育成就労コラム

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【2026年3月末最新データ】特定技能の「受入見込数」と「充足率」を徹底解説!採用計画の重要ポイント

1. 特定技能制度の「受入見込数」とは? 特定技能制度の意義は、人材を確保することが困難な状況にあるため外国人により不足する人材の確保を図るべき産業上の分野(特定産業分野)において、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人を受け入れていく仕組みを構築することにあります。 制度の適正な運用を図るため、政府は「基本方針」および「分野別運用方針」を策定しており、この分野別運用方針の中で、原則として5年ごとに各分野の「受入見込数」が定められます。この受入見込数は、単なる目標値ではなく「外国人受入れの上限数」として厳格に運用される数字です。 (1)特定技能1号全体の受入見込数と2026年3月末時点での充足率 令和6年(2024年)3月の分野別運用方針の設定において、各産業分野における人手不足の状況が改めて精査されました。政府の方針として、単に人手不足だからといって安易に外国人を受け入れるのではなく、各分野において更なる生産性の向上や国内人材確保の取組みを行うことが強く求められています。 その結果、令和11年(2029年)3月末までの5年間を対象とした特定技能1号全体の受入見込数は805,700人と設定されました。そして、最新のデータ(令和8年3月末速報値)によると、特定技能1号全体の在留外国人数は404,527人となっています。受入見込数に対する全体の「充足率」は50.2%となり、制度全体としてはおおむね順調なペースで受入れが進んでいると言えます。 (2)「育成就労」の受け入れ見込み数 ちなみに、従来の技能実習制度に代わり2027年4月から新たに運用開始予定の「育成就労制度」においても、特定技能制度と同様に受入見込数が設定されました。全17分野で合計426,200人の上限が設けられています。育成就労制度は、原則3年間の就労を通じて「特定技能1号水準」の技能を持つ人材を育成することを目的としています。つまり、育成就労は、特定技能へ移行して長く活躍してもらうための「前段階(育成期間)」として明確に位置づけられた制度なのです。 これにより、特定技能1号の805,700人と合わせて、政府は2029年3月末までの5年間で合計1,231,900人の外国人材を受け入れる計画を立てたことになります。特定技能へのステップアップを前提としたこの巨大な育成・受入れ枠の動向は、今後の採用計画において注視していく必要があります。 2. 受入充足率が高い分野トップ3 特定技能1号全体の充足率は約50%ですが、産業分野別に見ると採用の進み具合には大きなばらつきが生じています。特に以下の3分野は充足率が非常に高く、今後の動向に最大限の警戒が必要です。 産業分野 受入見込数 在留外国人数 充足率 状況 警戒 (トップ3) 【停止中】外食業 50,000人 47,714人 95.4% 一時的な交付停止措置中 飲食料品製造業 133,500人 96,367人 72.2% 在留数は全分野で最多 建設 76,000人 51,055人 67.2% JAC加入やCCUS登録が必要 やや警戒(50%超) 介護 126,900人 74,745人 58.9%…

