仲野 翔悟

【育成就労制度対応】「特定技能」業務区分と「技能実習」移行職種の関係性を行政書士が解説

【育成就労制度対応】「特定技能」業務区分と「技能実習」移行職種の関係性を行政書士が解説

特定技能外国人が就労可能な業務区分と、技能実習生の移行職種には関係性があります。
そのため、対応する移行職種で技能実習2号を修了した外国人は、それだけで特定技能ビザの要件を満たす可能性があります。

しかし、全19分野への受入れ拡大に伴う業務区分の再編・細分化や、一部分野で求められる高い日本語能力要件、さらには2027年4月に開始される「育成就労制度」による試験の原則義務化・転籍ルールの導入など、実務上の確認ポイントは年々複雑化しています。

そこで、本コラムでは、特定技能の業務区分と技能実習(育成就労)の移行職種の関係を中心にご紹介します。

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1.特定技能の業務区分とは

特定技能ビザは、日本の深刻な人手不足に対応するため、「生産性の向上や国内人材確保のための取組を行ってもなお人材確保が困難な産業上の分野」に限って即戦力の外国人を受け入れる制度です。令和8年1月の閣議決定で、受入れ対象は全19分野にまで拡大されています。

特定技能のそれぞれの分野では、外国人が実際に日本国内で従事することができる具体的な仕事内容として「業務区分」が設定されています。特定技能外国人は、自らが試験や技能実習良好修了によって要件を満たした「特定の業務区分」の仕事にしか従事することが認められていません

また、同じ分野内であっても、複数の業務区分が定められている分野(後述する「工業製品製造業」の17区分、「建設」の3区分など)において、要件を満たしていない他の業務区分の仕事に従事させた場合、資格外活動等の入管法違反(不法就労助長罪など)に問われる重大な法的リスクがありますので、企業実務においては受入れ時の契約・業務管理に厳格な確認が求められます(詳しくは不法就労助長罪とは?罰則や企業がすべきことを専門家が解説!もご参照ください)。

一方で、技能実習2号を良好に修了した移行職種が、特定技能の業務区分に対応している場合には、試験を受けずに特定技能ビザ取得のための技能要件を満たします。

2.技能実習(育成就労)の移行職種とは

技能実習の移行職種とは、技能実習2号または3号への移行が認められる職種のことです。

特定技能ビザの取得要件のひとつに「技能実習2号を良好に修了」があり、特定技能の業務区分に対応する職種にて、技能実習を2年10ヶ月以上の期間修了した外国人は、当該業務区分の特定技能ビザ取得をする際に、改めて試験などを受験する必要はありません。

一方で、移行職種でない職種(1年目の技能実習1号のみで終了する活動)で技能実習ビザを取得した場合は、技能実習1号(1年間)のみの技能実習が認められるため、修了しても特定技能ビザ取得のための要件を満たすことはできません。

また、移行職種は3年間の技能実習が修了する前に、専門級の技能試験(実技試験のみ可)の受験が義務である点も特徴です。

但し、専門級の技能試験(実技試験のみ可)に合格できなかった場合でも、評価調書を作成することで特定技能の技能要件を満たすことができる点には注意が必要です。

新制度「育成就労制度」開始に伴う実務上の変更点
2027年4月1日より、従来の技能実習制度に代わり、特定技能1号へのステップアップを前提とした「育成就労制度」が開始されます。育成就労修了生(3年間)が特定技能1号へ移行する際の実務ルールは、現行の技能実習制度から以下のように厳格化されます。

  1. 試験合格の原則義務化:これまでの「不合格でも評価調書で救済移行」できる特別ルートは完全に廃止され、育成就労生が特定技能1号に移行するためには「育成就労評価試験(専門級)または技能検定3級相当の実技試験」への合格が原則義務化されます。
  2. 日本語能力水準の確認義務化:育成就労終了時に、日本語教育の参照枠A2相当以上(日本語能力試験N4やJFT-Basic等)の試験等に合格し、能力を客観的に証明することが必須要件となります。
  3. 本人意向による転籍(転職)の解禁:技能実習では原則不可だった「自己都合による転籍」が、同一産業分野内において「1年から2年」の制限期間を経過し、かつ日本語(A1相当以上)及び技能の一定基準を満たしていれば正式に認められるようになります。

