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永住と帰化の違いを解説!

1.永住の特徴 永住(正確には在留資格「永住者」)は,在留資格の一つであり,入管法に規定されている在留資格の中で最上位の在留資格に位置づけられます。 他の在留資格と大きく異なる点は,①在留期間の定めがないこと,そして②日本での活動に制限がないことが挙げられます。 ①在留期間の定めがないこと 永住以外の在留資格には,高度専門職2号を除き,最長5年の在留期間が定められています。 在留期間の満了日以降も日本に滞在を続けることを希望する場合には,在留期間更新許可申請を入管に提出し,許可を得なければなりません。 外国人の方にとっては,在留期限が近づくたびに面倒な申請の準備をしなければならず,また許可が得らえるか不安に駆られるものです。 この点,永住には在留期間の定めがないため,在留期間の更新申請の面倒や不安から解放されることになります。外国人の方にとっては大きなメリットと言えるでしょう。 なお,永住の在留カードには原則7年の有効期間が定められていますが,在留カードの有効期間は文字通りカード自体の有効期間であって,在留カードの有効期間を経過してしまったからといって永住が消滅してしまうわけではありません。 在留カードの有効期間経過後も,新しい在留カードを発行してもらうことができます。 ②日本での活動制限がないこと 在留資格にはそれぞれに活動内容が定められており,その活動を継続していなければなりません。 定められた活動を一定期間行っていない場合は,在留資格を取り消される可能性があります。 例えば,就労系の在留資格をお持ちの方が退職することになると,3ヶ月以内に次の転職先を探さなければ在留資格の取消対象になってしまい,しかも転職先での業務内容は在留資格に適合した仕事でなければなりません。 また,「日本人の配偶者等」といった配偶者としての身分に基づいた在留資格をお持ちの方が離婚又は死別した場合は,別の方と再婚するか,他の在留資格に変更するか,いずれもできなければ帰国を余儀なくされてしまいます。 一方,永住には他の在留資格で定められているような活動の制限がありません。 つまり,永住を取得すれば仕事内容を気にせずに転職先を自由に選べますし,離婚しても永住が取り消されることもありません。 このように,永住を取得すれば日本での活動制限がなくなりますので,今後のライフプランの選択肢が大きく広がることになります。 2.帰化の特徴 帰化とは,本人の意思によって他国の国籍を取得することを言います。 つまり,日本国籍への帰化とは,日本国民以外の外国人が日本国籍を取得する,簡単に言えば日本人になることを言います。 日本国籍に帰化をすると,入管法上は「外国人」という定義(入管法2条1号)から外れますので,当然ながら在留資格制度の対象にはならず,入管法に定められている外国人としての様々な義務から解放されることになります。 日本人が日本に住むには在留期間という概念はありませんので,面倒な在留期間の更新申請もありません。 また,日本人が日本に住んでいる以上,その私生活を国が干渉することはできませんので,仕事も結婚・離婚も自由に決めることができます。 3.永住と帰化の違い ~許可を得るまで~ ここからは,永住と帰化の申請の局面での違いについて,解説していきます。 ①申請の提出先 上述のように,永住は在留資格の一種であり,外国人の在留管理は出入国在留管理庁が担っています。 そして,永住申請は出入国在留管理庁の地方分局である地方出入国在留管理局(入管)に提出します。 これに対して,帰化申請は,端的に言えば日本人の戸籍を新しく編成する作業であり,戸籍の管理は法務省が担っています。 そして,帰化申請は,法務省の地方分局である地方法務局に提出することになります。 これまで入管への申請は繰り返し行ってきたため,手続きに慣れた外国人の方もいらっしゃいますが,法務局には帰化のタイミングで初めて来たという方が多い印象です。 ②申請の必要書類 永住の審査は,これまでの日本での在留状況が適正であったかどうかが審査されることになり,入国管理局へ永住申請を提出する際には,日本での収入,課税状況,納税状況,年金の支払状況等,主に日本の役所で取得する資料を提出することになります。 海外の書類を提出することもありますが,配偶者との婚姻関係を示す結婚証明書や,子どもとの親子関係を示す出生証明書にとどまる場合がほとんどです。 これに対して,帰化申請は,これまでの日本での在留状況が適正であったかどうかという審査の他に,本人の身分関係を示す資料を必ず提出しなければなりません。 なぜなら,帰化申請は,日本人の身分事項を証明する戸籍を新しく編成する作業ですので,父母の氏名や続柄(何人兄弟の何番目か),婚姻記録,養子縁組の記録,子がいる場合は子の出生記録等,申請人本人に関わるあらゆる事項を証明しなければなりません。 そして,これらの身分事項に関する記録の証明には,本国の公的機関発行の証明が必要になります。 そのため,帰化申請においては,本国から取り寄せなければならない書類がたくさんあります。…

特定技能ビザの申請費用の相場は?

