就労ビザコラム

COLUMN

就労ビザのカテゴリーとは?仕組みや対象,区分について解説!

1.就労ビザのカテゴリーの仕組み 出入国在留管理庁は,外国人を雇用する会社等の規模によって,「カテゴリー1」から「カテゴリー4」まで4つのカテゴリーに分類しています。 「カテゴリー1」の代表格は,上場企業です。 「カテゴリー4」は,開業したばかりの新設会社などが該当します。 この2つを比較すると,カテゴリー1の企業は上場企業であることから,社会的な信用性もあり,また事業の安定性や継続性も高いと考えられます。 その一方で,カテゴリー4は,開業したばかり会社なので,外国人材を雇用するといっても,事業の安定性や継続性に疑念を抱かれやすくなります。 就労ビザで会社側をカテゴリー分けしたのは,このように規模の異なる会社を一律の基準で審査することが不合理と考えられたことが背景にあります。 その結果,カテゴリー1は就労ビザの際の入管への提出書類を簡素化し,在留期間については,最長の「5年」が取得しやすい運用が取られています。 それに対してカテゴリー4については,入管への提出書類の簡素化の措置はなく,在留期間についても原則として「1年」が付与される運用が取られています。 2.就労ビザでカテゴリーの対象になるものは? 就労ビザには,活動内容によってさまざまな種類があります。このなかで雇用する企業(=所属機関)のカテゴリー区分があるのは,現在,以下の6種類です。 ①高度専門職 ②経営・管理 ③研究 ④技術・人文知識・国際業務 ⑤企業内転勤 ⑥技能 上記の就労ビザを申請する場合には,所属機関がカテゴリー1~4のうちどれに該当するのか事前に確認しましょう。 3.所属機関のカテゴリー区分 それでは,就労ビザにおける所属機関のカテゴリーについて,それぞれ見ていきましょう。 外国人材を雇用される側の企業ご担当者様においては,自社がどのカテゴリーに属しているかを知ることで,ビザ申請の際に入管へ提出する書類が明らかになります。 (1)カテゴリー1 出入国在留管理庁では,以下のいずれかに該当する場合に「カテゴリー1」として取り扱うこととしています。 日本の証券取引所に上場している企業 保険業を営む相互会社 日本又は外国の国・地方公共団体 独立行政法人 特殊法人,認可法人 日本の国,地方公共団体の公益法人 法人税法別表第1に掲げる公共法人 高度専門職省令第1条第1項各号の表の特別加算の項の中欄イ又はロの対象企業 (イノベーション創出企業) 一定の条件を満たす企業等 「一定の条件を満たす企業等」とは 一定の条件を満たす企業等とは,関係省庁の各種認定制度で認定を受けた企業のことを指します。 対象となる制度について,省庁ごとにまとめましたのでご覧ください。 管轄官庁 認定制度 認定者 以下の認定を受けているもの…

研修ビザとは?|許可要件や注意点を専門行政書士が解説!

