依田 隼弥

国際結婚して連れ子を呼び寄せるビザとは?定住者の取得条件や必要書類,解決事例を公開!

国際結婚して連れ子を呼び寄せるビザとは?定住者の取得条件や必要書類,解決事例を公開!

国際結婚を考えている方々の中には,ご自身あるいは配偶者の連れ子と一緒に暮らしたいという悩みを抱えている方も多いことでしょう。
今回は,そんな皆様のために,連れ子ビザ(定住者ビザ)申請の手続きや条件について詳しく解説します。
実際に解決に至った事例も紹介するので,具体的な解決方法もわかりますよ。
この記事を読んでわかる内容は,以下の通りです。

  • 連れ子ビザ(定住者ビザ)の取得条件
  • 連れ子ビザ(定住者ビザ)の申請で必要な書類
  • 連れ子との養子縁組は必ず必要か?
  • 連れ子ビザ(定住者ビザ)は,永住許可申請の対象になるのか?
  • 連れ子ビザ(定住者ビザ)の解決事例

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1.国際結婚して連れ子を呼び寄せるビザとは?

国際結婚をして連れ子を呼び寄せるためには,連れ子の在留資格である「定住者」が必要です。
連れ子の在留資格の種類は個別の事情によって異なりますが,一般的なケースでは「定住者」が該当します。

定住者ビザは,個々の外国人に対して特別な理由を考慮して居住を認める在留資格です。
このビザは,連れ子を含む外国人や難民,日系人などのケースにおいて,出生や人道上の理由に基づいて取得されることが一般的です。

以下では,連れ子が定住者ビザを取得する場合の要件や,手続き方法について詳しく解説します。

(1)連れ子ビザ(定住者ビザ)の取得条件とは?

連れ子ビザ(定住者ビザ)の取得は,以下の条件を満たす必要があります。

①親が配偶者ビザを保有している
連れ子が定住者ビザを取得するためには,まず親が「日本人の配偶者」ビザ,または「永住者の配偶者」を取得している必要があります。
そのためには,法律上の正式な婚姻関係が必要です。

②親の実子である
連れ子は外国人の親の実子である必要があります。
養子や前の配偶者の連れ子の場合は,定住者ビザの取得要件を満たせません。

③子供本人が未成年かつ未婚である
連れ子は未成年かつ未婚である必要があります。
未成年とは,日本の法律で定められた18歳未満のことを指します。

④親の扶養を受けて生活する
連れ子は日本で養育されるために呼び寄せられるので,親の扶養を受けて生活することが条件です。
連れ子を受け入れる家庭の経済状況や連れ子と夫婦の同居も審査の対象となります。

申請時には連れ子の年齢や親の扶養実績,交流の証拠などを提出する必要があります。
当事務所では,連れ子と外国人配偶者を同時に呼び寄せるための申請など様々なケースに対応していますので,ご相談ください。

(2)連れ子ビザ(定住者ビザ)のカテゴリーについて

定住者ビザのカテゴリーは,主に以下の5つに分類されていますが,本ページに記載している連れ子ビザは,④となります。
同じ定住者ビザではありますが,必要書類等を間違えないようにしてください。

①外国人(申請人)の方が日系3世である場合
②外国人(申請人)の方が日系2世の配偶者(夫又は妻)である場合
③外国人(申請人)の方が日系3世の配偶者(夫又は妻)である場合
④外国人(申請人)の方が「永住者」,「定住者」,「日本人の配偶者等」,「永住者の配偶者等」又は「特別永住者」のいずれかの方の扶養を受けて生活する,未成年で未婚の実子である場合
⑤外国人(申請人)の方が「日本人」,「永住者」,「定住者」又は「特別永住者」のいずれかの方の扶養を受けて生活する,6歳未満の養子である場合

