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特定技能1号と2号の違いとは?行政書士が解説

1.特定技能ビザとは? 前述の通り,特定技能ビザは人手不足が深刻な「建設」「農業」「介護」など12分野(14業種)の労働力を確保するために創設されたものです。 就労ビザには他にも種類がありますが,特定技能ビザは就労できる業務内容の範囲が他の就労ビザよりも広く,単純労働を含めることができる点が大きな特徴です。 特定技能2号ビザは,1号よりも高度な技能を持っていることが認められた方向けのビザです。1号にはない,いわゆる「特典」があることが特徴です。 特定技能ビザの対象となる12分野を表にまとめました。 特定技能1号(12分野) 特定技能2号(11分野)【改正版】 介護 (2号ではなく,「介護」ビザへ移行) 外食業 外食業 宿泊 宿泊 飲食料品製造業 飲食料品製造業 自動車整備 自動車整備 航空 航空 農業 農業 ビルクリーニング ビルクリーニング 素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業 素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業 建設 建設 造船・船用工業 造船・船用工業 漁業 漁業 これまで,特定技能2号は「建設」と「造船・船用工業分野の溶接区分」のみが対象でしたが,2023年6月9日に他の分野にも拡大されることが閣議決定されました。現在,改正法案成立に向けて進んでいます。 なお,「介護」分野については,特定技能2号ではなく既存の「介護」ビザへ移行できることにしました。 このコラムでは,改正後の内容で解説しています。 2.特定技能1号と特定技能2号の違い ここからは,特定技能1号と2号の違いについて解説していきます。 まずは,主な違いを表にまとめましたので見比べてみてください。   特定技能1号…

N1特定活動ビザ(特定活動46号)の解決事例をご紹介します!

1.N1特定活動ビザでどんな仕事ができるの? そもそも,N1特定活動ビザでは,具体的にどのような仕事ができるのでしょうか? 結論から言うと,N1特定活動ビザでは,今まで「技術・人文知識・国際業務」で認められてこなかった,現業メインでのフルタイム就業が可能になります。 これは,N1特定活動ビザの最大のメリットであると言えます。 では,具体的にはどのような業務に従事することが出来るのか。 詳細な説明に先立ち,まずはN1特定活動ビザで従事可能な活動の大枠を捉えましょう。 N1特定活動ビザで従事可能な業務について,出入国在留管理庁公表のガイドラインでは次のように記載されています。 「日本語を用いた円滑な意思疎通を要する業務」 「日本語を用いた円滑な意思疎通を要する業務」とは,単に雇用主等からの作業指示を理解し,自らの作業を行うだけの受動的な業務では足りず,いわゆる「翻訳・通訳」の要素のある業務や,自ら第三者へ働きかける際に必要となる日本語能力が求められ,他者との双方向のコミュニケーションを要する業務であることを意味します。 つまり,高い日本語能力を用いて他者とコミュニケーションをすることを基礎にして成り立つ業務であり,代表的なものとして接客業が挙げられます。 これによって,これまで技術・人文知識・国際業務の在留資格では従事困難であった接客業や小売業の現場での在留資格取得が可能になりました。 ただし,N1特定活動ビザであれば,無制限に現業に従事できるという訳ではありません。N1特定活動ビザの業務には,大学や専門学校などで修得した広い知識と応用的な能力などを活用するものでなければいけません。 これは,従事しようとする業務内容に,技術・人文知識・国際業務の在留資格の対象となる学術上の素養等を背景とする一定水準以上の業務が含まれていること,又は,今後そのような業務に従事することが見込まれることを意味します。 したがって,技術・人文知識・国際業務のように一定水準以上の業務をメイン業務とする必要はないものの,全くの単純作業のみに従事することはN1特定活動ビザでも認められず,業務の一部は一定の専門性を要する業務でなければならないということです。 もっとも,今後一定水準以上の業務に従事することが見込まれる場合でも良いとなっていますので,例えば,入社当初はレストランのホールスタッフとして採用し,ゆくゆくはお店の経理も任せるようにするといった場合も可能になります。 上記の前提を踏まえて,ガイドラインに記載の具体例をご紹介します。 ア 飲食店に採用され,店舗において外国人客に対する通訳を兼ねた接客業務を行う もの(それに併せて,日本人に対する接客を行うことを含む。)。 ※ 厨房での皿洗いや清掃にのみ従事することは認められません。イ 工場のラインにおいて,日本人従業員から受けた作業指示を技能実習生や他の外 国人従業員に対し外国語で伝達・指導しつつ,自らもラインに入って業務を行うもの。 ※ ラインで指示された作業にのみ従事することは認められません。ウ 小売店において,仕入れや商品企画等と併せ,通訳を兼ねた外国人客に対する接 客販売業務を行うもの(それに併せて,日本人に対する接客販売業務を行うことを含む。)。 ※ 商品の陳列や店舗の清掃にのみ従事することは認められません。 エ ホテルや旅館において,翻訳業務を兼ねた外国語によるホームページの開設,更新作業を行うものや,外国人客への通訳(案内),他の外国人従業員への指導を兼ねたベルスタッフやドアマンとして接客を行うもの(それに併せて,日本人に対する接客を行うことを含む。)。 ※ 客室の清掃にのみ従事することは認められません。 オ タクシー会社に採用され,観光客(集客)のための企画・立案を行いつつ,自ら通訳を兼ねた観光案内を行うタクシードライバーとして活動するもの(それに併せて,通常のタクシードライバーとして乗務することを含む。)。 ※ 車両の整備や清掃のみに従事することは認められません。 カ 介護施設において,外国人従業員や技能実習生への指導を行いながら,外国人利用者を含む利用者との間の意思疎通を図り,介護業務に従事するもの。 ※…