1.研修ビザとは 研修ビザは,外国人を日本に「研修生」として招き,日本で修得した知識や技術および技能を本国で活用してもらうことを目的としています。諸外国の経済や産業の発展に寄与するという国際協力,国際貢献として推進されているビザです。 研修ビザは,あくまでも日本の技術を修得して本国へ持ち帰るためのビザであり,日本で就労するためのビザでありません。 そのため,労働力を確保するための手段としてこの研修ビザを利用することはできません。 2.研修ビザに該当する職種は? 研修ビザの活動内容(在留資格該当性)は,「本邦の公私の機関により受け入れられて行う技術,技能又は知識を修得する活動」と定められています。 では,研修ビザで招いた外国人材は,「技術,技能又は知識を修得する活動」であればどのような内容の研修であっても良いのでしょうか? 事例を見ながら,検証していきましょう。 【事例】 申請人(30歳)は本国で医師免許を取得しており,申請人の本国では未だ取り入れられていない最先端の手術方法(手術支援ロボットを使用)を日本の医療機関で採用している場合,この医療機関は1年間の研修予定で,申請人を研修ビザで招へいすることができるのか。 【事例検証】 研修ビザには「上陸基準省令」が定められていますので,在留資格該当性のみならず上陸基準省令に適合しているかどうかも検証する必要があります。 研修ビザの上陸基準省令は,以下のように定められています。 ①「申請人が修得しようとする技術,技能又は知識が同一の作業の反復のみによって修得できるものではないこと」 ⇒同じ作業を反復して行えば修得できてしまうものであると,研修目的として扱われません。いわゆる単純作業と呼ばれるものは研修ビザには該当しません。 ②「申請人が18歳以上であり,かつ,国籍又は住所を有する国に帰国後本邦において修得した技能等を要する業務に従事することが予定されていること」 ⇒日本で修得した技術や知識を本国に持ち帰って活用することを目的としているため,研修スケジュールを明らかにし,滞在年数も示す必要があります。 入管法では,研修期間について具体的な定めはありませんが,実務上では研修期間が2年を超える場合,許可のハードルが高くなります。 ③「申請人が住所を有する地域において修得することが不可能又は困難である技術,技能又は知識を修得しようとすること」 ⇒日本で修得しようとする技術や知識等が,申請人の本国でも簡単に修得できるものである場合は,申請人を招へいする必要性が乏しいと判断されます。 事例に沿って,上陸基準省令に適合しているか確認していきましょう。 ①については,最先端の手術方法(手術支援ロボット)が専門知識および過去の経験を活かして修得する技術であることが立証できれば,適合します。 ②については,1年間の研修スケジュールを具体的に示すことで適合します。 ③については,「申請人の本国で未だ取り入れられていない技術である」という事実と,申請人を招へいする日本の医療機関での最先端の手術支援ロボットを使用した実績を立証することができれば適合します。 今回の事例では,研修ビザの活動内容と上陸基準省令の観点から,申請人を研修ビザで招へいすることは十分可能であると判断できます。 実際に研修ビザを申請するにあたっては,その他の事情もしっかり確認する必要があります。 3.研修ビザの理解に不可欠!実務研修と非実務研修とは? 研修には,実際の業務を行う「実務研修」と,座学や見学が中心の「非実務研修」の大きく2つに分けられます。 このうち,研修ビザでは「非実務研修」を想定しており,「実務研修」については国や地方公共団体,国際機関,独立行政法人など一部の機関が運営する事業で限定的に認められているにすぎません。 また,これらの認められた機関であっても,研修の内容に実務研修を取り入れる場合は,研修全体の3分の2以下とすることが定められています。 一般企業が研修ビザで外国人を呼び寄せる場合,研修内容に「実務研修」を一切含むことができない点に注意してください。 【実務研修】 商品を生産もしくは販売する業務,または対価を得て役務の提供を行う業務に従事することで,技術等を修得する研修。 【非実務研修】 修得する技術について,見学や座学,短期間の体験によって修得する研修。 見学の例:現場見学 座学の例:日本語教育,生活指導,安全教育 短期間の体験の例:試作品の作成 研修内容が実務研修と非実務研修のどちらに該当するのか?はとても重要なことです。 実務研修を含む場合,上陸基準省令に適合しているか等の検討する事項が増え,慎重にビザ申請手続きを進める必要があります。…

留学ビザから就労ビザへの変更手続き|許可要件や許可率,注意点を解説!