3.「特定技能」業務区分と「技能実習(育成就労)」移行職種の関係性

19分野それぞれの業務区分を紹介していきます。

技能実習の職種と作業が空欄の業務区分については、対応する移行職種がないため、特定技能ビザ申請のために必ず特定技能の技能試験合格が必須となります。

日本語能力に関して、2026年現在は、以下の業務区分に移行(分野や業務区分の変更)する場合は、原則として通常(A2.2相当)より一段高い「日本語教育の参照枠 B1相当以上」の語学能力の証明が義務付けられています。

  • 自動車運送業分野:バス運転者、タクシー運転者
  • 鉄道分野:運輸係員(駅員、車掌、運転士など)

したがって、たとえ技能実習2号を良好に修了した外国人であっても、上記の「B1要件」が課される業務区分へ分野変更・移行を行う場合には、改めて日本語試験等への合格が必要となるため、注意が必要です。

また、前述の通り、技能実習制度は2027年4月より「育成就労制度」に移行し、試験合格が義務化されます。転籍も可能になりますが、分野ごとに制限期間が「1年」と「2年」に分かれています。この制限期間が短い場合は、人材の定着に向けた社内環境の整備がこれまで以上に重要になります。

このような転籍制限期間の違いなどは【育成就労開始後の注意点】にて記載しておりますので、是非ご確認ください。

(1)介護分野

身体介護や付随する業務に従事する分野です。

介護職種の技能実習2号を良好に修了した外国人は、介護分野の介護(身体介護等)の業務に従事するための特定技能ビザを取得できます。

技能実習2号修了者以外は、介護技能評価試験の合格と日本語能力試験N4または国際交流基金日本語基礎テストA2レベル以上の結果に加えて、「介護日本語評価試験」に合格することで特定技能ビザの取得要件を満たせます。

詳しくは介護分野の特定技能ビザの活用方法|要件・必要書類・訪問介護の解禁まで解説をご参照ください。

【育成就労開始後の注意点】

  • 転籍制限期間:2年
特定技能(業務区分) 技能実習(職種) 技能実習(作業)
介護 介護 介護

(2)ビルクリーニング分野

建築物内部の日常的・定期的な清掃業務を行う分野です。

ビルクリーニング職種の技能実習2号を良好に修了した外国人は,ビルクリーニング分野での特定技能ビザ取得要件を満たします。

【育成就労開始後の注意点】

  • 転籍制限期間:1年
特定技能(業務区分) 技能実習(職種) 技能実習(作業)
ビルクリーニング ビルクリーニング ビルクリーニング

(3)工業製品製造業分野

従来あった「素形材産業」「産業機械製造業」「電気・電子情報関連産業」の3分野は、「工業製品製造業」に統合され、17区分に再編されています。 鋳造、金属プレス、電子機器組立て、縫製など、対応する多数の技能実習職種から無試験で移行可能です(良好に修了した場合)。

17区分のうち、「電線・ケーブル製造」「生コンクリート製造」「定形・不定形耐火物製造」は、技能実習の移行職種ではありません。

【育成就労開始後の注意点】

  • 転籍制限期間:2年
特定技能(業務区分) 技能実習(職種) 技能実習(作業)
機械金属加工 鋳造 鋳鉄鋳物鋳造
非鉄金属鋳物鋳造
ハンマ型鍛造
プレス型鍛造
ダイカスト ホットチャンバダイカスト
コールドチャンバダイカスト
機械加工 普通旋盤
フライス盤
数値制御旋盤
マシニングセンタ
金属プレス加工 金属プレス
鉄工 構造物鉄工
工場板金 機械板金
仕上げ 治工具仕上げ
金型仕上げ
機械組立仕上げ
機械検査 機械検査
機械保全 機械系保全
塗装 建築塗装
金属塗装
鋼橋塗装
噴霧塗装
溶接 手溶接
半自動溶接
工業包装 工業包装
電気電子機器組立て 電子機器組立て 電子機器組立て
回転電機組立て
変圧器組立て
配電盤・制御盤組立て
開閉制御器具組立て
回転電機巻線製作
プリント配線板製造 プリント配線板設計
プリント配線板製造
金属表面処理 めっき 電気めっき
溶融亜鉛めっき
アルミニウム陽極酸化処理 陽極酸化処理
金属熱処理 全体熱処理
表面熱処理
部分熱処理
プレハブ住宅製品製造 プレハブ住宅製品製造 プレハブ住宅製品製造
紡織製品製造 紡績運転 前紡工程
精紡工程
巻糸工程
合ねん糸工程
織布運転 準備工程
製織工程
仕上工程
染色 糸浸染
織物・ニット浸染
ニット製品製造 靴下製造
丸編みニット製造
たて編ニット生地製造
カーペット製造 織じゅうたん製造
タフテッドカーペット製造
ニードルパンチカーペット製造
縫製 婦人子供服製造 婦人子供既製服縫製
紳士服製造 紳士既製服製造
下着類製造 下着類製造
寝具製作 寝具製作
帆布製品製造 帆布製品製造
布はく縫製 ワイシャツ製造
座席シート縫製 自動車シート縫製
タオル製造 タオル縫製
家具製造 家具製作 家具手加工
かばん製造 かばん製造 かばん製造
紙器・段ボール箱製造 紙器・段ボール箱製造 印刷箱打抜き
印刷箱製箱
貼箱製造
段ボール箱製造
コンクリート製品製造 コンクリート製品製造 コンクリート製品製造
陶磁器製品製造 陶磁器工業製品製造 機械ろくろ成形
圧力鋳込み成形
パッド印刷
印刷・製本 印刷 オフセット印刷
グラビア印刷
製本 製本
ゴム製品製造 ゴム製品製造 成形加工
押出し加工
混練り圧延加工
複合積層加工
RPF製造 RPF製造 RPF製造
電線・ケーブル製造
生コンクリート製造
定形・不定形耐火物製造