【中国人の帰化申請】条件や必要書類など手続きのポイントを解説

帰化申請とは? 帰化申請とは,一言でいうと「日本人になる手続き」を言います。帰化申請が許可されると日本人となるため,日本の戸籍(帰化許可者の生年月日やご両親,婚姻日などのパーソナル情報のこと)が作成されます。 また,日本人なので,ビザの申請をすることなく日本で安定的に生活できるようになりますし,世界でも信頼度の高い日本のパスポートを持つことになるため,海外旅行の際にビザ申請をすることなく行ける国が増えます。 一方で,日本は二重国籍を認めていません。このため,中国人が日本への帰化を許可されると,自動的に中国国籍は喪失することになります。 中国人の帰化申請について 法務省が発表した国籍別帰化許可者数を見てみると,中国人の方は毎年2,000人以上が帰化していることになります。下の表は,過去5年間の帰化した方の人数です。 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 中国人 2,374人 2,881人 2,526人 2,262人 2,651人 全体 8,453人 9.079人 8,167人 7,059人 8,800人 国別にみると,1位が韓国・朝鮮,2位中国,3位ベトナム,4位ブラジル,5位フィリピンとなっています。 1位の韓国・朝鮮は歴史的な背景もあるため特別だとしても,2位の中国と3位のベトナムでは帰化許可者数が4倍以上もの差が生じています。(2023年のベトナムの帰化許可者数は625人)。 この数字からわかることは,他の国と比較して,中国人の多くが日本人として日本に長く住みたいと思ってくれているということです。 日本人としては,国籍という自身のアイデンティティを変えてまで日本人となりたいと思ってもらえていることを嬉しく感じますが,法務局との関係で考えると,帰化許可者数が多いということは,中国人の帰化申請について多く審査をしているということの裏返しであり,どこの法務局も中国人の帰化申請の審査に慣れているということです。 そのため,書類の不備があると法務局から「ここが違う」「この書類は取得できるはずだ」と,その都度指摘が入り,帰化申請の準備に時間がかかる可能性があります。 だからこそ,中国人の方が帰化申請を円滑に,かつ,早急に進めるためには,書類に不備がないよう正しい知識を持って帰化申請に臨むことが大切になります。 中国人の帰化申請を成功させるポイントとは? 帰化許可を取るためにはいくつかクリアしなければいけない条件がありますが,その中でも,中国人の方が特にポイントになるものが2つあります。 【ポイント1】中国側の必要書類を正確に把握して集めること 【ポイント2】小学校3年生レベルの日本語能力があること それぞれ解説していきます。 【ポイント1】中国側の必要書類を正確に把握して集めること 帰化申請で提出が必要になる書類について,法務局では申請人から話を聞いて判断します。このため,法務局での初回相談の際に曖昧な情報を伝えてしまうと,本来は取得できないはず書類を集めるように案内され,帰化申請が進められない事態に陥るかもしれません。 中国は,最初に届出をした行政機関がどこなのかによって,その後,証明書類が発行できる役所が変わることがあります。 【例:ご両親がどちらも中国国籍である独身の中国人の方】 この方が日本国籍を取るために帰化申請をする場合,ご両親の結婚を証明するための証明書が必要となります。 ご両親が中国本土で結婚手続きをした…

帰化申請中に転職しても大丈夫?不許可リスクについて専門行政書士が解説!