1.就労ビザとは? 外国人が日本で生活するためには,在留資格(ビザ)が必要です。 ビザは外国人が日本で行う活動内容に応じて分類されており,日本で働くためのビザも,働く内容に応じて複数用意されています。(これら働くためのビザの総称として,このコラムでは「就労ビザ」と表現しています。)。 留学生が日本で就職するためには,「留学ビザ」から「就労ビザ」へのビザの種類を変更する必要があります。 2.留学ビザから就労ビザへの変更申請が許可されるための要件 留学ビザから就労ビザへの変更申請が許可されるためには,以下の4つの要件が必要です。 ①入管法が規定している業務内容に当てはまること(在留資格該当性) 留学生が学校を卒業さえすれば,どのような業務内容の仕事でもできるわけではなく,専門的技術や知識を必要とする業務や外国人特有の感性が求められる業務に当てはまる必要があります。 いわゆるホワイトカラーの職種,ITエンジニア,翻訳・通訳の業務が代表的な仕事ですが,実務上は可否の判断が難しいものもあるため,慎重に確認することが求められます。 就労ビザの観点からは,どのような会社に就職するかが重要なのではなく,どのような業務内容なのかがとても重要です。 留学生の皆さんは,「業種」だけではなく,「業務内容」をしっかり確認して,就職活動をするようにしてください。 ②学歴や職歴,保有する資格などの基準に適合していること(上陸許可基準適合性) 業務に必要な知識に関連する科目を専攻して,大学や専門学校を卒業していることが必要です。 専攻科目とこれから従事する業務との関連性については,後ほど7(2)で入管が公表する事例をご紹介します。 ③素行が悪くないこと 留学ビザから就労ビザへの変更が許可されるためには,素行が悪くないことが求められています。 この点については,「6.留学生が就労ビザ申請をする際に注意すること」で詳しくご説明します。 ④入管法で決められた届出をおこなっていること 入管法では,「住居地の変更届」をはじめ,外国人に届出義務を課しています。 在留カードの住居地以外の記載事項に変更があった場合も届出が必要です。 留学生の皆さんは,どのようなケースで何の届出が必要なのかを知っておく必要があります。 3.留学ビザから就労ビザへの変更申請の流れ 「応募先の企業から採用内定をもらったが,就労ビザの手続きは自分で行うように言われた」という留学生からのお問い合わせや,「会社で初めて外国人留学生を採用することになったが,その後の手続きの流れがわからない」といった企業の人事担当者の方からのご相談が当社に寄せられます。 留学ビザから就労ビザの変更申請においては,内定のタイミングに合わせて以下の2通りに分けて対応するようにしましょう。 3-1.卒業時点で内定している場合 4月入社予定の新卒内定者を例に,留学ビザから就労ビザへの変更申請の流れと注意点をご紹介します。 ① 採用内定 ・留学生と企業の双方で必要書類を準備  ※就労ビザへの変更が許可されるまでは,正社員としての勤務はできません。 ② 12月~ 出入国在留管理局へ在留資格変更許可申請 ・留学生の居住地または勤務予定先の住所を管轄する入管局へ申請  ※勤務予定先の所在地を管轄する入管へ申請する場合は,勤務予定先の従業員が申請取次資格を保有している必要があります。 ・留学生または申請取次者が書類を提出  ※企業の担当者が代理人として申請書類を提出することはできません。 ・入管より資料の追加提出要請があれば,準備をして提出 ③ 1月~…

家族滞在ビザの要件や取得方法を解説! 外国人が家族を呼ぶには?