【令和8年3月末速報値】特定技能1号が40万人を突破!分野別人数とこれからの外国人材採用のポイント

1. 【令和8年3月末速報値】特定技能在留外国人数の現状 国内人材の確保がますます困難になる中、特定技能制度を活用して即戦力となる外国人材を受け入れる企業は業種を問わず増えています。まずは、令和8年3月末時点の最新データから、日本における外国人材の受入れ状況の全体像を把握しておきましょう。 (1)特定技能1号は「404,527人」まで増加 特定技能制度の利用は年々右肩上がりで増加しており、令和8年3月末現在の速報値では、特定技能1号の在留外国人数は404,527人(令和7年末時点では382,341人)に達しました。また、より熟練した技能を要し、家族帯同や在留期間の更新に上限がない「特定技能2号」についても12,420人(令和7年末時点では7,955人)となっており、外国人材の長期的な定着が着実に進んでいます。 (2)分野別人数ランキング:どの業界で採用が進んでいるのか? 2026年現在、特にどの業界で特定技能外国人が活躍しているのでしょうか。特定技能1号において、人数の多い上位5分野は以下の通りです。 順位 産業分野名 特定技能1号 在留外国人数 1 飲食料品製造業 96,367人 2 介護 74,745人 3 工業製品製造業 59,038人 4 建設 51,055人 5 農業 39,950人 これら上位の業界では、すでに多くの企業が外国人材を事業運営の「貴重な戦力」として位置づけており、他社に先んじた人材獲得競争が激化しています。 2. 令和8年追加の「新規分野」の動向とトレンド 特定技能制度の大きな特徴は、経済情勢や人手不足の状況に合わせて柔軟に対象分野が追加される点にあります。直近の令和8年1月の閣議決定でも新たな分野の追加が発表され、大きな話題を呼びました。この章では、新たに追加された分野の2026年最新の受入れ数データと、これから本格化する新規分野の動向について述べます。 (1)自動車運送業や林業などの最新状況 2024年に追加が閣議決定された自動車運送業(333人)、鉄道(59人)、木材産業(34人)、林業(8人)など、新たな分野ですでに受入れの実績が出始めています。 特定技能「自動車運送業」については、特定技能「自動車運送業」と特定活動55号を徹底解説!採用フローや注意点は?で詳しく解説しています。ぜひご参照ください。 (2)これから始まる「特定技能1号のみ」の3分野 2026年1月の閣議決定ではさらに、特定技能1号に「リネンサプライ」「物流倉庫」「資源循環」の3分野が新規に追加されました。これらの新分野については、各分野の省庁による独自の追加ルール(上乗せ基準)が正式に定められ、準備が整い次第、運用が開始される予定であり、速報値でも在留者数が0人ですが、今後の動向に大きな注目が集まっています。 新規分野での在留資格申請は、行政側の審査要領や運用ルールも手探りの部分が多く、入管の審査官も慎重に審査を行います。「必要書類の不備」や「要件の解釈違い」によって、予期せぬ不許可や度重なる追加資料要求となり、採用計画が大幅に遅れるケースが発生しやすいのが実務上の盲点です。 これら新規分野での採用は、早期の情報収集と専門家による綿密な要件確認が成功の鍵を握ります。 3.…

