【2026年最新】ネパール人との国際結婚手続き完全ガイド!必要書類と注意点を行政書士が解説

ネパールは日本に在留する外国人の中でも増加率の高い国の一つであり(2024年末から2025年末にかけての増加率は29.2%でした)、ここ数年で在留者数が急増しています。それに伴い、ネパール人との国際結婚事例も増えてきています。
本コラムでは、日本人とネパール人との国際結婚手続きについて、その手順、注意すべき事項について、国際業務専門の行政書士が解説します。
これからネパール人との国際結婚を考えられている方は、ぜひ参考にしてください。
Index
1.国際結婚手続きの用語解説
この段落では、国際結婚手続きにおける専門用語を解説していきます。
以降の内容をご参照いただくにあたり必要となる前提知識ですので、ご一読の上、次の段落に進んでください。
①国際結婚の成立とは?
国際結婚が有効に成立するには、双方(本コラムでいうと日本とネパール)の国籍国において、法的に有効な婚姻関係にあることが原則必要とされています。
日本で先に結婚手続きを行うことを日本方式と言い、ネパールで先に結婚手続きを行うことをネパール方式と言います。
②婚姻要件具備証明書とは?
外国人が日本方式の婚姻を有効に成立させるためには、国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件(婚姻できる年齢に達していること、独身であることなど)を満たしていることが必要とされています。
もっとも、日本の市区町村役場で、外国人配偶者の国籍国の法律を全て審査することは現実的ではありません。
そのため、国際結婚においては、国籍国の公的機関が発行する婚姻要件具備証明書を提出することによって、国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていると判断することにしています。
なお、発行国によっては、独身証明書などと言われることがありますが、独身であることのみならず、国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていることが明らかになるものであれば、基本的には婚姻要件具備証明書と考えていただいて差支えありません。
2.ネパール人との国際結婚手続きで注意すること
ネパール人と日本人との国際結婚手続きの際、ご注意いただきたい事項を下記に記載いたします。
①婚姻要件具備証明書について
ネパールは、婚姻要件具備証明書を発行しない国です。
そのため、婚姻要件具備証明書に代わる書類によって、ネパール人の婚姻要件の充足を証明することになります。
②婚姻可能な年齢について
ネパール人の婚姻可能な年齢は、男女ともに20歳以上です。
なお、以前は婚姻当事者の年齢差が20歳を超えてはならないとされていましたが、その制約は撤廃されており、年齢差のある当事者も婚姻が可能になりました。
③再婚禁止期間について
ネパールの法律には再婚禁止期間の規定がありません。
日本の民法改正(2024年4月1日施行)により、これまで女性に課されていた「100日間の再婚禁止期間」は完全に廃止されました。そのため、現在は男女ともに離婚後すぐに再婚手続きを進めることが可能です。
ただし、過去に離婚歴(前婚)がある場合は、その離婚が法的に成立していることを証明する「離婚証明書」の提出が日本・ネパール両国で求められます。
④ナガリタ(国籍証明書)とパスポートの名義・生年月日の不一致について
ネパール人との国際結婚実務で最も多いトラブルが、ネパール人側の身分証明書である「ナガリタ(国籍証明書)」と「パスポート」の間で、登録情報が一致していないケースです。「アルファベットの綴りが1文字違う」「生年月日が数日ズレている」といった不一致があると、日本の役所で婚姻届が受理されず、現地の役所でデータ修正を行うなど膨大な手間と時間がかかるため、事前に必ず2つの書類を並べてチェックしてください。
⑤ネパール暦(B.S.)と西暦(A.D.)の翻訳・換算ミスについて
ネパールの公的書類(出生証明書など)には、西暦ではなくネパール独自の「ヴィクラマ暦(B.S.)」で日付が記載されていることが多々あります。日本での手続きのためにこれらを翻訳する際、西暦(A.D.)への換算ミスが原因で「書類ごとに生年月日や発行日が矛盾している」とみなされ、日本の市区町村役場や入国管理局での審査がストップしてしまうケースが後を絶ちません。
3.国際結婚手続きにおける必要書類(日本方式)
本題の国際結婚手続きについて解説していきます。
ここからは、日本人とネパール人が日本方式で婚姻をおこなう場合の必要書類を記載します。
なお、市区町村役場によって若干の相違があるため、事前に提出先の役所に照会してください。
