依田 隼弥

【2026年最新】カンボジア人との国際結婚手続きの流れと厳しい婚姻要件を行政書士が解説

カンボジア人との国際結婚手続きの流れと厳しい婚姻要件を行政書士が解説

最近は国際交流も増えたことで、国際結婚を選択する方も増えています。
国際結婚をする場合、どこの国の方と結婚するかで必要となる手続きや流れ、満たすべき婚姻要件が変わります。
今回は、カンボジア人と国際結婚を考えている方へのまとめコラムを作成しました。
まず大前提として、カンボジア人と国際結婚する場合は、日本側とカンボジア側の両方で婚姻手続きを行う必要があります。

一般的な国際結婚であれば日本国内だけで手続きを完結できるケースもありますが、カンボジアの場合はそうはいきません。カンボジア人と国際結婚をする場合は、日本先行であっても必ずカンボジア本国へ渡航し、現地で手続きを行う必要があります。さらに、外務省と内務省による「二重面接」や「月収2,500米ドル以上」の収入制限など、人身売買防止のための厳格なハードルが設けられています。

事前の知識なしに手続きを進めると、現地で門前払いされ、多大な時間と渡航費用を無駄にしてしまいかねません。
本コラムでは、カンボジア国際結婚をスムーズに成功させるための具体的な流れと、絶対に満たすべき婚姻要件のポイントを国際業務専門の行政書士の視点で徹底解説します。ぜひご自身に該当するルートをご確認ください。

無料相談のお問い合わせ先

1.カンボジア人と日本先行で国際結婚をする手続きの流れ

まずは、、日本先行で国際結婚をする手続きの流れを紹介します。
先に日本側の婚姻手続きを行い、その後にカンボジア側の婚姻手続きを行うパターンです。
主な流れは以下の通りです。

1. カンボジア本国で必要書類の取得
2. 日本の市区町村で婚姻の手続き
3. カンボジア本国へ渡航し婚姻登録の手続き
4. 日本の入管局へ配偶者ビザの申請

外国側の婚姻手続きは、日本にある大使館で行える国も多いのですが、カンボジアは日本にある大使館で手続きをすることができません。このため、カンボジア本国へ向かい手続きをする必要があります。
カンボジア国内での手続きには時間と手間がかかるため、早くて3ヶ月、遅いと1年かかることもあります。
配偶者ビザの取得などを検討している場合は、早めに手続きを進めることをおすすめします。
次に、流れについて詳しく見ていきましょう。

①カンボジア本国にて必要書類の取得

まずはカンボジア本国へ向かい、必要書類の取得と取得した書類の認証手続きを行います。
カンボジア本国の役所で、カンボジア人側の「出生証明書」と「独身証明書」を取得してください。
この出生証明書・独身証明書はクメール語で記載されているため、日本語の翻訳文も作成します。
次に、カンボジア外務省にて、取得した出生証明書・独身証明書の認証手続きを行います(日本の役所に提出する日本語の翻訳文は、認証された書類を日本に持ち込んだ後、日本側で作成すれば問題ありません)。

カンボジア本国で取得する書類はこれでOKです。

②市区町村で婚姻の手続きを行う

カンボジア本国での必要書類が取得できたら、日本の市区町村にて婚姻の手続きを行います。
カンボジア人と日本人それぞれの必要書類は以下の通りです。

カンボジア人側の必要書類

  • 独身証明書と日本語翻訳
  • 出生証明書と日本語翻訳
  • パスポート
  • 在留カード ※交付されている場合
日本人側の必要書類

  • 婚姻届
  • 市区町村で用意している「申述書」

(戸籍謄本は2024年3月の法改正により、本籍地以外の市区町村へ提出する場合でも原則不要となりました)

提出する市区町村によっては、上記以外の書類も必要になる場合があります。
あらかじめ市区町村の戸籍担当者に確認しておくことをおすすめします。

大都市やカンボジア人が多く住んでいる地域の市区町村であれば、必要書類についてすぐに教えてもらえるでしょう。
ただ、カンボジア人との国際結婚に慣れていない市区町村も多くあります。その場合、必要書類の案内が数日後になる可能性があります。

必要書類が無事に提出できれば、1週間程度で戸籍謄本に結婚した旨が記載されます。日本側の婚姻手続きは、これで完了です。
次に、カンボジア側の婚姻手続きを行いますが、カンボジアは日本国内にある大使館で婚姻手続きが行えません。
そのため、戸籍謄本に結婚した旨が記載されたことを確認した後にカンボジア本国へ渡航して婚姻登録を行います。