帰化申請の審査中に転職をした場合 帰化申請後,審査中に転職をした場合は,申請した法務局の担当事務官へ必ず報告してください。 転職先に関する書類など,法務局へ追加で提出が必要になります。転職先に記載してもらう書類もありますので準備に数週間かかる場合もあります。 追加の書類がすべて揃うまでは審査が中断することになるため,帰化申請後に転職をした場合は,トータルの審査期間が長くなってしまいます。 【転職をした場合の追加提出書類】 ①転職先企業が作成した「在勤及び給与明細書」 ②転職先の「勤務先附近の略図」 ③転職先の給与明細書 ①は転職先の人事部門などで作成してもらい,法人印を押印してもらう必要があります。 ②は申請人ご自身で作成します。 ③は転職先から発行され次第,法務局へ提出します。 これら以外にも,追加で提出を求められる場合があります。 帰化の審査をするうえで求められているものなので,法務局の指示に従って用意してください。 帰化申請する前に転職すれば大丈夫? 帰化申請の直前に転職することも,おすすめできません。 転職してから帰化申請をするまでの期間として,少なくとも半年,できれば1年は空けたほうが安心です。 転職して半年未満の場合,法務局での事前相談でも,帰化申請するタイミングを後ろ倒しするように言われることが多いです。 転職して半年未満の場合は,転職先に定着できるか不透明で安定しているとは言えない状態です。半年経過していれば,その間の給与実績などで評価してもらえることもあります。このあたりは,転職先の状況や申請する法務局によっても判断に差が出る部分ですので,事前相談の際にしっかり確認することをおすすめします。 過去の転職も帰化申請の審査に影響する? 帰化申請の審査中,申請前に転職することはおすすめできない話をしてきましたが,過去の転職についても帰化申請に影響があるのでしょうか。 過去に転職をしたことがある場合,転職そのものがマイナスになることはありません。 ただ,転職の内容によっては,帰化申請の審査に影響する場合もあります。主な3つのポイントを解説します。 ①「年収」での影響 過去に何度か転職していて年収が下がっている方は,帰化申請の審査に影響する可能性があります。 帰化申請では,経済基盤が安定していることを評価するために「年収」を重視しています。転職するごとに年収が減少している,短い期間で頻繁に転職している場合は,「経済的に安定していない」と判断される可能性が高くなります。一方で,何度か転職していたとしても,転職するごとに年収が増加していることが示せれば,経済的に安定していると見なされる可能性があります。 ②「仕事内容」での影響 過去に何度か転職している場合,仕事内容の一貫性や適法性について詳しく確認されることになります。 例えば,就労ビザの代表格である「技術・人文知識・国際業務」ビザの場合, 前回のビザ更新以降に転職している場合は,転職後の仕事内容がビザの要件に適合しているかについても確認されます。 同じ業界内でキャリアアップするための転職であれば,ポジティブに評価されることが多いですが,その一方で,異業種への転職が頻繁に行われると,定着性がなく不安定だと判断されるリスクがあります。 ③「離職期間」での影響 前の職場を退職して新しい職場へ就職するまでの離職期間についても,帰化申請の審査に影響を与える場合があります。 短期間の離職であれば,次の職場を探していた期間として理解されやすいですが,離職期間が長期間だった場合,その期間中の生活費や生活の安定性について疑問を持たれてしまいます。 過去に半年以上の離職期間がある場合は,その理由とともに,不安定な状況ではなかったことを書面で説明できるようにしましょう。 「転職」以外でも注意すべきポイント ここまでは転職について解説してきましたが,『仕事が変わる』という視点では,転職以外でも注意すべきポイントがあります。ここでは2つのポイントを解説します。 個人事業主(フリーランス)や会社経営者になる場合 申請時点では会社員として働いていた方が,審査中に個人事業主や会社経営者になった場合,ほとんどのケースで,法務局から帰化申請の取り下げを求められることになるでしょう。 個人事業主や会社経営者の方が帰化申請をする場合,最低でも直近2年分の確定申告書や決算報告書の提出が必要になります。事業の安定性や経営状況などを審査することができないため, 「審査できる状態になってから再度申請してください」と言われてしまいます。…