育成就労の外部監査人は誰に頼む?外部役員廃止の注意点と第一綜合グループを選ぶメリット

1. 技能実習から「育成就労」へ:何が変わるのか? 技能実習制度が「国際貢献」を掲げていたのに対し、新設される育成就労制度は「人材確保・育成」に主眼を置いています。この大転換に伴い、監理・支援体制の「透明性」がこれまで以上に厳格に審査されます。 最大の変更点は、監理支援機関(現:監理団体)における外部役員の廃止と外部監査人の完全義務化です。 項目 技能実習制度(旧) 育成就労制度(新) 監督体制の選択肢 「外部役員」または「外部監査人」 「外部監査人」のみ(必須) 外部役員の扱い 認められていた 認められない (中立性欠如とみなされる) 主な目的 形式的な適正運営の確認 実効性のある中立・独立した監視 新制度の許可申請(国の事前登録申請受付は2026年9月、JITCOの施行日前申請受付は2026年4月15日より開始)において、監理支援機関は新たに外部監査人を設置しなければ許可を受けることができません。 (1)「本人意向の転籍」の解禁と監理支援機関の責任強化 もう一つの大きな変更点が「転籍ルールの緩和」です。「転籍」とは、いわゆる転職のことで、外国人材が現在の受入れ企業(勤務先)を変更して別の企業に移ることを指します。原則としてこの「転籍」が認められなかった技能実習制度と異なり、育成就労制度では、以下の要件を満たせば「本人意向による転籍(同一業務区分内)」が可能になります。 同一機関での就労期間: 1〜2年(分野ごとに設定)を超えていること (分野ごとの転籍制限期間について、詳しくは【育成就労制度対応】「特定技能」業務区分と「技能実習」移行職種の関係性を行政書士が解説をご参照ください) 試験要件: 技能検定試験(基礎級等)および一定水準以上の日本語試験(A1〜A2相当等)に合格していること 転籍先の適正性: 転籍先企業が適切な要件を満たしていること 転籍が柔軟になることで外国人材の権利が保護される反面、受入れ企業間での人材引き抜きトラブルや、労働環境を巡る不満が生じやすくなるリスクも孕んでいます。監理支援機関はこれまで以上に企業と外国人材の間に立ち、適切なサポートを行うことが求められます。こうした支援体制が適正に機能しているかを客観的に評価し、行政に報告するのが、他ならぬ「外部監査人」なのです。 (2)育成就労期間と認定基準の厳格化 育成就労制度における就労期間は原則として「3年以内」と定められています。2026年8月5日更新の運用要領では、人材育成の観点から「3年を6か月以上下回る計画(2年6か月未満の計画)」については、適正な育成を行えるものと認められず、認定を受けられない可能性がある旨が明文化されました。 