(4)建設分野

かつての建設分野は19業務区分に分かれていましたが、大きく「土木」「建築」「ライフライン・設備」の三つに再編されました。同じ区分内であれば、他の業務を行うことが可能です。

建築職種の技能実習2号を良好に修了した外国人は、建築分野での特定技能ビザ取得要件を満たします。

【育成就労開始後の注意点】

  • 転籍制限期間:2年
特定技能(業務区分) 技能実習(職種) 技能実習(作業)
土木 型枠施工 型枠工事
鉄筋施工 鉄筋組立て
とび とび
石材施工 石材加工
石張り
コンクリート圧送施工 コンクリート圧送工事
ウェルポイント施工 ウェルポイント工事
建設機械施工 押土・整地
積込み
掘削
締固め
さく井 パーカッション式さく井工事
ロータリー式さく井工事
建築 建築大工 大工工事
型枠施工 型枠工事
鉄筋施工 鉄筋組立て
とび とび
石材施工 石材加工
石張り
タイル張り タイル張り
かわらぶき かわらぶき
左官 左官
内装仕上げ施工 プラスチック系床仕上げ工事
カーペット系床仕上げ工事
鋼製下地工事
ボード仕上げ工事
カーテン工事
サッシ施工 ビル用サッシ施工
防水施工 シーリング防水工事
コンクリート圧送施工 コンクリート圧送工事
表装 壁装
築炉 築炉
建具製作 木製建具手加工
建築板金 内外装板金
ライフライン・設備 さく井 パーカッション式さく井工事
ロータリー式さく井工事
建築板金 ダクト板金
冷凍空気調和機器施工 冷凍空気調和機器施工
配管 建築配管
プラント配管
熱絶縁施工 保温保冷工事

(5)造船・舶用工業分野

造船・舶用工業分野も従来の細分化された6区分から、「造船」「舶用機械」「舶用電気電子機器」の3つの業務区分に再編・統合されました。造船・舶用工業分野は、工業製品製造業と重複する移行職種(溶接、鉄工、機械加工、塗装など)が多いため、実習を修了した外国人は双方の分野へ試験なしで相互にスライド移行することが実務上可能です。

【育成就労開始後の注意点】

  • 転籍制限期間:2年
特定技能(業務区分) 技能実習(職種) 技能実習(作業)
造船 溶接 手溶接
半自動溶接
塗装 建築塗装
金属塗装
鋼橋塗装
噴霧塗装
鉄工 構造物鉄工
とび とび
配管 建築配管
プラント配管
建築板金 ダクト板金
内外装板金
左官 左官
内装仕上げ施工 プラスチック系床仕上げ工事
カーペット系床仕上げ工事
鋼製下地工事
ボード仕上げ工事
カーテン工事
工場板金 機械板金
舶用機械 仕上げ 治工具仕上げ
金型仕上げ
機械組立仕上げ
機械加工 普通旋盤
フライス盤
数値制御旋盤
マシニングセンタ
鋳造 鋳鉄鋳物鋳造
非鉄金属鋳物鋳造
金属プレス加工 金属プレス
鉄工 構造物鉄工
工場板金 機械板金
機械保全 機械系保全
機械検査 機械検査
プラスチック成形 圧縮成形
射出成形
インフレーション成形
ブロー成形
強化プラスチック成形 手積み積層成形
熱絶縁施工 保温保冷工事
家具製作 家具手加工
ボイラーメンテナンス ボイラーメンテナンス
舶用電気電子機器 電気機器組立て 回転電機組立て
変圧器組立て
配電盤・制御盤組立て
開閉制御器具組立て
電気機器組立て 回転電機巻線製作
電子機器組立て
プリント配線板製造 プリント配線板設計
プリント配線板製造 プリント配線板製造