1.特定技能ビザ申請の書類作成は誰に依頼する? 特定技能ビザ申請の書類作成は,登録支援機関が行うものと誤解されている方も多くおられますが,実は登録支援機関は法律上,書類作成を行うことができません。 この結論は,特定技能ビザ申請の書類作成を登録支援機関が無料で行ったとしても,変わりません。 なぜ,登録支援機関は,特定技能ビザ申請の書類作成をできないのでしょうか。 その根拠は,行政書士法に見ることができます。 第一条の二(業務) 行政書士は,他人の依頼を受け報酬を得て,官公署に提出する書類(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式,磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて,電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)を作成する場合における当該電磁的記録を含む。以下この条及び次条において同じ。)その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成することを業とする。 第十九条(業務の制限) 行政書士又は行政書士法人でない者は,業として第一条の二に規定する業務を行うことができない。ただし,他の法律に別段の定めがある場合及び定型的かつ容易に行えるものとして総務省令で定める手続について,当該手続に関し相当の経験又は能力を有する者として総務省令で定める者が電磁的記録を作成する場合は,この限りでない。 つまり,入管に提出する書類作成は,行政書士法によって行政書士の業務とされているため,登録支援機関が特定技能ビザ申請の書類作成をすると行政書士法違反に問われてしまうのです。 これと混同しやすいのが,入管への申請取次の制度です。 まずは,申請取次に関して,入管法の根拠の一つを見てみましょう。 第六条の二(在留資格認定証明書) 法第七条の二第一項の規定により在留資格認定証明書の交付を申請しようとする者は、別記第六号の三様式による申請書一通を地方出入国在留管理局に出頭して提出しなければならない。 (略) 4 第一項の規定にかかわらず、地方出入国在留管理局長において相当と認める場合には、本邦にある外国人又は法第七条の二第二項に規定する代理人(以下「外国人等」という。)は、地方出入国在留管理局に出頭することを要しない。この場合においては、次の各号に掲げる者(第一号及び第二号については、当該外国人等から依頼を受けた者)が、当該外国人等に代わつて第一項に定める申請書並びに第二項に定める写真及び資料の提出を行うものとする。 一 外国人の円滑な受入れを図ることを目的とする公益社団法人又は公益財団法人の職員(以下「公益法人の職員」という。)若しくは法第二条の五第五項の契約により特定技能所属機関から適合一号特定技能外国人支援計画の全部の実施を委託された登録支援機関の職員(以下「登録支援機関の職員」という。)で、地方出入国在留管理局長が適当と認めるもの 二 弁護士又は行政書士で所属する弁護士会又は行政書士会を経由してその所在地を管轄する地方出入国在留管理局長に届け出たもの 三 当該外国人の法定代理人 ご覧のとおり,行政書士のみならず,登録支援機関の職員の方であって,入管局長が適当と認めた方にあっては,特定技能ビザの“申請取次”が可能とされています。 ここまでのお話をまとめると, 特定技能ビザ申請の『書類作成』は,登録支援機関はできない。 登録支援機関が特定技能ビザの申請書類を作成すると行政書士法違反に問われる。 特定技能ビザの申請取次は,登録支援機関もできる。 ということになります。 なお,行政書士は法律上,特定技能ビザの書類作成,申請取次のいずれも対応することが可能です。 2.特定技能ビザの申請費用の相場 本チャプターでは,行政書士に依頼した場合の特定技能ビザの申請費用について見ていきます。 主要な行政書士事務所3社を比較していますのでご覧ください。 税込価格 A社 B社 C社 COE申請 148,500円 165,000円…

韓国人の帰化申請を徹底解説!