また、外国人が従事する業務の範囲に関して、現行の技能実習制度にある「関連業務」や「周辺業務」といった複雑な区分は整理され、「必須業務(業務時間全体の1/3以上)」および「安全衛生業務(業務時間全体の1/10以上)」に充てるべき時間割合が厳格に管理されます。これに伴い、外部監査人には、計画通りの業務割合で実務が行われているかを現場で厳格に監査することが求められます。 (3) 特定技能制度とのシームレスな接続とキャリアパス 従来の技能実習制度が「国際貢献」を建前としていたのに対し、育成就労制度は「特定技能1号へスムーズに移行できる日本国内での人材の育成」を目的として位置付けられています。 育成就労で3年間の就労・育成を修了し、一定の技能試験(特定技能1号評価試験等)および日本語試験(A2相当等)に合格することで、追加の試験を受けずに「特定技能1号」への在留資格変更が可能となります。 これにより、受入れ企業には、単なる現場作業の管理だけでなく、「特定技能を見据えた長期的な人材育成計画とキャリア支援」を主導することがこれまで以上に求められます 2. 育成就労における「外部監査人」の役割…

特定技能1号と2号の違いとは?「育成就労」から移行する最新要件を行政書士が解説!

1.特定技能ビザとは? 前述の通り、特定技能ビザは人手不足が深刻な「建設」「農業」「介護」などの分野の労働力を確保するために創設されたものです。 就労ビザには他にも種類がありますが、特定技能ビザは就労できる業務内容の範囲が他の就労ビザよりも広く、単純労働を含めることができる点が大きな特徴です。 特定技能2号ビザは、1号よりも高度な技能を持っていることが認められた方向けのビザです。1号にはない、いわゆる「特典」があることが特徴です。詳しくは2章でご説明します。 特定技能ビザの対象となる分野を表にまとめました。下線を引いているものはその分野についてのコラムがあるものです。ぜひご参照ください。 特定技能1号(19分野) 特定技能2号(11分野) 介護 (「介護」ビザへ移行) 外食業 外食業 宿泊 宿泊 飲食料品製造業 飲食料品製造業 自動車整備 自動車整備 航空 航空 農業 農業 ビルクリーニング ビルクリーニング 工業製品製造業 工業製品製造業 建設 建設 造船・船用工業 造船・船用工業 漁業 漁業 自動車運送業 鉄道 林業 木材産業 リネンサプライ 物流倉庫 資源循環 「リネンサプライ」「物流倉庫」「資源循環」は2026年1月で追加が閣議決定されたものです。今後本格的に運用が始まります。このように、特定技能制度では経済情勢や人手不足の状況に合わせて柔軟に対象分野が追加されています。 また、特定技能制度ではそれぞれの分野に受け入れ人数の上限があります。例えば、外食業分野はその上限に達しつつあるタイミングで在留資格の認定がストップされました。詳しくは…

