仲野 翔悟

配偶者ビザを自分で準備するメリットデメリット

配偶者ビザを自分で準備するメリットデメリット

外国人と国際結婚した場合,次に考えるのがビザ申請です。
しかし,ほとんどの方にとって配偶者ビザの申請は初めての経験です。
そのため,どこから手をつけて良いのかわからない状態に陥ってしまう方も多いのではないでしょうか。
インターネットを開けば,行政書士のホームページがたくさん出てきますが,そもそも配偶者ビザは行政書士に依頼した方が良いのか,それとも自分で準備できるものなのか,迷われる方も多いようです。
そこで,本ページでは配偶者ビザを自分で準備するメリットデメリットについて,詳しく説明していきます。

1.配偶者ビザを自分で準備するメリット

①行政書士に依頼すると発生する報酬支払いが不要

行政書士へ支払う報酬が不要となるのが,配偶者ビザを自分で準備する一番のメリットです。
自分で配偶者ビザを申請する場合には,入管への交通費実費,役所への交通費実費,または郵便費用,そして公文書の取得実費などが実際に掛かる金額です。
それぞれを合算しても,非常に安価で配偶者ビザ申請をできます。

②プライベートな情報を行政書士に伝える必要がない

行政書士に依頼した場合,お二人の馴れ初めなどプライベートな情報を伝える必要があります。
行政書士は法律上の守秘義務を負っていますが,“他人にプライベート情報を伝えたくない!”という方には,配偶者ビザを自分で準備するメリットの一つに数えられるでしょう。

③入管法の知識を習得することができる

自分で配偶者ビザの申請準備をする場合には,インターネットや書籍で入管法の情報を入手する必要があります。
必要な知識は膨大ですが,これから更に外国人の方が増えることを考えると,そして何より大切なパートナーのために,入管法の知識は知っていて損はありません。

2.配偶者ビザを自分で準備するデメリット

①行政書士に依頼した場合に比べ許可率が下がる

配偶者ビザの許可率が下がるのが自分で準備する最大のデメリットです。
確かに,配偶者ビザを自分で準備すれば行政書士への報酬は必要ありません。
しかし,肝心な配偶者ビザが不許可になってしまっては,元も子もありません。
反対に,行政書士に依頼した場合には,自分で配偶者ビザの申請をする場合に比べ,許可率は高くなるでしょう。
その理由は,国際行政書士は配偶者ビザの審査ポイントを心得ているからです。
どのような行政書士に配偶者ビザを依頼するべきかについては,配偶者ビザの申請代行でおすすめの行政書士とは? に記載していますのでご覧ください。

②配偶者ビザの準備に時間と労力がかかる

配偶者ビザの申請書類提出は“一日仕事”とよく言われます。
それぐらい労力が掛かるということです。
特に待ち時間が多い東京入管は顕著で,申請の順番が4時間,5時間待ちということもしばしばあります。
その他にも,自分で配偶者ビザの申請準備をする場合には,必要書類の収集,作成に多大な時間を要します。
このように,配偶者ビザの準備には多くの時間と労力を要し,多忙な方にはかなりの負担と言えるでしょう。

③ビザ更新や永住,帰化などの将来を見据えた申請が困難

配偶者ビザは取得すれば終わりというわけではなく,日本で引き続き生活するということであればビザ更新が必要になります。
また,将来的には永住ビザや帰化申請を考えられる方がほとんどですが,将来を見据えた配偶者ビザ申請をするためには,横断的な知識が必要です。
しかし,専門家でない限り,通常はそのような知識は持ち合わせていません。
そのため,ビザ更新や永住,帰化などの将来を見据えた申請が困難というのも,デメリットの一つと言えるでしょう。

④書類に不備等があることが多く配偶者ビザの許可まで時間が掛かる

配偶者ビザを申請される方の多くは,“早く”“確実に”許可を取得することを望まれます。
配偶者ビザの審査ポイントがわからないまま申請すると,入管から書類の不備や指摘を受ける可能性は高くなり,結果的に時間を要することになります。
また,配偶者ビザが不許可になってしまうと,改めて一から準備をし直すことを余儀なくされるため,配偶者ビザの許可までに想定以上の時間が必要となってしまいます。

⑤心配や不安を抱えたまま配偶者ビザを申請することになる

自分で配偶者ビザを申請する場合には,相談する人が通常はいません。
入管の行政相談でも配偶者ビザの相談は可能なのですが,マイナスな事情は相談しづらいのも事実です。
また,たとえインターネットで情報を得ても,正確性,有効性については担保されません。
そのため,心配や不安を抱えながら配偶者ビザを申請されている方が多いのが実際のところです。
自分で配偶者ビザを申請して,不許可になって当社へご依頼される方の多くは,“もっと早く相談しておけば良かった”と言われる方がほとんどです。

3.配偶者ビザを自分で申請しない方が良い場合

配偶者ビザを自分で申請しない方が良い場合とは,不許可の可能性が高いケースです。
このような場合には,専門の行政書士に相談し,配偶者ビザの申請前にアドバイスを受けることを強くお勧めします。

実際にどのようなケースが該当するのか,下記に代表的な例を記載していますのでご確認ください。

  • 出会いから結婚までの交際期間が短い
  • 結婚するまでに会った回数が少ない
  • コミュニケーションの共通言語がない
  • 夫婦の年齢差が大きい
  • アプリやインターネットで知り合った
  • 結婚紹介所で知り合った
  • 風俗店や飲み屋さんで知り合った
  • 交際中の立証資料が少ない
  • 親族が結婚したことを知らない
  • 一方の国でしか結婚ができていない
  • 交際期間が前婚期間と重複している
  • 外国人配偶者の経歴が過去の書類と異なっている
  • 無職やアルバイトのため日本での収入が少ない
  • 税金の支払いなどの公的義務を履行していない
  • 外国人配偶者の在留状況に問題がある
  • 技能実習ビザからの配偶者ビザへの変更
  • 配偶者ビザの不許可歴や不交付歴がある
  • これまでに離婚を複数回している
  • 過去にオーバーステイなどの犯罪歴がある
  • 過去に日本から強制送還されたことがある

4.まとめ

配偶者ビザは一度不許可になってしまうと,再申請をしても許可を取得しにくいという特徴があります。
特に,“ご夫婦の婚姻実体”に嫌疑を抱かれた場合には,なかなか苦労します。

本ページでは,配偶者ビザを自分で準備するメリットデメリットを見てきました。

配偶者ビザを自分で準備するメリットは,行政書士へのコストが発生しないのが一番です。
他方,デメリットは,専門知識がないために苦労をする,最悪の場合には不許可という憂き目を見るという点です。

配偶者ビザの申請は自分で出来ないわけではありませんが,行政書士へのコスト,配偶者ビザの不許可リスクを慎重に判断し,ご自分で申請をするか,行政書士へ依頼するか検討することも重要です。

行政書士法人第一綜合事務所では,配偶者ビザについての無料相談を承っております。
自分で申請できるか,行政書士へ依頼した方が良いか,この判断をするにも専門知識が必要です。
判断に迷った場合には,お気軽に当社の無料相談をご利用ください。

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この記事の監修者

行政書士法人第一綜合事務所

行政書士 仲野 翔悟

・日本行政書士会連合会(登録番号第23260654号)
・大阪府行政書士会(会員番号第8637号)
大阪府出身。大阪オフィスに所属し,外国人ビザ申請,永住権取得,国際結婚手続き,帰化許可申請など国際業務を専門としている。

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