1.韓国人の帰化申請は,他の国の人より大変?! 帰化申請は,申請人の国籍によって大変さが変わるのでしょうか? 結論から言うと,答えは「YES」です。 そして残念ながら,韓国は比較的帰化申請が大変な国であると言えます。 これだけを聞くと,「え,国籍で帰化申請の難易度が変わるの??」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。 しかし,そこはご安心下さい。ここで言う「帰化申請の大変さ」とは,国籍によって許可率が変わるということではなく,帰化のために必要な「本国書類の収集が大変である」という意味です。 それはどういうことかと言うと,帰化申請に必要な「本国書類(身分関係を示す証明書)」は国によって異なるのですが,韓国の本国書類は特に種類や分量が多く,収集や翻訳が大変だということです。 では次のチャプターでは,その本国書類がどのようなものかを,詳しく見ていきます。 2.韓国人の帰化申請は,「本国書類」が6種類 韓国人が帰化申請のために必要な本国書類は,現行法上の証明書5種(以下,「家族関係登録証明書」といいます)と除籍謄本で,合計6種類あります(大きな視点で見ると,家族関係登録証明書は一般証明と詳細証明の区分がある他,除籍謄本も形式で分けると更に細分化が可能ですが,ここでは大きく6種類に分けて解説します)。 なお,帰化申請で提出する家族関係登録証明書は必ず「詳細証明」で取得しましょう。 (ア)基本証明書 最初に必要となるのが「基本証明書」です。 こちらは,その人の出生や死亡といった基本の人的事項が記載されています。こちらの書類は婚姻手続きで必要な書類でもあるので,取得したことがある方も沢山いらっしゃるのではないでしょうか? 帰化申請において,この書類が必要になるのは,基本的には帰化申請をする本人のみです。しかし,例外として,ご両親が2008年以降に死亡している場合は,その死亡事実の記載がある基本証明書も必要となります。 (イ)家族関係証明書 次に必要になるのが「家族関係証明書」です。こちらも婚姻手続きのために取得された方もいらっしゃると思います。内容としては,①親②配偶者③子の3世代分の家族の繋がりが確認できます。 なお,「(ア)基本証明書」と違い,家族関係証明は本人分に加えて,両親の分も必要となりますのでご注意ください。 (ウ)婚姻関係証明書 3番目に必要となるのが「婚姻関係証明書」です。婚姻関係証明書では,その人の配偶者など,結婚関連の記録を確認することができます。中には「配偶者ビザ」の申請で取得された方もいらっしゃるかもしれません。 注意点としては,こちらも「(イ)家族関係証明書」と同じく,申請人本人分に加えて両親分が必要になります。 (エ)入養関係証明書 4番目に必要な証明書は,「入養関係証明書」と呼ばれる書類です。こちらは養子縁組に関する事項が記載されているもので,養子縁組をしたことが無い方も一律に取得が必要です。(イ),(ウ)の証明書と違い,申請人本人分の取得のみで問題ありません。 (オ)親養子入養関係証明書 5番目に必要な書類は,「親養子入養関係証明書」です。「(エ)入養関係証明書」と何が違うの?と思われるかもしれませんが,こちらは日本でいう「特別養子縁組」にあたる制度の縁組記録が確認できるものです。2つは全く違う事項を証明した証明書ですので,(エ)とは別に取得しなければなりません。なお,こちらの証明書も両親分は取得不要です。 (カ)除籍謄本 最後に解説する証明書は「除籍謄本」と呼ばれる書類で,こちらが韓国人の帰化申請での最難関パートと言えます。名前からして,他の証明書とは毛色が違うことが分かるかもしれません。実は,韓国はかつて日本と同じように,戸籍制度によって国民の身分関係の管理を行っていました。しかし,2008年1月1日施行の「家族関係登録等に関する法律」によって戸籍制度は廃止,全ての戸籍が除籍(除かれた戸籍)となると同時に,国民の身分関係は上記(ア)~(オ)の証明書で証明されることになりました。 つまり除籍謄本とは,制度が変わる前の古い記録で,帰化申請では,身分関係を確実に特定するために,申請人本人の出生時からの全ての除籍謄本の提出が求められます。 そして,この「出生時からの全ての除籍謄本」というのが曲者で,申請人の年齢が高くなるにつれて,手書きの古い書式の除籍謄本も必要になり,翻訳や解読が難航する傾向にあります。 ここまでが,韓国本国書類の説明です。 簡単にまとめると,韓国人の帰化申請では,①現行制度における身分関係の証明書(家族関係登録証明書5種)と,②旧制度に基づく証明書(除籍謄本)の両方が必要になります。 そして,特に,旧制度の証明書である除籍謄本は,生まれた時から戸籍制度が廃止された時までの全期間の記録が必要になるので,人によっては分量が膨大になり,翻訳や解読が大きなハードルになる,ということです。 3.韓国人の帰化申請は,特別永住者だと書類が違う?? では次に,在日韓国人の大半を占める特別永住者特有の方の申請書類の違いについて解説していきます。特別永住者の方は,特別永住者を除くその他の一般外国人(以下,「一般外国人」といいます)と比較して,帰化申請における提出書類に違いがあります。 (ア)省略できる書類 まず,特別永住者の方が提出を省略できる書類には以下のものがあります。 ① 帰化の動機書 ② 最終学歴の卒業証明書(もしくは卒業証書の写し)…