(6)自動車整備分野

自動車の日常点検整備、定期点検整備、分解整備(車体整備含む)を行う分野です。

2026年1月の閣議決定により、自動車整備分野は「自動車整備」と「車体整備」の2つの業務区分に細分化されることになりました。ただし、この細分化には経過措置が設定されており、2027年3月31日までは対応する職種のすべての技能実習生はどちらの業務区分にも移行可能です。

【育成就労開始後の注意点】

  • 転籍制限期間:2年
特定技能(業務区分) 技能実習(職種) 技能実習(作業)
自動車整備 自動車整備 自動車整備
車体整備 自動車整備 自動車整備

(7)航空分野

空港グランドハンドリング(航空機地上支援、航空貨物取扱、客室清掃)および航空機整備を行う分野です。

航空分野では、2つの業務区分の内、「航空機整備」では対応する技能実習の職種がないため、特定技能評価試験の合格が必須となります

【育成就労開始後の注意点】

航空分野は「育成就労制度」の対象から除外されています。よって、育成就労ルートはなく、引き続き特定技能の直接採用が中心となります。

特定技能(業務区分) 技能実習(職種) 技能実習(作業)
空港グランドハンドリング 空港グランドハンドリング 航空機地上支援
航空貨物取扱
客室清掃
航空機整備

(8)宿泊分野

フロント、接客、レストランサービス等の宿泊サービスの提供を行う分野です。

宿泊分野では,宿泊の技能実習2号を良好に修了した外国人については、他の分野と同様に、技能評価試験および日本語試験が免除されます

【育成就労開始後の注意点】

  • 転籍制限期間:1年
特定技能(業務区分) 技能実習(職種) 技能実習(作業)
宿泊 宿泊 接客・衛生管理

(9)農業分野

耕種農業全般(栽培・収穫など)および畜産農業全般(飼育管理など)を行う分野です。

農業分野では2つの業務区分があり、技能実習ではそれぞれ2つの職種と3つの作業に分かれています。

そのため、技能実習では、養豚の作業に従事していた外国人が養鶏の作業に従事することは認められませんでしたが、特定技能では畜産農業全般として3つの作業全てへの従事が可能となりました。

農業分野の農業技能測定試験は比較的簡単で開催頻度も多いため、試験に合格することで耕種農業と畜産農業の2種類の業務に従事する特定技能外国人も少なくありません。

また、季節による繁忙期・閑散期の差が激しい農業分野(および漁業分野)は、派遣形態での受入れが認められています

【育成就労開始後の注意点】

  • 転籍制限期間:1年

派遣も認められます。

特定技能(業務区分) 技能実習(職種) 技能実習(作業)
耕種農業全般 耕種農業 施設園芸
畑作野菜
果樹
畜産農業全般 畜産農業 養豚
養鶏
酪農

(10)漁業分野

漁船に乗り組んで行う「漁業」および筏などで行う「養殖業」を行う分野です。

漁業分野では2つの業務区分があり、技能実習では9種類に分かれている漁船漁業の作業も特定技能になると全ての作業に従事可能となります。

また、農業分野と同様に、実習時の作業制限から解放され、特定技能では「漁業全般」として網羅的な作業に従事できるようになります。「農業」分野と同様、派遣形態での雇用が認められている例外的な分野です。

【育成就労開始後の注意点】

  • 転籍制限期間:1年

派遣も認められます。

特定技能(業務区分) 技能実習(職種) 技能実習(作業)
漁業 漁船漁業 かつお一本釣り漁業
延縄漁業
いか釣り漁業
まき網漁業
ひき網漁業
刺し網漁業
定置網漁業
かに・えびかご漁業
棒受網漁業
養殖業 養殖業 ほたてがい・まがき養殖

(11)飲食料品製造業・水産加工業分野

酒類を除くすべての飲食料品の製造・加工、安全管理、水産加工を行う分野であり、最も受入れ実績の多い分野です。

2026年1月の閣議決定により、「飲食料品製造業」から「飲食料品製造業」と「水産加工業」の二つに分かれることになりました。ただし、この細分化には経過措置が設定されており、2027年3月31日までは対応する職種のすべての技能実習生はどちらの業務区分にも移行可能です。

