【2026年最新】台湾人との国際結婚手続きと必要書類、結婚後の良民証も解説!

本コラムでは,日本人と台湾人との国際結婚手続きについて,国際業務専門の行政書士が解説します。
台湾は親日国の一つで,日本への留学や就労のために日本で生活されている台湾人の方々は多くいらっしゃいます。
また,日本と台湾はワーキングホリデーの議定書を取り交わしていることから,ワーキングホリデーを利用して日本に滞在している方も多い印象です。
そのため,日本人と台湾人の婚姻事例は多く,情報も探しやすい国です。
それでは,台湾人との国際結婚において,具体的にどのような手続きや書類が必要か,以下に見ていきましょう。
Index
1.国際結婚手続きの用語解説
この段落では、国際結婚手続きにおける専門用語を解説していきます。
以降の内容をご参照いただくにあたり必要となる前提知識ですので、ご一読の上、次の段落に進んでください。
①国際結婚の成立とは?
国際結婚が有効に成立するには、双方の国籍国(本コラムでいうと日本と台湾)において、法的に有効な婚姻関係にあることが原則必要とされています。
日本で先に結婚手続きを行うことを日本方式と言い、台湾で先に結婚手続きを行うことを台湾方式と言います。
②婚姻要件具備証明書とは?
外国人が、日本方式の婚姻を有効に成立させるためには、国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件(婚姻できる年齢に達していること、独身であることなど)を満たしていることが必要とされています。
もっとも、日本の市区町村役場で、外国人配偶者の国籍国の法律を全て審査することは現実的ではありません。
そこで、国際結婚実務においては、相手国が発給した婚姻要件具備証明書を提出することによって、国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていると判断することにしているのです。発行国によっては、独身証明書などと言われることがありますが、独身であることのみならず、国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていることが明らかになるものであれば、基本的には婚姻要件具備証明書と考えていただいて差支えありません。
なお、婚姻要件具備証明書を発行する条件や必要書類は、国によって異なり、そもそも婚姻要件具備証明書を発行していない国もあります。婚姻要件具備証明書を発行していない国の方との国際結婚においては、他の書類によって外国人配偶者が国籍国の法律に従って婚姻の成立要件を満たしていることを疎明することになります。比較的事例の多い国であれば、先例に従って判断されるのが戸籍実務ですが、事例の少ない国や先例のない国になると、相手国の法律から調査しなければならないこともあり、そうなると婚姻届を提出してから正式に受理されるまでに時間を要することもあります。
2.台湾人との国際結婚手続きで注意すること
台湾人と日本人との国際結婚手続きの際、ご注意いただきたい事項を下記に記載いたします。
①婚姻要件具備証明書について
台湾は婚姻要件具備証明書が発行される国です。
日本方式で婚姻する際には、市区町村役場に婚姻要件具備証明書を原則提出しなければなりません。
②台湾の領事事務について
1972年に日本国政府が中華人民共和国との国交を成立させましたが、台湾(中華民国)とは国としての国交を行っていないため、日本に台湾の大使館や領事館は存在しません。
代わりに領事事務を行う民間機関として、東京に「台北駐日経済文化代表処」が、大阪や横浜などに「弁事処(支部)」が設置されており、婚姻に際して在日台湾人の婚姻要件具備証明書の発行手続きを行っています。
また同様に、台湾に日本の大使館や領事館も存在せず、「日本台湾交流協会」がその実務を担っています。
