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就労ビザは契約社員や派遣社員でも取得できる?正社員でないとだめ?

1.正社員・契約社員・派遣社員・業務委託・アルバイトの違い まず,以下の労働形態についての概要を説明します。 ①正社員 ②契約社員 ③派遣社員 ④業務委託 ⑤アルバイト ①正社員 正社員とは,基本的に以下の条件を満たす従業員のことを指します。 1. 労働契約の期間の定めがない 2. 所定労働時間がフルタイムである 3. 直接雇用である また,現在では正社員の在り方も多様化しています。 具体的には,以下のような感じです。 勤務地 所定労働時間 職務内容 正社員 限定なし 限定なし 限定なし 勤務地限定正社員 転勤するエリアが限定されていたり,転居を伴う転勤がなかったり,あるいは転勤が一切ない 限定なし 限定なし 職務限定正社員 限定なし 限定なし 担当する職務内容や仕事の範囲が他の業務と明確に区別され,限定されている 勤務時間限定正社員 限定なし 所定労働時間がフルタイムではない,あるいは残業が免除されている 限定なし このように,転勤ができなかったり,残業ができなかったりしても,正社員になれるのです。 国籍や性別,家庭環境に左右されず正社員になれるチャンスはある時代と言って良いでしょう。 ②契約社員 契約社員とは,企業と有期で雇用契約を締結する従業員のことです。…

【技術人文知識国際業務ビザ】人事担当者向けコラム

1.技術人文知識国際業務ビザで従事できる具体的な業務とは? 技術人文知識国際業務ビザで従事できる具体的な業務を理解するためのヒントは,入管法にあります。 本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学,工学その他の自然科学の分野若しくは法律学,経済学,社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動(一の表の教授の項,芸術の項及び報道の項の下欄に掲げる活動並びにこの表の経営・管理の項から教育の項まで,企業内転勤の項及び興行の項の下欄に掲げる活動を除く。)。 上記を分解して読むと, 技術分野…理学,工学その他の自然科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務 人文知識分野…法律学,経済学,社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務 国際分野…外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務 ということになります。 しかし,入管法を読むだけでは,技術人文知識国際業務ビザの具体的な業務内容は,イメージしづらいですね。 そこで,もう少し具体的に技術人文知識国際業務ビザの中身を見ていきましょう。 まずは,技術分野からです。 技術分野は,理系の仕事をイメージしてください。 例えば,システムエンジニア,プログラマー,精密機械等の設計・開発,CAD・CAEを使用する業務,機械工学の知識を使う技術開発,情報処理の知識を使うデータベース構築などの業務があげられます。 次に,人文知識分野です。 人文知識分野は,文系の仕事をイメージしてください。 具体的には,会計業務,営業,企画業務,総務,貿易事務,コンサルティング業務,マーケティング支援業務などです。 最後は,国際業務分野です。 国際業務は,その名のとおり国際的な業務です。 具体的には,通訳業務,翻訳業務,語学教師,海外取引業務,商品開発などがあげられます。 いかがでしょうか。 技術人文知識国際業務ビザで従事できる具体的な業務のイメージは,掴んでいただけましたか。 それでは,次のチャプターで,技術人文知識国際業務ビザの要件を具体的に見ていきましょう。 2.技術人文知識国際業務ビザの要件 日本で就労を希望する外国人は,あらかじめ入管法に定められている活動内容に該当している必要があります。 言い換えると,入管法で規定していない活動では,技術人文知識国際業務ビザを取得することはできないということです。 たとえ人柄も良く,優秀な外国人留学生であったとしても,取得できません。 では,入管法であらかじめ規定している活動は何かというと,上記1で見た「技術分野」,「人文知識分野」,「国際業務分野」の内容です。 入管法で規定している活動に該当することを“在留資格該当性あり”と言い,反対に入管法で規定していない活動に従事する場合には,“在留資格該当性なし”と言います。 次に,“在留資格該当性があり”と判断されると,技術人文知識国際業務ビザは取得できるかというと,そういうわけではありません。 在留資格該当性以外に,上陸許可基準省令を満たさないと技術人文知識国際業務ビザは取得できません。 上陸許可基準省令には,入管政策上の観点から調整を要する外国人の活動について,在留資格該当性に加えて,法務省令で定められている要件に適合していることを求めるものと定義されます。 具体的には,学歴,経験,資格などです。 それではなぜ,技術人文知識国際業務ビザでは,学歴や経験などを求めているのでしょうか。 それは,在留資格該当性を有するだけで技術人文知識国際業務ビザを取得できるのであれば,国際業務の分野に該当する通訳業務に従事する場合,誰でも技術人文知識国際業務ビザを取得できることになります。 また,技術分野に該当するプログラマーに従事する場合も同様に誰でもビザを取得できることになってしまいます。 つまり,活動内容の制限に加え,学歴や経験の要件を加えることで絞りをかけ,外国人労働者数の調整や日本人の雇用確保との調整を図っているのです。 次に,技術人文知識国際業務ビザにおける上陸許可基準省令の要件を見ていきましょう。 下記の図にまとめておりますので,ご覧ください。 最後は,「日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること」という要件です。 これは端的にいうと,外国人であることを理由として低賃金や報酬面で差別をしてはいけないということです。…

