依田 隼弥

結婚ビザと配偶者ビザの違いとは?国際結婚で取得できるビザの種類と特徴を解説

結婚ビザと配偶者ビザの違いとは?国際結婚で取得できるビザの種類と特徴を解説

当社へお問い合わせいただく中で、「結婚ビザと配偶者ビザの違い」を尋ねられるケースがこれまでに何度かありました。「自分はどのビザを申請すればいいのだろう?」「手続きや条件に違いはどうなっているのだろう?」と疑問に思われる方も少なくありません。
 
そこで、本コラムでは結婚ビザと配偶者ビザについて、取得できるビザの種類や特徴、さらには実務上よくある質問まで、国際業務専門の行政書士の視点から詳しく解説していきます。

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1.結婚ビザと配偶者ビザに違いはある?

これまでに、結婚ビザと配偶者ビザの違いを尋ねられることが何度かありました。
はたして結婚ビザと配偶者ビザに違いはあるのでしょうか。

実は、いずれも国際結婚したことにより取得するビザであり、違いはありません。
もっとも、結婚ビザや配偶者ビザがどのビザを意味するかについては、一方配偶者の方のビザの種類や国籍によって異なります。

例えば、日本人と結婚した場合には、日本人の配偶者等というビザ、永住者と結婚した場合には、永住者の配偶者等というビザという具合に、結婚ビザや配偶者ビザといっても、実際に取得するビザの名称は異なることがわかります。

つまり、結婚ビザや配偶者ビザと言われるものは、国際結婚をすることによって取得するビザの総称であって、具体的なビザの種類は、一方配偶者のビザや国籍により異なるということです。

次の章では、国際結婚の組み合わせと取得できるビザの種類をみていきましょう。

2.結婚することで取得できるビザは意外に多い!?

2026年現在、入管法には大きく分類すると、33種類のビザがあります。
さらに、その中の1つである特定活動ビザでは50種類以上に、定住者ビザも8種類に分類されています。

ここでは、国際結婚をすることによって、取得できるビザをみていきます。

配偶者の属性 取得できるビザ
日本人 「日本人の配偶者等」
「永住者」 「永住者の配偶者等」
「就労ビザ」「留学ビザ※1」 「家族滞在」
「定住者」 「定住者」
「特定活動」 「特定活動※2」

※1 但し、基準省令第1号ハは家族滞在ビザの対象になりません。
※2 但し、特定活動告示3号、4号、7号、18号、19号、23号、24号、30号、31号、38号、41号、45号、47号、52号、54号、57号のいずれかに該当する場合に限ります。

上記の表からもおわかりのとおり、国際結婚をすることで取得することができるビザの種類は多岐に亘ります。

(1)日本人と結婚した場合(日本人の配偶者等)

例えば、一番よく耳にする「配偶者ビザ」は、①の日本人と結婚した場合の「日本人の配偶者等」というビザを指すことが一般的です。 このビザは就労制限がないため、どのような職種であっても日本で働くことができるという特徴があります。 また、将来的に「永住権」を申請する場合、通常の申請より要件が緩和されるというメリットもあります。

永住権申請のハードルについて詳しくは日本人の配偶者・永住者の配偶者ビザから永住権を取得する方法をご参照ください。

(2)外国人同士の結婚(家族滞在など)

外国人同士の結婚の場合、その相手が日本でどのような在留資格を持っているかによって、申請すべきビザや特徴が大きく異なります。

②の「永住者」の外国人と結婚した場合は「永住者の配偶者等」というビザを申請します。このビザは日本人と結婚した場合と同様に就労制限がないため、仕事の内容や労働時間に制限を受けずに日本に在留できるという大きなメリットがあります。

「永住者の配偶者等」について詳しくは永住者の配偶者ビザの条件と必要書類を解説!更新手続きの注意点まで網羅をご参照ください。

③「就労ビザ」や「留学ビザ」の外国人同士の結婚である場合、原則「家族滞在」というビザを申請することになりますが、このビザは原則就労することができません。 もし、日本でアルバイトなどをする場合は、事前に「資格外活動許可」を取得する必要があり、労働時間も「週28時間以内」に制限されるため、注意が必要です。 なお、すでに双方が日本で就労ビザ等を持って働いているようなケースであれば、現在の就労ビザをそのまま維持するケースもあります。

