コラム

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横浜地方法務局での帰化申請【神奈川県での帰化】

1.神奈川県の法務局一覧と管轄地域 神奈川県にある法務局と,市町村ごとの管轄地域について見ていきましょう。 神奈川県で帰化申請を取り扱っている法務局は,横浜地方法務局(本局)と,湘南・川崎・横須賀・西湘二宮・厚木・相模原の6つの支局です。県内には9つの「出張所」もありますが,出張所では帰化申請できません。 お住まいの市町村によって,申請する法務局が変わります。下の地図で確認してください。 (出典:横浜地方法務局ホームページ) 帰化申請できる法務局 法務局の住所 管轄の市町村 横浜地方法務局(本局) 045-641-7464 横浜市中区北仲通5丁目57番地 横浜第2合同庁舎 横浜市 川崎支局 044-244-4166 川崎市川崎区宮前町12-11 川崎法務総合庁舎 川崎市 相模原支局 042-753-2110 相模原市中央区富士見六丁目10-10 相模原地方合同庁舎 相模原市 厚木支局 046-224-3163 厚木市寿町三丁目5-1 厚木法務総合庁舎 厚木市,海老名市,綾瀬市,座間市,大和市,伊勢原市,秦野市,愛川町,清川村 湘南支局 0466-35-4620 藤沢市辻堂神台二丁目2番3号 鎌倉市,藤沢市,茅ヶ崎市,寒川町 横須賀支局 046-825-6511 横須賀市新港町1番地8 横須賀地方合同庁舎 横須賀市,逗子市,三浦市,葉山町 西湘二宮支局 0463-70-1102 中郡二宮町二宮1240番地1…

帰化申請で必要な日本語能力とは?日本語テストもある?

帰化申請で求められる日本語能力のレベル 「国籍法」には日本語能力について具体的な定めは記載されていませんが,実務上は小学校3年生程度の日本語能力が必要とされています。 【帰化申請で求められる日本語能力】 日本語で会話ができる 日本語で書かれた文章が読める 日本で文章を書くことができる いくら日本語での会話がスムーズでも,読み書きができないと帰化は許可されません。 帰化して日本国民になると,選挙権が与えられます。読み書きができないと,候補者の名前が読めず投票用紙に名前を書くこともできません。そういったことから,読み書きができることが求められているのです。 自分の日本語能力レベルを確認する方法 ご自身の日本語能力がどれぐらいのレベルなのか,気になる方もいらっしゃると思います。ここでは,日本語能力レベルを確認する方法について,2つご紹介します。 【方法1】法務局での「事前相談」で確認してみる 現在お住まいの住所地を管轄する法務局で,帰化申請の事前相談ができます。この事前相談では,これまでの経歴や帰化したい理由などを伝えて,申請できるかどうか,申請できる場合はどんな書類が必要なのか,担当官からいろいろと教えてもらえます。このとき一緒に,担当官へ「日本語能力レベルが気になっている」ことも相談してみてください。その場で,簡単に確認してもらえるはずです。 なお,法務局での事前相談は予約制です。予約できるのは平日のみで,法務局によっては曜日や時間帯が決まっているところありますので,電話で確認してください。 【方法2】日本語能力の試験を受けてみる もう1つの方法は,日本語能力の試験を受験してみることです。もし過去に受験したことがあれば,ひとつ参考になるでしょう。 【小学校3年生レベルとは?】 日本語能力試験(JLPT):「N4」以上 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic):「A2」以上 日本語能力の試験を受験していたとしても,法務局の判断で別途,日本語テストが実施されることもあります。 日本語能力試験については, こちらのホームページ で試験日などの情報が公開されています。 日本語能力をチェックされる場面 帰化申請で実際に日本語能力をチェックされるのは,いくつかの場面があります。 【チェックされる場面】 ①法務局での事前相談 ②「動機書」など作成した書類の内容 ③法務局での申請受付 ④申請受付後の法務局での面接 ①の事前相談で『日本語能力が不十分』だと判断されると,日本語を勉強してから申請するように勧められることもあります。また,申請受付をする際に,その場で日本語のテストを受けるよう指示される場合もあります。申請受付の際に日本語テストがなかった人でも,その後の面接で日本語テストが行われることもあります。 日本語テストの内容とは? 帰化申請で行われる日本語テストは,おおよそ15分程度で終わるものです。 設問の内容は法務局によってさまざまですが,以下のような内容が多いです。 【日本語テストの内容】 漢字の読み方を書く ひらがなを漢字に直して書く ひらがなをカタカナに,カタカナをひらがなに直して書く 文章を読んで回答を選ぶ いつくかサンプルを用意しましたので,試しにやってみてください。 【漢字の読み方】…

