結婚ビザコラム

COLUMN

技能実習生と結婚して日本で一緒に暮らしたい!配偶者ビザ取得の手続きと必要書類

1.技能実習制度と新制度「育成就労」 ここ最近、新聞やテレビの報道等から「技能実習の廃止」や「育成就労」という言葉を耳にする機会が増えているのではないでしょうか。 長年続いていた技能実習制度は発展的に解消され、2027年4月に新たに「育成就労制度」へと移行することが決定しています。これに伴い、在留資格の「目的」そのものが大転換を迎えています。 従来の技能実習制度: 日本で学んだ技術を母国に持ち帰る「国際協力・人づくり」が目的。そのため、計画修了後は「母国へ帰国すること」が前提とされていました。 これからの育成就労制度: 日本国内の人手不足を解消するための「人材確保・育成」が目的。特定技能へのステップアップを含め、「日本に長く残って働くこと」を想定した制度へと変わります。 育成就労制度については、育成就労の外部監査人は誰に頼む?外部役員廃止の注意点と第一綜合グループを選ぶメリットもご参照ください。 配偶者ビザの手続きにおいて重要な点は、2026年現行制度化の技能実習生であっても、これから入国する育成就労生であっても、「本来予定されていた就労・研修計画を途中で止めて、結婚生活へ舵を切る」という点です。 入管の審査官は、この「計画の変更」が正当なものであるか、あるいは単に日本に残留するための「偽装結婚」ではないかを、新旧どちらの制度下であっても非常に厳格にチェックしています。 2.増加する技能実習生との国際結婚 2025年末に公表された出入国在留管理庁の統計によると、日本には技能実習生が45万6,618人いると示されており、過去最高水準に達しています。 参照:出入国在留管理庁【令和7年末公表資料】 技能実習ビザは、中長期在留者の中で「永住者」「技術・人文知識・国際業務」「留学」に次ぐ、トップクラスの在留人数(第4位)を誇る在留資格です。 かつて半数以上を占めていたベトナム(41.6%)が落ち着きを見せる一方で、インドネシア(27.4%)が急増しており、フィリピン、ミャンマーがそれに続いています。 参照:出入国在留管理庁 本コラムをご覧いただいている方の中にも、職場や取引先で外国人の方々を見かけたり接する機会は少なからずあるのではないでしょうか。 アジア圏からの人材流入が加速し、職場や地域での出会いが増える中、実習生との国際結婚の手続き件数は今後さらに右肩上がりで増えていくでしょう。新制度「育成就労」に変わっても、この大きなトレンドが変わることはありません。 一方で、制度の変わり目だからこそ、入管側も「本当に実体のある真実の婚姻か」への警戒を強めています。次の章では、具体的なビザ変更のハードルについて見ていきましょう。 3.技能実習生と結婚しても配偶者ビザに変更できない? 前述の通り、これまでの技能実習制度は「帰国が前提」だったため、入管は他のビザへの変更を原則として想定していませんでした。新制度「育成就労」では、一定の要件下での「転籍(転職)」は認められるようになりますが、「結婚による配偶者ビザへの変更」が特別扱いされるわけではないという点には厳重な注意が必要です。 例えば、技能実習生もしくはその配偶者が妊娠している場合や、すでに子どもを出産している場合など、夫婦(家族)の実体を総合的に判断し、法務大臣の裁量のもと技能実習ビザから配偶者ビザへの在留資格変更許可が認められる可能性があるのです。この人道的な救済措置は、今後新制度へ変わっても変わることはないでしょう。 では、2026年現行の技能実習制度では、どのようなケースでビザ変更が認められているのか、場面分けをして具体的に見ていきましょう。 【技能実習中の場合】 技能実習中の場合には、先に説明した監理団体や実習実施機関において、母国での技術移転が難しくなることを背景に、在留資格変更許可申請に際して、技能実習ビザから配偶者ビザに変更することについて同意書を求められるのが一般的です。 場合によっては、海外の送出機関からの同意書を求められることもあります。 なぜ、技能実習計画がとん挫してしまったのか、その点も配偶者ビザの審査では重要な項目です。 仮に、監理団体、実習実施機関、送出機関から、同意書が取得できない場合には、技能実習から配偶者ビザに変更することは難しくなるでしょう。 また、配偶者ビザへ変更することについて、合理的な理由がない場合には、配偶者ビザを取得することは容易ではありません。 そのため、監理団体、実習実施機関、送出機関から在留資格変更にかかる承諾書が取得できるか、また配偶者ビザへ変更することについて合理的な理由が存在するかが許可への分かれ道になるとお考えください。 そして、配偶者ビザの審査では夫婦が同居していることも求められているため、技能実習先の寮などで生活している場合、いつから一緒に住むことができるのかも重要なポイントになってきます。 【技能実習修了後の場合】 技能実習計画を修了している場合は、配偶者ビザの入管審査では修了証が求められます。 修了証が発行されない場合には、これに代わる代替書面を提出します。 技能実習を良好に修了していないと入管に判断されれば、技能実習ビザから配偶者ビザへの変更は難しくなります。 また、技能実習修了後であっても、監理団体、実習実施機関、送出機関から在留資格変更にかかる承諾書を取得できる場合には、配偶者ビザの申請に添付することをお勧めします。 このように、国際結婚した場合であっても、技能実習生の配偶者ビザ申請には、通常とは異なる書面が求められています。…