フランス人との国際結婚手続きを専門行政書士が解説!

1.国際結婚手続きの用語解説 本ページでは,国際結婚手続きにおける専門用語を解説していきます。 以降の内容をご参照いただくにあたり必要となる前提知識ですので,ご一読の上,次の項目に進んでください。 ①国際結婚の成立とは? 国際結婚が有効に成立するには,双方の国籍国(本事例でいうと日本とフランス)において,法的に有効な婚姻関係にあることが原則必要とされています。 日本で先に結婚手続きを行うことを日本方式と言い,フランスで先に結婚手続きを行うことをフランス方式と言います。 ②婚姻要件具備証明書とは? 外国人が,日本方式の婚姻を有効に成立させるためには,国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件(婚姻できる年齢に達していること,独身であることなど)を満たしていることが必要とされています。 もっとも,日本の市区町村役場で,外国人配偶者の国籍国の法律を全て審査することは現実的ではありません。 そこで,国際結婚においては,相手国が発給した婚姻要件具備証明書を提出することによって,国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていると判断することにしているのです。 なお,発行国によっては,独身証明書などと言われることがありますが,独身であることのみならず,国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていることが明らかになるものであれば,基本的には婚姻要件具備証明書と考えていただいて差支えありません。 2.フランス人との国際結婚手続きで注意すること フランス人と日本人との国際結婚手続きの際,ご注意いただきたい事項を下記に記載いたします。 ①婚姻要件具備証明書について フランスは婚姻要件具備証明書が発行される国ですので,日本方式で婚姻を行う場合は,在日フランス大使館発行の婚姻要件具備証明書が必要になります。 ②婚姻可能な年齢について フランス人の婚姻可能な年齢は,男女ともに18歳です。 なお,女子が妊娠しているなど重大な理由がある場合は,検事の承認と父母の同意により,18歳未満の者でも婚姻が可能になる場合があります。 ③再婚禁止期間について フランスでは,再婚禁止期間は定められていません。 もっとも,日本法では女性は離婚後100日間の再婚禁止期間があり(妊娠していないことの医師の証明書を提出すれば離婚後100日未満でも禁止されません),この規定はフランス人との婚姻にも適用されます。 3.国際結婚手続きにおける必要書類(日本方式) 本題の国際結婚手続きについて解説していきます。 ここからは,日本人とフランス人が日本方式で婚姻をおこなう場合の必要書類を記載します。 なお,提出先の市区町村役場によって若干の相違があるため,事前に役所照会することをお勧めいたします。 ①フランス人の婚姻要件具備証明書の申請における必要書類 まずは,在日フランス大使館または領事館にて婚姻要件具備証明書(Certificat de Capacité à Mariage)を取得する必要があります。 大使館に当事者二人で出頭し,申請してください。申請から4~6週間ほどで婚姻要件具備証明書が発行されます(郵送受取可)。 <フランス人の方にご準備いただく書類> ・パスポートのコピー ・在留カードのコピー(在留カードをお持ちの場合) ・住所証明書(在留カードをお持ちでない場合) ・出生証明書 ・国籍証明書 <日本人の方にご準備いただく書類> ・パスポートのコピー…