【人事担当者必見!】技術人文知識国際業務ビザがわかるコラム

1.技術人文知識国際業務ビザで従事できる具体的な業務 入管法には,下記のとおり定められています。 本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学,工学その他の自然科学の分野若しくは法律学,経済学,社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動(一の表の教授の項,芸術の項及び報道の項の下欄に掲げる活動並びにこの表の経営・管理の項から教育の項まで,企業内転勤の項及び興行の項の下欄に掲げる活動を除く。)。 上記を分解して読むと, 技術分野…理学,工学その他の自然科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務 人文知識分野…法律学,経済学,社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務 国際分野…外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務 ということになります。 しかし,入管法を読むだけでは,技術人文知識国際業務ビザの具体的な業務内容は,イメージしづらいですね。 そこで,もう少し具体的に技術人文知識国際業務ビザの中身を見ていきましょう。 まずは,技術分野からです。 技術分野は,理系の仕事をイメージしてください。 例えば,システムエンジニア,プログラマー,精密機械等の設計・開発,CAD・CAEを使用する業務,機械工学の知識を使う技術開発,情報処理の知識を使うデータベース構築などの業務があげられます。 次に,人文知識分野です。 人文知識分野は,文系の仕事をイメージしてください。 具体的には,会計業務,営業,企画業務,総務,貿易事務,コンサルティング業務,マーケティング支援業務などです。 最後は,国際業務分野です。 国際業務は,その名のとおり国際的な業務です。 具体的には,通訳業務,翻訳業務,語学教師,海外取引業務,商品開発などがあげられます。 いかがでしょうか。 技術人文知識国際業務ビザで従事できる具体的な業務のイメージは,掴んでいただけましたか。 それでは,次のチャプターで,技術人文知識国際業務ビザの要件を具体的に見ていきましょう。 2.技術人文知識国際業務ビザの要件 日本で就労を希望する外国人は,活動内容があらかじめ入管法に定められている活動に該当している必要があります。 言い換えると,入管法で規定していない活動では,技術人文知識国際業務ビザを取得することはできないということです。 たとえ人柄も良く,優秀な外国人留学生であったとしても,取得できません。 では,入管法であらかじめ規定している活動は何かというと,上記1で見た「技術分野」,「人文知識分野」,「国際業務分野」の内容です。 入管法で規定している活動に該当することを“在留資格該当性あり”と言い,反対に入管法で規定していない活動に従事する場合には,“在留資格該当性なし”と言います。 次に,“在留資格該当性があり”と判断されると,技術人文知識国際業務ビザは取得できるかというと,そういうわけではありません。 在留資格該当性以外に,上陸許可基準省令を満たさないと技術人文知識国際業務ビザは取得できません。 上陸許可基準省令には,入管政策上の観点から調整を要する外国人の活動について,在留資格該当性に加えて,法務省令で定められている要件に適合していることを求めるものと定義されます。 具体的には,学歴や経験などです。 それではなぜ,技術人文知識国際業務ビザでは,学歴や経験などを求めているのでしょうか。 それは,在留資格該当性を有するだけで技術人文知識国際業務ビザを取得できるのであれば,国際業務の分野に該当する通訳業務に従事する場合,誰でも技術人文知識国際業務ビザを取得できることになりますし,技術分野に該当するプログラマーに従事する場合も同様に誰でもビザを取得できることになってしまいます。 つまり,活動内容だけでは高度な業務が担保できないことから,学歴や経験の要件を加えることで,絞りをかけ,外国人労働者数の調整や日本人の雇用確保との調整を図っているのです。 次に,技術人文知識国際業務ビザにおける上陸許可基準省令の要件を見ていきましょう。 下記の図にまとめておりますので,ご覧ください。 最後は,「日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること」という要件です。 これは端的にいうと,外国人であることを理由として低賃金や報酬面で差別をしてはいけないということです。 近時の傾向では,会社の賃金規定や賃金表を求める入管もある程,外国人の報酬は入管審査で重視されています。…

就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)で許容される実務研修とは?

1.就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)の原則的な活動内容とは 日本で就労を希望する外国人は,活動内容があらかじめ入管法に定められている活動に該当している必要があります。 換言すると,入管法で規定していない活動では,就労ビザを取得することができません。 また,就労ビザを保有しながら,入管法で定める活動以外の活動によって報酬を得ると入管法違反に問われる可能性もあります。 詳細は,法定外活動の際に問われる資格外活動罪とは? をご覧ください。 このように就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)の活動内容は,入管法に定められています。 就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)に該当する活動内容を入管法的に記載すると, ・技術業務…理学,工学その他の自然科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務 ・人文知識業務…法律学,経済学,社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務 ・国際業務…外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務 ということになりますが,少々わかりにくいですね。 簡単にいうと,技術は「理系分野」,人文知識は「文系分野」,国際業務は「国際的な業務」というイメージを持っていただければ,わかりやすいかと思います。 次のチャプターでは,上記の理解を前提に,就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)で認められている実務研修をより具体的に見ていきましょう。 2.就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)での名ばかり研修は禁止されている!? 上述のとおり,就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)の活動内容は,それぞれ入管法に定められており,あらかじめ入管法で規定されている活動以外で報酬を得ることは,認められていません。 しかし,新規採用をした際,現場を学ばせるために,実際に現場で働く実務研修を採用している企業が多いのも事実です。 営業業務に従事する場合には,自社の商品を知らなければ務まりませんので,商品を製造している工場で実務研修をすることもあるでしょうし,ホテルなどでは,レストランで研修を受け,ホテリエとしての所作を学ぶという実務研修も多くみられます。 本来,工場での実務研修,ホテルのレストランでの実務研修は,いずれの場合も就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)の活動内容には該当しません。 一方で,実務研修などの必要性等に鑑み,就労ビザが許可される事例があるのです。 注意点としては,「実務研修などの必要性」が認められれば,就労ビザが許可されるという点です。 つまり,“実務研修と言えば入管は法定外の業務を許可してくれる”わけではなく,本来の職務と合理的に関連し,本来の職務を遂行するために必要,かつ相当な限りにおいて,実務研修が認められています。 企業様からのお問い合わせをいただく中で,特に間違いが多い事項ですので,ご注意ください。 それでは,次のチャプターでは,就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)で認められる実務研修の要件を見ていきましょう。 3.就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)で認められる実務研修の要件と注意点 ①実務研修期間が予定する在留期間の大半を占めないこと&実務研修が最長期間を超えないこと ここでいう「在留期間」は,在留資格を変更した時や在留資格認定証明書の申請をした際に,決定される在留期間を意味するのではなく,いわゆる雇用期間を意味します。 また,ここでいう「大半」の解釈について,入管から公表されている資料にはありませんが,これまでの入管の考え方から推察すると,在留期間の過半を超えないと解釈するのが妥当です。 そのため,雇用期間が1年の場合には,1年間ずっと実務研修を行うという方法は取ることができません。 在留期間の母数は雇用期間と解釈されるため,雇用期間に応じて,実務研修の期間を決定することになります。 他方,本項目だけ見れば,3年の雇用期間の方については,1年半程度の実務研修が認められるようにも読むことができます。また,無期雇用(雇用期間の定めのない雇用)については,青天井に実務研修が可能と感じる方もおられるのではないでしょうか。 しかし,実務研修は,入管法の考え方に基づけば,例外的な位置づけであるため,原則として「1年間」の上限が設けられています。 そのため,研修計画立案の際には,実務研修の期間について注意してください。 ②日本人・外国人問わず実務研修が実施されていること 日本人については入社して2ヶ月で実務研修を終了しているにも関わらず,外国人については,1年間の実務研修を実施している場合は,入管審査で実務研修の相当性を否定される可能性が高まります。 一方,例えば性質上,外国人従業員だけを対象とするような日本語研修については,実務上,認められています。 反対に,性質上,外国人従業員だけを対象とする必要性がないにも関わらず,外国人従業員だけ工場で実務研修をしてもらう,というような実務研修は認められていません。 そのため,国籍問わず,新入社員に行っている実務研修か否かという点については,検討を要する重要な事項とご理解ください。 ③実務研修と今後の職務内容に合理的な関連性がある…