【2026年最新版】ベトナム人との国際結婚手続きの必要書類・費用・期間を行政書士が徹底解説

1.国際結婚とは? 国際結婚とは、その人が国籍を持つ国(日本人であれば日本)以外の国(本コラムではベトナム)での結婚手続きが発生する結婚のことを言います。 ざっくり言うと、日本で日本人同士がする結婚以外の婚姻はすべて国際結婚なのです。 日本とベトナムのように国籍が違う人同士の結婚のほか、例えば日本人同士が海外で結婚すること、外国人同士が日本で結婚することも国際結婚の一類型です。 ①国際結婚の成立のために必要なこと 国際結婚の成立には、原則として各当事者の国籍国の法律で結婚が有効であることが必要です。 結婚に関する法律(婚姻条件)は世界各国で異なります。 ですから、ある国の法律で結婚が認められても、別の国の法律では認められないということも起こってしまうのです。 日本人同士が日本で結婚する時には、日本の役所は双方の戸籍に記載された情報から「双方が日本の法律上婚姻要件を満たしているか否か?」が判断できます。 しかし、例えば日本人とベトナム人が結婚する場合、あるいは日本で外国人同士が結婚手続きをする場合など、日本の役所では「あなたは婚姻要件を満たしていますか?」と確認をすることができません。 外国籍の方の婚姻届が提出されるたびに、日本の役所がその国の法律を調べて婚姻条件を満たしているか審査するなどということは現実的ではありません。 そこで必要になるのが、その国の政府が発効する「婚姻要件具備証明書」です。 簡単に言えば、ある国の法的な婚姻条件に照らし「この人は結婚できますよ」(婚姻できる年齢に達していること、独身であることなど)と証明する書類です。 発行国によっては「独身証明書」などと言われることもありますが、独身であるだけでなく、国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていることが明らかになるものであれば、基本的には婚姻要件具備証明書と考えていただいて差支えありません。 国際結婚手続きのポイントは、結婚手続きをする国が自分の国籍国ではない方が、この婚姻要件具備証明書を取得しなければならないことです。 もっとも、婚姻要件具備証明書が発行されない国もありますので、国際結婚手続きを進める場合、婚姻要件具備証明書の発行可否は事前に確認することをおすすめいたします。 もう一点、日本人同士が日本で結婚する場合は、婚姻届が受理されれば自動的に双方の戸籍に「二人は結婚した」ということが記載され、法的に婚姻関係にあることが証明されます。 しかし国際結婚の場合、日本で結婚が法的に成立したとしても、日本の役所がそのことを外国の役所に通知して法的に処理されることはありません。逆も同じです。 ですから、特に国際結婚を考えている二人の片方もしくは両方が、結婚後は手続きをした国以外で暮らすことを考えているのであれば、ある国で国際結婚手続きをしたら、もう一方の国に「私達は結婚しました」と届け出る必要があります。 これが国際結婚手続きのもう一つのポイントです。 ②日本、ベトナム 婚姻要件の違い では、ベトナム人の婚姻要件はどうなっているのか? ベトナムの婚姻要件は 婚姻可能な年齢=男性満20歳以上、女性が満18歳以上。年齢によって父母の同意が求められることはありません 結婚の目的が問われます。ベトナム出国などを目的とした偽装結婚は禁止です 同性婚・既婚者との結婚はできません 再婚禁止期間の定めはありません などです。 日本と異なる点もありますので、参考にしてください。 例えば、以前の日本の法律では女性にのみ「再婚禁止期間(100日間)」がありましたが、2024年4月1日施行の民法改正により、この再婚禁止期間は完全に廃止されました。 そのため、現在は前婚の解消・取消の日から100日を経過していなくても再婚が可能であり、以前必要だった「妊娠していないことを証する医師の診断書」の提出も不要となっています。 また、実務上の注意点として、「20歳以上の年齢差がある年の差婚」や「双方または一方に複数回の離婚歴がある場合」などは、後の配偶者ビザ審査において「婚姻の真正性(偽装結婚ではないこと)」が厳しく問われる傾向にあります。手続き自体は可能ですが、後の生活を見据え、交際経緯を証明する準備を並行して行うことが重要です。 ③日本、ベトナム どちらを先にするべき? 日本人とベトナム人が結婚を考えている場合、日本とベトナム、どちらの国で先に手続きをすればよいのか? それが国際結婚を考えるお二人の関心事でしょう。 基本的には、 配偶者となるベトナム人がすでに日本で生活している場合 先に日本→ベトナムで手続き…