③カンボジアへ渡航し婚姻登録をする

カンボジアへ渡航したら、カンボジア外務省法務領事局(Legal & Consular Department, Ministry of Foreign Affairs and International Cooperation、通称:MFAIC)へ必要書類を提出することになります。
カンボジア人側と日本人側でそれぞれ必要書類があり、日本人側の必要書類は、在カンボジア日本国大使館で取得する必要があります。

カンボジアに到着したら、まずは在カンボジア日本国大使館にて日本人側が必要となる以下の書類を取得してください。

日本国大使館で取得する書類

  • 婚姻証明書
  • 警察証明書(※注1)
  • 書類が揃っていることを確認した大使館が発行してくれる大使館レター

※注1 :警察証明書について
この警察証明書は発行まで約2か月かかります。また、カンボジア滞在が5年以上の場合は、日本の警察証明書ではなく、カンボジアの警察証明書を要求される場合があります。

カンボジア外務省法務領事局へ提出が必要な書類は以下の通りです。

カンボジア人側の必要書類

  • 出生証明書
  • 独身証明書
  • カンボジア国立病院にて発行された健康診断書
  • 家族登録書(សៀវភៅគ្រួសារ)
日本人側の必要書類

  • 婚姻許可申請書コピー
  • パスポートの顔写真ページのコピー1通
  • パスポートの査証ページのコピー1通
  • 在カンボジア日本大使館で取得した婚姻証明書
  • カンボジア国立病院にて発行された健康診断書
  • 警察証明書
  • 所得額が記載された勤務先発行の在職証明書とその英語翻訳文
  • 在カンボジア日本大使館発行のレター

これらの書類が揃ったら、カンボジア外務省法務領事局へ提出して審査を受けてください。

審査では、書類の提出だけではなく「面接」も行われます。
書類と面接の内容を加味して審査され、審査が通過すると、提出した書類は全て返却してもらえます。この返却書類はこのあとも使いますので、返却漏れがないか必ず確認しましょう。
カンボジア外務省(MFAIC)での審査の次に、カンボジア内務省(Ministry of Interior 通称:MOI)での審査があります。
外務省から返却された全ての書類をそのまま内務省へ提出します。
内務省でも面接があり、外務省よりもチェックが厳しいです。

カンボジアの国際結婚では、このように「二つの省庁でそれぞれ対面面接をクリアしなければならない」という極めて異例かつ厳格なフローが2026年現在も続いています。万が一、面接での回答に矛盾があったり、怪しまれたりすると手続きがその場でストップしてしまうため、事前の入念な準備が欠かせません。

こちらでも、審査が通過すれば提出した書類は全て返却されるので、返却漏れがないか確認しておきましょう。

外務省と内務省での審査が完了したら、カンボジア人配偶者が在住している行政区で婚姻の許可申請を行います。これが最後の手続きです。
なお、現地の区役所・町役場にあたる自治体単位は、都市部では「サンカット(Sangkat)」、地方部では「コミューン(Commune)」と呼ばれます。

内務省から返却された全ての書類をそのまま該当するサンカット(またはコミューン)に提出してください。
その後、役所の事務所にて10日間「公告」が掲示され、この間に異議申し立てが無ければ、婚姻が許可されます。
許可された後は、2人の証人に立ち会ってもらい、婚姻の儀式が執り行われます。この儀式が終了し、婚姻登録がなされると婚姻証明書が発行されます。

この10日間の公告期間があるため、カンボジア現地での滞在スケジュールは非常にタイトになります。日本先行・カンボジア先行どちらの場合も、日本人が現地に数週間〜1ヶ月近く滞在するか、あるいは複数回に分けて渡航する必要がある点に注意し、仕事の調整を行っておきましょう。

これで、カンボジア側の婚姻手続きは完了です。
発行された婚姻証明書は、日本の入管局での配偶者ビザ申請で提出が必要になるため、大切に保管しておいてください。

④配偶者ビザの申請

結婚後、日本で生活をする場合は、配偶者ビザの取得が必要です。
配偶者ビザは、婚姻届が受理されたからといって、必ず取得できるわけではありません。この点に注意してください。
配偶者ビザは、日本の入管局へ申請を行い、偽装結婚の疑いがないか、夫婦で生活していけるだけの経済力があるかなど、厳格な審査を経て許可された場合に取得できます。
必要書類を揃えて提出すればいいわけではありません。また、配偶者ビザに関する審査は年々厳しくなってきています。
もちろん、自分で申請することも可能ですが、より確実にビザ取得を目指すのであれば、ビザに精通したプロに頼む方が安心でしょう。