また、上記表の注記※1のとおり、配偶者が留学ビザであっても、基準省令第1号ハに該当する留学ビザは、家族滞在ビザの対象になりません。ちなみに、基準省令第1号ハの代表は、日本語学校に通学する留学生などです。

「家族滞在」について詳しくは家族滞在ビザとは?要件,メリット,ビザ取得までの流れを解説をご参照ください。

④の「定住者」の外国人と結婚した場合も、原則として「定住者」ビザ(いわゆる定住者の配偶者としての変更申請など)を申請することになります。こちらも①や②と同様に仕事の内容や労働時間に制限を受けずに日本に在留できます。

⑤の「特定活動」の外国人と結婚した場合は、相手の「特定活動」がどのような内容(号数)かによって、配偶者が取得できるビザや条件が非常に細かく分かれます。活動内容(ワーキングホリデーやインターンシップ、特定の就労など)によっては、配偶者側に家族呼び寄せ(帯同)の資格が法律上認められていないケースが多々あります。よって、相手が特定活動の場合は、事前に「家族を呼べる類型なのかどうか」を慎重に確認する必要があります。2026年6月時点では注記※2に指定されている号数に該当する場合に限り、その配偶者(または子)として日本に帯同することが認められています。

「特定活動」について詳しくは在留資格「特定活動」とは?種類一覧から要件・最新動向まで行政書士が徹底解説!をご参照ください。

以上のように、外国人同士の結婚では、「家族滞在」や「定住者」など柔軟性の高い「結婚ビザ」がポイントとなります。しかし、相手が持っているビザの資格によっては、結婚しても家族を日本に呼ぶことが法律上認められないという例外が存在します。

具体的には、配偶者が外交ビザ(この場合は外交ビザを取得できます)、公用ビザ(この場合には公用ビザを取得できます)、特定技能1号、技能実習ビザ、短期滞在ビザ、研修ビザの場合には、家族滞在ビザは取得できません。

上記の表に関連して補足をすると、同性婚のパートナーであっても取得できるビザはあります。

その内容については、同性婚のパートナーはビザを取得できる?で詳しく記載していますので、ぜひご参考にしてください。

3.国際結婚後のビザ申請における重要な審査ポイント

国際結婚に伴う「結婚ビザ」「配偶者ビザ」は、どの種類であっても「法律上の婚姻手続きが完了していること」が前提となりますが、役所に婚姻届を受理されたからといって、自動的にビザが発給されるわけではありません。入管の審査では、どの在留資格を申請する場合であっても、主に以下の2つのポイントが厳しくチェックされます。

  • 婚姻の真実性(偽装結婚の疑いがないか)
    単に書類上の結婚手続きを終えているかだけでなく、本当に夫婦として共同生活を営む実態(実質的な婚姻関係)があるかどうかが厳しく審査されます。お二人の出会いの経緯や交際中の写真、通話履歴などの提出を求められるケースは、配偶者ビザだけでなく家族滞在ビザなどの申請においても共通しています。
  • 生計維持能力(日本で安定して暮らせるか)
    日本で生活していくために、世帯全体として安定した収入や資産があるかどうかが確認されます。日本人や永住者と結婚した場合は「夫婦としての経済基盤」があることを、課税証明書や納税証明書などを通じて証明する必要があります。

このような注意点については、詳しくは配偶者ビザを申請するには?必要書類や注意点について解説内でも解説しておりますので是非ご参照ください。

4.結婚ビザと配偶者ビザに関する Q&A

国際結婚や外国人同士の結婚におけるビザ申請に関する疑問にお答えします。

Q1:事実婚(内縁関係)でも「家族滞在」や「配偶者ビザ」は取得できますか?