1.家族滞在ビザとは? 家族滞在ビザは,家族関係にあれば誰でも取得できるわけではありません。 以下の要件を満たした場合に認められる在留資格です。 (1)認められるのは「配偶者と子」のみ 家族滞在ビザとは,「教授」,「芸術」,「宗教」,「報道」,「経営・経営管理」,「法律・会計業務」,「医療」,「研究」,「教育」,「技術・人文知識・国際業務」,「企業内転勤」,「興行」,「技能」,「文化活動」,「留学」,「高度専門職」,「介護」,「特定技能2号」のいずれかの在留資格を取得した方の扶養を受ける配偶者又は子に付与される在留資格です。 「家族滞在」という言葉から,親を本国から呼びたいというご相談をよくいただきますが,家族滞在ビザを取得できるのは,配偶者とお子様に限定されています。そのため,親を本国から呼び寄せたい場合には,家族滞在ビザの射程外となってしまいます。 扶養者の両親を本国から呼ぶことができる可能性のあるビザは,扶養者が「高度専門職」の在留資格を取得している場合,もしくは例外的な措置として告示外の特定活動の在留資格で呼ぶ場合(老親扶養ビザ)に限定されています。 >>老親扶養ビザ の詳細についてはこちら 高度専門職で親を呼び寄せる以外には,残念ながら親を呼ぶためのビザは原則として日本に存在しないとご理解下さい。 (2)家族滞在ビザ取得の要件 配偶者やお子様を家族滞在ビザで呼び寄せるには,以下の取得要件を満たす必要があります。 ① 扶養者が扶養の意思と扶養能力を有すること ② 扶養を受ける側の配偶者または子が扶養を受ける必要があり,又は現に扶養を受けていること ここでいう配偶者には,夫婦間の婚姻が日本の法律上有効に存続している必要があり,いわゆる内縁関係や外国で有効に成立した同性婚,パートナーシップは含まれません。 そして,ここでいう子には,実子の他に養子も含みます。また,未成年者に限られず,成人に達した子も対象になります。とはいえ,子が成人している場合には注意を要します。その理由として,子が成人している,あるいは成人年齢に近接している場合には,扶養を受ける必要性が薄弱と判断されてしまう可能性があるからです。 そのため,18歳以上の稼働年齢に達した子の家族滞在ビザの申請の場合は,来日の目的や扶養を受ける必要性を明確にする資料を提出するのが好ましいと言えるでしょう。 2.家族滞在ビザでは働けない? 家族滞在ビザは,就労活動が原則禁止されています。 例外として,資格外活動許可(いわゆるアルバイトの許可のことです。)を取得することによって,18歳以上で週28時間以内での就労活動が認められています。 資格外活動許可を取得せずに,家族滞在ビザで就労をしてしまうと資格外活動罪(入管法第24条4号イ,入管法第73条)に問われる可能性がありますので,就労活動をする場合には,必ず資格外活動許可を取得するようにしてください。 家族滞在ビザの資格外活動許可は,留学ビザと同様に,包括的なアルバイトの許可です。そのため,特定の就労先が決まっていない段階でも取得することができます。アルバイトやパートで働きたい場合は,就業先が決まってから資格外活動の許可を取得するのではなく,うっかり忘れを防止するためにも,あらかじめ資格外活動許可を取得しておくことをお勧めします。 3.家族滞在ビザで在留中の子どもが大きくなったら? 子どもが成長し,独立した生計を立てることができるようになれば,親の扶養を受ける必要がなくなるため,家族滞在ビザには該当しなくなります。しかし,幼い頃に来日し,日本で教育を受け,長年日本で暮らしてきた子が,本国への帰国を余儀なくされるのは人道的な観点から好ましくありません。 そこで,日本で義務教育の大半を受け,日本の高校を卒業している場合(おおむね高校卒業までの10年以上の在学歴が必要となります。)には,日本への定着性の高さに鑑み,定住者ビザへの変更許可がされるケースがあります。 この定住者ビザは,あらかじめ法務省告示で定められているものではありませんが,近時の法務省の傾向としては,比較的容易に取得できる傾向にあります。 4.家族滞在ビザの扶養者が在留資格該当性を喪失した場合はどうなる? 家族滞在ビザの扶養者が離職などの事情で在留資格を喪失した場合には,家族滞在ビザで在留する配偶者やお子様も,その在留資格に該当しなくなります。なぜなら,家族滞在ビザは,本体者である扶養者が在留資格を有することを前提とするからです。 また,家族滞在ビザの扶養者が永住許可を受けた場合にも,その配偶者やお子様は家族滞在ビザの在留資格該当性を喪失することになります。その理由は,家族滞在ビザの対象となる扶養者の在留資格の種別には,1(1)の通り永住者の在留資格は含まれていないからです。この場合,配偶者の方は永住者の配偶者等のビザとなり,お子様は永住者の配偶者等のビザもしくは定住者ビザへの変更申請を速やかに行う必要があります。 家族滞在ビザの扶養者が永住許可を取得したい場合には,速やかにご家族の在留資格変更許可申請を入管で行うようにして下さい。 5.家族滞在ビザを取得するメリット 日本で就労する外国人が,家族を呼び寄せてその家族が家族滞在ビザを取得すると,職場に定着しやすくなるメリットがあります。 現在,日本の就労ビザを取得している外国人で国籍で多いのは,ベトナム,フィリピン,インドネシアなどの出身者です。これらの国は,家族重視の国民性であるため,家族が一緒に暮らすことを希望しています。 したがって,日本で働く外国人は,いずれは本国から家族を呼び寄せたいと考えている方が多い傾向です。 企業の人事担当の方は,外国人従業員から「家族を呼びたい」という希望を聞いた場合には,ぜひ積極的に協力をしてあげてください。 6.家族滞在ビザ取得のための必要書類 家族滞在ビザを取得する際に,原則として必要となる書類は以下の通りです。…