配偶者ビザの必要収入・年収目安は?生計要件を行政書士が解説

1.配偶者ビザ申請で収入が審査される理由 入管が配偶者ビザで審査する項目は、 婚姻の実体 夫婦生活を送るための収入の有無 の大きく2つに分けられると言われています。 ①については、夫婦が結婚するまでの経緯や、結婚後の生活などを総合的に判断し、夫婦として同居し助け合いながら生活しているかの信憑性が判断されます。 詳しくは、配偶者ビザの不許可理由と対応策で解説していますので、ご覧ください。 ②については、ご夫婦の収入や資産状況を総合的に判断し、申請人(外国人配偶者)が日本に上陸後、公共の負担になることなく生活できるかということが判断されます。 これは、入管法第5条で定められている上陸拒否事由のうち、 三 貧困者、放浪者等で生活上国又は地方公共団体の負担となるおそれのある者 という条文が法的根拠になっています。 なぜ、このような点が審査されるのかというと、配偶者ビザは日本に長期間在留するためのビザですので、その間、日本で生活するだけの収入(経済力)があるかを確認する必要があるからです。 そのため、「年収○○万円以上じゃないとダメ」という明確な基準はなく、各家庭の生活状況に即して判断されます。 なお、一概に収入と言っても給与や年金、不動産収入など種類があります。 2.配偶者ビザ申請で収入として見てもらえるものは? それでは、入管が配偶者ビザの審査において、収入として見てくれるものを詳しく見てみましょう。 ① 給与収入・営業所得 給与は、皆さんが思うように勤務先から支給されるお給料のことです。 会社役員の方であれば役員報酬を指しますし、個人事業主の方であれば確定申告書第一表の営業等利益を指します。 こちらを証明するには、一般的に直近年度の所得課税証明書を使用しますが、時期によっては源泉徴収票などで代用することもあります。なお、個人事業主の方の場合、税制改正によって従来の確定申告書Aが廃止されているため、2026年現在は一本化されたA・Bの区分表記のない「確定申告書第一表」の控え等を使用します。 この給与収入について重要なことは、外国の給与であっても、外国で申告し、証明書等が取得できるのであれば入管は配偶者ビザの審査において収入として見てくれるということです。 例えば、外国にある会社でのリモートワークにより給与が支給されるのであれば、配偶者ビザで必要となる収入の基準をクリアする可能性は十分あります。 ② 預金 預金についても、日本だけに限定はされずに、海外でお持ちのものも含まれます。 預金を証明するためには、ひと昔前であれば銀行から残高証明書などを発行してもらっていました。 しかし、2026年現在はネットバンク等の普及に伴い、紙の残高証明書だけでなく、金融機関のマイページ等から公式にダウンロードしたPDF形式の「取引明細(e-Statement)」を提出する手法が主流となっています。ただし、入管実務においては、画像の偽造や一時的な見せ金を防ぐため、単なる「ある一時点の残高」だけでは資産として認められないケースが増えています。確実に証明するためには、過去数ヶ月〜1年分の取引履歴や、口座名義とこれまでの明確な資金の動きが客観的に確認できる公式な出力をセットで提出することが求められます。 ③ その他:年金・不動産・有価証券など ①②の他には、年金や不動産収入のような定期的な収入や持ち家や有価証券などの資産も、生計基盤を形成する1つの要素として考慮してもらえます。 しかし、資産の中でも株式などの証券は上がり下がりがあるものなので、不安定な資産ということで、給与収入や預金に比べると評価はされません。 このように、入管は様々なものを収入として見てくれますが、実は審査するうえで、優先順位が存在します。 その優先順位は、ここまでご紹介した順番(①→②→③)になります。 なぜ、このような優先順位が存在するかというと、中長期的に日本で生活するためには、預金などのように目減りするものではなく、定期的な収入がある方が良いと考えられているからです。 そのため、配偶者ビザの取得を考えられる方は、まずは、給与を始めとする定期的な収入があるか確認することをお勧めします。 3.配偶者ビザ申請における収入の判断方法…

【2026年最新】台湾人との国際結婚手続きと必要書類、結婚後の良民証も解説!

1.国際結婚手続きの用語解説 この段落では、国際結婚手続きにおける専門用語を解説していきます。 以降の内容をご参照いただくにあたり必要となる前提知識ですので、ご一読の上、次の段落に進んでください。 ①国際結婚の成立とは? 国際結婚が有効に成立するには、双方の国籍国(本コラムでいうと日本と台湾)において、法的に有効な婚姻関係にあることが原則必要とされています。 日本で先に結婚手続きを行うことを日本方式と言い、台湾で先に結婚手続きを行うことを台湾方式と言います。 ②婚姻要件具備証明書とは? 外国人が、日本方式の婚姻を有効に成立させるためには、国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件(婚姻できる年齢に達していること、独身であることなど)を満たしていることが必要とされています。 もっとも、日本の市区町村役場で、外国人配偶者の国籍国の法律を全て審査することは現実的ではありません。 そこで、国際結婚実務においては、相手国が発給した婚姻要件具備証明書を提出することによって、国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていると判断することにしているのです。発行国によっては、独身証明書などと言われることがありますが、独身であることのみならず、国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていることが明らかになるものであれば、基本的には婚姻要件具備証明書と考えていただいて差支えありません。 なお、婚姻要件具備証明書を発行する条件や必要書類は、国によって異なり、そもそも婚姻要件具備証明書を発行していない国もあります。婚姻要件具備証明書を発行していない国の方との国際結婚においては、他の書類によって外国人配偶者が国籍国の法律に従って婚姻の成立要件を満たしていることを疎明することになります。比較的事例の多い国であれば、先例に従って判断されるのが戸籍実務ですが、事例の少ない国や先例のない国になると、相手国の法律から調査しなければならないこともあり、そうなると婚姻届を提出してから正式に受理されるまでに時間を要することもあります。 2.台湾人との国際結婚手続きで注意すること 台湾人と日本人との国際結婚手続きの際、ご注意いただきたい事項を下記に記載いたします。 ①婚姻要件具備証明書について 台湾は婚姻要件具備証明書が発行される国です。 日本方式で婚姻する際には、市区町村役場に婚姻要件具備証明書を原則提出しなければなりません。 ②台湾の領事事務について 1972年に日本国政府が中華人民共和国との国交を成立させましたが、台湾(中華民国)とは国としての国交を行っていないため、日本に台湾の大使館や領事館は存在しません。 代わりに領事事務を行う民間機関として、東京に「台北駐日経済文化代表処」が、大阪や横浜などに「弁事処(支部)」が設置されており、婚姻に際して在日台湾人の婚姻要件具備証明書の発行手続きを行っています。 また同様に、台湾に日本の大使館や領事館も存在せず、「日本台湾交流協会」がその実務を担っています。 ここで複雑なのが、「申請人の住民票の所在地によって、利用できる窓口が分かれている」という点です。 例えば、静岡県在留の方が「東京の代表処のほうが近いから」と足を運んでも、「管轄は横浜の弁事処です」とその場で門前払いされてしまいます。事前の管轄確認を怠ると、書類集めの段階で大きなタイムロスになるため注意が必要です。以下の管轄表を必ず事前にご確認ください。 拠点 所在地 管轄都道府県 台北駐日経済文化代表処 東京都港区 東京都、青森県岩手県宮城県秋田県福島県茨城県