ネパール人との国際結婚手続きを専門行政書士が解説!

1.国際結婚手続きの用語解説 本チャプターでは,国際結婚手続きにおける専門用語を解説していきます。 以降の内容をご参照いただくにあたり必要となる前提知識ですので,ご一読の上,次のチャプターに進んでください。 ①国際結婚の成立とは? 国際結婚が有効に成立するには,双方(本事例でいうと日本とネパール)の国籍国において,法的に有効な婚姻関係にあることが原則必要とされています。 日本で先に結婚手続きを行うことを日本方式と言い,ネパールで先に結婚手続きを行うことをネパール方式と言います。 ②婚姻要件具備証明書とは? 外国人が日本方式の婚姻を有効に成立させるためには,国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件(婚姻できる年齢に達していること,独身であることなど)を満たしていることが必要とされています。 もっとも,日本の市区町村役場で,外国人配偶者の国籍国の法律を全て審査することは現実的ではありません。 そのため,国際結婚においては,国籍国の公的機関が発行する婚姻要件具備証明書を提出することによって,国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていると判断することにしています。 なお,発行国によっては,独身証明書などと言われることがありますが,独身であることのみならず,国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていることが明らかになるものであれば,基本的には婚姻要件具備証明書と考えていただいて差支えありません。 2.ネパール人との国際結婚手続きで注意すること ネパール人と日本人との国際結婚手続きの際,ご注意いただき事項を下記に記載いたします。 ①婚姻要件具備証明書について ネパールは,婚姻要件具備証明書を発行しない国です。 そのため,婚姻要件具備証明書に代わる書類によって,ネパール人の婚姻要件の充足を証明することになります。 ②婚姻可能な年齢について ネパール人の婚姻可能な年齢は,男女ともに20歳以上です。 なお、以前は婚姻当事者の年齢差が20歳を超えてはならないとされていましたが、現在はその制約は撤廃され、年齢差のある当事者も婚姻が可能になりました。 ③再婚禁止期間について ネパールの法律には再婚禁止期間の規定がありません。 ただし,日本方式で婚姻手続きを行う場合は,日本民法の再婚禁止期間が適用され,前婚の解消又は取消の日から100日を経過していることが要件とされています。もっとも,ネパール人女性が妊娠していないという医師の診断書を提出することによって,100日を経過していない場合でも婚姻することができます。 3.国際結婚手続きにおける必要書類(日本方式) 本題の国際結婚手続きについて解説していきます。 ここからは,日本人とネパール人が日本方式で婚姻をおこなう場合の必要書類を記載します。 なお,市区町村役場によって若干の相違があるため,事前に提出先の役所に照会してください。 ①日本の市区町村役場において必要となる書類 <日本人の方にご準備いただく書類> ・婚姻届書(日本人同士の場合と同様のものです) ・本人確認資料(運転免許証又はパスポート等) ・戸籍謄本(本籍地以外に婚姻届を提出する場合) <ネパール人の方にご準備いただく書類> ・独身証明書(日本語訳を添付) ※ネパール外務省にて認証後,在日ネパール大使館にて認証を受ける必要があります。 ・出生証明書(日本語訳を添付) ・パスポート ※ネパール人が在外にいる場合は,パスポートのコピーで代替可能です。 ・申述書 ②ネパールへの婚姻登録について ネパールでは婚姻登録制度があります。配偶者ビザの申請の際には,ネパール大使館が発行するレターを入管に提出すれば足りますが,ネパール側で正式に婚姻を登録するには、夫婦二人でネパールに渡航し,ネパール本国で手続きが必要になります。日本の役所に婚姻届を提出した後,ネパールの役場で婚姻登録手続きを行ってください。…