就労ビザの取得要件|企業の注意点や必要書類,審査期間を解説

1.就労ビザとは? 就労ビザとは,正式には「就労できる在留資格」の事を意味しており,外国人が日本で働くために入管が許可する資格の事を言います。 ビザ(査証)とは別のもので,ビザ(査証)は,日本が発行する入国許可証で,在留資格を意味するビザは,日本に滞在することを許可する資格です。 「就労できる在留資格」すなわち就労ビザは,日本で就労を希望する外国人は取得する必要があります。 一方,文化活動や研修,短期滞在や留学,家族滞在等を目的とした外国人は,就労不可のビザに該当します。 就労系の在留資格は,外国人が日本で行う活動内容によって19種類に分類されています。 >>就労ビザ 種類 はこちらをご覧ください。 2.就労ビザの取得要件 就労ビザの取得要件は,簡単に説明すると,以下のとおりです。 ビザの種類に適合するような業務に就く 業務に関連のある学部や学科を卒業している 日本人と同等以上の報酬を得られる 就労先の企業に継続性や安定性がある 就労ビザの代表格となる技術人文知識国際業務ビザでは、理学,工学その他の自然科学に関する業務、法律学,経済学,社会学その他の人文科学に関する業務、’国際的な分野に関する業務などに従事することが可能です。 技術人文知識国際業務ビザの要件には学歴要件、実務経験、資格などがそれぞれ必要となりますので、申請の際は、事前に確認しましょう。 詳しくは,技術人文知識国際業務ビザ に記載しておりますので,ぜひあわせてご覧ください。 3.就労ビザを取得するための必要書類 就労ビザの取得には,多くの書類が必要になります。 また,必要な書類は,勤務する会社の属するカテゴリーによって変わります。 提出書類は、勤務する会社の事業概要や職務を証明する書類、外国人の学歴や実務経験を証明する書類になります。 以下は主な書類です。 申請書 申請人の写真(4×3センチ) 返信用封筒または返信ハガキ 採用・招へい理由書・職務内容説明書 申請人の履歴書 最終学歴の証明書(卒業証書) 職歴を証明する文書 などになります。 勤務する会社の属するカテゴリーの詳細については,以下の記事をご覧ください。 >>就労ビザ カテゴリーはこちら 4.海外から外国人を呼び寄せて採用する場合の就労ビザの取得方法…

外国人料理人のビザとは?要件,必要書類,注意点を解説!