【2026年最新】ウクライナ人との国際結婚の手続きと必要書類を行政書士が解説

1.国際結婚手続きの用語解説 この段落では、国際結婚手続きにおける専門用語を解説していきます。 以降の内容をご参照いただくにあたり必要となる前提知識ですので、ご一読の上、次の段落に進んでください。 ①国際結婚の成立とは? 国際結婚が有効に成立するには、双方の国籍国(本コラムでいうと日本とウクライナ)において、法的に有効な婚姻関係にあることが原則必要とされています。 日本で先に結婚手続きを行うことを日本方式と言い、ウクライナで先に結婚手続きを行うことをウクライナ方式と言います。 なお、どちらの方式を選んでも、最終的には日本とウクライナの両方の国に届出を行う必要があります。 先に手続きをして婚姻を成立させる方を「創設的届出」、その後にもう一方の国へ報告する手続きを「報告的届出」と呼び、この二つの手続きが両方完了して初めて、双方の国で正式な夫婦となるのです。 ②婚姻要件具備証明書とは? 外国人が、日本方式の婚姻を有効に成立させるためには、国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件(婚姻できる年齢に達していること、独身であることなど)を満たしていることが必要とされています。 もっとも、日本の市区町村役場で、外国人配偶者の国籍国の法律を全て審査することは現実的ではありません。 そこで、国際結婚においては、相手国が発給した婚姻要件具備証明書を提出することによって、国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていると判断することにしているのです。 なお、発行国によっては、独身証明書などと言われることがありますが、独身であることのみならず、国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていることが明らかになるものであれば、基本的には婚姻要件具備証明書と考えていただいて差支えありません。 2.ウクライナ人との国際結婚手続きで注意すること ウクライナ人と日本人との国際結婚手続きの際、ご注意いただきたい事項を下記に記載いたします。 ①「独身宣告書」について ウクライナでは、一般的な「婚姻要件具備証明書」という名称の書類は発行されません。 その代わりに、在日ウクライナ大使館に婚姻当事者(ウクライナ人本人)が出頭し、「独身宣告書」と呼ばれる書類を取得することになります。 この独身宣告書が、日本の市区町村役場において「婚姻要件具備証明書」と同等の書類として扱われます。 取得にあたってはウクライナ人配偶者の来日と大使館への出頭が必要となるため、事前にスケジュールを組んでおく必要があります。 ②婚姻可能な年齢について 婚姻可能年齢は、日本・ウクライナ双方とも男女ともに18歳以上となっています。 16歳以上の未成年者が婚姻することも可能ですが、その場合は裁判所の許可が必要になります。 ③再婚禁止期間について ウクライナの家族法には、再婚禁止期間は定められていません。 日本でも、2024年4月の法改正により、再婚禁止期間の制限なく婚姻届を提出できます。 よって男女ともに、離婚後いつでも制限なく婚姻届を提出することが可能です。 ④健康状態の相互報告義務について ウクライナ家族法には、「婚約者同士はお互いの健康状態を事前に報告し合わなければならない」という、日本の民法にはない非常にユニークな義務が定められています。 これは単なるマナーや努力義務ではなく、重大な疾患(精神疾患や遺伝性疾患、感染症など)を意図的に隠して結婚した場合、のちに婚姻の無効や取り消しを請求される法的な根拠となり得るほどの厳格なルールです。 日本で先に手続きを行う「日本方式」の場合、日本の市区町村役場から健康診断書などの提出を求められることは原則としてありません。 しかし、ウクライナ特有の重要な法律であることは間違いありませんので、お二人が安心して新しい生活をスタートさせるためにも、事前にお互いの健康状態について誠実に共有し、理解を深めておくことが大切です。 ⑤結婚後の「苗字(姓)」の選択肢について 日本の法律では夫婦同姓が義務付けられていますが、ウクライナの家族法では結婚後の苗字の選択肢が非常に幅広いです。 具体的には、「夫婦同姓(どちらかの姓に合わせる)」「夫婦別姓(お互いに元の姓のまま)」に加えて、お互いの苗字をハイフン等で繋ぐ「結合姓(ダブルネーム)」を選択することも可能です。 ただし、ウクライナ側で結合姓等を選択した場合、日本の戸籍(日本人側)の氏の変更手続きや、ウクライナ人のパスポート更新手続きが少々複雑になる実務上の注意点があります。 どのような名前で暮らしていくか、事前によく話し合っておく必要があります。 3.先に日本で国際結婚手続きをする場合【日本方式(推奨)】 本題の国際結婚手続きについて解説していきます。 ここからは、日本人とウクライナ人が日本方式で婚姻をおこなう場合の必要書類を記載します。…