介護分野の特定技能ビザの活用方法|要件・必要書類、訪問介護の解禁まで解説

1.特定技能の介護とは? 特定技能ビザは19分野において取得が認められており、特に介護は政府が最も特定技能ビザ取得を推進している分野のひとつです。 従来ある介護分野での就労が可能な「技能実習」や「EPA」と違い、特定技能では転職が可能であり、介護技能評価試験などに合格することで特定技能ビザを取得できます。 そのため、他分野で就労していた元技能実習生などが試験に合格をして、介護職に転職するケースも見られるようになりました。 今後も介護分野の特定技能ビザは高いニーズがあると予想されます。 2.介護分野での特定技能ビザ取得状況 入管の公表資料によると、2026年3月末現在(速報値)における1号特定技能外国人の総数は全分野で404,527人に達しています。 このうち、介護分野の特定技能1号在留外国人数は74,745人となっており、全19分野の中で飲食料品製造業(96,367人)に次ぐ第2位の受入れ実績を誇っています。 また、政府が設定する今後5年間の受入れ見込数(2029年3月末までの期間で設定)においても、介護分野単独で126,900人(全分野合計805,700人)と大規模な受入れ枠が確保されています。 今後も日本政府によって、介護分野での積極的な外国人材受入れが行われていくことが予想されます。 3.介護分野の特定技能ビザ取得要件 介護分野で特定技能ビザを取得するには、特定技能ビザを希望する外国人と受入れ機関のそれぞれが満たさなければならない要件があります。 (1)外国人の主な要件 介護分野で特定技能ビザを取得するために外国人が満たすべき要件を紹介します。 ①技能実習2号を良好に修了 介護分野において技能実習を2年10ヶ月以上修了した外国人については、技能実習2号を良好に修了した外国人として、介護分野の特定技能ビザ申請をすることができます。 技能実習を2年10ヶ月以上修了した上で、介護技能実習評価試験の専門級(実技試験のみ可)の合格証明書を特定技能ビザ申請の際に提出すると、技能実習2号を良好に修了したとみなされます。 仮に、介護技能実習評価試験の専門級に合格できなかった場合でも、技能実習中の実習評価について、受入れ機関と監理団体に評価調書を発行してもらうことで、技能実習2号を良好に修了したとみなされます。 ②技能試験と日本語試験に合格 介護技能評価試験、介護日本語評価試験、および日本語能力検定N4以上に合格(国際交流基金日本語基礎テスト合格を含む)することで、介護分野の特定技能ビザ申請をすることができます。 特に、介護分野では、日本語能力検定N4以上に加えて「介護日本語評価試験」の受験も必須である点は、他分野と異なるため注意が必要です。 そのため、既に他職種の「技能実習2号良好修了者」が介護分野で特定技能ビザを取得するためには、「介護技能評価試験」と「介護日本語評価試験」の合格が必要となります。 介護分野での最新の試験情報については、【特定技能ビザの試験内容】全12分野の解説もご確認ください。 ③介護福祉士養成施設を修了 介護福祉士養成施設を修了した場合でも、介護分野の特定技能ビザ申請をすることができます。 介護福祉施設に通う期間については、入学前の学歴によっても期間が変わります。 ④EPA介護福祉士候補者として在留期間(4年間)満了 EPA介護福祉士候補者として在留期間を満了した場合には、介護分野の特定技能ビザ申請をすることができます。 在留期間の満了をしていない場合でも、EPA介護福祉士候補者として就労・研修を3年10ヶ月以上修了し、直近の介護福祉士試験の結果で5割以上の点数をとることができれば、介護分野の特定技能ビザ申請が可能です。 ただし、EPA介護福祉士候補者は、フィリピン、インドネシア、ベトナムと日本が締結している経済連携協定に基づいて日本の介護施設で就労・研修をしながら介護福祉士の資格を目指す制度であるため、上記3ヶ国の外国人のみが該当します。 (2)受入れ機関の主な要件 介護分野で特定技能ビザの外国人を雇用したい機関は、主に下記の受入れ要件を満たす必要があります。 ①介護の特定技能協議会への加入 初めて介護分野で特定技能外国人を受入れ後、4ヶ月以内に介護分野の特定技能協議会へ加入する必要があります。 介護分野の特定技能協議会は、厚生労働省が運営しており、厚生労働省公式サイト(外部リンク)の案内に従い、加入手続きを行う必要があります。 加入手続きの主な流れは次のとおりです。…