就労ビザから帰化申請を行う際の注意点

1.就労ビザで帰化申請する場合の注意点とは 就労ビザをお持ちの方で,帰化申請を行う際,特に気を付けるべき点が3つあります。 まず1つ目は,帰化申請の要件です。 帰化申請の要件は国籍法によって定められており,7つの要件を基盤に審査されます。 帰化申請の要件の詳細については【帰化許可申請の要件とは?】で示しておりますので,ご確認ください。 7つの要件を満たす必要がありますが,就労ビザをお持ちの方は,その中でも「住所要件」について特に注意する必要があります。 住所要件では,「日本に引き続き5年以上の住所を有していること」と,「5年間の中で3年以上日本で就労していること」が求められます。 そして,この住所要件にある「住所を有していること」とは,留学ビザで日本に滞在していた在留年数は原則含まれませんので注意が必要です。 これは,留学ビザで日本に滞在していることが,日本へ勉強を行うために一時的に滞在していると解釈されているからです。 そのため,留学ビザで在留していた経歴がある方は,住所要件を満たしているか判断するために,留学ビザの在留年数とその後のビザの在留年数を必ず確認する必要があります。 また,帰化申請において,留学ビザでの滞在が在留年数に含まれないことは,法文上に記載がありません。 そのため,留学ビザでの在留歴がある方で,自分自身が住所要件を満たしているかどうか分からない場合は,当社までお気軽にご連絡くださいませ。 なお,留学ビザの場合は日本に滞在している期間は在留年数に含まれませんが,他のビザで日本の教育機関で勉強をしていた期間は在留年数に含まれるので,この違いを理解しておくことは重要です。 次に2つ目ですが,就労ビザの在留資格該当性を確認する必要があります。 就労ビザでは,そのビザで行うことができる活動の範囲が定められています。 現在行っている仕事の内容が,お持ちの就労ビザで認められている活動の範囲内であるかどうかを確認する必要があります。 例えば,技術・人文知識・国際業務のビザをお持ちの方は,報酬を伴う会社経営の活動が原則できない(認められていない)ので,もし仮に認められていない活動を行っているのであれば在留資格該当性はないと判断されます。 このように,帰化申請の際には,現に有している就労ビザの活動内容が確認されることになります。 特に,経営管理ビザをお持ちの方については,自身が行っている経営活動において,必要な許認可を取得しているかどうかということが必ず確認されます。 許認可の有無については,法務局へ提出する書類だけではなく,面接時にも確認されますので,帰化申請を行う上で,今一度ご自身の事業が許認可を必要とするかどうかの確認を行っておく方が良いでしょう。 最後に3つ目ですが,注意すべき点は日本語能力です。 帰化申請の要件の中に,日本語能力があります。 日本で生まれ育った方は,一般的には日本語能力の有無を確認する必要が無いとされています。 しかし,そうではない方については,日本語能力の部分を特に注意して審査が行われます。 就労ビザをお持ちの方の中は,海外で生まれ育ち,海外で教育を受けた後,就労ビザを取得して来日される方が多く,日本語能力がどの程度あるのかが分かりません。 帰化審査で求められる日本語能力は,小学校低学年以上の読み書きとされており,普段お仕事で日本語を話すことに支障が無くても,日本語を書くことに慣れていない方は日本語を勉強する必要があります。 管轄の法務局によっては,申請受付前に日本語テストを実施してくれるところもありますので,日本語能力に不安のある方は,先に日本語テストを受けてみるのも良いかもしれません。 2.技術・人文知識・国際業務ビザで帰化申請する場合の注意点 次に,帰化申請する場合の注意点を就労ビザの種類別で確認していきます。 まず,就労ビザの代表格である技術・人文知識・国際業務ビザからみていきます。 技術・人文知識・国際業務ビザで在留されている外国人数は,2020年3月27日付の出入国在留管理庁のデータによると約27万人となっています。これは,技能実習ビザを除くと,就労ビザの中で最も人数が多く,当社でも数多くのお問い合わせを頂いているビザの1つです。 技術・人文知識・国際業務ビザから帰化申請を検討されている方で,特に注意が必要な点が2つあります。 まず1つ目が,出国日数です。 帰化申請の要件として,上述のとおり,住所要件があります。 この住所要件には,「引き続き」5年以上日本に住所があることとされていますが,出国があまりにも多い場合は,日本に生活の本拠がないと判断され住居要件を満たさない可能性があります。 技術・人文知識・国際業務ビザで仕事をされている方の大半は,会社員の方です。 会社員の場合,会社からの辞令で海外支社へ出向したり,長期出張を言い渡されるケースも往々にして起こりえます。 帰化申請において,1年間で100日以上出国している場合は,日本に生活の本拠がないと判断される可能性が高くなります。…