就労ビザの種類とは?外国人が日本で働く方法について行政書士が解説

日本の就労ビザは19種類ある【仕事内容の違いに注目】 就労ビザとは,外国人が日本で働くことを目的とした在留資格の総称で,働く内容=就労活動によって19種類に分けられています。どんな仕事でもできるオールマイティな「就労」ビザというものはありません。 どの就労ビザに該当するかは,どのような仕事をするのか,就労活動の内容に応じて判断する必要があります。 本チャプターでは,就労ビザの種類と該当する職種,許可される在留期間について解説していきますので,就労ビザの該当性の判断にお役立てください。 それでは,19種類の就労ビザを解説していきます。 (1)外交ビザ 外交ビザは,日本と諸外国の外交関係を維持・発展するために設けられた就労ビザです。 一般的にはあまり馴染みがないかもしれませんが,外国政府の大使,公使,総領事,代表団構成員等及びその家族の方などが該当します。 また,外交ビザは一般的な就労ビザのように,「1年」や「3年」といった在留期間が具体的に定められているわけではなく,外交活動を行う期間中は継続して在留が認められているのが特徴です。 (2)公用ビザ 公用ビザは,日本と諸外国との友好関係を維持・発展させることを目的に設けられた就労ビザです。 (1)の外交ビザ同様,一般的にはあまり馴染みがないと思います。 外国政府の大使館・領事館の職員,国際機関等から公の用務で派遣される方及びその家族の方などが該当します。 在留期間は,5年,3年,1年,3月,30日又は15日と定められています。 (3)教授ビザ 教授ビザは,学術研究の向上発展を目的に,大学の教授などを外国から受け入れるために設けられた就労ビザです。 大学の教員等を対象とする就労ビザで,大学の教授,准教授,講師,助手などの方が該当します。 もっとも,教授ビザは就労ビザの一種と位置づけられていますので,たとえ教授職にあったとしても,収入を得ずに大学等で研究や教育活動をする場合には,教授ビザには該当しません。 この場合には,「文化活動」ビザに該当することになるので,注意が必要です。 在留期間は,5年,3年,1年,3月と定められています。 (4)芸術ビザ 芸術ビザは,芸術分野を通じて,国際交流を図ることを目的に設けられた就労ビザです。 その名のとおり芸術家を対象とする就労ビザで,作曲家,作詞家,画家,彫刻家,工芸家,写真家などの方が該当します。 芸術ビザは就労ビザの一種であるため,収入を伴わない芸術活動をおこなう場合には,芸術ビザではなく文化活動ビザに該当することになります。 在留期間は,5年,3年,1年又は3月と定められています。 (5)宗教ビザ 宗教ビザは,外国の宗教団体から派遣される宗教家を受け入れるために設けられた就労ビザです。 僧侶,司教,宣教師等の宗教家の方が該当します。 在留期間は,5年,3年,1年又は3月と定められています。 (6)報道ビザ 報道ビザは,外国の報道機関から派遣される特派員等を受け入れるために設けられた就労ビザです。 新聞記者,雑誌記者,編集者,報道カメラマン,アナウンサーの方などが該当します。 なお,日本の報道機関との契約に基づき報道活動をおこなう場合には,報道ビザではなく「技術・人文知識・国際業務」ビザに該当することになるので注意が必要です。報道ビザの在留期間は,5年,3年,1年又は3月と定められています。 (7)高度専門職ビザ 高度専門職ビザは,高度外国人材の受入れを促進するため,高度外国人材に対しポイント制を活用した出入国管理上の優遇措置を講ずるために設けられた就労ビザです。 「高度学術研究活動」,「高度専門・技術活動」,「高度経営・管理活動」の3つに分類され,それぞれの特性に応じて,「学歴」,「職歴」,「年収」などの項目ごとにポイント制を設けています。 このポイントの合計点数が一定の点数以上に達した場合,出入国管理上の優遇措置を受けることができるというメリットがあります。 具体的な優遇措置は次の通りです。 【高度専門職1号でポイントが70点以上の場合】 ①複合的な在留活動の許容…

国際結婚後の名字(苗字)はどうなる?行政書士が解説します!