【2026年最新情勢】ロシア人との国際結婚手続き・必要書類を行政書士が解説

1.国際結婚手続きの用語解説 この段落では、国際結婚手続きにおける専門用語を解説していきます。 以降の内容をご参照いただくにあたり必要となる前提知識ですので、ご一読の上、次の段落に進んでください。 ①国際結婚の成立とは? 国際結婚が有効に成立するには、双方の国籍国(本コラムでいうと日本とロシア)において、法的に有効な婚姻関係にあることが原則必要とされています。 日本で先に結婚手続きを行うことを日本方式と言い、ロシアで先に結婚手続きを行うことをロシア方式と言います。 ②婚姻要件具備証明書とは? 外国人が、日本方式の婚姻を有効に成立させるためには、国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件(婚姻できる年齢に達していること、独身であることなど)を満たしていることが必要とされています。 もっとも、日本の市区町村役場で、外国人配偶者の国籍国の法律を全て審査することは現実的ではありません。 そこで、国際結婚においては、相手国が発給した婚姻要件具備証明書を提出することによって、国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていると判断することにしているのです。 なお、発行国によっては、独身証明書などと言われることがありますが、独身であることのみならず、国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていることが明らかになるものであれば、基本的には婚姻要件具備証明書と考えていただいて差支えありません。 2.ロシア人との国際結婚手続きで注意すること ロシア人と日本人との国際結婚手続きの際、ご注意いただきたい事項を下記に記載いたします。 ①適用法について ロシアは連邦制を採用しておりますが、婚姻に関する事項は、政府が定める家族法に従うことになっています。もっとも、一部の婚姻要件については、地方自治体の立法により特別条項を設けることができるとされているため、ロシア方式に従った婚姻手続きを行う場合は、婚姻挙行地になる自治体の制度にも注意を払う必要があります。 たとえば、一部の自治体(モスクワ州の14歳など)では妊娠等の特別事情による婚姻年齢のさらなる引き下げを独自に認めているケースがあるほか、実務上も「ZAGS(ЗАГС)」と呼ばれるロシアの戸籍登録機関(役所)ならどこの窓口でも国際結婚ができるわけではなく、外国人の手続きに対応している「特定の指定されたZAGS」でしか受け付けないというローカルルールを設けている都市もあるため、事前の確認が必須です。 ②婚姻要件具備証明書について ロシアは婚姻要件具備証明書が発行される国です。日本方式で婚姻する場合は、在日ロシア大使館に婚姻両当事者が出頭して婚姻要件具備証明書を取得することになるため、ロシア人配偶者の来日が必要になります。 ③婚姻可能な年齢について ロシア人の婚姻可能な年齢は、男女ともに18歳以上と法定されています。 なお、婚姻締結地の立法によって、女子の妊娠など特別事情がある場合は婚姻を許可することができるとされている場合もあります。 ④再婚禁止期間について ロシアの家族法には、再婚禁止期間は定められていません。また、日本側でも民法改正(2024年4月1日施行)により、これまで女性に課されていた「100日間の再婚禁止期間」が完全に廃止されました。これにより、2026年現在は日ロ双方の法律において再婚禁止期間はなくなっており、お互いに前婚の離婚さえ正式に成立していれば、いつでもすぐに再婚手続きを進めることが可能です。 ⑤国内・国外パスポートの違いと「20歳・45歳更新」ルールについて ロシアには、海外渡航用の「国外パスポート(Заграничный паспорт)」とは別に、国内の身分証明書である「国内パスポート(Внутренний паспорт)」が存在し、結婚手続きではこの両方が必要になります。 注意すべきは、この国内パスポートには「20歳と45歳になったタイミングで必ず更新(再発行)しなければ失効する」という法律がある点です。 もし更新を忘れて失効していると、在日ロシア大使館での婚姻要件具備証明書の発行をはじめ、すべての手続きがストップしてしまいます。パートナーの年齢がこの節目に近い場合は、パスポートが今も有効な状態であるかを必ず最初に確認してください。 ⑥ 結婚後の「苗字(改姓)」について ロシアの法律では、結婚時に「同姓(相手の苗字にする)」「別姓(そのまま)」「結合姓(双方の苗字を合わせる)」を自由に選べます。しかし、日本方式で結婚する場合、「在日ロシア大使館・領事館では、結婚にともなう苗字の変更手続きを一切受け付けてくれない」という実態があります。 もしロシア人側が日本人の苗字に合わせたい場合、ロシア本国のZAGSまで本人が出向いて改姓手続きを行う必要があります。さらに、苗字が変わると「国内パスポート」「国外パスポート」「日本の在留カード」をすべてゼロから作り直さなければなりません。 そのため実務上は、「まずは夫婦別姓のままで婚姻手続きを完了させ、日本での生活(配偶者ビザ取得)が落ち着いてから、将来的に改姓を検討する」のが最も安全です。 3.国際結婚手続きにおける必要書類(日本方式) 本題の国際結婚手続きについて解説していきます。 ここからは、日本人とロシア人が日本方式で婚姻をおこなう場合の必要書類を記載します。 なお、提出先の市区町村役場によって若干の相違があるため、事前に役所照会することをお勧めいたします。 ①日本の市区町村役場において必要となる書類 <日本人の方にご準備いただく書類>…