(3)連れ子との養子縁組は必ず必要ではない

国際結婚をして連れ子を呼び寄せる際に,連れ子との養子縁組が必要なのかという疑問を持つ方もいます。
しかし,定住者の在留資格で申請する場合, 日本人の父または母との養子縁組を行う必要はありません。

仮に,養子縁組が必要な場合には,外国法の手続きが複雑な場合もありますので大変です。
定住者ビザの申請においては,養子縁組をする必要はありませんので,安心して手続きを進めることができます。

(4)連れ子ビザ(定住者ビザ)も永住許可申請の対象になる

国際結婚をして連れ子を呼び寄せる際,連れ子ビザ(定住者ビザ)も永住許可申請の対象になります。
定住者ビザから永住許可を得ると,在留期間の定めがなくなり,ビザ更新の手間がなくなるので取得するのがおすすめです。

定住者ビザから永住許可を得るためには,以下の条件を満たす必要があります。

①定住者ビザ取得後,日本に5年以上の在留
②独立した生計を営むに足りる資産または技能を持っている
③素行が善良であること

定住者ビザで日本に5年以上在留し,その間の素行が善良であれば,連れ子ビザ(定住者ビザ)から永住権を取得できる可能性があります。

また,独立した生計を営むに足りる資産または技能を持っていることも条件です。
年収300万円が目安とされていますが,世帯年収で審査されるため,親や配偶者に十分な収入があれば本人の経済状況は問われないこともあります。

上記の条件を満たし,永住許可を取得することで,長期的な在留が可能となります。

2.連れ子ビザ(定住者ビザ)申請の要件と手続き

(1)必要書類の一覧

必要書類は,連れ子ビザ(定住者ビザ)のカテゴリーによって異なります。
以下は,各カテゴリーごとに必要な書類の一覧です。

「永住者」,「定住者」又は「特別永住者」の方が扶養する場合

  • 在留資格認定証明書交付申請書 1通
  • 写真 1葉
  • 返信用封筒(定形封筒に宛先を明記の上,404円分の切手(簡易書留用)を貼付したもの) 1通
  • 市区町村の役所(役場)から発行してもらうもの
    (1)扶養者の直近1年分の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの) 各1通
    (2)申請人の出生届出受理証明書 1通
    (3)扶養者の住民票(世帯全員の記載があるもの) 1通
  • 職業・収入を証明するもの
    (1)扶養者が会社に勤務している場合
     扶養者の在職証明書 1通
    (2)扶養者が自営業等の場合
     扶養者の確定申告書の控えの写し 1通
     扶養者の営業許可書の写し(ある場合) 1通
     ※ 自営業の方は,自ら職業等について立証していただく必要があります。
    (3)扶養者が無職である場合
     預貯金通帳の写し 適宜
  • 身元保証書 1通
  • 理由書(扶養を受けなければならないことを説明したもの,適宜の様式) 1通
  • 申請人の本国(外国)の機関から発行された出生証明書 1通
  • 申請人の本国(外国)の機関から発行された認知に係る証明書(認知に係る証明書がある方のみ提出して下さい。) 1通
  • 申請人が本人であることを証明する公的な資料(例:身分証明書(IDカード),運転免許証,軍役証明書,選挙人手帳等) 適宜
日本人の配偶者の方が扶養する場合

