依田 隼弥

【2026年最新版】ベトナム人との国際結婚手続きの必要書類・費用・期間を行政書士が徹底解説

【2026年最新版】ベトナム人との国際結婚手続きの必要書類・費用・期間を行政書士が徹底解説

ここ5年間で見ると,日本に在留するベトナム人は25万人以上増えています。
街中で,職場で,身近に出会う機会が増えたことから, 日本で在留するベトナム人との国際結婚が急増しています。
これからベトナム人との国際結婚を考えられている方は,何をどうすればよいのか?
手続きの流れや準備する書類が気になるところです。
そこで本コラムでは,日本人とベトナム人との国際結婚手続きについて,国際業務専門の行政書士がこれまでの経験をもとに,手順や注意すべき事などを分かりやすく解説します。

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1.国際結婚とは?

国際結婚とは、その人が国籍を持つ国(日本人であれば日本)以外の国(本コラムではベトナム)での結婚手続きが発生する結婚のことを言います。
ざっくり言うと、日本で日本人同士がする結婚以外の婚姻はすべて国際結婚なのです。
日本とベトナムのように国籍が違う人同士の結婚のほか、例えば日本人同士が海外で結婚すること、外国人同士が日本で結婚することも国際結婚の一類型です。

①国際結婚の成立のために必要なこと

国際結婚の成立には、原則として各当事者の国籍国の法律で結婚が有効であることが必要です。
結婚に関する法律(婚姻条件)は世界各国で異なります。
ですから、ある国の法律で結婚が認められても、別の国の法律では認められないということも起こってしまうのです。

日本人同士が日本で結婚する時には、日本の役所は双方の戸籍に記載された情報から「双方が日本の法律上婚姻要件を満たしているか否か?」が判断できます。
しかし、例えば日本人とベトナム人が結婚する場合、あるいは日本で外国人同士が結婚手続きをする場合など、日本の役所では「あなたは婚姻要件を満たしていますか?」と確認をすることができません。
外国籍の方の婚姻届が提出されるたびに、日本の役所がその国の法律を調べて婚姻条件を満たしているか審査するなどということは現実的ではありません。

そこで必要になるのが、その国の政府が発効する「婚姻要件具備証明書」です。
簡単に言えば、ある国の法的な婚姻条件に照らし「この人は結婚できますよ」(婚姻できる年齢に達していること、独身であることなど)と証明する書類です。

発行国によっては「独身証明書」などと言われることもありますが、独身であるだけでなく、国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていることが明らかになるものであれば、基本的には婚姻要件具備証明書と考えていただいて差支えありません。

国際結婚手続きのポイントは、結婚手続きをする国が自分の国籍国ではない方が、この婚姻要件具備証明書を取得しなければならないことです。
もっとも、婚姻要件具備証明書が発行されない国もありますので、国際結婚手続きを進める場合、婚姻要件具備証明書の発行可否は事前に確認することをおすすめいたします。

もう一点、日本人同士が日本で結婚する場合は、婚姻届が受理されれば自動的に双方の戸籍に「二人は結婚した」ということが記載され、法的に婚姻関係にあることが証明されます。
しかし国際結婚の場合、日本で結婚が法的に成立したとしても、日本の役所がそのことを外国の役所に通知して法的に処理されることはありません。逆も同じです。
ですから、特に国際結婚を考えている二人の片方もしくは両方が、結婚後は手続きをした国以外で暮らすことを考えているのであれば、ある国で国際結婚手続きをしたら、もう一方の国に「私達は結婚しました」と届け出る必要があります。

これが国際結婚手続きのもう一つのポイントです。

②日本、ベトナム 婚姻要件の違い

では、ベトナム人の婚姻要件はどうなっているのか?

ベトナムの婚姻要件

  • 婚姻可能な年齢=男性満20歳以上、女性が満18歳以上。年齢によって父母の同意が求められることはありません
  • 結婚の目的が問われます。ベトナム出国などを目的とした偽装結婚は禁止です
  • 同性婚・既婚者との結婚はできません
  • 再婚禁止期間の定めはありません

などです。
日本と異なる点もありますので、参考にしてください。

例えば、以前の日本の法律では女性にのみ「再婚禁止期間(100日間)」がありましたが、2024年4月1日施行の民法改正により、この再婚禁止期間は完全に廃止されました。 そのため、現在は前婚の解消・取消の日から100日を経過していなくても再婚が可能であり、以前必要だった「妊娠していないことを証する医師の診断書」の提出も不要となっています。

また、実務上の注意点として、「20歳以上の年齢差がある年の差婚」や「双方または一方に複数回の離婚歴がある場合」などは、後の配偶者ビザ審査において「婚姻の真正性(偽装結婚ではないこと)」が厳しく問われる傾向にあります。手続き自体は可能ですが、後の生活を見据え、交際経緯を証明する準備を並行して行うことが重要です。

③日本、ベトナム どちらを先にするべき?