大阪で帰化申請をする際の注意点

1.大阪でも帰化申請の取り扱いが無い法務局がある?! 冒頭でも記載した通り,帰化申請をするためには,決まった管轄の法務局で手続きをする必要があります。 そして,まず注意が必要なのが,その管轄の法務局というのは, 「=最寄りの法務局」ではない, ということです。 そもそも大阪府内には,以下11箇所の法務局(及びその支局等)があります。 ①大阪法務局(本局) ②北出張所 ③天王寺出張所 ④池田出張所 ⑤枚方出張所 ⑥守口出張所 ⑦北大阪支局 ⑧東大阪支局 ⑨堺支局 ⑩富田林支局 ⑪岸和田支局 しかし,このうち「国籍事務(帰化申請はここに含まれます)」の取り扱いがあるのは,約半分の6箇所のみです。 ①大阪法務局(本局) ②北出張所 ③天王寺出張所 ④池田出張所 ⑤枚方出張所 ⑥守口出張所 ⑦北大阪支局 ⑧東大阪支局 ⑨堺支局 ⑩富田林支局 ⑪岸和田支局 つまり,ご自宅の近所に法務局があったとしても,国籍事務(帰化申請)の取り扱いのない法務局であれば,わざわざ遠方の法務局まで出向かないといけないということです。 1回だけの出頭であれば大きな負担にはならないでしょうが,通常,自力で申請を行う際に,面接等含めて合計10回近く法務局に通うというのは珍しい話ではありません。そのことを考えると,小さな思い違いが,大きな負担に変わってきますね。 なお,ご自身の管轄の法務局を調べたい場合は,以下の色分けの通りに管轄が分かれていますので,参考にしてみてください。 赤:大阪法務局本局,黄色(上側):北大阪支局,黄色(下側):堺支局 緑:東大阪支局,紫:富田林支局,青:岸和田支局 引用元:大阪法務局「大阪法務局 管轄のご案内(国籍)」(http://houmukyoku.moj.go.jp/osaka/static/click_map04.html) 2.大阪管轄の帰化申請は厳しい?! さて,大阪府内でも帰化申請の管轄が分かれている,ということがお分かり頂けたところで,次に,大阪管轄の法務局の審査について解説をしていきます。…

配偶者ビザに添付する質問書のポイント

1.配偶者ビザの質問書 (1)そもそも質問書とは? 質問書とは,配偶者ビザ申請の際に提出する重要な参考資料の一つです。 ※ここでいう配偶者ビザは,日本人の配偶者等,永住者の配偶者等,定住者(5号)を意味します。 質問書の枚数は8ページにも亘り,ご夫婦が結婚に至った経緯や,夫婦間の意思疎通の方法,相手の国への渡航歴といった,婚姻の実体を確認するような質問12項目で構成されています。質問書では,その内容からも推察できるように,主にご夫婦の婚姻の実体や婚姻の信ぴょう性の審査に用いられます。 残念ながら,配偶者ビザを申請する方の全員が純粋に愛を育み,婚姻に至ったわけではなく,中には偽装結婚で在留資格の不正取得を企てる輩がいることも事実です。 そのため,入管は質問書の内容に矛盾が無いか,また社会通念に照らして適切か等,様々な観点から審査しているのです。 仮に,事実に反する記入をしたことが判明した場合には,申請に不利益な取り扱いを受けるほか,最悪の場合には,在留資格等不正取得罪(入管法70条1項)などの罪に問われる可能性もあります。 決して侮ることができない質問書です。ここから注意深く,続きを見ていきましょう。 (2)「質問書」を提出する必要がある申請種別 そもそも配偶者ビザの申請には, ①在留資格認定証明書交付申請(海外にいる配偶者を日本に呼び寄せるための申請) ②在留資格変更許可申請(現在持っているビザを配偶者ビザに変更する申請) ③在留期間更新許可申請(現在持っている配偶者ビザを延長する申請) の3つが考えられます。 しかし,上記の①から③の全ての申請に質問書を添付する必要はなく, ①在留資格認定証明書交付申請(海外にいる配偶者を日本に呼び寄せるための申請) ②在留資格変更許可申請(現在持っているビザを配偶者ビザに変更する申請) の申請に添付することで足ります。 そのため, ③在留期間更新許可申請(現在持っている配偶者ビザを延長する申請) の際には,質問書は不要ですので,間違えないようにご注意ください。 ※だたし,再婚して配偶者ビザを更新する際には,質問書が必要になります。 では次のチャプターでは,具体的な質問書の中身について見ていきましょう。 2.質問書の「申請人」「配偶者」とは一体誰のこと? 質問書は,最初に申請人情報(名前,国籍,性別)を記入し,それ以降はすべて「配偶者」の目線で記入していきます。 ところで,質問書を記入する際の「申請人」と「配偶者」とは,一体誰のことを指すのでしょうか? まず,申請人とは,配偶者ビザを取ろうとしている外国人本人のことを指します。 そして,配偶者は,その申請人と婚姻している日本人または永住者(特別永住者を含む)もしくは定住者の在留資格を持っている外国人を指します。 申請人と配偶者を逆にして質問に答えないよう,質問書を記入する際は十分に気を付けましょう。 3.質問書の中でも特に重要な質問とは? 上述のとおり,質問書は全8ページあり,12項目ある質問のすべてに回答しなければなりません。12項目すべてが重要ですが,本のチャプターでは,その中でも特に重要である2つの質問について解説していきたいと思います! (1)夫婦間の会話で使われる言語(質問3) ここでは,夫婦が相互に意思疎通が可能な語学能力を有していることが確認されます。 お互いに母国語の理解が難しい場合は,正直に事実を記載し,翻訳アプリの利用や,簡単な単語への言い換えなど,実際に意思疎通を図っている方法を具体的に記載しましょう。 また,外国人の配偶者(申請人)が日本語を理解できる場合は,いつどのように学んだのか具体的に記載するようにしましょう。 (2)お互いの母国を訪れた回数と時期(質問7) 来日回数は特に慎重に審査されます。したがって,あいまいな日付や,事実とは異なる日付を記載してしまった場合は,入管からは虚偽申請とみなされ,申請が不許可になる可能性があります。そのため,パスポートを見て,日付を確認しながら正確に記載するようにしましょう。 相手の国を訪れた月まで覚えているけど,日付までは覚えていない・・・という方もいらっしゃると思います。そんなときは,日付まで記載しなくても構いません。日付を記載しなかったからと言って,不利益な扱いをされることはありませんのでご安心ください。反対に,実際に訪れていない日付を書いてしまうことは,不利益に扱われ,配偶者ビザが不許可になる要因となりますので,こちらについては気を付けましょう。 他にも質問書には,夫婦の親族や退去強制の有無などについて記載する必要があります。過去に退去強制事由に当たる行為を犯した外国人配偶者を日本に呼び寄せたい方は,正直にその事実を記載しなければなりません。…