【2026年最新】フランス人との国際結婚の手続きと必要書類を行政書士が解説

1.国際結婚手続きの用語解説 この段階では、国際結婚手続きにおける専門用語を解説していきます。 以降の内容をご参照いただくにあたり必要となる前提知識ですので、ご一読の上、次の項目に進んでください。 ①国際結婚の成立とは? 国際結婚が有効に成立するには、双方の国籍国(本コラムでいうと日本とフランス)において、法的に有効な婚姻関係にあることが原則必要とされています。 日本で先に結婚手続きを行うことを日本方式と言い、フランスで先に結婚手続きを行うことをフランス方式と言います。 どちらの方式を選んでも、最終的には日本とフランスの両方の国に届出を行う必要があります。先に手続きをして婚姻を成立させる方を「創設的届出」、その後にもう一方の国へ報告する手続きを「報告的届出」と呼び、この二つの手続きが両方完了して初めて、双方の国で正式な夫婦となるのです。 ②婚姻要件具備証明書とは? 外国人が、日本方式の婚姻を有効に成立させるためには、国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件(婚姻できる年齢に達していること、独身であることなど)を満たしていることが必要とされています。 もっとも、日本の市区町村役場で、外国人配偶者の国籍国の法律を全て審査することは現実的ではありません。 そこで、国際結婚においては、相手国が発給した婚姻要件具備証明書を提出することによって、国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていると判断することにしているのです。 なお、発行国によっては、独身証明書などと言われることがありますが、独身であることのみならず、国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていることが明らかになるものであれば、基本的には婚姻要件具備証明書と考えていただいて差支えありません。 ③アポスティーユとは? 国際結婚の手続きを進める上で、非常によく登場するのが「アポスティーユ」という言葉です。 アポスティーユとは、日本の市区町村役場で発行された戸籍謄本などの公文書に対して、「この書類は日本政府が認めた本物の公文書である」ということを外務省が国際的に証明する外務省の公印確認手続きのことです。 日本が締結している「ハーグ条約」の加盟国(フランスを含む)に書類を提出する場合、日本の外務省でアポスティーユを取得しておけば、現地の駐日大使館での複雑な領事認証の手続きを経ることなく、そのまま相手国の役所に有効な公文書として提出することができます。 2.フランス人との国際結婚手続きで注意すること フランス人と日本人との国際結婚手続きの際、ご注意いただきたい事項を下記に記載いたします。 ①婚姻要件具備証明書について フランスは婚姻要件具備証明書が発行される国ですので、日本方式で婚姻を行う場合は、在日フランス大使館発行の婚姻要件具備証明書が必要になります。 ②婚姻可能な年齢について フランス人の婚姻可能な年齢は、男女ともに18歳です。 なお、女子が妊娠しているなど重大な理由がある場合は、検事の承認と父母の同意により、18歳未満の者でも婚姻が可能になる場合があります。 ③再婚禁止期間について フランスでは、再婚禁止期間は定められていません。 日本でも、2024年4月の法改正により、再婚禁止期間の制限なく婚姻届を提出できます。よって男女ともに、離婚後いつでも制限なく婚姻届を提出することが可能です。 ④フランス特有の「民事婚」について フランス人と国際結婚をする上で、根本的な制度の違いとして知っておくべきなのが「民事婚(Mariage civil)」の原則です。 フランスは厳格な政教分離の国であり、法律上の婚姻はすべて、市役所(Mairie)において公務員の前で宣誓を行う「民事婚」でなければ有効になりません。日本のように「婚姻届を提出するだけ」で結婚が成立する仕組みとは異なり、フランス現地では市役所での挙式手続きそのものが法律婚となります。 なお、教会(チャペル)などで行われる宗教的な結婚式には法的な効力が一切ありません。フランス方式で手続きを進める場合は、必ずこの「民事婚」のステップを踏む必要があることを覚えておきましょう。 ⑤「PACS(民事連帯契約)」について フランスには、婚姻(結婚)に準じる法的関係として「PACS(民事連帯契約)」という特有の制度があります。共同生活を送る上での権利や義務が認められるため、フランス国内では広く利用されている制度です。 しかし、日本での共同生活や、日本での配偶者ビザの取得を視野に入れている場合は注意が必要です。日本の法制度上、PACSは正式な法律婚としては認められないため、PACSの身分のままでは配偶者ビザを取得することができません。そのため、最終的に日本を拠点にする予定がある場合は、PACSではなく、双方の国で正式な法律婚(婚姻手続き)を行うのが一般的かつ確実な選択肢となります。 ⑥夫婦財産契約(Contrat de mariage)について フランスには、結婚前に夫婦の財産をどう扱うかを公証人のもとで契約する「夫婦財産契約」という重要な制度があります。 国際結婚の場合、結婚後にフランスに住む(または将来移住する可能性がある)ケースにおいて、この契約をしないと自動的にフランス法の法定財産制(結婚後に得た財産は原則共有)が適用されてしまいます。日本に住む場合は日本の法律(別産制:財産は各自のもの)が原則適用されますが、将来のフランス移住の可能性や日仏にまたがる資産のトラブルを防ぐため、事前に財産の扱いについて話し合っておくカップルが多いです。 ⑦結婚後の「苗字(姓)」について…