1.外国人料理人のビザとは? 外国人料理人のビザとは,一般的には,就労ビザの一種である「技能」ビザを指します。 入管法の文言を引用すると,技能ビザを持って日本で出来る活動は,「日本の企業等との契約に基づいて行う産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する活動」とされています。 しかし,これだけでは具体的な内容が分かりませんね。 技能ビザで認められている具体的な仕事は,上陸基準省令という省令によって,更に以下の9つに分類されています。 1:外国人料理人 2:建築技術者 3:外国特有製品の製造・修理 4:宝石・貴金属・毛皮加工 5:動物の調教 6:石油・地熱等掘削調査 7:航空機操縦士 8:スポーツ指導者 9:ワイン鑑定等 今回のコラムでご説明する外国人料理人のビザは,1つ目のカテゴリーに該当するもので,正確には上陸基準省令で「料理の調理又は食品の製造に係る技能で外国において考案され我が国において特殊なものを要する業務」としてその活動内容が定められています。 2.外国人料理人が日本で働くための要件 本チャプターでは,外国人料理人のビザを取得するためにどのようなポイントに気を付けないといけないかを解説していきます。 ①外国人料理人が調理する料理 前記の通り,外国人料理人のビザ取得のためには,まずその料理人の調理対象となる料理が,外国で考案され,日本において特殊なものでなければなりません。 これは,そのお店が自称する料理ジャンルではなく,実際に提供する料理の内容によって判断する必要があります。 例えば,一口に「中華料理」と言っても,本場さながらの本格的な四川料理を調理するのであれば,それは外国人料理人のビザで想定されている調理業務に当てはまります。 他方で,ラーメン屋や,いわゆる町中華のような,焼きめしや中華カレー等,外国で考案されたものでない独自メニューを主に提供しているようなお店では,外国人料理人のビザで想定されているものには当てはまらず,ビザ取得は出来ません。 ②外国人料理人の実務経験年数 「技能」のビザを取得するためには,外国人料理人に熟練した技能が求められます。 そして,その熟練した技能を図る基準として,「その技能について10年以上の実務経験」が要件とされています。 これは単に外国人料理人として10年以上の実務経験があれば足りるのではなく,日本で従事しようとする料理の分野と同じ分野での実務経験が必要です。 例えば,スペイン料理の料理人として日本に呼び寄せる場合,単に料理人としての経験年数で見るのではなく,「スペイン料理の料理人」として10年以上の実務経験を有しているかどうかを見ることが必要となります。 つまり,スペイン料理の料理人として8年,イタリア料理の料理人として3年の実務経験があった場合,料理人としての経験は合計で10年以上であっても,スペイン料理の料理人としての実務経験単体が10年に満たないため,技能ビザの要件を満たさないことになります。 なお,この10年の実務経験については,外国の教育機関で当該料理の調理コースを専攻した年数も実務経験年数に含まれます。 そのため,上記の例を再度持ち出すと,スペイン料理の実務経験が8年であっても,外国の教育機関で2年以上スペイン料理の調理を専攻していれば,この外国人料理人は10年の実務経験要件を満たすことになります。 ちなみに,タイ料理人については上記実務経験要件10年の例外措置があります。 具体的には,日本とタイの間で経済協定が締結されており,①タイ料理人として5年以上の実務経験,②初級以上のタイ料理人としての技能水準に関する証明書の取得,③ビザ申請直前1年においてタイでタイ料理人して妥当な報酬を受けていたこと,という3つの要件を満たせば,タイ料理の実務経験年数が10年に満たない場合でも,実務経験の要件を満たすことになります。 ③外国人料理人の日本での報酬 他の多くの就労ビザと同様に,報酬額に関する要件が外国人料理人のビザにも設けられています。 具体的には,ビザ取得を希望する外国人の報酬を,日本人が同じ仕事に従事する場合に受ける報酬と同等額以上にしなければならない,というものです。 これは,外国人であることを理由として,賃金に不利な差を設けることを禁止する趣旨です。 賃金規定の整備がされている企業であれば,当該賃金規定に則った報酬を支払うことが求められ,そのような社内規定がない場合にあっては,社内で比較対象となる従業員,または業界内の相場と比較した時に妥当な金額であると説明出来るよう,設定が必要です。 ④外国人料理人を受け入れる店舗の規模,設備 入管法や上陸基準省令の条文には,店舗の規模や設備についての明確な規定はありません。 しかし,外国人料理人が,日本で料理人としての仕事を継続的・安定的に行えるものとして入管から認められるためには,一定の店舗規模や設備が確保されていることは重要です。…