【育成就労制度対応】「特定技能」業務区分と「技能実習」移行職種の関係性を行政書士が解説

1.特定技能の業務区分とは 特定技能ビザは、日本の深刻な人手不足に対応するため、「生産性の向上や国内人材確保のための取組を行ってもなお人材確保が困難な産業上の分野」に限って即戦力の外国人を受け入れる制度です。令和8年1月の閣議決定で、受入れ対象は全19分野にまで拡大されています。 特定技能のそれぞれの分野では、外国人が実際に日本国内で従事することができる具体的な仕事内容として「業務区分」が設定されています。特定技能外国人は、自らが試験や技能実習良好修了によって要件を満たした「特定の業務区分」の仕事にしか従事することが認められていません。 また、同じ分野内であっても、複数の業務区分が定められている分野(後述する「工業製品製造業」の17区分、「建設」の3区分など)において、要件を満たしていない他の業務区分の仕事に従事させた場合、資格外活動等の入管法違反(不法就労助長罪など)に問われる重大な法的リスクがありますので、企業実務においては受入れ時の契約・業務管理に厳格な確認が求められます(詳しくは不法就労助長罪とは?罰則や企業がすべきことを専門家が解説!もご参照ください)。 一方で、技能実習2号を良好に修了した移行職種が、特定技能の業務区分に対応している場合には、試験を受けずに特定技能ビザ取得のための技能要件を満たします。 2.技能実習(育成就労)の移行職種とは 技能実習の移行職種とは、技能実習2号または3号への移行が認められる職種のことです。 特定技能ビザの取得要件のひとつに「技能実習2号を良好に修了」があり、特定技能の業務区分に対応する職種にて、技能実習を2年10ヶ月以上の期間修了した外国人は、当該業務区分の特定技能ビザ取得をする際に、改めて試験などを受験する必要はありません。 一方で、移行職種でない職種(1年目の技能実習1号のみで終了する活動)で技能実習ビザを取得した場合は、技能実習1号(1年間)のみの技能実習が認められるため、修了しても特定技能ビザ取得のための要件を満たすことはできません。 また、移行職種は3年間の技能実習が修了する前に、専門級の技能試験(実技試験のみ可)の受験が義務である点も特徴です。 但し、専門級の技能試験(実技試験のみ可)に合格できなかった場合でも、評価調書を作成することで特定技能の技能要件を満たすことができる点には注意が必要です。 新制度「育成就労制度」開始に伴う実務上の変更点 2027年4月1日より、従来の技能実習制度に代わり、特定技能1号へのステップアップを前提とした「育成就労制度」が開始されます。育成就労修了生(3年間)が特定技能1号へ移行する際の実務ルールは、現行の技能実習制度から以下のように厳格化されます。 試験合格の原則義務化:これまでの「不合格でも評価調書で救済移行」できる特別ルートは完全に廃止され、育成就労生が特定技能1号に移行するためには「育成就労評価試験(専門級)または技能検定3級相当の実技試験」への合格が原則義務化されます。 日本語能力水準の確認義務化:育成就労終了時に、日本語教育の参照枠A2相当以上(日本語能力試験N4やJFT-Basic等)の試験等に合格し、能力を客観的に証明することが必須要件となります。 本人意向による転籍(転職)の解禁:技能実習では原則不可だった「自己都合による転籍」が、同一産業分野内において「1年から2年」の制限期間を経過し、かつ日本語(A1相当以上)及び技能の一定基準を満たしていれば正式に認められるようになります。 3.「特定技能」業務区分と「技能実習(育成就労)」移行職種の関係性 19分野それぞれの業務区分を紹介していきます。 技能実習の職種と作業が空欄の業務区分については、対応する移行職種がないため、特定技能ビザ申請のために必ず特定技能の技能試験合格が必須となります。 日本語能力に関して、2026年現在は、以下の業務区分に移行(分野や業務区分の変更)する場合は、原則として通常(A2.2相当)より一段高い「日本語教育の参照枠 B1相当以上」の語学能力の証明が義務付けられています。 自動車運送業分野:バス運転者、タクシー運転者 鉄道分野:運輸係員(駅員、車掌、運転士など) したがって、たとえ技能実習2号を良好に修了した外国人であっても、上記の「B1要件」が課される業務区分へ分野変更・移行を行う場合には、改めて日本語試験等への合格が必要となるため、注意が必要です。 また、前述の通り、技能実習制度は2027年4月より「育成就労制度」に移行し、試験合格が義務化されます。転籍も可能になりますが、分野ごとに制限期間が「1年」と「2年」に分かれています。この制限期間が短い場合は、人材の定着に向けた社内環境の整備がこれまで以上に重要になります。 このような転籍制限期間の違いなどは【育成就労開始後の注意点】にて記載しておりますので、是非ご確認ください。 (1)介護分野 身体介護や付随する業務に従事する分野です。 介護職種の技能実習2号を良好に修了した外国人は、介護分野の介護(身体介護等)の業務に従事するための特定技能ビザを取得できます。 技能実習2号修了者以外は、介護技能評価試験の合格と日本語能力試験N4または国際交流基金日本語基礎テストA2レベル以上の結果に加えて、「介護日本語評価試験」に合格することで特定技能ビザの取得要件を満たせます。 詳しくは介護分野の特定技能ビザの活用方法|要件・必要書類・訪問介護の解禁まで解説をご参照ください。 【育成就労開始後の注意点】 転籍制限期間:2年 特定技能(業務区分) 技能実習(職種) 技能実習(作業)…