1.国際結婚における名前のルール 日本の民法第750条には「夫婦は,婚姻の際に定めるところに従い,夫又は妻の氏を称する。」と規定されているため,日本の名字に関する考え方は,夫婦同姓が原則となっています。 ところが,この規定は外国人と日本人との婚姻には適用されないことをご存知でしょうか?外国人と結婚した場合,日本人の名字は変わらずに夫婦別姓が原則となるのです。 国際結婚の場合においては「名字は夫婦それぞれに関する問題で,それぞれの国の法律によって判断されるべき」と考えられているからです。 2.国際結婚した場合の名前の決め方に関する手続きとは? 上記1で記載した通り,国際結婚の名前について夫婦別姓が原則となります。 そのため,外国人の方と一緒の名字にしようと思うと,日本人同士の結婚のように,婚姻届に記入して提出するだけでは自動的に変更はされず,決められた手続きを踏む必要があります。 こちらの手続きについて,以下①②の2パターンに分けて見ていきましょう。 ①日本人が外国人の名字を名乗るケース ②外国人が日本人の名字を名乗るケース の2パターンが考えられます。 どちらの方法を選択しても,配偶者の方と同じ氏になるという点で結果はほぼ同じですが,手続きの内容はまるで違うので注意が必要です。 (1)日本人が外国人の名字を名乗るケース まずは日本人が外国人の名字を名乗るケースについて解説します。 日本人:名前を変える(外国人と同じ名字にする) 外国人:名前は変えない このケースですと,日本人と外国人が結婚しても,国際結婚では夫婦別性が原則ですので,婚姻届を出すだけでは,外国人の名字に変更することができません。 婚姻後6か月以内に,本籍地または住所地の市区町村役場へ「氏の変更届」を提出します。その際に必要となる書類は以下の通りです。 【必要書類】 氏の変更届 戸籍謄本(本籍地以外の役所で手続きをする場合は必要) 身分証明書 印鑑 ※市区町村によって必要書類が異なる場合があるため,事前に役所へご確認ください。 これで受理されれば,日本人の名字が変わります。 婚姻後6か月を超えたら変更できない? 婚姻から6か月経過してから「氏の変更届」を提出する場合は,事前に家庭裁判所へ申し立てを行って変更許可を取る必要があります。許可が取れたら,「確定通知書」の交付申請を行い,交付された「確定通知書」も持参して市区町村役場で「氏の変更届」手続きを行います。 6か月を超えると手続きが増え,最終的に変更できるまで時間もかかります。結婚を機に夫婦同姓にしたいと考えている方は,6か月以内に届出することをおすすめします。 【参考】家庭裁判所へ申し立てを行う際の必要書類 申立人の戸籍謄本 氏の変更の理由を証する資料(なぜ名前を変更するのか,理由が分かるものです) 収入印紙800円分 ※家庭裁判所によって必要書類が異なる場合があります。事前にご確認ください。 ご自身の管轄地はこちらから調べられます。 (2)外国人が日本人の名字を名乗るケース 続いて,外国人が日本人の名字を名乗るケースについて解説していきます。 日本人:名前は変えない 外国人:名前を変える(日本人と同じ名字にする)…