A1:原則として、日本の入管法における「配偶者」とは、法律上の有効な婚姻関係が成立している人を指します。

そのため、事実婚(内縁関係)の場合は「日本人の配偶者等」や「家族滞在」のビザを取得することはできません。入管の手続きにおいては、お二人がどれだけ長く一緒に暮らしていたとしても、戸籍上またはお相手の国の法律上で正式に婚姻届が受理されていることが絶対の条件となります。

Q2:家族滞在ビザで「週28時間」の就労制限を超えて働いてしまった場合、次の更新はどうなりますか?


A2:資格外活動許可の制限時間を超えて働いた場合(オーバーワーク)、次回のビザ更新(在留期間更新許可申請)が「不許可」になるリスクが高くなります。

入管は課税証明書や給与明細等を通じて収入と労働時間を厳しくチェックしています。万が一制限時間を超過してしまった場合は、不法就労として本人だけでなく雇っている企業側も処罰の対象になる可能性があるため、日頃から労働時間の管理には細心の注意を払う必要があります。

Q3:交際期間が非常に短い「スピード婚」の場合、婚姻の真実性はどのように証明すればいいですか?


A3:出会いから結婚までの期間が短いケースでは、入管から「偽装結婚ではないか」という疑念を持たれやすいため、手厚い立証資料の提出が必要です。

具体的には、お二人が頻繁に連絡を取り合っていたことを示す通話履歴やチャットのスクリーンショット、双方の親族への挨拶時の写真、結婚に至った詳細な経緯を記載した「質問書(理由書)」などを準備し、客観的な事実を積み重ねて「真面目な恋愛結婚であること」を証明していくことになります。

Q4:妻(または夫)を「家族滞在」で呼び寄せたいのですが、扶養者側の収入はいくら以上必要ですか?


A4:入管法上、「いくら以上」という明確な金額の基準は公表されていませんが、一般的には「日本で夫婦(または家族)が住民税非課税にならずに、自立して安定した生活を送れるレベル」の収入が目安となります。

地域や家賃の額によっても異なりますが、目安として年収300万円前後がひとつの基準となることが多いです。ただし、現在の年収が低くても、十分な資産がある場合や、将来的に収入が上がる見込みがあることを合理的に説明できれば、許可される可能性はあります。

Q5:就労ビザで働く外国人同士が結婚した場合、必ず「家族滞在」に変更しなければなりませんか?


A5:いいえ、必ずしもビザを変更する必要はありません。双方が現在、有効な就労ビザ(技術・人文知識・国際業務など)を持って日本で働いているのであれば、結婚後もそれぞれの就労ビザをそのまま維持する選択もあります。

それぞれの状況や将来のライフプランによって最適な選択が異なります。結婚を機にビザをどうすべきかは、直近の働きやすさだけでなく、長期的な在留設計を踏まえて慎重に判断することをおすすめします。

5.まとめ:国際結婚後のビザ相談は行政書士法人第一綜合事務所へ

本コラムでは、結婚ビザと配偶者ビザの違いを切り口とし、国際結婚の意味、国際結婚することで取得できるビザの種類をみてきました。

意外に種類が多いということに驚かれたのではないでしょうか。
配偶者の属性によって、取得できるビザが異なることをご理解いただけたかと思います。

では、国際結婚をしたら必ずビザを取得できるかといえば、そういう訳ではありません。

形式的に取得できるビザがあっても、例えば交際の実体に嫌疑を抱かれる内容であったり、また婚姻生活を安定的・継続的に維持するだけの経済基盤を有しない場合には、不許可になってしまう場合もあります。

そのため、ご自身でビザ申請をお考えの方については、国際結婚をすることで取得できるビザの要件を事前に確認してから、入管へビザ申請するようにしてください。

行政書士法人第一綜合事務所では、国際結婚をされた方のビザ申請に関するご相談を無料でお受けしております。
日本語だけではなく、英語、中国語、ベトナム語にも対応していますので、母語でのご相談も可能です。
上記該当言語での対応をご希望の場合には、お問い合わせの際にその旨お申し出ください。

この記事の監修者

行政書士法人第一綜合事務所

行政書士 依田 隼弥

・日本行政書士会連合会(登録番号第24081844号)
・神奈川県行政書士会(会員番号第6892号)
山梨県出身。横浜オフィスに所属し,外国人ビザ申請,国際結婚手続き,永住権取得など国際業務を専門としている。

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