宿泊業で特定技能外国人を雇用する要件と注意点を行政書士が解説

1.「宿泊業」特定技能外国人の要件 まずは、どのような外国人が特定技能ビザを取得できるか見ていきましょう。 宿泊業で、特定技能ビザを取得するためには、外国人が、技能試験と日本語試験に合格する必要があります。 それぞれ、宿泊業技能測定試験、および日本語試験(日本語能力検定N4以上、または国際交流基金日本語基礎テスト)の受験が必要です。 なお、宿泊業にて、技能実習2号を良好に修了した外国人については、日本語試験及び宿泊業技能測定試験の両方が免除されます。 (1)試験について 〇宿泊分野特定技能1号評価試験 宿泊業技能測定試験の国内試験は、受験日に17歳以上で、有効なビザをもつ全ての外国人に受験資格があり、宿泊業技能測定試験の管轄機関である、「一般社団法人宿泊業技能試験センター」公式サイト(外部リンク)より、受験申込をする必要があります(電話・メール等での申込は不可)。 事前に登録をして、申し込み可能な受験日に登録し、7,700円の受験料を支払うことで、受験可能となります。 試験形式 学科試験および実技試験(CBT方式またはペーパーテスト方式による判断等試験)で構成されます。 出題内容 学科試験(原則3肢選択式・約30問):「フロント業務」「企画・広報業務」「接客業務」「レストランサービス業務」の4業務に関する基礎・現場知識のほか、「安全衛生」や一般的な「接遇マナー(心構え、身だしなみ、言葉遣い、立居振る舞い)」から出題されます。 実技試験: 「フロント業務」「接客業務」「レストランサービス業務」の3業務に関し、利用者の求めに応じた適切な対応ができるかが評価されます。 合格基準 学科試験・実技試験のそれぞれで正答率65%以上で合格となります。 試験合格後、宿泊業での就職先が内定した場合は、外国人と、受入れ企業の双方が、一般社団法人宿泊業技能試験センターへ申請することで、合格証明書を取得することができます。 申請承認後、受入れ企業が、1名につき、12,100円の発行手数料を支払った後に、合格証明書が受入れ企業に送付されます。 合格証明書は、入管庁へ特定技能ビザの申請をする際の提出必須書類のため、必ず取得する必要があります。 〇日本語試験 日本語試験については、国内外で年に2回のみ開催される日本語能力検定でN4以上に合格、若しくは、毎月開催の国際交流基金日本語基礎テストでA2レベル程度の結果を取得する必要があります。 国際交流基金日本語基礎テストは、開催頻度が多く、受験結果も5営業日以内に知ることができるため、特定技能ビザ申請の計画を立てやすいです。 また、不合格の際の再受験の機会も多いため、特定技能ビザの申請要件を満たすためには、国際交流基金日本語基礎テストの受験をお勧めします。 なお、前述の通り、日本語試験の要件について、宿泊業を含む全ての業種で「技能実習生2号を良好に修了」した外国人は、一定の日本語能力があると見なされるため、宿泊業での特定技能ビザを申請するにあたり、日本語試験の要件は免除されます。 特定技能ビザの試験については、【特定技能ビザ】全12分野の試験内容のページもご確認ください。 (2)特定技能2号について 宿泊業は、「特定技能2号」の対象分野となっています。特定技能2号ビザを取得できれば、実質無期限の就労や、家族帯同が可能となります。 宿泊分野で「特定技能2号」を取得するには、以下の要件を満たす必要があります。 実務経験:宿泊施設において、複数の従業員を指導しながら宿泊サービスを提供する業務に2年以上の実務経験を有すること(受入企業による証明が必要)。 技能試験への合格:一般社団法人宿泊業技能試験センターが実施する「宿泊分野特定技能2号評価試験」に合格すること。 2.「宿泊業」受入れ企業の要件 要件➀「宿泊業特定技能協議会」へ加入 特定技能外国人を受け入れる宿泊事業者は、「宿泊業特定技能協議会」への加入が義務付けられています。従来は雇用開始後の加入も認められていましたが、2024年6月15日以降は、在留資格の申請時に協議会の構成員であることを証明する書類の提出が求められます。そのため、外国人材の採用・ビザ申請の手続きを開始する段階で、あらかじめ協議会への加入手続きを進めておく必要があります。 宿泊業の特定技能協議会への加入は、観光庁公式サイト…