配偶者ビザを取得したいと思っている方は、国際業務に専門特化した行政書士法人である第一綜合事務所へぜひご相談ください。
最も安全で確実な配偶者ビザの取得方法をご案内します。

>>配偶者ビザ 申請 はこちら

2.カンボジア人とカンボジア先行で国際結婚をする手続きの流れ

続いてカンボジア先行で国際結婚をする手続きの流れについて紹介します。
先にカンボジア側の婚姻手続きを行い、その後に日本側の婚姻手続きを行うパターンです。
主な流れは以下の通りです。

1. 在カンボジア日本国大使館で必要書類を取得
2. カンボジアの外務省法務領事局にて審査
3. カンボジアの内務省にて審査
4. 配偶者在住の行政区で婚姻許可
5. 日本の市区町村にて報告的婚姻届を提出

まずは、在カンボジア日本国大使館で、以下の書類を取得します。

日本国大使館で取得する書類

  • 独身証明書
  • 警察証明書(※注1)
  • 書類が揃っていることを確認した大使館が発行してくれる大使館レター

※注1:警察証明書について
この警察証明書は発行まで約2か月かかります。また、カンボジア滞在が5年以上の場合は、日本の警察証明書ではなく、カンボジアの警察証明書を要求される場合があります。

日本国大使館で書類が取得できたら、カンボジア外務省法務領事局へ以下の書類を提出して審査を受けます。

カンボジア人側の必要書類

  • 出生証明書
  • 独身証明書
  • カンボジア国立病院にて発行された健康診断書
  • 家族登録書
日本人側の必要書類

  • 婚姻許可申請書コピー
  • パスポートの顔写真ページのコピー1通
  • パスポートの査証ページのコピー1通
  • 在カンボジア日本大使館で取得した独身証明書
  • カンボジア国立病院にて発行された健康診断書
  • 警察証明書
  • 所得額が記載された勤務先発行の在職証明書とその英語翻訳文
  • 在カンボジア日本大使館発行のレター

この後の3~4に関しては「カンボジア人と日本先行で国際結婚をする手続きの流れ」の「③カンボジアへ渡航し婚姻登録をする」と同様です。
そちらを参考にしてください。
ここでは、カンボジア本国での婚姻手続きが完了した後からの手続きについて紹介します。

①日本で報告的婚姻届を提出

カンボジア側での結婚手続きが完了したあとは、日本側で報告的婚姻届の提出を行います。
在カンボジア日本国大使館か、日本の市区町村役場のどちらかに提出してください。
必要書類は以下の通りです。

  • 婚姻届
  • カンボジアで発行された婚姻証明書、その日本語翻訳文
  • カンボジア国のパスポート、その日本語翻訳文
  • 日本人の戸籍全部事項証明書(=戸籍謄本)
    ※2024年3月の法改正により原則提出は不要となりましたが、海外の大使館窓口で手続きを行う場合など、実務上は確認のために提出を求められるケースが多いため、事前に1通用意しておくと確実です。

提出先の役所によって、これら以外の書類も必要になる場合があります。また、1通だけではなく複数必要になる場合もありますので、あらかじめ提出先の役所へ確認しておきましょう。
これらの書類を提出して、受理されれば日本側の婚姻手続きは完了です。

3.カンボジア人との婚姻要件

最後に、カンボジア人と国際結婚をする際に知っておくべき婚姻要件を紹介します。
これらの要件を満たしていない場合、日本での婚姻は認められてもカンボジアでは婚姻を認めてもらえない可能性があります。

①結婚できる年齢

カンボジア人の結婚可能年齢は、法律上は男女ともに18歳以上ですが、外国人との国際結婚の実務(カンボジア内務省や日本大使館の案内)においては、2026年の今なお「男性20歳以上、女性18歳以上」という基準で運用されています。