归化申请许可的7个条件

1. 申请归化的7个条件 国籍法上明确规定的归化许可条件有6个。 但是,在实际业务上,除了这6个条件之外,还附加了“日语能力”。 因此,实际上归化申请可以说是由7个条件构成的。 首先,我们来看看这7个基本条件。 1.1 住所条件(国籍法第5条第1项第1号) 首先,住所条件想必大家都知道,为了申请归化,申请时必须持续在日本居住5年以上。 特别重要的是“持续”这一部分,如果有没有合理理由的长期出国(例如私人旅行),或者在留资格中断的情况下,这5年将重新计算。 但是,在这里,“来日本还未满5年,暂时无法申请归化。。。”,因为这个原因而放弃的话还未免太早了。本记事后面的2.将会说明5种常见的例外条件,如果符合例外条件,最短不满1年即可申请归化。 1.2 能力条件(国籍法第5条第1项第2号) 其次,第二个条件被称为“能力条件”。 这是要求申请人具备行为能力(能够单独确定有效地执行法律行为的能力)※1的必要条件,重要的是,在日本法律和本国法律都必须达到成年。 也就是说,即使本国法律规定的成人年龄为18岁,如果没有达到日本法律规定的成人(20岁※2)条件,就无法满足此规定。不过,这个条件也有例外缓和的可能性。 ※1障碍者,即使行为能力受到限制,只要能以某种形式表示希望归化的意愿,审查也有可能进行。 ※2 2022年4月1日起,本国法律规定18岁成年的人,在日本也属于达到成人条件,因此也可以判断为满足能力条件。 此外,韩国的成人年龄为19岁,包含特别永住者在内,持韩国国籍的人,就算达到18岁。在日本法律上还属于未成年,因此不满足能力条件。 这种情况,需要等到满19岁以后再申请归化。 1.3 素行条件(国籍法第5条第1项第3号) 第3个条件是“素行条件”,也就是要求“素行良好”。 “素行良好”,简单来说,“就是是否遵守规定认真生活。”除了没有犯罪行为或者交通违反等消极因素以外,还需要履行纳税,各种通知义务等,不存在品行不端的情况。 但是,但并不是说品行不端就永远失去归化许可的机会,而是对照社会常识(一般感觉),既有不定期进行申请的情况,也有经过一定期间后,有良好的更生状况和反省态度的话也有归化申请许可的情况。 1.4 生计条件(国籍法第5条第1项第4号) 第4点的“生计条件”,指的是在日本的生活没有金钱方面的困扰。 这个条件的重点在于,生活条件并不只针对一个人,而是通过一个世代来判断。 因此,就算自身没有收入,如果家庭生计或者收入稳定,或者有一定资产的话,也满足这个条件。 并且,这里的世代,并不仅仅是住民票的世代,而是实际上生活在一起的一个世代成员,这一点需要引起注意。 但是这些条件有一部分例外可以缓和。 1.5 双重国籍防止条件(国籍法第5条第1项第5号) 第5个条件是“双重国籍防止条件”。这是为了防止日本法律上不认可的“多重国籍者”而出台的规定,对于通过归化取得日本国籍的人,以取得日本国籍为交换,必须丧失现在持有的国籍的条件。 简单来说就是“不认可双重国籍,因此想要取得日本国籍的话必须放弃现在的国籍”的意思。 不过这里有一个盲点,根据各国的国籍法的不同,有的国家规定如果兵役未结束或有租税债务的话,有可能无法丧失国籍。 即使审查结束,基本可以确实取得归化许可,但是最后阶段如果不能丧失国籍,也不能允许归化为日本国籍。 因此必须要事先确认以上事项。…