介護ビザの申請要件と取得条件|外国人介護人材の受入や必要書類を行政書士が解説

1.介護ビザとは? 介護ビザとは、2017年に施行されたビザで、介護職で就労する外国人に家族帯同や実質無期限の日本在留を認め、派遣契約での受入れも可能なビザです。 日本の介護分野は、特に人手不足が深刻であり、少子高齢化により今後も日本人の労働力だけでは、介護分野の人手不足を解消させることが困難であると考えられています。 そのような背景の中、介護分野へより多くの外国人を呼び込むために、既にある介護系のビザに加えて「介護ビザ」が新設されました。 また、介護職で外国人を受入れするためのビザは、後述するように介護ビザ以外にも主に3種類設けられており、このことからも、日本政府が介護分野での外国人労働力活用について、注力していることがわかります。 2.介護業界で仕事するには? 参照:厚生労働省(外国人介護人材受入れの仕組み) 外国人が介護分野で仕事をするためには、介護分野での就労が可能な上記4つのビザか、身分系のビザなどの就労制限のないビザを取得する方法が考えられます。 介護分野での就労が可能なビザには、本コラムで紹介する「介護ビザ」以外にも、主に3種類のビザが用意されているので、それぞれ紹介します。 (1)技能実習(1号・2号および3号) 技能実習制度を使うことで、最大で5年間、外国人を介護分野で受入れすることができます。 一方で、あくまでも「技能実習」を行うためのビザであるため、労働者としての受入れは認められていないことや、作業内容が細かく規定されているなど制度運用が簡単ではない点などについては、技能実習ビザを使う前に知っておくべき必要があります。 なお、かつて訪問介護サービスへの従事には制限がありましたが、要件緩和が進み、一定の条件(安全確保や指導体制の整備など)を満たすことで訪問介護での就労も可能となっています。 【介護分野における新制度「育成就労」への移行とポイント】外国人人材の受入れにおいて、従来の技能実習制度から「育成就労制度」への移行が進められています。新制度移行時の重要ポイントは以下の3点です。 1. 「人手不足の解消・人材確保」が正式な目的に従来の技能実習は建前上「技術移転(国際貢献)」が目的でしたが、育成就労では「日本の介護現場における人材確保および育成」が正式な目的として明示されます。未経験の外国人材を3年間で「特定技能1号」レベルまで計画的に育成し、長期的な戦力として迎え入れる仕組みに再編されます。 2. 介護分野の転籍制限期間は「2年」育成就労では、条件を満たすことで「本人の意向による転籍(事業所変更)」が可能となりますが、介護分野における転籍制限期間は「2年」と定められています。 同じ施設で2年以上就労し、技能試験(初級)および一定の日本語能力(A2.1相当以上)を満たした場合には、転籍が可能となります(事業所の倒産やハラスメントなど「やむを得ない事情」がある場合は2年未満でも転籍可能です)。 3. 介護ビザ(在留資格「介護」)取得までのキャリアパスが一貫化育成就労(3年) → 特定技能1号(5年) → 介護福祉士取得・在留資格「介護」へ変更という一貫したキャリアパスが整備されます。育成就労の3年間を良好に修了することで「特定技能1号」へ試験免除等で移行でき、さらに国家資格(介護福祉士)を取得すれば、家族帯同や在留期間更新の上限がない「介護ビザ」への変更が可能となります。 (2)特定技能(1号) 特定技能ビザは、2019年に新設されたビザで、制度スタート時から対象となっている介護分野をはじめ深刻な人手不足を抱える19分野にて、外国人の受入れを認めたビザです。 特定技能1号では、最長で5年間の就労が認められており、技能実習ビザで介護職を経験した外国人については、特定技能試験などが免除されて特定技能ビザにて介護分野で就労することができます(特定技能の介護分野について詳しくは介護分野の特定技能ビザの活用方法をご参照ください)。 そのため、技能実習ビザと特定技能ビザを併せて最長10年の受入れを目指す介護施設も珍しくありません。 また、特定技能ビザではそれぞれの分野で設置されている特定技能試験に合格することで、簡単に別分野への転職もできるため、他分野から介護分野への転職者も少なくありません。 (3)特定活動(EPA介護福祉士候補者・介護福祉士) 日本とEPA(経済連携協定)を締結している国の外国人が、介護福祉士の資格取得を目指しながら介護分野で就労することを認めたビザです。 2027年度においても、インドネシア・フィリピン・ベトナムの3ヶ国のみの外国人が、このビザを使って介護分野で就労することを認められていますが、年間の受入れ可能数は日本全体で各国それぞれ300人のみです。 また、ビザ取得要件は次の表のとおり3ヶ国それぞれで異なります。 国籍 要件 インドネシア 日本語能力試験N5以上+インドネシアの看護学校(3年以上)卒業または高等教育機関3年以上卒業、およびインドネシア政府による介護士認定…