ここで複雑なのが、「申請人の住民票の所在地によって、利用できる窓口が分かれている」という点です。 例えば、静岡県在留の方が「東京の代表処のほうが近いから」と足を運んでも、「管轄は横浜の弁事処です」とその場で門前払いされてしまいます。事前の管轄確認を怠ると、書類集めの段階で大きなタイムロスになるため注意が必要です。以下の管轄表を必ず事前にご確認ください。
| 拠点 | 所在地 | 管轄都道府県 |
| 台北駐日経済文化代表処 | 東京都港区 | 東京都、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、新潟県、山形県、山梨県、長野県 |
| 台北駐大阪経済文化弁事処 | 大阪府大阪市 | 岐阜県、愛知県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、富山県、石川県、福井県、三重県、奈良県、和歌山県、岡山県、広島県、鳥取県、島根県、愛媛県、徳島県、高知県、香川県 |
| 台北駐大阪経済文化弁事処 福岡分処 |
福岡県福岡市 | 福岡県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、長崎県、佐賀県、山口県 |
| 台北駐日経済文化代表処 横浜分処 |
神奈川県横浜市 | 神奈川県、静岡県 |
| 台北駐日経済文化代表処 那覇分処 |
沖縄県那覇市 | 沖縄県 |
| 台北駐日経済文化代表処 札幌分処 |
北海道札幌市 | 北海道 |
③婚姻可能な年齢について
台湾では2023年の法改正により、婚姻可能年齢は男女ともに「18歳以上」へと統一されています。成人年齢の引き下げにともない、婚姻可能な年齢も日本(男女とも18歳)と完全に一致する形に改定されたため、年齢制限の要件で迷うことはなくなりました。
④再婚禁止期間について
台湾の民法には、再婚禁止期間は定められていません。
日本側でも民法改正(2024年4月1日施行)により、女性に課されていた100日間の再婚禁止期間が完全に廃止されました。これにより、日台双方の法律において再婚禁止期間の縛りは完全になくなっています。
⑤アポスティーユ不可について
国際結婚では、日本の役所で集めた書類を相手国(台湾)に提出するステップがありますが、台湾は「ハーグ条約」に加盟していません。そのため、「外務省でアポスティーユを取ればOK」というルールが台湾には通用しません。
台湾に書類を認めてもらうには、
- 日本の外務省で「公印確認」を受ける
- さらに台北駐日経済文化代表処(弁事処)に持ち込んで「領事認証」を受ける
という二重の手続きが必要となります。外務省の手続きだけで渡航しても、現地で入籍ができません。
⑥(台湾で暮らす場合)「良民証」について
もしご夫婦で台湾に移住して暮らす(台湾の配偶者居留証を取得する)予定がある場合、日本人側が日本国内の住民票がある都道府県の警察本部で「犯罪経歴証明書(渡航証明書)」を取得する必要があります。これは、台湾現地で一般的に「良民証(正式名称:警察刑事紀錄証明書)」と呼ばれている、無犯罪であることを証明する書類に該当します。
この証明書も、台湾に提出するにあたっては前述の「アポスティーユ不可」のルールが適用されるため、日本の外務省での公印確認と、駐日台湾代表処(弁事処)での領事認証という二重の手間が発生することに注意が必要です。
3.国際結婚手続きにおける必要書類(日本方式)
本題の国際結婚手続きについて解説していきます。
ここからは、日本人と台湾人が日本方式で婚姻をおこなう場合の必要書類を記載します。
①台湾人配偶者の婚姻要件具備証明書の取得
まずは、日本にある台北駐日経済文化代表処(または各地域の弁事処)にて、台湾人配偶者の婚姻要件具備証明書を取得しましょう。
- 台湾の戸籍謄本
- パスポート
- 証明写真
なお、この後の手続きで必要になりますので、台湾の戸籍謄本を3通は用意しておきましょう。
②日本の市区町村役場への婚姻届提出
台湾人配偶者の戸籍謄本を取得した後、日本の市区町村役場(婚姻当事者の本籍地、住所地または居所を管轄する市区町村役場)にて婚姻届を提出しましょう。
婚姻届が受理されると、当事者間に法律上有効な婚姻関係が成立します。
