コラム

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フィリピン人との国際結婚|手続きの流れや必要書類もご紹介

1.国際結婚の手続きは日本とフィリピンどっちが先? 国際結婚をする場合、自身と配偶者のどちらの国でも手続きが必要です。 国によって、結婚の決まり事や手続きが異なりますが、フィリピン人と結婚する場合はどうなのでしょう? 実は、婚姻関係を成立させるだけであれば、日本とフィリピンのどちらが先でも結果は変わりません。しかし、順番によって手続きの早さが変わるケースがあります。 ここでは、「早く手続きを完了させる」ために必要な条件や、手続きの順番によって異なるメリットやデメリットを説明します。 ①早く手続が完了する順番は、フィリピン人配偶者の滞在場所で変わる 手続きの早さは、フィリピン人配偶者の滞在場所によって変わります。 一般的には、以下のような順番で行うと国際結婚の手続きをスムーズに行うことができます。 フィリピン人配偶者が日本に滞在している場合:日本で先に手続きを行う フィリピン配偶者がフィリピンに滞在している:フィリピンで先に手続きを行う お二人で窓口に出向いて、国際結婚手続きを行わなければならないことが多いです。 そのため、フィリピン人配偶者が居住している国で先に手続きを行うのがスムーズでしょう。 しかし、事情はそれぞれ異なるため、一概には言えません。 自分たちに合った方法を検討したい方は、国際結婚手続きを専門とする行政書士に相談するのがおすすめです。 行政書士法人第一綜合事務所では無料相談を承っていますので、ぜひ下記フォームからお問い合わせください。 無料相談のお問い合わせ先 ②日本で先に国際結婚手続きをするメリット・デメリット フィリピン人との国際結婚手続きを日本で先に手続きをする場合の、メリットとデメリットを解説します。 (1)メリット 手続きがシンプルかつスムーズ 配偶者ビザへの変更申請が、婚姻成立後すぐにできる フィリピン人との国際結婚手続きを日本で先に手続きをする最大のメリットは、日本国内で手続きが完結するということ。日本の市町村役場と、フィリピン大使館・領事館の2カ所を往復するだけなので、住居地によっては移動の負担も少なくて済みます。 また、フィリピン人配偶者が日本に滞在している場合、婚姻成立後、すぐに配偶者ビザへの変更申請を行うことができます。 なお、フィリピン人配偶者がフィリピンに居住している場合でも、スムーズに行けば、1回の訪日短期滞在(観光ビザ)で婚姻手続きから配偶者ビザの取得まで可能です。 >>観光ビザから配偶者ビザへの変更 はコチラ (2)デメリット 短期滞在で一時来日をして手続きする場合、事前に現地日本公館で「90日の短期滞在ビザ」を取得する必要がある 短期滞在で一時来日をして手続きする場合、スケジュールにタイムリミットがある フィリピン国籍者は、日本へビザなしで渡航することが認められていません。そのため、フィリピン人配偶者の入国前に、事前に90日の短期滞在ビザを取得する必要があります。 90日の短期滞在ビザとは、日本人配偶者が「招へい人」としてフィリピン人を招聘する「短期滞在ビザ」で90日の在留期限を付与されたもののことです。 15日や30日の短期滞在ビザでは、婚姻手続きの完結に日数が不足したり、その後の配偶者ビザ変更の際にマイナスの影響がありますので、注意しましょう。 ③フィリピンで先に国際結婚手続きをするメリット・デメリット フィリピンで先に国際結婚手続きをする場合の、メリットとデメリットを解説します。 (1)メリット フィリピン人配偶者のビザを取得する必要がない フィリピン人配偶者が滞在している場合は、書類を揃えやすい フィリピン人配偶者を日本に招く必要がないため、短期滞在ビザを日本で取得する必要がありません。 また、フィリピン人配偶者がフィリピンに滞在している場合は現地で準備する書類が多いので、先にフィリピンで手続きを行うのがスムーズです。…

フィリピン人の帰化申請で必要な本国書類の特殊性

1. フィリピン人の帰化申請で必要となる書類 先に述べた通り,帰化申請は「戸籍」を作成する手続きであり,「戸籍」を作成するためには,申請人の親族関係を確定させる必要があります。 そして,親族関係を確定させるためには,必ず本国書類が必要となります。 では,どのような本国書類に基づいて親族関係を確定させるのでしょうか。 日本であれば,戸籍制度を採用しているため,「戸籍謄本」を取得すれば,親族関係を一度に確認することが出来ます。 しかし,世界中を見渡した場合,戸籍制度を採用している国は,現在は日本と台湾のみであり,その他の国では,複数の本国書類を収集し,総合的に判断することにより親族関係を確定させることになります。 そして,国籍に関係なく,親族関係を確定するためには一般的に次のような本国書類が必要となります。 なお,各法務局(の担当者)によって考え方が異なるので,場合によっては必要と言われる本国書類が増えるケースがあるので,ご注意下さい。 申請人自身が独身(未婚)のケース 国籍証明書(申請人自身の分) 出生証明書(申請人+兄弟姉妹の分) 両親の結婚証明書 家族関係証明書 もっとも,フィリピン人の場合,上記のうち国籍証明書と家族関係証明書が存在しません。 そのため,他の国籍者とは違う証明書が必要となり,具体的には,次の本国書類が必要になります。 申請人自身が独身(未婚)のケース 有効期限の残っているパスポート 出生証明書(申請人+兄弟姉妹の分) ※申請人分はアポスティーユ認証済のもの 両親の結婚証明書 では,詳しくは次章にて説明していきます。 2. フィリピン人の帰化申請で必要となる本国書類の特殊性 フィリピン人が帰化申請をするうえで諸外国の方と違う点は,大きく分けて2つあります。 1つは,フィリピンの本国書類は,よほど古い書類でない限り,原則として,特定の行政機関が発行した書類が求められるということ。もう1つは,国籍証明書が存在しないということです。 以下,それぞれの点について解説します。 ①フィリピン人の帰化申請で必要となる本国書類が発行される行政機関 一般的に,外国人の方が帰化申請をする場合,国籍証明書のように大使館や領事館から発行されるものを除き,日本でいうところの県や市から発行された証明書を提出することで足ります。 しかし,フィリピン人が帰化申請をする場合,基本的には,特定の行政機関から発行された書類の提出を求められます。 ここでいう特定の行政機関とは,フィリピン統計局=PSA(Philippine Statistics Authority)のことです。 PSAは,2013年9月よりフィリピン人の各証明書を発行する正当な権限を有する行政機関としての役割を担っています。 過去に,配偶者ビザ申請のために,PSA発行の結婚証明書を取得した方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。 一部のPSA発行の書類は,オンラインでも申請することが可能なので,諸外国に比べ,本国にいらっしゃる親族に書類取得を手伝ってもらう機会を減らすことも出来ます。 ※PSAデリバリーサービス参照:https://www.psaserbilis.com.ph/#! ちなみに,帰化申請では原則的に,先に述べたPSA発行の書類が必要です。 しかし,場合によってはPSA設立以前に別の行政機関から発行された本国書類をお持ち方いらっしゃることと思います。…