経営管理ビザの資本金500万円の考え方

1.経営管理ビザを取得するには資本金500万円を出資する必要がある? 当社にご相談に来られる方の多くは,「経営管理ビザを取得するには,自らが資本金の500万円を出資する必要がある。」と考えておられます。 確かに,2015年4月1日以前は,経営活動を行う事業に対し,外国人又は外国法人の出資がなければ,投資経営ビザ(現経営管理ビザ)は取得できませんでした。 しかし,日本企業において,事業の経営活動や管理活動を行う外国人を広く迎え入れることができるよう,2014年に入管法が改正され,2015年4月1日からは,経営活動を行う事業に対し,外国人又は外国法人の出資がなくても,ビザを取得できるようになったのです。 そのため,たとえご自身で資本金500万円の出資をしていない場合であっても,入管法に適合しないということはありません。 この点,非常に誤解が多い点ですので,注意してください。 では,どのようなケースでも資本金の出資がなくても経営管理ビザを取得できるのでしょうか。 例えば,資本金の出資をすることなく,友人が作った会社の経営に参画できるのか考えてみましょう。 経営管理ビザがスタートした頃は,資本金の出資がなくても,代表取締役や取締役などの執行機関に就けばビザが取得できるという誤解があり,名ばかり代表取締役の経営管理ビザの申請が,かなり多くあったと聞いています。 当初は,親を呼びたい,友人を呼びたいなどで,既存会社の代表取締役に就任させるような事例が散見されました。 しかし,経営管理ビザでは,代表取締役や取締役という名目を求めているのではなく,実質的に経営に参画していることを求めています。 つまり,事業の運営に関する重要事項の決定,業務執行など,その会社の意思決定に関与している必要があるのです。 次に,そもそも経営経験がない人を経営者として招へいすることができるか,ということについて解説します。 経営管理ビザでは,経営経験は要件としていません。 したがって,留学生であっても,就労ビザの方であっても,経営活動を行うことを目的として経営管理ビザは取得できるのです。 しかし,友人の作った会社に経営者として招へいする場合,通常,その経営者に何らかの実績があり,その経営者を招へいすることが会社にとってのメリットがあるはずです。 そのため,何らの実績なく,会社にとっての利益が明らかでない場合には,申請人が経営活動を行う信憑性に疑義があると判断され,経営管理ビザの入管審査をクリアするのは困難とご理解ください。 ここまでのお話をまとめると, 経営管理ビザを取得するためには,ご自身で500万円の資本金出資は不要 会社の意思決定に参画していないと判断される場合には,経営管理ビザの取得は困難 経営者として経営管理ビザを取得するためには,経営経験は不問ただし,経営活動を行う信憑性に疑義があると判断されるような場合には,経営管理ビザは取得できない ということになります。 2.出資金の500万円は借りたお金でも経営管理ビザの取得は可能? 結論からいうと,資本金の500万円は自ら準備したものだけではなく,借り受けたお金でも経営管理ビザを取得することは可能です。 もっとも,見せ金のような形では経営管理ビザの取得はできませんし,仮に入管が気づかずビザを取得できたとしても,申請内容が虚偽として,後に問題になっているケースが多々あります。 出資金の500万円を借り受けて経営管理ビザを取得する際には, 実態に即した契約書や借り受けの事実がある 生計維持が問題にならないような返済計画が立てられている 500万円を貸した人の資金の出どころが証明できる(後ほど3で記載します) が特に重要になります。 仮に,出資金の500万円を「もらった」場合には,贈与税が課税されますので,その旨もご認識ください。 3.新株予約権の発行により調達した500万円でも経営管理ビザの取得は可能? 令和6年3月,経営管理ビザのガイドラインがアップデートされ,新株予約権の発行による払込金によって集められた500万円でも一定の条件が整えば,経営管理ビザの資本金要件に適合するようになりました。 そこで,まず新株予約権についてご説明いたします。 新株予約権を簡単に説明すると,以下のようになります。 「あらかじめ定められた条件で、会社から株式の交付を受けることができる権利」 上記は 以下のようにも言い換えられます。 「一定の期間内であれば,企業が事前に決めた価格で株式を買うことができる権利」 具体例を紹介します。…

高度人材ポイント制を利用した永住申請とは?永住権取得までの流れを徹底解説!

