⑦厚生労働省が所管する「優良派遣事業者認定制度」において,指定審査認定機関から「優良派遣事業者」として認定を受けているもの。

⑧経済産業省が所管する「健康経営優良法人認定制度」において,日本健康会議から「健康経営優良法人」として認定を受けているもの。

⑨経済産業省が所管する「地域未来牽引企業制度」において,経済産業大臣から「地域未来牽引企業」として選定を受けているもの。

⑩国土交通省が所管する「空港における構内の営業承認制度」において,地方航空局長又は空港事務所長から「空港管理規則上の第一類構内営業者又は 第二類構内営業者」として承認を受けているもの。

⑪消費者庁が所管する「内部通報制度認証(自己適合宣言登録制度)」において,内部通報制度認証事務局から「内部通報制度認証(自己適合宣言 登録制度)登録事業者」として登録を受けているもの。

(2)カテゴリー2

・前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中,給与所得の源泉徴収票合計表の源泉徴収税額が1000万円以上ある団体・個人
・在留申請オンラインシステムの利用申出の承認を受けている機関

(3)カテゴリー3

・前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表が提出された団体・個人(カテゴリー2を除く)

(4)カテゴリー4

・上記のいずれにも該当しない団体・個人

4.就労ビザのカテゴリーのまとめ

今回は,就労ビザのカテゴリーについてご紹介しました。

カテゴリー1,2の企業は書類も簡素化され,また提出資料も少なく,審査期間も短い傾向にあります。
これは,上位カテゴリーの企業については,そもそも事業の安定性や継続性が高いと評価されていることに基づきます。

他方で,先述のとおり,カテゴリー3,4の企業については,その規模から事業の安定性や継続性が相対的に低いと判断され,就労ビザの入管審査は慎重に行われることになります。

もっとも,カテゴリーの如何にかかわらず,立証すべき事項をきちんと立証すれば,就労ビザを取得することができます。
そのため,自社のカテゴリーに合った就労ビザの申請準備を行うことは,外国人材の雇用を進めていくうえで,とても重要な視点です。