なお、提出先の市区町村役場によって若干の相違があるため、事前に役所照会することをお勧めいたします。
- 婚姻届書(日本人同士の場合と同様のものです)
- 本人確認資料(運転免許証又はパスポート等)
(2024年3月の戸籍法改正にともない、本籍地以外の市区町村窓口で婚姻届を提出する場合であっても、日本人の戸籍謄本の添付は原則不要となりました。)
- 婚姻要件具備証明書(日本語訳を添付)
- 台湾の戸籍謄本(日本語訳を添付)
- パスポート
③台湾への婚姻報告
日本の市区町村役場にて婚姻届が受理された時点で、法的に婚姻が成立し、台湾においても婚姻が成立している状態です。
しかし、台湾人配偶者の戸籍には婚姻の記載がされていないため、婚姻成立の事実を報告する必要があります。
この婚姻報告の手続きも、台北駐日経済文化代表処(または各地域の弁事処)を介して行います。
- 日本の戸籍謄本※
- 戸籍謄本の中国語訳文
※外務省の公印確認を受け、さらに代表処での「領事認証」を取得する必要があります。。台湾はハーグ条約に加盟していないため、アポスティーユは使用できません。
- 台湾の戸籍謄本
- 台湾のパスポート
4.国際結婚手続きにおける必要書類(台湾方式)
次は、日本人と台湾人が台湾方式で婚姻をする場合についてです。
①日本人配偶者の婚姻要件具備証明書の取得
台湾方式で婚姻手続きを行う際には、まず、日本人配偶者の婚姻要件具備証明書を取得することから始めます。
日本人の婚姻要件具備証明書は、台湾にある「日本台湾交流協会」で取得することができます。台湾の日本台湾交流協会は、台北と高雄に事務所があります。
- 日本の戸籍謄本(事前に日本国内で外務省の公印確認を受けたもの)
- パスポート
- パスポートもしくは身分証(日本台湾交流協会で申請する場合)
②台湾の市役所(戸政事務所)への婚姻届提出
日本台湾交流協会で婚姻要件具備証明書を取得した後、両当事者揃って台湾の市役所(戸政事務所)に出向き、婚姻届を提出します。
婚姻届が受理されれば、婚姻が成立します。
- 婚姻届書(結婚書約)
- 日本人配偶者の婚姻要件具備証明書および中国語翻訳
- 日本人配偶者のパスポート
- 日本人配偶者の中国語名宣誓書
※台湾の戸籍に登録する臨時の「中国語名(中文姓名)」を決めて署名します。日本の名前がひらがな・カタカナの方や、日本の漢字が台湾のシステムにない場合は、代わりの漢字を当てる必要があります。
婚姻届が受理されると、婚姻が成立し、婚姻証書が発行されます。
次の日本側への婚姻報告の際に台湾人配偶者の戸籍謄本が必要になりますので、併せて取得しておきましょう。
③日本の市区町村役場への婚姻届提出
台湾で婚姻届が受理された時点で、日本法上の婚姻関係が成立していますが、日本人配偶者の戸籍には婚姻の記載がされていないため、婚姻成立の事実を報告する必要があります。
婚姻成立から3か月以内に、日本の市区町村役場に婚姻届を提出してください。
- 婚姻届書
- 本人確認資料(運転免許証又はパスポート等)
- 台湾の市役所(戸政事務所)発行の婚姻証書および日本語訳文
- 台湾人配偶者の戸籍謄本および日本語訳文
なお、日本方式による婚姻届(創設的届出と言います)の際とは異なり、台湾方式による婚姻成立後の婚姻届(報告的届出と言います)の際には、台湾人配偶者の署名は不要です。
また、成人2名の証人も不要とされています。
5.まとめ
台湾は国際結婚において人気の国の一つであり、日本人と台湾人との婚姻は以前から多くあります。
台湾人との婚姻手続きはそれほど複雑な手続きではありませんが、台湾方式の婚姻は、両当事者が台湾に渡って手続きを行う必要があるほか、ハーグ条約非加盟国特有の「外務省の公印確認」や「代表処での領事認証」といった、国際結婚特有の書類手続きのルールは厳然として存在します。
渡航前に必要書類を確認しておき、現地で遺漏のないように準備してください。
本コラムが、台湾人との国際結婚をご検討されている方々のご参考になれば幸いです。