  • 在留資格認定証明書交付申請書 1通
  • 写真 1葉
  • 返信用封筒(定形封筒に宛先を明記の上,404円分の切手(簡易書留用)を貼付したもの) 1通
  • 【市区町村の役所(役場)から発行してもらうもの】
    (1)日本人の方の戸籍謄本(全部事項証明書) 1通
    (2)日本人の方の住民票(世帯全員の記載があるもの) 1通
    (3)日本人又は日本人の配偶者の方(収入の多い方)の直近1年分の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの) 各1通
  • 職業・収入を証明するもの
    (1)日本人又は日本人の配偶者の方が会社に勤務している場合 日本人又は日本人の配偶者の方(収入の多い方)の在職証明書 1通
    (2)日本人又は日本人の配偶者の方が自営業等の場合
     日本人又は日本人の配偶者の方(収入の多い方)の確定申告書の控えの写し 1通
     日本人又は日本人の配偶者の方(収入の多い方)の営業許可書の写し(ある場合) 1通
    (3)日本人及び日本人の配偶者の方が無職である場合
     預貯金通帳の写し 適宜
  • 身元保証書 1通
  • 理由書(扶養を受けなければならないことを説明したもの,適宜の様式) 1通
  • 申請人の本国(外国)の機関から発行された出生証明書 1通
  • 申請人の本国(外国)の機関から発行された認知に係る証明書(認知に係る証明書がある方のみ提出して下さい。) 1通
  • 申請人が本人であることを証明する公的な資料(例:身分証明書(IDカード),運転免許証,軍役証明書,選挙人手帳等) 適宜
永住者の配偶者の方が扶養する場合

  • 在留資格認定証明書交付申請書 1通
  • 写真 1葉
  • 返信用封筒(定形封筒に宛先を明記の上,404円分の切手(簡易書留用)を貼付したもの) 1通
  • 【市区町村の役所(役場)から発行してもらうもの】
    (1)永住者又は永住者の配偶者の方(収入の多い方)の直近1年分の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの) 各1通
    (2)申請人の出生届出受理証明書 1通
    (3)永住者又は永住者の配偶者の方の住民票(世帯全員の記載があるもの) 1通
  • 職業・収入を証明するもの
    (1)永住者又は永住者の配偶者の方が会社に勤務している場合 永住者又は永住者の配偶者の方(収入の多い方)の在職証明書 1通
    (2)永住者又は永住者の配偶者の方が自営業等の場合
    永住者又は永住者の配偶者の方(収入の多い方)の確定申告書の控えの写し 1通
    永住者又は永住者の配偶者の方(収入の多い方)の営業許可書の写し(ある場合) 1通
      ※ 自営業の方は,自ら職業等について立証していただく必要があります。
    (3)永住者及び永住者の配偶者の方が無職である場合
    預貯金通帳の写し 適宜
  • 身元保証書 1通
  • 理由書(扶養を受けなければならないことを説明したもの,適宜の様式) 1通
  • 申請人の本国(外国)の機関から発行された出生証明書 1通
  • 申請人の本国(外国)の機関から発行された認知に係る証明書(認知に係る証明書がある方のみ提出して下さい。) 1通
  • 申請人が本人であることを証明する公的な資料(例:身分証明書(IDカード),運転免許証,軍役証明書,選挙人手帳等) 適宜

3.国際結婚した夫婦の連れ子呼び寄せまでの解決事例を紹介

当事務所では,国際結婚した夫婦の連れ子を呼び寄せるまでに必要な手続き等を行った実績が多数ございます。
今回は,実際に解決に至った連れ子ビザ(定住者ビザ)の事例を2つ紹介します。
ご自身のパターンに当てはまる場合は,どのように解決すべきかがわかります。
また,専門家への依頼や,当事務所を利用するか迷っている方は,ぜひ参考にしてください。

(1)連れ子のビザ(定住者ビザ)の解決事例1

【事例】

  • 夫:日本人Aさん
  • 妻:インドネシア人Bさん
  • 子:6歳の女の子Cちゃん(母:Bさん,父:Bさんの前夫)
  • AさんとBさんの出会い:Aさんがインドネシアに赴任中

・連れ子ビザを申請したい背景:
Aさんの海外赴任期間が終了し,日本へ帰国することになり,BさんとCちゃんを日本に呼び寄せたいと思ったため。

・当社に依頼された背景:
Aさんは,国際結婚した場合の連れ子のビザ申請について,正確な情報を掴めず困っていました。
どうしても家族3人で幸せな家庭を日本で築きたいAさんは,確実にCちゃんを日本に呼び寄せることが出来ないかと考え,当社にご相談に来られました。

