行政書士法人第一綜合事務所

【解決事例】配偶者ビザ申請が不許可になった場合の再申請について

【事例】
中国人女性と結婚した日本人男性。ご自身で過去2回,配偶者ビザを申請したものの,入管からは在留資格認定証明書(許可証)がもらえません。
解決方法を見出せず,また具体的な不許可理由もわからないまま,ただ月日だけが流れていきました。
その後,モヤモヤした気持ちを抱えたまま3回目の配偶者ビザ申請。しかし,今回もまた入管から不交付通知が…。
途方に暮れたご主人様は,ご自身での配偶者ビザ申請の再申請は困難と考え,当社にご相談に来られました。

インターネットの情報や入管から情報を得て,ご自身で配偶者ビザ申請を行ってみたものの,不許可になってしまったという相談は少なくありません。簡単に配偶者ビザの許可を得る方がいる一方で,一度不許可となってしまうと再申請が難しいのが配偶者ビザの特徴です。
しかし,当社にご相談に来られる不許可事例の多くは,防ぐことができるものと私たちは考えています。なぜなら,そのほとんどが“知らなかったこと”を理由とする不許可だからです。
では,何を知ればこのような配偶者ビザの不許可は防げるのでしょか。

本ページでは,配偶者ビザの審査ポイントから不許可になってしまった後の再申請について記載していきます。

1.配偶者ビザについての入管法の規定とは?

配偶者ビザの許可を取得するためには,入管が求める基準をクリアしなければなりません。そこで,多くの方がはじめに調べるのが,入管のホームページです。日本人の配偶者ビザについては,下記のように入管法で定まっています。

「日本人の配偶者若しくは特別養子又は日本人の子として出生した者」

詳細な事項が入管法に定まっていると考えられている方も少なくありませんが,実は法定されている要件は,この一文だけです。つまり,入管法で定まっている規定を読んだだけでは,配偶者ビザの審査のポイントは見えてきません。

では,入管は何を基準に配偶者ビザの許可,不許可の判断をしているのでしょうか。

2.配偶者ビザの許可・不許可はどのように審査されているのか

ここでは,入管がどのような基準で配偶者ビザの許可・不許可の審査をしているかご紹介します。

入管は,関係法令をはじめ,申請人から提出された資料に沿って配偶者ビザ申請の審査を行います。入管審査には,審査要領というものがあり,審査要領に沿った審査を実施することで,統一された基準で審査が出来るような体制をとっています。

審査要領には,公開されているものと公開されていないものがあり,公開審査要領と非公開審査要領と言われるものがあります。

実は,この非公開審査要領に,配偶者ビザの多くの許可・不許可の審査ポイントが記載されています。

3.配偶者ビザの審査ポイントを知る

非公開審査要領には,どのような事項が記載されているのでしょうか。記載といっても,非公開審査要領は墨塗りされているので,タイトルからしか読み解くことが出来ません。
以下に,審査のポイントと書かれた項目を一部記載します。

・納税証明書
・質問書
・交際,交流に関する立証資料
・提出資料の追加請求

その他に,審査に当たってのその他の留意事項として,

・経費支弁能力について
・収入金額について
・公共の負担の考え方について

など,非公開審査要領には、想定される問題点が多く定まっています。

これらのポイントを意識しながら,配偶者ビザの申請準備が出来れば,見るべきポイントを落とすという事は通常ありません。

私たちも日頃の業務する上で,入管の審査要領を意識して進めていっています。

4.当てずっぽうに配偶者ビザを申請すると不許可リスク大!

公開審査要領をはじめ,非公開審査要領を読み解くことが,問題解決の糸口となることはご理解いただけましたでしょうか。

非公開審査要領に何が書いてあるか,またその審査ポイントを知るには,多くの配偶者ビザ申請に携わることが最も近道です。しかし,一般の方が配偶者ビザ申請を何度もする事は通常想定されません。

国際業務専門の行政書士に依頼する事の優位性は,この経験値の高さにあると思います。

入管のホームページに列記してある書面をただ添付するだけであったり,前提の異なる情報をインターネットで参考にするのは,見るべきポイントが抜けていたり,考慮すべき事項が考慮されていないなど,かえって配偶者ビザ申請の不許可のリスクが伴ってしまう危険性もあります。

配偶者ビザの審査ポイントを予め知り,それらを踏まえた上で,実際の申請を行う事は不許可を回避するために極めて重要です。

5.配偶者ビザの申請が不許可になってしまったら…再申請のためにすべきこと

残念ながら配偶者ビザが不許可になってしまった場合,最初に行っていただきたいのは入管からの不許可理由の聴取です。これは実際に,当社でも行っている方法です。配偶者ビザの不許可理由の聴取は,再申請のためにとても重要な業務の一つです。

入管に不許可理由を聞きに行く際には,以下の資料を持参してください。
※本人確認の必要性等から,電話での不許可理由説明は行っておりません。

①不交付(不許可)の通知書
②身分証明書(日本人は運転免許証や住基カード,外国人は在留カード,パスポートなど)

なお,入管の開庁時間は,午前9時から午後4時までとなっております。不許可理由の聴取については,基本的に予約は不要ですが,詳細は管轄入管にお問い合わせ下さい。

6.再申請のために入管は不許可理由を全て教えてくれる?