なお、カンボジア国内向けの法律には「18歳未満であっても妊娠などの特殊な事情があり、裁判所の許可などがあれば例外的に結婚を認める」という規定が存在します。しかし、外国人との国際結婚においては、児童婚や人身売買を防止する観点から、この例外規定は実務上適用されず、18歳未満の婚姻は一律で一切認められません。
そのため、お相手がカンボジア人男性の場合は20歳、女性の場合は18歳の誕生日を迎えているか、実務上の基準を必ず確認してください。

②再婚禁止期間

カンボジアでは、夫の死後・婚姻無効判決・離婚判決が出てから、300日の再婚禁止期間があります。
これは、死別や離婚した後で子どもがいることが発覚した場合に、その子の父親が誰なのかをはっきりとさせるためです。

ちなみに、日本側では2024年4月の民法改正により女性の再婚禁止期間が完全に撤廃されました。しかし、カンボジア人側にはこの300日ルールが適用されるため、「日本法でOKだからすぐ再婚できる」と考えて手続きを進めると、現地の独身証明書が発行されないなどのトラブルに発展します。スケジュールを組む際は必ずカンボジア側の基準を優先してください。

カンボジアの再婚禁止期間は、以下の事実を示すことができれば、300日未満でも再婚が可能です。

  • 子がいない
  • 前夫の子であることが確定している
  • 前夫から異議がない

「子がいない」として再婚を認められて再婚した後、子がいることが発覚した場合は、再婚後の夫が子の父親となります。

③収入制限

日本を含む外国人男性がカンボジア人女性と結婚する場合、男性側に「月収が2,500米ドル以上あること」という制限があります。
為替レートによって変動するため、最新の日本円換算額に注意が必要です。
外国人男性側だけに収入の制限があるのは、カンボジア人女性の人身売買を防止するための措置です。
このため、カンボジア人男性と外国人女性の結婚の場合は、外国人女性に収入の制限はありません。

なお、この人身売買や偽装結婚に対するカンボジア政府の警戒感は、依然非常に強い状態が続いています。法律上の要件を満たしている場合であっても、「年の差が大きく離れている」「交際期間が極端に短い」「出会った経緯に不自然な点がある」といったケースでは、内務省の審査や面接で人身売買・偽装結婚を疑われ、手続きが難航することが珍しくありません。書類を揃えるだけでなく、審査官に対して「婚姻の真実性」を客観的に説明できる準備をしておくことが、カンボジア国際結婚では極めて重要です。

④結婚が無効になる病

カンボジアでは、結婚する当事者のどちらかに精神障害や疾患がある場合、結婚が無効になります。
治療して完治していれば結婚は有効になります。
精神障害・疾患だけではなく、以下の病気についても完治していない場合は結婚することができません。

  • ハンセン病
  • 結核
  • ガン
  • 性病 など

なお、これらの病気も完治していれば、結婚することが可能です。

カンボジアでの手続きでは、日本人側・カンボジア人側ともに「カンボジア国立病院が発行した健康診断書」の提出が厳格に求められます。日本の病院の診断書ではなく、現地指定の国立病院へ赴いて実際に検査を受け、クリアしなければならないというハードルの高さは、カンボジア特有のシビアな実務ルールです。

4.カンボジア人との国際結婚手続きのまとめ

今回は、カンボジア人と国際結婚をする際の手続きの流れや婚姻要件について紹介しました。
国際結婚の件数は年々増えていますが、カンボジア人と日本人との国際結婚についてはまだ件数が多いとは言えません。
そのため、市役所などへ婚姻手続きに関する必要書類について問い合わせても、地域によってはすぐに回答してもらえない可能性があります。

カンボジア人との結婚では、日本にあるカンボジア大使館で婚姻手続きに必要な書類が取得できないこともあり、カンボジア本国へ行く必要があります。
カンボジア本国での婚姻手続きについても、審査を受ける役所が複数あり、面接もあるため、早くて3ヶ月、長いと1年の時間が必要です。

このコラムが、カンボジア人との国際結婚をご検討されている方のご参考になれば幸いです。

国際結婚手続きを行政書士に相談する方はコチラ

この記事の監修者

行政書士法人第一綜合事務所

行政書士 依田 隼弥

・日本行政書士会連合会(登録番号第24081844号)
・神奈川県行政書士会(会員番号第6892号)
山梨県出身。横浜オフィスに所属し,外国人ビザ申請,国際結婚手続き,永住権取得など国際業務を専門としている。

ご相談は無料です。
お気軽にご相談ください。