【育成就労開始後の注意点】

  • 転籍制限期間:2年
特定技能(業務区分) 技能実習(職種) 技能実習(作業)
飲食料品製造業 / 水産加工業 缶詰巻締 缶詰巻締
食鳥処理加工業 食鳥処理加工
加熱性水産加工食品製造業 節類製造
加熱乾製品製造
調味加工品製造
くん製品製造
非加熱性水産加工食品製造業 塩蔵品製造
乾製品製造
発酵食品製造
水産練り製品製造 かまぼこ製品製造
牛豚食肉処理加工業 牛豚部分肉製造
ハム・ソーセージ・ベーコン製造 ハム・ソーセージ・ベーコン製造
パン製造 パン製造
そう菜製造業 そう菜加工
農産物漬物製造業 農産物漬物製造

(12)外食業分野

飲食店等での飲食物調理、接客、店舗管理を行う分野です。

技能実習の医療・福祉施設給食製造職種で技能実習2号を修了することで、特定技能ビザの取得要件を満たすことができます。一般的な飲食店でのホールスタッフや厨房の調理実習等は、移行対象外となるため、移行にあたっては必ず「外食業特定技能1号評価試験」に合格する必要があります。

【育成就労開始後の注意点】

  • 転籍制限期間:2年
特定技能(業務区分) 技能実習(職種) 技能実習(作業)
外食業全般 医療・福祉施設給食製造 医療・福祉施設給食製造

(13)自動車運送業分野

深刻化する「2024年問題(ドライバー不足)」に対応するため、新しく追加された分野です。現行の技能実習に対応する移行職種・作業が一切存在しないため、いかなる場合も必ず特定技能1号評価試験の合格が必要です。また、日本の第一種・第二種運転免許の取得が義務付けられます。さらにバスおよびタクシーの区分では、原則として通常より一段高い日本語能力水準「B1」相当以上が義務付けられています(※日本語サポーターの同乗等、一定の緩和措置を除く)。

詳しくは特定技能「自動車運送業」と特定活動55号を徹底解説!採用フローや注意点は?をご参照ください。

【育成就労開始後の注意点】

自動車運送業分野は「育成就労制度」の対象から除外されています。よって、育成就労ルートはなく、引き続き特定技能の直接採用が中心となります

特定技能(業務区分) 技能実習(職種) 技能実習(作業)
トラック運転者
バス運転者
タクシー運転者

(14)鉄道分野

軌道整備、電気設備整備、車両整備、車両製造、運輸係員、駅・車両清掃を行うために新設された分野です。

軌道整備(軌道保守整備作業)や車両整備、溶接等の車両製造に関わる一部の区分は、対応する技能実習良好修了で試験免除となります。一方、運輸係員や駅・車両清掃などには対応する実習職種がないため、必ず鉄道分野特定技能1号評価試験の合格が必要となります。特に「運輸係員」区分では、乗客案内と安全確保の観点から原則として日本語B1相当以上が必須となります。

【育成就労開始後の注意点】

鉄道分野は育成就労産業分野に含まれるため、3年間の育成就労の中で、現行の技能実習で対応職種がない業務区分についても、特定技能1号へとスライド移行させることができるようになります。

  • 転籍制限期間:1年
特定技能(業務区分) 技能実習(職種) 技能実習(作業)
軌道整備 鉄道施設保守整備 軌道保守整備
電気設備整備
車両整備 鉄道車両整備 走行装置検修・解ぎ装
空気装置検修・解ぎ装
車両製造 鉄工 構造物鉄工
工場板金 機械板金
塗装 金属塗装
噴霧塗装
溶接 手溶接
半自動溶接
運輸係員
駅・車両清掃

(15)林業

山林における植栽、下刈り、伐採(育林・素材生産)等を行うために新設された分野です。

特定技能1号の「林業」に対し、技能実習の「林業(育林・素材生産)」が対応しています。林業の技能実習2号を良好に修了した者は、技能・日本語試験が免除され、無試験で移行可能です。植栽、下刈り、素材生産(伐採)などの即戦力として、そのまま円滑なステップアップが可能です。