【2026年最新】ミャンマー人との国際結婚手続きと必要書類を行政書士が解説

1.国際結婚手続きの用語解説 この段落では、国際結婚手続きにおける専門用語を解説していきます。 以降の内容をご参照いただくにあたり必要となる前提知識ですので、ご一読の上、次の段落に進んでください。 ①国際結婚の成立とは? 国際結婚が有効に成立するには、双方(本コラムでいうと日本とミャンマー)の国籍国において、法的に有効な婚姻関係にあることが原則必要とされています。 日本で先に結婚手続きを行うことを日本方式と言い、ミャンマーで先に結婚手続きを行うことをミャンマー方式と言います。 ②婚姻要件具備証明書とは? 外国人が日本方式の婚姻を有効に成立させるためには、国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件(婚姻できる年齢に達していること、独身であることなど)を満たしていることが必要とされています。 もっとも、日本の市区町村役場で、外国人の国籍国の法律を全て審査することは現実的ではありません。 そのため、国際結婚においては、国籍国の公的機関が発行する婚姻要件具備証明書を提出することによって、国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていると判断することにしています。 なお、発行国によっては、独身証明書などと言われることがありますが、独身であることのみならず、国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていることが明らかになるものであれば、基本的には婚姻要件具備証明書と考えていただいて差支えありません。 2.ミャンマー人との国際結婚手続きで注意すること ミャンマー人と日本人との国際結婚手続きの際、ご注意いただきたい事項を解説していきます。 ①宗教によって適用法が異なる ミャンマーは信仰する宗教によって婚姻の際に適用される法律が異なり、法律ではなく慣習によって決まっているものもあります。ただし、ミャンマー人の90%が仏教を信仰しており、ここでは仏教徒に適用される法律に従って婚姻手続きを解説していきます。 ②婚姻要件具備証明書について ミャンマーには、婚姻要件具備証明書という名称の書類は存在しません。ただし、公証を受けたファミリーリスト(戸主を中心とした居住関係を示すものですが、婚姻状況等の身分事項も記載されています。)及び独身証明書が、日本では婚姻要件具備証明書に相当する書類として扱われています。 ③婚姻可能な年齢について 以前は、「身体的に婚姻可能な年齢」が婚姻可能な年齢と定められ、裁判例によって男性は18歳以上、女性は16歳以上とされていましたが、2019年に法改正され、男女ともに18歳以上と定められることになりました。これは、法改正を経て男女とも18歳に統一された日本と同じ年齢基準となっています。 ④再婚禁止期間について ミャンマーの法律には再婚禁止期間の規定がありません。 また、日本側でも民法改正(2024年4月1日施行)により、これまで女性に課されていた「100日間の再婚禁止期間」は完全に廃止されました。そのため、2026年現在は男女ともに離婚後すぐに再婚手続きを進めることが可能です。 ⑤「苗字(姓)がない」名前の文化と婚姻届の書き方について ミャンマー人には家族や一族を区別する「苗字(姓・ファミリーネーム)」が存在せず、全員が「名(ファーストネーム)」のみを持ちます。そのため、日本の婚姻届を記入する際、「姓」の欄の扱いについて市区町村役場の窓口ごとに判断が分かれ、手続きがスムーズに進まないトラブルになりがちです。また、国際結婚では「夫婦別姓」が原則となるため、苗字を統一したい場合は日本側で別途手続き(氏の変更届など)が必要となります。 ⑥緊迫した現地情勢による書類収集の長期化・入手困難化について 2021年のクーデター以降、ミャンマー現地の裁判所や役所の機能、外務省の認証手続きが不安定になっています。そのため、婚姻手続きに必須となる(後述)「独身証明書」や「ファミリーリスト」をミャンマー本国から取り寄せるのに数ヶ月単位の時間がかかったり、治安悪化によりそもそも書類の取得自体が困難になるケースが発生しています。 3.国際結婚手続きにおける必要書類(日本方式) 本題の国際結婚手続きについて解説していきます。 ここからは、日本人とミャンマー人が日本方式で婚姻をおこなう場合の必要書類を記載します。 なお、提出先の市区町村役場によって若干の相違があるため、事前に役所照会することをお勧めいたします。 ①日本の市区町村役場において必要となる書類 <日本人の方にご準備いただく書類> 婚姻届書(日本人同士の場合と同様のものです) 本人確認資料(運転免許証又はパスポート等) (※2024年3月の戸籍法改正にともない、本籍地以外の市区町村窓口で婚姻届を提出する場合であっても、戸籍謄本の添付は原則不要となりました。) <ミャンマー人の方にご準備いただく書類> 独身証明書(日本語訳を添付) ※ミャンマーには政府発行の独身証明書がないため、公証弁護士の前で作成する「宣誓供述書(ビルマ語:ကျမ်းကျိန်လွှာ / 英語:Affidavit)」がその代わりとなります。ミャンマー外務省の認証が必要です。…

アメリカ人との国際結婚手続き。婚姻届・必要書類・気になる「国籍」のルールを徹底解説!