无法成功申请归化的12个原因及成功申请的对策介绍

1.成功申请归化所需要的条件 想要成功取得归化,最低限度必须满足以下条件。 (国籍法 第5条) 满足以下条件的外国人,法务大臣允许其归化。 1.连续五年以上在日本有住所。 2.二十岁以上并且根据本国法具有行为能力。 3.素行良好 4.可以通过自己或生活在一起的配偶及其他亲属的资产或技能来维持生计。 5.没有国籍,或取得日本国籍以后可以放弃现在的国籍。 6.在日本国宪法实施之日以后,没有企图用暴力破坏日本国宪法或在其之下成立的政府,或是主张,企图以此为目的,或建立或加入主张此目的的政党或其他团体。 但是,归化申请许可与否,是由法务大臣判断。 也就是,就算满足以上条件,如果考虑到有其他不满足许可条件情况的话,法务大臣可以给出不许可的结果。 因此,以上的条件,仅仅只是最低限度的要求。 2.无法取得归化的12个原因 无法取得归化的理由,具体可以考虑以下几种情况。 ①递交申请以后,申请内容发生了变化(结婚,离婚,搬家,跳槽等等),但是却没有向法务局汇报。 递交归化申请后,如若申请内容发生了变更,需要及时向法务局报告。为什么如此重视,如果没有及时报告,就意味着申请内容同当下的情况不一致。 此外,如果归化申请期间出境的话,也需要事先同法务局报告。 ②申请后,发生了对审查不利的事项(违反法律(包括过度违反交通规则),未履行纳税等社会义务,接受了破产手续开始决定等) 提交了归化申请并不等于一切都尘埃落定。 实际上,归化申请在申请结果出来之前一直处于审查状态。 因此,如果递交归化申请之后发生不利的事情,会对审查带来负面影响。 ③归化申请时提交的申请文件中确认到了虚假或与事实背离的记载 申请资料中如果被确认到做了违背事实的虚假记载的话,意味着极大程度的失去审查官的信任。 对于虚假记载,法务省可能会对之进行行政调查,如果性质恶劣的话,有可能会被追究伪造文件罪,这一点一定要避免发生。 ④未应对法务局提出的追加资料的请求 提交的资料当中存在不足时,法务局还会提出追加资料的要求。 如果没有及时对应的话,会由于资料不充分而无法继续审查,最终很有可能就要面临不许可的结果。 ⑤日语能力较差 日语能力达到小学3年这一条件,也许归化申请的条件之一。 因此,如果日语能力过低者,有可能无法取得归化许可。 ⑥生活要件不充分 申请归化时获得许可的条件是,具有可以靠自己或同一世代的亲属收入维持生计的经济能力。 但是,如果跳槽次数过多收入不稳定,或是现在才打算开始工作,今后可能无法达到要求的稳定的生活条件的话,有可能无法批准归化申请。 ⑦有前科经历 虽说有前科,但也并不是不一定不允许申请归化,只要不与国籍法第5条规定的素行要件相抵触,申请获准的可能性还是很高的。 话虽如此,隐瞒前科事实是不利的,所以有必要将信息如实传达给法务局。 ⑧无视法务局提出的撤销探询强行申请 法务局提出撤销申请的探询是肯定是考虑到,在现在的情况下,因为某些原因,很有可能无法取得归化申请的批准。…

帰化ができない12の理由

1. 帰化申請を成功させるために必要な条件 帰化申請を成功させるためには,最低限以下の条件を満たす必要があります。 (国籍法 第5条) 法務大臣は,次の条件を備える外国人でなければ,その帰化を許可することができない。 1. 引き続き五年以上日本に住所を有すること。 2. 二十歳以上で本国法によって行為能力を有すること。 3. 素行が善良であること。 4. 自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によって生計を営むことができること。 5. 国籍を有せず,又は日本の国籍の取得によってその国籍を失うべきこと。 6. 日本国憲法施行の日以後において,日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊し,若しくはこれを企て,若しくは主張し,又はこれを企て,若しくは主張する政党その他の団体を結成し,若しくはこれに加入したことがないこと。 ただし,帰化申請の許可処分は,法務大臣の裁量行為です。 つまり,上記の条件を満たしていても,他の事情を勘案して許可することが適当でないと判断される場合には,法務大臣の裁量で不許可とすることができるのです。 そのため,上記の条件を満たすことは,あくまで最低限といえます。 2. 帰化ができない12の理由 帰化ができない理由ですが,具体的に以下のケースが考えられます。 ① 申請後に申請した内容からの変更(結婚,離婚,引越し,転職など)があったにも関わらず法務局へ報告をおこなわなかった 帰化申請後に申請内容の変更があった場合,遅滞なく法務局に報告をする必要があります。なぜなら,遅滞なく報告を行わなかった場合,申請内容と事実に乖離が生じてしまうためです。 また,帰化申請中に出国をする場合も事前に法務局へ連絡をしておく方がよいです。 ② 申請後に,審査に不利益な事項(法律違反(過度な交通違反を含む),租税公課の未納,破産手続開始決定を受けたなど)が発生した 帰化申請は提出したら終わりというわけではありません。 実は,帰化申請は申請結果が出るまで審査が続いています。 そのため,帰化申請後に不利益な事項が発生した場合は,審査にマイナス評価になってしまいます。 ③ 帰化申請で提出した申請書類に虚偽や事実と乖離する記載が確認された 申請書類に虚偽や事実と乖離する記載が確認された場合,審査官の心証を大きく損ねます。 虚偽は法務省による行政調査によって明らかになるリスクがあり,悪質になると文書偽造の罪に問われる可能性があるため,絶対に避けてください。 ④ 法務局からの追加書類提出依頼に対して対応をおこなわなかった 提出された書類について,不備や不足があった場合は法務局から追加書類提出の依頼があります。…

ミャンマー人との国際結婚手続きを専門行政書士が解説!