外国人美容師のビザ申請

1.外国人美容師育成事業とは? 前提として,日本で美容師として働くためには誰でも日本で指定された美容師の養成施設を卒業し,美容師国家試験(国家資格)に合格して美容師免許を取得する必要があります。 この過程は,外国人の方でも同じです。 これまでも,外国人の方が美容師の免許を取ることは出来たのですが,ハードルになっていたのは,外国人の方が実際に日本で美容師として働く時の在留資格(ビザ)の問題です。 外国人が「日本で報酬を得て働くこと」を理由にして日本に上陸・滞在するためには,「在留資格=就労ビザ」が必要です。 ところが,日本で就労ビザの種類の中に,「美容師」が取得できる就労ビザがありませんでした。 このため,外国人の方が日本で美容師として働けるのは「永住者」や「日本人の配偶者・子」などの身分関係の在留資格を持った人のみ。外国人留学生もアルバイトとしてなら美容室で働くことは出来ましたが,美容師免許もないのでヘアカットは出来ません。 このように,外国人の方は養成施設を出て美容師免許も取ったのに,就労ビザが取得できないので日本で美容師として働けない――という問題がありました。 この点が今回の特例措置で変わりました。 特例措置として2021年より「外国人美容師育成事業」が始まり,2022年10月からは実際に東京都内で外国人美容師が日本で就労することが可能になりました。 今後,就労できる地域は拡大することが見込まれています。 外国人美容師育成事業の目的は以下とされます。 外国人美容師育成事業は、日本の美容製品の輸出促進や、インバウンド需要に対応するため、日本の美容師養成施設を卒業して美容師免許を取得した外国人留学生に対し、一定の要件の下、美容師としての就労を目的とする在留を認め、日本式の美容に関する技術や文化を世界へ発信する担い手を育成する事業 引用:内閣府国家戦略特区HP 目的の中に「日本での雇用促進(日本で働く外国人を増やす)」という言葉はありません。 なぜなら,「日本の美容を海外へ」が目的だからです。 外国人の方に日本で美容に関する知識や技術を学んでもらって育成しましょう。 そのために「在留を認め」ますよと。将来的には母国に帰って日本の美容技術・美容製品を積極的に広めてもらいたいのです――というのが,この事業の建て付けです。 この事業は下記で述べる「国家戦略特区」の中だけで行えます。 日本全国どこでも可能ではないことはご理解ください。 特例措置としての事業ですので,他の就労ビザと異なる複雑な仕組みがあります。 引用:内閣府国家戦略特区HP 上記の図にある用語を解説します。 ※「育成機関」とは, 外国人美容師を受け入れる「日本国内の」美容室のことです。「理容院」は「育成機関」に含まれないのでご注意ください。 「育成機関」という言葉通り,外国人が日本式の美容を習得するための勉強の場という位置づけです。 ですから,育成機関になるには様々な条件があります。 事前に自治体に「育成機関になりたい」と申請し,外国人美容師一人一人について「当店ではこんな風に美容師を育てる」という「育成計画」を作成・提出して,認められなければなりません。 さらに育成機関では 外国人美容師を雇用契約に基づく労働者として受入れ 「特定美容活動」に従事させ 監理実施機関と連携 する必要があります。 育成計画通りに育成が進んでいるか等は,毎年報告もしなければなりません。 1美容室あたり育成(雇用)できる外国人美容師は3人までです。 それ以上の雇用はできません。 ※「特定美容活動」とは 在留資格(就労ビザ)の観点から言うと,外国人美容師が日本で就労することを認める根拠となる資格が「特定美容活動」であるということになります。 在留資格の中には,法務大臣が「個々の外国人について特に指定する活動(特定活動)」があり,その一つに外国人美容師の育成のための就労が加わったということです。 国家戦略特区の中で…