当社では,まず,連れ子ビザ(定住者ビザ)申請のポイントである,以下2つの条件を満たしているかを確認しました。

①外国人配偶者の実子が未成年者で未婚であること
②扶養を受けること

Cちゃんは,「未成年で未婚の実子」であるため①の条件は問題なくクリアしています。

また,Aさん一家は,Aさんが海外赴任中一緒に住んでいたため,Aさんが連れ子のCちゃんを扶養していたことは明らかです。
このことから,②の条件もクリアしています。

今回の事例で準備した資料は,以下の通りです。

【②の条件をクリアしていることを証明する資料】

  • Aさんの勤務先から海外赴任を命じられた辞令書

【Cちゃんを呼び寄せても経済的に問題がないことを立証するための資料】

  • Aさんの在職証明書
  • Aさんの直近の給与明細書

上記の資料を準備し,入管に提出した結果,無事にBさんの配偶者ビザ,Cちゃんの連れ子ビザの交付を受け,現在,家族3人で仲良く日本で暮らしていらっしゃいます。

(2)連れ子のビザ(定住者ビザ)の解決事例1

【事例】

  • 妻:中国人Aさん
  • 子:5歳の男の子Cくん(母:Aさん,父:Aさんの前夫)
  • 夫:日本人Bさん

・連れ子ビザを申請したい背景:
AさんがBさんと結婚し,日本で一緒に生活するため,日本人の配偶者等のビザを申請。
Cくんも一緒に連れて来日したいと考えているため。

・当社に依頼された背景:
離婚後はAさん一人でCくんを育ててきましたし,Bさんとも良好な関係を築いていますので,Cくんも一緒に連れて来日したいと考えています。
Cくんを一緒に連れてくることができるのか気になり,Aさん夫婦は行政書士に相談することになりました。

当社では,まず,連れ子ビザ(定住者ビザ)のカテゴリーに当てはまるかを確認しました。

Aさんは日本人の配偶者であり,日本人の配偶者等の在留資格を有しています。
CくんはAさんの扶養を受けて生活する未成年で未婚の実子として,定住者告示6号ニに該当します。

【定住者告示6号ニ】
日本人,永住者の在留資格をもって在留する者,特別永住者又は一年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留する者の配偶者で日本人の配偶者等又は永住者の配偶者等の在留資格をもって在留するものの扶養を受けて生活するこれらの者の未成年で未婚の実子

申請書にAさんとの親子関係を証明する資料を添付し,世帯の経済基盤についての説明を加えて申請を行いました。

連れ子ビザ(定住者ビザ)申請のポイントの一つである「扶養を受けること」も証明され,無事に在留資格認定証明書が交付され,Bさん世帯は親子3人で日本での生活を始めることができました。

4.国際結婚して連れ子を呼び寄せる方法のまとめ

国際結婚をして連れ子を呼び寄せるためには,連れ子ビザ(定住者ビザ)の取得が必要です。
このビザを取得するためには,一定の要件を満たす必要がありますが,養子縁組は必ずしも必要ではありません。

また,定住者ビザからは永住許可申請も可能であり,在留期間の制約がなくなります。
ただし,永住許可にはさらなる要件があるため,詳細な情報を専門家に相談することをおすすめします。

行政書士法人第一綜合事務所では,連れ子ビザ(定住者ビザ)や永住許可申請に関する相談を受け付けています。
国際結婚後に,連れ子を日本に呼びたいと考えている方は,ぜひ弊社の無料相談をご相談ください。

この記事の監修者

行政書士法人第一綜合事務所

行政書士 依田 隼弥

・日本行政書士会連合会(登録番号第24081844号)
・東京都行政書士会(会員番号第15335号)
山梨県出身。東京オフィスに所属し,外国人ビザ申請,国際結婚手続き,永住権取得など国際業務を専門としている。

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