1.国際結婚手続きの用語解説 この段落では、国際結婚手続きにおける専門用語を解説していきます。 以降の内容をご参照いただくにあたり必要となる前提知識ですので、一度目を通していただき、次の段落に進んでください。 ①国際結婚の成立とは? 国際結婚が有効に成立するには、双方の国籍国(このコラムでいうと日本とアメリカ)において、法的に有効な婚姻関係にあることが原則必要とされています。 日本で先に結婚手続きを行うことを日本方式と言い、アメリカで先に結婚手続きを行うことを米国方式と言います。 ②婚姻要件具備証明書とは? 外国人が、日本方式の婚姻を有効に成立させるためには、国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件(婚姻できる年齢に達していること、独身であることなど)を満たしていることが必要とされています。 もっとも、日本の市区町村役場で、外国人配偶者の国籍国の法律を全て審査することは現実的ではありません。 そこで、国際結婚においては、相手国が発給した「婚姻要件具備証明書」を提出することによって、国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていると判断することにしているのです。 なお、発行国によっては、独身証明書などと言われることがありますが、独身であることのみならず、国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていることが明らかになるものであれば、基本的には婚姻要件具備証明書と考えていただいて差支えありません。 ③国際結婚後の「国籍」はどうなる? 国際結婚をしても、日本人の国籍が自動的にアメリカ国籍に変わることはありません。日本国籍を維持したまま結婚生活を送ることが可能です。また、アメリカ人配偶者についても、日本人と結婚したからといって自動的に日本国籍を取得することはありません。将来的に相手方の国籍取得を希望する場合は、それぞれの国の規定に基づき、帰化や市民権取得の手続きを別途行う必要があります。 2.アメリカ人との国際結婚手続きで注意すること アメリカ人と日本人との国際結婚手続きの際、ご注意いただきたい事項を下記に記載いたします。 ①適用法について 米国は連邦制を採用しており、婚姻に関する事項は州が管轄することになっています。州により異なる婚姻法が定められていることから、米国方式に従った婚姻手続きを行う場合は、婚姻挙行地になる州の婚姻法に従った手続きを行う必要があります。 ②婚姻要件具備証明書について 在日米国領事の面前で、その者の所属する州法により婚姻適齢に達していること、日本人と結婚することについて法律上の障害がないことを宣言した旨の宣誓供述書(Affidavit)が、婚姻要件具備証明書として取り扱われています。宣誓供述書は在日米国大使館・領事館に両当事者が出頭して取得するため、米国人配偶者の来日が必要になります。 もっとも、米国人配偶者の来日が困難な場合は、その者の所属する州の公証人の面前で宣言した宣誓供述書が婚姻要件具備証明書として取り扱われますので、米国人配偶者が来日しない場合でも婚姻手続きは可能です。 ③婚姻可能な年齢について アメリカ人の婚姻可能な年齢は、ネブラスカ州とミシシッピ州以外は、男女ともに18歳以上と定められています。ネブラスカ州は男女とも17歳以上、ミシシッピ州は男性17歳以上、女性15歳以上が婚姻適齢として法定されています。 なお、日本法では2022年の成人年齢の引き下げに伴い、男女ともに18歳以上でなければ婚姻することができなくなりました。たとえアメリカの州法や裁判所の許可によって若年での婚姻が認められるケースであっても、日本側で有効な婚姻として受理されるためには、双方が日本法および当該州法の婚姻適齢に達している必要があります。 ④再婚禁止期間について 米国のどの州法にも、再婚禁止期間は定められていません。また、日本においても2024年4月1日施行の民法改正により、これまで女性に課されていた「離婚後100日間の再婚禁止期間」は完全に廃止されました。 これにより、現在は男女を問わず、日本方式・米国方式のどちらにおいても、離婚後すぐに新たな婚姻手続きを行うことが可能となっています。 3.国際結婚手続きにおける必要書類(日本方式) 本題の国際結婚手続きについて解説していきます。 ここからは、日本人とアメリカ人が日本方式で婚姻をおこなう場合の必要書類を記載します。 なお、市区町村役場によって若干の相違があるため、事前に役所照会することをお勧めいたします。 ①日本の市区町村役場において必要となる書類 <日本人の方にご準備いただく書類> 婚姻届書(日本人同士の場合と同様のものです) 本人確認資料(運転免許証又はパスポート等) 戸籍謄本(本籍地以外に婚姻届を提出する場合) <アメリカ人の方にご準備いただく書類> 宣誓供述書 (日本語訳を添付 ※アメリカ人配偶者の氏名はカタカナ表記、翻訳者の氏名・住所の記入、押印が必要) ※…