高度专门职签证的取得条件

1. 什么是高度专门职签证? 1-1. 什么是高度专门职签证? 高度专门职签证,是为了促进具有高级能力和资质的外国人(高级外国人才)的接收,2015年设立了高度专门职签证,该签证有望助经济增长,创造新的需求和雇佣。 为了积极接收高级外国人才,高度专门职签证有在留期间“5年”(符合高度专门职2号的话是“无限期”)的授予和允许复合的在留活动等优待措施。 另外,由于高度专门职签证的入境,在留手续是优先处理的,所以对接收的企业来说也有一定优势。 根据2022年3月29日出入境在留管理厅发表的报告资料,截至2021年末,有1万5735名外国人持有高度专职签证。 从日本经济发展的观点来看,持有高度专门职签证的外国人的动向,可以说是值得关注的指标。 1-2. 高度专门职1号 高度专门职签证分为“高度专门职1号”和“高度专门职2号”。 并且,高度专门职1号根据活动内容,被进一步分类为イ・ロ・ハ三种 符合高度专门职1号的职种具体如下。 高度专门职1号イ 被称为高度学术研究,是根据与日本的公共机关和民间企业等的契约进行的研究,研究的指导或者教育的活动。 具体来说,在大学等教育机关进行教育的活动和在民间企业的研究所进行研究的活动就属于这个签证。 同时,除了这些活动以外,还可以同时活用教育和研究的成果成立事业,自己从事事业经营。 高度专门职1号ロ 被称为高度专门·技术,是指根据与日本的公共机关和民间企业等的契约而进行的从事自然科学或人文科学领域的知识或技术业务的活动。 具体来说,在所属企业中,作为技术人员从事产品开发业务的活动,企划立案业务,比如IT工程师的活动等专业性的职业就属于这个签证。 同时,与这些活动一起,也可以建立关联的事业,自己从事事业的经营。 虽然与技术,人文知识,国际业务签证的活动内容有很多重叠的部分,但是在技术,人文知识,国际业务的签证中,国际业务的活动内容不属于高度专门职1号ロ,这一点需要引起注意。 高度专门职1号ハ 被称为高度经营·管理,相当于在日本的公共机关和民间企业等进行事业的经营或者从事管理的活动。 具体来说,比如公司的经营,律师事务所,税理士事务所等的经营,管理活动。 从事这些工作的同时,也可以成立与活动内容相关的公司或事务所,自己经营事业。 如上所述,高度专门职1号和其他签证的不同,还在于允许从事复合的在留活动。 此外,现在实施的制度当中,一律授予最长“5年”的在留期间。 对于企业来说,可以安定的雇佣高级外国人才也是一个优势。 1-3. 高度专门职2号 高度专门职2号以持高度专门职1号进行了3年以上活动的人为对象。 与高度专门职1号的活动一致几乎所有的就劳活动都可以进行。 具体来说,高度专门职1号イ・ロ・ハ的任意一个,或者与这些活动一起,也可以同时进行以下签证认可的活动。 ※对应“教授”,“艺术”,“宗教”,“报道”,“法律·会计业务”,“医疗”,“教育”,“技术·人文知识·国际业务”,“看护”,“兴行”,“技能”,“特定技能2号”的签证的活动。 高度专门职2号签证的在留期间,只要进行相当于高度专门职签证的活动,就是“无限期”。 另外,还可以跨多个签证进行活动。 1-4. 高度专门职签证1号和2号的区别…