日本人とベトナム人が結婚を考えている場合、日本とベトナム、どちらの国で先に手続きをすればよいのか? それが国際結婚を考えるお二人の関心事でしょう。

基本的には、

  • 配偶者となるベトナム人がすでに日本で生活している場合
    先に日本→ベトナムで手続き
  • 配偶者となるベトナム人がベトナムで生活している場合
    先にベトナム→日本で手続き

という順番が一般的です。

国際結婚手続きを行う場合、お二人がそろって窓口に出向かなければならないことが多いです。ですから、配偶者となるベトナム人がすでに日本で生活している場合は、在日ベトナム公館や国際郵便でベトナム人の方の書類を取得し、先に日本で手続きをした方がスムーズでしょう。

逆に配偶者となるベトナム人がベトナムで生活している場合は、ベトナム人の方が現地で書類を取得し、日本人の方が渡航してベトナムで手続きするのが一般的です。

とはいえ、みなさんにはそれぞれいろんな事情があるでしょうから、一概には言えません。
以下にそれぞれのメリット・デメリットを表にまとめました。ご参考になさってください。

項目 日本で先に手続きする場合 >ベトナムで先に手続きする場合
主なメリット 日本人が仕事を休んで渡航する必要がなく、国内で完結しやすい 日本での配偶者ビザ申請時に、ベトナム側の結婚証明書がスムーズに揃う
主なデメリット 短期滞在ビザのベトナム人は大使館で証明書が取れない場合がある 日本人が少なくとも一度は現地(人民委員会等)へ出向く必要がある
費用の目安 翻訳・手数料等で数万円〜(行政書士依頼時は別途) 渡航費+現地手数料・健康診断等で15万〜30万円程度
かかる期間 準備から完了まで約1〜2ヶ月程度 準備・渡航・報告的届出まで約2〜3ヶ月程度

ご事情に合った方法を検討したい方は、国際結婚手続きを専門とする行政書士にご相談ください。

2.先に日本で国際結婚手続きをする場合

ベトナム人との国際結婚手続きで、先に日本で手続きをする場合の流れをご説明します。

まず日本の市区町村役場で婚姻届を出し、その後に在日ベトナム公館で婚姻登録手続きを行います。
なお、市区町村役場によって提出書類の違いが発生する可能性があるため、事前に役所照会することをお勧めいたします。

①【在日ベトナム大使館】婚姻要件具備証明書を取得す

日本に中長期的に滞在するベトナム人であれば、在日ベトナム大使館で婚姻要件具備証明書を取得することができます。

他方、短期滞在ビザで滞在中のベトナム人は婚姻要件具備証明書を取得できません。
その点、間違える方も多いので注意が必要です。

在日ベトナム大使館でベトナム人の婚姻要件具備証明書を取得するために必要な書類は、

<ベトナム人の方にご準備いただく書類>

  • 婚姻要件具備証明書の申請書
    取得方法:
    ①ベトナム大使館ベトナム語ページ上の該当リンクにアクセスし、必要事項を入力
    ②入力後、メールアドレスに申請書が届きます
    ③内容を確認し、問題がなければ署名・日付記入を行います
  • 連絡票
  • 在留カードの両面コピー
  • 住民票
  • パスポートの2,3ページ目のコピー
  • ベトナム人民委員会が発行する発行から6ヶ月以内の婚姻状況証明書(ベトナムから取り寄せます。必ず、使用目的が婚姻と記載され、相手方の氏名等が記載されたものが必要です)
  • 婚姻届出の記録がない証明書(来日後にお住まいの全ての市区町村役場に依頼します)※ベトナム語翻訳及び翻訳公証が必要

以上の書類をそろえ、在日ベトナム大使館や領事館で婚姻要件具備証明書の発行を申請します。

大使館・領事館の対応がその時々で必要な書類や手数料が変わる場合があります。
また、お近くの領事館では婚姻要件具備証明書の発行事務をしていないこともありますので、事前に電話などで確認し、お二人が揃って出向く方が結果的に早道でしょう。

※日本国外にいるベトナム人は日本では婚姻要件具備証明書が取得できません。
※短期滞在ビザでの滞在者には婚姻要件具備証明書の発行を行わないため、婚姻要件具備証明書が取得できない場合はそれに代わる書類によって、ベトナム人の婚姻要件充足を証明することになります。