1.高度人材とは? はじめに,出入国在留管理庁が定める「高度人材」の定義をご紹介します。 「国内の資本・労働とは補完関係にあり,代替することが出来ない良質な人材」 「我が国の産業にイノベーションをもたらすとともに,日本人との切磋琢磨を通じて 専門的・技術的な労働市場の発展を促し,我が国労働市場の効率性を高めることが期待される人材」 (平成21年5月29日高度人材受入推進会議報告書より) この定義を端的にまとめると, 『新しいアイデアやスキルによって,日本経済を発展させることのできる優秀な人材』 と,言い換えることができます。 高度人材には大きく3つのジャンルが用意されており,各ジャンルでの評価項目も異なるため,自分に合った活動を確認する必要があります。 ①高度学術研究分野 研究,研究の指導又は教育をする活動する活動(例:大学教授など) ⇒「高度専門職1号イ」 ②高度専門・技術分野 知識又は技術を要する業務に従事する活動又は教育をする活動する活動(例:ITエンジニアなど) ⇒「高度専門職1号ロ」 ③高度経営・管理分野 事業の経営を行い又は管理に従事する活動(例:会社経営者など) ⇒「高度専門職1号ハ」 高度人材として認定されるためには,入管が定めるポイント計算表で計算を行った結果,一定以上のポイントを有することが必要になります。ポイントの加算方法は3つのジャンルで異なります。 (1)高度人材ポイント制について では,実際に高度人材として認定されるためにはどのようにすればいいのでしょうか。 それは,下記ポイント表において「70点」以上のポイントを達成することが一つの条件となります。 詳しくは,以下のコラムで解説していますのでお読みください。 >>高度専門職 取得条件 はコチラ 上記のコラムで解説した通り,「学歴」,「職歴」,「年収」,「日本語能力」など項目ごとにポイントが設定されており,各項目を満たすことでポイントが積み重なります。 そして,高度人材として認定されるためには,まず「70点」を目指していくことになります。 (2)高度人材の優遇措置について 高度人材として認定され,「高度専門職」ビザを取得した際にはどんなメリットがあるのでしょうか。 高度人材の優遇措置として,入管庁では以下の7つを定めています。 高度人材の優遇措置 ①親の帯同の許容 ②配偶者の就労 ③家事使用人の帯同の許容 ④複合的な在留活動の許容 ⑤現行の最長期間である在留期間「5年」の付与 ⑥入国・在留手続の優先処理…

就労ビザの申請で「理由書」は必要?書き方のポイントを行政書士が解説!

1.就労ビザ申請で必要になる「理由書」とは? 就労ビザの申請で提出が必要になる「理由書」とは,読んで字の如く『申請人を採用することに決めた理由を説明するもの』です。 説明する相手は,もちろん入管の審査部門です。審査官に「この申請人に就労ビザを交付しても良い」と判断してもらう材料として提出するものです。 申請人のスキルや経歴,人柄だけでなく, ・従事させる業務が適法であること ・外国人を採用することになった背景 など,企業側の事情や状況についてもわかりやすく説明する必要があります。 2.入管の審査部門が重視するポイント 就労ビザの審査で入管が重視しているポイントは,就労活動が適正かどうかという点です。 日本人の場合と違って外国人は,本人にいくらやる気があったとしても,従事できる仕事内容が法律によって制限されています。あらかじめ決められている枠に収まらない業務は「不法就労」になります。入管では,不法就労に該当しないかどうかを念入りに審査しています。 ここでひとつポイントになるのは,「白黒ハッキリしない,疑わしいものは許可されない」という点です。 虚偽の申告をしないことは大前提ですが,虚偽ではなくても,入管の審査部門で『これは怪しいな』と判断されてしまえば,就労ビザの許可は取れないのです。 就労ビザは「ジョブ型」がベース 日本は,採用したあと本人の適性を見て業務内容を変えていく「メンバーシップ型」の働き方が主流ですが,就労ビザは業務内容ごとに区分けされている「ジョブ型」がベースになっています。 外国人を雇用する際は『とりあえず採用して,適性を見てから配属先を決める』ということができない点に注意が必要です。 3.理由書の書き方 ここからは「理由書」の具体的な書き方について解説していきます。 理由書には決まったフォーマットはありません。これまで数多くの就労ビザ申請で許可を取得してきた行政書士法人第一綜合事務所では,以下の4つを軸に理由書を作成しています。 ぜひ参考にしてください。 (1)申請人の概要について書く まずは申請人の概要がわかるように書きます。 氏名 国籍または地域 生年月日 学歴(大卒,専門卒の場合は学部や専攻も必要です) 職歴(在籍期間と業務内容も必要です) 申請人が就労ビザの要件を満たしている人物であるということがわかるように書きます。 (2)所属機関の概要について書く 所属機関の概要も書きます。 企業名,団体名 本社所在地 主な事業内容 設立年月日 資本金,直近期の売上高 (3)申請人の業務内容について書く 申請人が実際に従事する業務内容をわかりやすく書きます。 配属予定の部署名,実際の勤務地 担当する業務内容の詳細(複数ある場合はそれぞれの業務割合も記載する必要があります)/li申請人の学歴または職歴と関連性があること 先に述べた通り,就労ビザで雇用する外国人は「ジョブ型雇用」になります。業務が明確に決まっていることが前提ですので,その業務内容を書いてください。…

帰化申請にかかる期間について帰化の専門家が解説!