①日本の市区町村役場において必要となる書類
- 婚姻届書(日本人同士の場合と同様のものです)
- 本人確認資料(運転免許証又はパスポート等)
(2024年3月の戸籍法改正により、本籍地以外の市区町村窓口で婚姻届を提出する場合であっても、戸籍謄本の添付は原則不要となりました。)
- 独身証明書(日本語訳を添付)
※ネパール外務省にて認証後、在日ネパール大使館にて認証を受ける必要があります。 - 出生証明書(日本語訳を添付)
- パスポート
※ネパール人が在外にいる場合は、パスポートのコピーで代替可能です。 - 申述書
※婚姻要件具備証明書が発行されないネパール特有の救済措置として、日本の役所が用意しているフォーマットに「私は独身であり婚姻要件を満たしています」と記述し本人がサインして提出する書類です。
②ネパールへの婚姻登録について
ネパールでは婚姻登録制度があります。配偶者ビザの申請の際には、ネパール大使館が発行するレターを入管に提出すれば足りますが、ネパール側で正式に婚姻を登録するには、夫婦二人でネパールに渡航し、ネパール本国で手続きが必要になります。日本の役所に婚姻届を提出した後、ネパールの役場で婚姻登録手続きを行ってください。
- 婚姻届受理証明書(日本の外務省にて公印確認を受けたもの)及びネパール訳文
※在日ネパール大使館にて認証を受けた後、ネパール外務省の認証が必要になります。 - ネパール人配偶者の国籍証明書(ナガリタ:現地での身分証明書)
- 日本人配偶者のパスポート
4.国際結婚手続きにおける必要書類(ネパール方式)
次は、日本人とネパール人がネパール方式で婚姻をする場合についてです。
ネパール方式で婚姻手続きをする場合は、日本人がネパールに渡航する必要があります。
当事者二人揃って、現地の地区裁判所(District Court)で婚姻手続を行います。なお、ネパールに入国してから15日以上が経過してからでなければ、婚姻手続きができません。
①ネパールの日本大使館にて、日本人配偶者の婚姻要件具備証明書を取得
ネパール方式の婚姻手続きは、在ネパール日本大使館にて日本人配偶者側の婚姻要件具備証明書を取得することから始まります。
- 戸籍謄本
- パスポート原本
- 質問書(日本大使館の書式に記入)
- 身分証(ナガリタ:現地での身分証明書)
- パスポート原本
②管轄の地区裁判所(District Court)にて婚姻の審査・法廷婚
ネパールに入国して15日経過後に、必要書類を揃えて手続きを行います。かつては内務省管轄の郡役所(Chief District Office)が窓口でしたが、2018年施行の法律(新民法典)の下では、管轄の「地区裁判所(District Court)」に両当事者が出頭し、裁判官の前で法廷婚(Court Marriage)を行う手続きへと移行しています。
- 国籍証明書(ナガリタ:現地での身分証明書)
- 独身証明書
- ①で取得した婚姻要件具備証明書
- パスポート原本
裁判官は、申請から7日以内に婚姻申請を受理するかどうかを決定します。
婚姻申請が受理されると、婚姻当事者と3名以上の証人が地区裁判所に出頭し、宣言書(Affidavit)に署名をします。その後、婚姻証明書が発行されます。
③日本への婚姻報告について
ネパールで婚姻手続きを終えた後、在ネパール日本大使館または日本の市区町村役場で、婚姻届(報告的届出)を提出してください。
- ②で取得した婚姻証明書および日本語訳文
- 本人確認資料(運転免許証又はパスポート等)
(2024年3月の戸籍法改正により、在ネパール日本大使館、または日本の市区町村窓口のどちらへ提出する場合であっても、戸籍謄本の添付は原則不要となりました。)
- 出生証明書および日本語訳文
- 国籍証明書もしくはパスポート
5.ネパール人との国際結婚手続きのまとめ
このコラムでは、日本人とネパール人の国際結婚手続きをご紹介しました。
いずれの方式で手続を行うかは、当事者の選択に委ねられていますが、ネパール人配偶者が日本にいる場合は、日本方式の手続きで行うのが簡便です。
一方で、ネパール人配偶者がネパールにいる場合は、ネパール方式の手続きでおこなうのがお勧めです。ただし、ネパール法に従った手続きで婚姻を行うには、1ヶ月程度の渡航が必要になりますので、せっかく休みを取ってネパールまで行ったのに書類不備で手続きができなかったという事がないように、事前の準備を万全に整えた上で臨んでください。
本コラムが、ネパール人との国際結婚をご検討されている方々のご参考になれば幸いです。
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