タイ人との国際結婚手続きを専門行政書士が解説!

1.国際結婚手続きの用語解説 本チャプターでは,国際結婚手続きにおける専門用語を解説していきます。 以降の内容をご参照いただくにあたり必要となる前提知識ですので,ご一読の上,次のチャプターに進んでください。 ①国際結婚の成立とは? 国際結婚が有効に成立するには,双方(本事例でいうと日本とタイ)の国籍国において,法的に有効な婚姻関係にあることが原則必要とされています。 日本で先に結婚手続きを行うことを日本方式と言い,タイで先に結婚手続きを行うことをタイ方式と言います。 ②婚姻要件具備証明書とは? 外国人が日本方式の婚姻を有効に成立させるためには,国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件(婚姻できる年齢に達していること,独身であることなど)を満たしていることが必要とされています。 もっとも,日本の市区町村役場で,外国人の国籍国の法律を全て審査することは現実的ではありません。 そのため,国際結婚においては,婚姻要件具備証明書を提出することによって,国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていると判断することにしています。 なお,発行国によっては,独身証明書などと言われることがありますが,独身であることのみならず,国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていることが明らかになるものであれば,基本的には婚姻要件具備証明書と考えていただいて差支えありません。 2.タイ人との国際結婚手続きで注意すること タイ人と日本人との国際結婚手続きの際,ご注意いただきたい事項を下記に記載いたします。 ①婚姻要件具備証明書について タイは,婚姻要件具備証明書を発行しない国です。 そのため,婚姻要件具備証明書に代わる書類によって,タイ人の婚姻要件充足を証明することになります。 ②婚姻可能な年齢について タイ人の婚姻可能な年齢は,男女ともに17歳以上です。 ただし,裁判所の婚姻許可があれば,17歳未満であっても婚姻することは可能です。 また,20歳未満の場合は,父母の同意を得なければなりません。 ③再婚禁止期間について 女性は,前婚終了から310日を経過しないと再婚することができません。 ただし,①子がその期間内に出生した場合,②離婚した夫婦が再婚する場合,③法律に定められた内科診療の資格医師により発行された妊娠をしていないことを証する証明書がある場合,④婚姻の許可する裁判所の命令がある場合は,前婚終了から310日を経過していなくても婚姻することができます。 なお,タイ法の再婚禁止期間の規定は,タイ人男性と日本人女性が婚姻する場合にも適用されます。 ④婚姻後の氏について タイは,選択的夫婦別姓制度です。婚姻によって相手方配偶者の氏に変更することもできますし,従来の氏を婚姻後も使用することも可能です。 もっとも,タイ人女性は婚姻によって夫の氏に変更することが一般的で,日本人との国際結婚においても日本人男性の氏に変更する方がほとんどです。 3.国際結婚手続きにおける必要書類(日本方式) 本題の国際結婚手続きについて解説していきます。 ここからは,日本人とタイ人が日本方式で婚姻をおこなう場合の必要書類を記載します。 なお,市区町村役場によって若干の相違があるため,事前に役所照会することをお勧めいたします。 ①日本の市区町村役場において必要となる書類 <日本人の方にご準備いただく書類> ・婚姻届書(日本人同士の場合と同様のものです) ・本人確認資料(運転免許証又はパスポート等) ・戸籍謄本(本籍地以外に婚姻届を提出する場合) <タイ人の方にご準備いただく書類> ・婚姻状況証明書(日本語訳を添付) ※タイ外務省の認証が必要です。 ・出生証明書(日本語訳を添付)…