1.帰化申請の許可が出るまでにかかる期間はどれぐらい? 管轄の法務局へ帰化許可申請を行って,官報に掲載される(=許可となる)までにかかる期間は,概ね1年程度です。いま持っている国籍から離脱して,日本国籍を取得する手続きですので,入管局でのビザ申請よりも慎重な審査となるため時間がかかります。 ただ,冒頭でも述べた通り,在留資格や身分などによって審査期間は前後します。 当社でサポートさせていただいたお客様の事例 永住ビザを保有している方が1人で帰化申請:1年程度で許可 日本人の配偶者等ビザを保有している方が1人で帰化申請:1年程度で許可 特別永住者の方が1人で帰化申請:8ヶ月程度で許可 審査期間は上記の通り「概ね1年程度」ですが,帰化申請の場合,法務局で申請が受付になるまでの「準備期間」にもそれなりに時間がかかります。本国や役所から取り寄せる書類が多い方だと,準備期間に数か月かかる場合もあります。トータルで見ると,帰化申請は1年以上かかる手続きになります。 2.帰化申請にかかる期間の内訳を流れに沿って理解! ここからは,帰化申請の流れに沿って,どれぐらい期間がかかるのか見ていきましょう。 【Step①】管轄の法務局へ相談予約を入れる(スタート) まずは,現在お住まいの住所地を管轄する法務局へ,帰化申請の事前相談を予約します。 帰化申請の事前相談は予約制となっており,混雑状況によって予約が取れる時期が変わります。人口が多い東京などでは2~3ヶ月待ちになる場合もあります。逆に人口が少ない法務局では,事前相談できる日が毎日ではなく,「毎週火曜日の午前中」のように決められている場合もあります。 まずは,管轄の法務局へ電話して空き状況を確認してみましょう。 【Step②】予約した法務局にて事前相談 予約した日時に法務局へ行って,事前相談をします。 ここで,帰化申請で提出が必要な書類について説明を受けられます。 何かわからないことや聞きたいことがあれば,このときに質問しましょう。聞きたいことを漏れなく確認できるように,あらかじめメモなどを用意しておくといいかもしれません。 【Step③】帰化申請に必要な書類を収集 事前相談で必要書類のリストがもらえたら,そのリストに沿って書類を準備します。 必要書類には以下の3タイプがあります。 ①手元にある(あるはずの)書類 ②役所から取り寄せる書類 ③作成する書類 ①は,大学の学位記や日本語能力試験の合格証,過去のパスポート,日本の運転免許証などです。 普段からよく使うものであればコピーを取るだけなのですぐ用意できると思いますが,学位記や過去のパスポートなどは探す必要があるので時間がかかるかもしれません。 ②は,日本の市役所や税務署,法務局などで取り寄せる書類と,本国で発行される書類などです。 日本にある大使館や領事館では発行できない本国書類もあり,本国にいる親族などに取得を依頼しなければいけない場合もあります。役所から取り寄せる書類には通常,有効期限が設定されています。『本国書類の取り寄せに時間がかかりすぎて,先に取得した日本の役所書類の有効期限が切れてしまった…』のようなことも珍しくありません。 このStep②で時間がかかりすぎてしまい,帰化申請を諦める方もいらっしゃいます。計画的に取得していけるかどうかがひとつポイントになります。 【Step④】帰化申請書類の作成 必要書類が揃ったら,帰化の申請書類を作成します。 申請書類には法務省指定のフォーマットがありますが,このフォーマットはデータではなく「紙」で渡されます。このため,手書きで記入するか,紙を見ながらWord等の文書作成ソフトでそっくりに作成していく必要があります。 このStep③も,書き方がわからず時間がかかってしまう方が少なくありません。もちろん,法務局で書き方を教えてもらえますが,それにも予約が必要です。混雑している法務局では,書類の書き方相談でも1ヶ月以上先になってしまう場合があります。 【Step⑤】法務局で帰化申請の受付 〔スタートから1~2ヶ月〕 すべての必要書類が揃ったら,法務局へ申請予約を入れて,書類一式を持参します。 なお,法務局によっては「法務局で書類一式のチェックを受けてからでないと申請予約が取れない」という運用にしているところもあります。 この場合は,申請予約の前にチェック予約を入れて,チェックがOKになったら改めて申請の予約を入れるという流れになり,1~2ヶ月長くなります。 【Step⑥】法務局で面接 〔スタートから3~4ヶ月〕…