【育成就労開始後の注意点】

  • 転籍制限期間:1年
特定技能(業務区分) 技能実習(職種) 技能実習(作業)
林業 林業 育林・素材生産

(16)木材産業分野

製材工場などで、国産材等の機械製材加工、木材製品製造等を行う新設分野です。

「木材産業」の業務区分に対し、技能実習の「木材加工(機械製材)」が対応しています。機械製材の実習2号を良好に修了した外国人は、試験を受けることなく移行が可能です。

【育成就労開始後の注意点】

  • 転籍制限期間:1年
特定技能(業務区分) 技能実習(職種) 技能実習(作業)
木材産業 木材加工 機械製材

(17)リネンサプライ

ホテルや病院で使用される寝具、タオル、シーツ等の大量クリーニング・管理を行う分野として、工業製品製造業等から独立して新設されました。

「リネンサプライ」の業務区分に対し、技能実習の「クリーニング(リネンサプライ仕上げ)」が対応しています。リネンサプライ仕上げの実習2号を良好に修了した外国人は、試験なしで移行可能です。なお、技能実習の「一般家庭用クリーニング」作業については、リネンサプライ分野への移行免除対象外となります。一般家庭用クリーニング修了生を特定技能リネンサプライで採用する場合は、個別の評価試験合格が必要となります。

【育成就労開始後の注意点】

  • 転籍制限期間:1年
特定技能(業務区分) 技能実習(職種) 技能実習(作業)
リネンサプライ クリーニング リネンサプライ仕上げ

(18)物流倉庫

EC(ネット通販)の急拡大に伴う倉庫内の仕分け、梱包、入出荷管理などの深刻な人手不足に対応するために設けられた新分野です(詳しくは特定技能「物流倉庫」追加!2027年開始の要件と派遣禁止の注意点を行政書士が解説をご参照ください)。

現行の技能実習制度には「物流倉庫」に対応する移行職種(作業)がないため、物流倉庫分野特定技能1号評価試験の合格が必須要件となっています。

【育成就労開始後の注意点】

3年間の実習対象として「物流倉庫」が新たに創設されるため、これを良好に修了(専門級試験等に合格)することで、一から特定技能評価試験を受け直すことなく特定技能1号へ移行できるようになります。

  • 転籍制限期間:1年
特定技能(業務区分) 技能実習(職種) 技能実習(作業)
物流倉庫 (対応職種なし) (対応作業なし)

(19)資源循環分野

環境省管轄の分野で、産業廃棄物や一般廃棄物の選別、破砕、減容等を行います。

現行の技能実習制度では該当する移行職種がないため、特定技能1号として外国人を受け入れる場合は、経歴を問わず「資源循環分野特定技能1号評価試験」に合格させることが必須条件となっています。

【育成就労開始後の注意点】

3年間の実習対象として「資源循環」が新たに創設されるため、これを良好に修了(専門級試験等に合格)することで、一から特定技能評価試験を受け直すことなく特定技能1号へ移行できるようになります。

  • 転籍制限期間:2年
特定技能(業務区分) 技能実習(職種) 技能実習(作業)
資源循環分野

4.まとめ:「特定技能」業務区分と「技能実習(育成就労)」移行職種の関係性

本コラムでは、「特定技能」の19分野の最新業務区分と技能実習の移行職種との対応関係を表にして紹介しました。

基本的には対応する技能実習の移行職種で技能実習2号を修了すると試験などの受験が不要になりますが、以下の点は注意が必要です。

  • 業務区分の細分化:自動車整備や飲食料品製造業、造船、建設などの主要分野における業務区分の再編・細分化
  • 日本語要件の個別上乗せ:自動車運送業(バス・タクシー)や鉄道(運輸係員)で特定技能1号移行時であっても原則必須となる「日本語B1相当」の個別設定
  • 育成就労開始(2027年4月)への備え:多くの分野での本人意向の転職制限期間の「1年」への大幅短縮、および3年修了時の「技能・日本語試験合格」の原則義務化

複雑化を極める「特定技能」や新「育成就労制度」の業務区分対応、ビザ申請時における日本語・試験要件のコンプライアンス管理、さらには「転籍・流出を防止するための社内体制構築」などについてご不安がございましたら、不法就労違反などのリスクを回避するためにも、お気軽に行政書士法人第一綜合事務所までお問い合わせください。

この記事の監修者

行政書士法人第一綜合事務所

行政書士 仲野 翔悟

・日本行政書士会連合会(登録番号第23260654号)
・大阪府行政書士会(会員番号第8637号)
大阪府出身。大阪オフィスに所属し,外国人ビザ申請,永住権取得,国際結婚手続き,帰化許可申請など国際業務を専門としている。

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