1.国際結婚手続きの用語解説 本チャプターでは,国際結婚手続きにおける専門用語を解説していきます。 以降の内容をご参照いただくにあたり必要となる前提知識ですので,ご一読の上,次のチャプターに進んでください。 ①国際結婚の成立とは? 国際結婚が有効に成立するには,双方(本事例でいうと日本とミャンマー)の国籍国において,法的に有効な婚姻関係にあることが原則必要とされています。 日本で先に結婚手続きを行うことを日本方式と言い,ミャンマーで先に結婚手続きを行うことをミャンマー方式と言います。 ②婚姻要件具備証明書とは? 外国人が日本方式の婚姻を有効に成立させるためには,国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件(婚姻できる年齢に達していること,独身であることなど)を満たしていることが必要とされています。 もっとも,日本の市区町村役場で,外国人の国籍国の法律を全て審査することは現実的ではありません。 そのため,国際結婚においては,国籍国の公的機関が発行する婚姻要件具備証明書を提出することによって,国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていると判断することにしています。 なお,発行国によっては,独身証明書などと言われることがありますが,独身であることのみならず,国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていることが明らかになるものであれば,基本的には婚姻要件具備証明書と考えていただいて差支えありません。 2.ミャンマー人との国際結婚手続きで注意すること ミャンマー人と日本人との国際結婚手続きの際,ご注意いただきたい事項を下記に記載いたします。 ①宗教によって適用法が異なる ミャンマーは信仰する宗教によって婚姻の際に適用される法律が異なり,法律ではなく慣習によって決まっているものもあります。ただし,ミャンマー人の90%が仏教を信仰しており,ここでは仏教徒に適用される法律に従って婚姻手続きを解説していきます。 ②婚姻要件具備証明書について ミャンマーには,婚姻要件具備証明書という名称の書類は存在しません。ただし,裁判所指定の公証弁護士が作成したファミリーリスト(戸主を中心とした居住関係を示すものですが,婚姻状況等の身分事項も記載されています。)及び独身証明書が,日本では婚姻要件具備証明書に相当する書類として扱われています。 ③婚姻可能な年齢について 以前は,「身体的に婚姻可能な年齢」が婚姻可能な年齢と定められ,裁判例によって男性は18歳以上,女性は16歳以上とされていましたが,2019年に法改正され,男女ともに18歳以上と定められることになりました。 ④再婚禁止期間について ミャンマーの法律には再婚禁止期間は定められていませんが,再婚禁止期間についてはミャンマー人女性についても日本民法が適用されることになります。すなわち,離婚したミャンマー人女性は,離婚後100日間は原則として再婚することができません。 3.国際結婚手続きにおける必要書類(日本方式) 本題の国際結婚手続きについて解説していきます。 ここからは,日本人とミャンマー人が日本方式で婚姻をおこなう場合の必要書類を記載します。 なお,提出先の市区町村役場によって若干の相違があるため,事前に役所照会することをお勧めいたします。 ①日本の市区町村役場において必要となる書類 <日本人の方にご準備いただく書類> ・婚姻届書(日本人同士の場合と同様のものです) ・本人確認資料(運転免許証又はパスポート等) ・戸籍謄本(本籍地以外に婚姻届を提出する場合) <ミャンマー人の方にご準備いただく書類> ・裁判所指定の公証弁護士が作成した独身証明書(日本語訳を添付)  ※ミャンマー外務省の認証が必要です。 ・裁判所指定の公証弁護士が作成したファミリーリスト(日本語訳を添付)  ※ミャンマー外務省の認証が必要です。 ・パスポート  ※ミャンマー人が在外にいる場合は,パスポートのコピーで代替可能です。 ②ミャンマーへの婚姻報告について ミャンマー側に婚姻の成立を報告していなくても,婚姻の効力が否定されるわけではありませんが,報告の制度は存在します。なお,日本にあるミャンマー大使館では手続きができませんので,夫婦そろってミャンマーに行く必要があります。手続きはミャンマー人配偶者の住所地を管轄する裁判所で行い,判事の面前で夫婦が宣言・署名した結婚宣言書が結婚証明書として扱われています。 4.国際結婚手続きにおける必要書類(ミャンマー方式)…