婚姻要件具備証明書に代わる書類は、

  • 出生証明書(日本語訳を添付)
  • 人民委員会発行の婚姻状況証明書(日本語訳を添付)
  • パスポート(ベトナム人が在外にいる場合はパスポートのコピーで代替可能です)

となります。

もっとも、上述のとおり市区町村役場によって書類が異なる可能性が高いため、提出先の市区町村役場へ必ず確認を行ってください。

②【日本市区町村役場】婚姻届を提出する

晴れて婚姻要件具備証明書が手に入ったら、日本の市区町村役所に婚姻届を提出します。
婚姻届の提出に必要な書類を以下に挙げます。

<日本人の方にご準備いただく書類など>

  • 婚姻届(日本人同士の場合と同様のものです)
  • 本人確認資料(マイナンバーカード、運転免許証、パスポート等)
  • 戸籍事項全部証明書(本籍地以外に婚姻届を提出する場合のみ必要です)

<ベトナム人の方にご準備いただく書類>

  • 在日ベトナム公館で発行された婚姻要件具備証明書
  • 出生証明書(日本語訳を添付します)
  • パスポート

以上の書類等をそろえ、日本の市区町村の役所で婚姻届を提出し、日本の法律に基づく婚姻の手続きをします。

婚姻届が受理されたらもう一息です。
「婚姻届受理証明書が欲しい」と伝えて取得してください。

③【在日ベトナム大使館】婚姻登録手続きをする

日本の役所に婚姻届を提出した後、在日ベトナム公館で婚姻登録手続きを行ってください。

在日ベトナム公館で婚姻登録手続きをする際に必要な書類は、

<ベトナム人の方にご準備いただく書類>

  • 婚姻登録申請書
    取得方法:
    ①ベトナム大使館ベトナム語ページ上の該当リンクにアクセスし、必要事項を入力
    ②入力後、メールアドレスに申請書が届きます
    ③内容を確認し、問題がなければ署名・日付記入を行います
  • 連絡票
  • パスポートの2,3ページ目コピー
  • 在留カードの両面コピー
  • 住民票

<日本人の方にご準備いただく書類>

  • 婚姻届受理証明書 ※ベトナム語翻訳及び翻訳公証必要
  • パスポートの2,3ページ目コピーまたは身分証両面コピー
  • 住民票

これで婚姻登録が完了です。

婚姻登録が完了すると、婚姻本籍帳記載抄録証明書(結婚証明書)が発行されます。
ベトナム人配偶者の方がこれから日本人配偶者と日本で安定的に暮らす場合は、配偶者ビザ申請の手続きに移ることになります。

>>配偶者ビザの申請はこちら

3.先にベトナムで国際結婚手続きをする場合

次に、ベトナム人との国際結婚手続きで、先にベトナムで手続きをする場合の流れを見て行きましょう。

この場合は日本人が一度はベトナムに渡航する必要があります。
国際結婚を考えるお二人がそろって、現地の人民委員会で婚姻登録を行います。

①【日本人配偶者本籍地】 戸籍全部事項証明書を取得する

ベトナム渡航の前に、日本人の方はご自分の本籍地で戸籍全部事項証明書を取得しておきましょう。

②【在ベトナム日本大使館・領事館】 婚姻要件具備証明書を取得する

日本人の方が渡航したら、ベトナム人婚約者と揃って在ベトナム日本大使館・領事館に出向き、婚姻要件具備証明書の発行を申請します。

必要な書類を以下に挙げます。

<日本人の方にご用意いただく書類>

  • 証明書発給申請書(大使館・領事館の窓口で入手できます。)
  • 戸籍全部事項証明書
  • パスポート

<ベトナム人の方にご用意いただく書類〉>

  • 婚姻状況証明書
  • パスポート

以上の書類を揃えて申請します。
婚姻要件具備証明書は原則、申請当日に発行されます。

③【ベトナム人民委員会】 婚姻登録をする

無事に婚姻要件具備証明書を取得できたら、現地でベトナム人婚約者の方がお住まいの地域にある人民委員会に出向き、婚姻登録の申請をします。

必要な書類を以下に挙げます。

<日本人の方にご用意いただく書類>

  • 婚姻要件具備証明書(在ベトナム日本大使館・領事館で取得したものです)
  • 現地の公立病院で受診した健康診断書(精神疾患やHIV感染がないことの証明が必要です)
  • パスポート