入国・在留に係る処分にあたっての留意事項について(法務省管在5964号・平成16年10月1日)という通達を一部抜粋します。

「不利益処分を行うに当たっては,法令の定めるいずれの要件に適合しないかを明示しなければならない。」

上記の通達もあり,入管は不許可の理由の説明を行ってくれます。また,質問や疑問についても回答をしてくれますので,疑問があれば直接審査官に質問することもできます。

ここで注意をしていただきたいのは,たとえ納得できない理由があっても,審査官と喧嘩することは避けてください。配偶者ビザが不許可になってしまった苛立ちはよくわかります。しかし,この局面において審査官に不満をぶつけてみたところで,残念ながら審査結果は変わりません。

配偶者ビザの不許可は,再申請でしかカバーできませんので,その点をご理解下さい。

では,不許可理由が複数ある場合,入管は全ての理由を教えてくれるのでしょうか。

答えはNOです。

全ての理由を説明してくれる審査官もおりますが,必ず全ての不許可理由を説明しなければならないとする法的義務は入管にはありません。

そのため,入管で聞いた不許可理由を再度検証することは,再申請のためには不可欠です。

7.一度不許可になっても再申請で配偶者ビザの許可見込みはある??

一度不許可になっても,再申請をすれば配偶者ビザが許可されることはありますか?
配偶者ビザ申請が不許可になったご相談者からの最も多いご質問です。

答えは,ケースによるとなってしまいます。

明らかに審査要領で定める基準を満たしていない場合,例えば入管が定める生計基盤を満たしていないようなケースについては,その状況が改善されない限り,再申請を何度しても配偶者ビザの不許可の結果は変わりません(ただし,この場合であっても他にプラスの事情がないかはヒアリングさせていただきます。)。

まさに,今回の事例は不許可になったにも関わらず,その不許可理由を検討しないまま同じ申請を繰り返している事例と言えるでしょう。

一方,立証不十分なケースや考慮すべき事情が考慮されていなかったケースなどは,きちんと配偶者ビザの許可基準を意識した立証をすることで,一度は不許可になってしまった配偶者ビザも再申請を行うことで許可になる見込みは十分あります。

いずれにしても,不許可になっても諦めないことが不許可からの再申請には,大切なことです。

8.今回の配偶者ビザ再申請の結論は…

今回の事例で配偶者ビザ申請が不許可になった理由は,ご主人様と奥様との交際説明に食い違いがあるという点と結婚までの期間が短いというものでした。

当社でもう一度,ご主人様と奥様に交際経緯の詳細なヒアリングを行いました。そして,なぜ齟齬が生じたのか,再申請の際に真実を裏付ける資料と共に,入管に提出しました。

また,結婚までの期間についても,ご夫妻に詳細なヒアリングを実施し,どの点で結婚を意識したか,結婚に至るまでの背景,交際実体など,真正婚であることを明らかにしていきました。併せて,間断なくご夫婦の交流が図られていることを立証し,入管に配偶者ビザの再申請を行いました。

やはり3度の不許可歴があったことから,審査期間は通常の配偶者ビザより掛かりましたが,結果的に無事配偶者ビザの許可を取得することが出来ました。

9.配偶者ビザ申請が不許可になってからの再申請についてのまとめ

本ページでは,ご相談の多い配偶者ビザの不許可からの再申請をテーマに取り上げました。

配偶者ビザが不許可になってしまったら…。

まずは,冷静に入管で不許可理由の説明を受けてください。
その後は,同じ理由で不許可にならないためにも,再度検証を重ねてください。

※この時に,前の提出資料がないので検証できないとならないために,入管へのビザ申請の際には,全ての提出書面のコピーをとっておかれることをお勧めしています。

そして,不許可理由の再検証を終えれば,いよいよ入管の審査ポイントを押さえた再申請の準備に入ります。

不許可になってしまった理由を検証せずに配偶者ビザの再申請の準備を進めてしまうと,結果的に時間が掛かる場合が多くありますので注意が必要です。

ご自身での配偶者ビザの不許可理由の検証が困難な方,再申請に向けて何から手をつけてよいかわからない方は,ご遠慮なく当社までお問い合わせ下さい。