以上の書類を揃えて申請します。
婚姻が登記されると、婚姻登録証明書(結婚証明書)が交付されます。

④【在ベトナム日本大使館または日本の市区町村役場】 婚姻届を提出する

ベトナムで婚姻登録が出来た場合、3か月以内に在ベトナム日本大使館または日本の市区町村役場で、婚姻届(報告的届出)を提出してください。

必要な書類を以下に挙げます。

<日本人の方にご用意いただく書類>

  • 婚姻届(日本の書式です)
  • 婚姻登録証明書(結婚証明書)(日本語訳を添付します)
  • 本人確認資料(マイナンバーカード、運転免許証、パスポート等)
  • 戸籍謄本(本籍地以外に婚姻届を提出する場合)

<ベトナム人の方にご用意いただく書類>

  • 出生証明書(日本語訳を添付します)

以上の書類を揃えて届け出ます。日本での婚姻届の提出により、手続き完了です。

4.ベトナム人との国際結婚手続きの注意点

以上、大きく二通りのベトナム人との国際結婚手続きの流れを紹介しました。
どんな国際結婚でも、日本人同士の結婚と比べると手続きは複雑になりますが、特にベトナム人との国際結婚手続きにおいて注意すべき点をお伝えします。

①不透明な金銭の要求に注意

婚姻手続きを含め、ベトナムの行政手続きでは、柔軟な対応の見返りに金銭を支払う習慣があります(アジア圏ではよくあります)。
これは絶対悪というわけではなく、それぞれの国の文化風習に則った慣行というべきものなのでしょう。いわゆる、「袖の下」文化です。

ただし、これは日本では違法です。
実際に、婚姻手続の見返りに金銭を受け取った在日ベトナム領事館の職員と、金銭を支払った民間人が逮捕されています。
相手が見返りを求めてきた場合は、絶対に支払わないようにしましょう。もし金銭を要求された場合は、以下のような対応をおすすめします。

  • 「日本では公的な領収書が出ない支払いはできない」とはっきり断る
  • 法的な根拠(規定の手数料表など)の提示を求める
  • 不当な遅延や拒否をされた場合は、専門の行政書士や公的機関に相談する

②ベトナム語・日本語翻訳が必要

ベトナム人との国際結婚手続きに必要な書類は、当然ベトナム語で書かれています。
そのまま日本の役所に提出しても読めません。逆も同じです。
ですから、各書類を提出する時に原本とベトナム語・日本語翻訳が求められることがあります。翻訳の手間がかかることをご理解ください。

③手続き方法が変更されることがあるので注意

国際結婚手続きのルールや必要書類は変更されることがあります。
在日ベトナム大使館などで手続きする時は、事前に問い合わせをして最新のルールを確認しておいた方がよいでしょう。

④結婚後の生活を見通してスケジュールを立てる

ベトナム人との国際結婚手続きにはある程度の時間がかかります。
例えば先にベトナムで手続きする場合、婚姻登録の時に健康診断書が必要ですから、現地で受診できる公立病院のあたりをつけておく必要があります。

また、2027年4月から従来の技能実習制度に代わり「育成就労制度」が開始されます。配偶者となるベトナム人の方がこの制度で就労している場合、結婚に伴う在留資格の変更(配偶者ビザへの切り替え)には特有のルールや注意点が存在します。

国際結婚が成立しても配偶者ビザが取得できなければ新婚のカップルが一緒に住めないことにもなりかねません。

お二人が幸せな結婚生活を送るために、結婚後の住まいや生活についてプランを立てておきましょう。
その上で、事前に手続きの流れを理解し、配偶者ビザの申請も視野に入れてきちんとスケジュールを立てておくことが必要になります。

5.ベトナム人との国際結婚手続きのまとめ

2026年現在、日本に在留するベトナム人は68万人を超え、国籍別の在留外国人数でも上位を維持しています。外国人労働者数においてはベトナム人が最大の割合を占めており、日本社会を支える重要なパートナーとなっています。

このような背景もあり、今後も日本で在留するベトナム人との国際結婚は増えると予想されます。

ベトナム人の配偶者と国際結婚し、幸せな家庭を築きたいと願う方々に、本コラムがご参考になれば幸いです。
ここまで読んでいただいて「手続きを全部自分たちで進めるのは難しそうだ」と思われた方は、行政書士法人第一綜合事務所の無料相談(60分無料で相談することができます)をご利用ください。

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この記事の監修者

行政書士法人第一綜合事務所

行政書士 依田 隼弥

・日本行政書士会連合会(登録番号第24081844号)
・神奈川県行政書士会(会員番号第6892号)
山梨県出身。横浜オフィスに所属し,外国人ビザ申請,国際結婚手続き,永住権取得など国際業務を専門としている。

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