千葉県で帰化申請するには?【千葉地方法務局・松戸・柏・市川】

千葉県で帰化申請できる法務局は4か所 千葉県を管轄する法務局は「千葉地方法務局(本局)」で,千葉市中央区にあります。 県内にはこれ以外に支局が10,出張所が4,サービスセンターが1,計16か所あります。このうち,帰化申請できる国籍事務を取り扱っているのは,本局,松戸支局,柏支局,市川支局の4か所です。現在お住まいの市町村によって管轄となる法務局が異なりますので,下の表で確認してください。 帰化申請先 管轄の市町村 千葉地方法務局(本局) 043-302-1317 千葉市中央区中央港1丁目11番3号 (松戸支局,柏支局,市川支局の管轄以外すべて) 千葉市,銚子市,船橋市,館山市,木更津市,茂原市,成田市,佐倉市,東金市,旭市,習志野市,勝浦市,市原市,八千代市,鴨川市,君津市,富津市,四街道市,袖ヶ浦市,八街市,印西市,白井市,富里市,南房総市,匝瑳市,香取市,山武市,いすみ市,大網白里市,酒々井町,栄町,神崎町,多古町,東庄町,九十九里町,芝山町,横芝光町,一宮町,睦沢町,長生村,白子町,長柄町,長南町,大多喜町,御宿町,鋸南町 松戸支局 047-363-6278 松戸市岩瀬473番地18 松戸市,流山市 柏支局 04-7167-3309 柏市柏6丁目10番25号 柏市,我孫子市,野田市 市川支局 047-339-7701 市川市大野町4丁目2156番地1 市川市,鎌ヶ谷市,浦安市 なお,相談や申請は予約制となっています。事前に電話で予約を取ってから行くようにしましょう。 千葉地方法務局での帰化申請の流れ ここからは,帰化申請の流れについて解説します。 申請する法務局によって実際のフローが異なる場合がありますので,事前相談などで予約を取る際に改めて確認するようにしてください。 ①管轄の法務局へ「事前相談」の予約 予約は電話で行います。上の一覧表を見て管轄の法務局へお電話ください。 混雑状況によっては,予約が1か月以上先になってしまう場合もあります。 ▼ ②法務局にて事前相談 この事前相談で,申請に必要な書類についての説明も受けられます。本国の書類などで,取得できないものがある場合は,ここでしっかり相談しておきましょう。 ▼ ③必要書類の収集 事前相談で指示された書類を集めます。集めた書類には有効期限があり,法務局へ申請する時点で有効期限が切れてしまうと取得し直しになります。申請を予定している日から逆算して計画的に取得しましょう。 ▼ ④申請書類の作成 役所などで集める資料のほかに,ご自身で作成する書類が10種類以上あります。申請書の書き方がわからない場合は,再度予約を取って法務局で教えてもらうこともできます。 ▼…

帰化申請と確定申告の意外な関係性

1.確定申告とは? 確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得の金額とそれに対する所得税の額を計算し、源泉徴収された税金や予定納税額などがある場合には、その過不足を税務署で申告し,精算する手続です。 このように説明しても「何のことかよくわからない…」と思う方は多くいらっしゃるでしょう。 分かりやすく会社員の方を例に挙げると,1年間同じ会社で働いている会社員の方の場合,特に何もなければ会社が「年末調整」をして,税金の過不足の計算をしてくれます。そのため自分で確定申告をする必要はありません。しかし,会社員として働く一方で,ウーバーイーツなどの副業での収入や,不動産収入などがある場合は,会社員としての給料以外に収入があるため,源泉徴収票に記載された源泉徴収税額よりも多くの所得税を支払う可能性があり,確定申告の対象者に当たる場合があります。 帰化申請を検討される方の中で,1年間に複数の収入源がある方は,確定申告が必要になるかもしれないという認識をお持ち頂くと良いでしょう。 具体的にどのような方が確定申告の対象者になるかについては,国税庁のホームページ(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2022/01/1_06.htm)を参照して頂くか,お近くの税務署でご確認いただくことをお勧めします。 本コラムでは,当社のお客様で確定申告が必要になったケースをご紹介しますので,ご自身について思い当たるケースがありましたら,ぜひご一読ください。 では,本題の解説を進めます。 2.帰化申請と確定申告の関係性 帰化申請と確定申告には,いったいどのような関係があるのでしょうか。 確定申告の義務があるにも関わらず申告しないことは,「公的義務の不履行」として帰化申請の審査上マイナス評価になります。ここでは,テーマに沿った観点からその関係性・重要性をお伝えします。 帰化の「素行要件」で近年厳しくみられるようになったのは以下の2点です。 正しい収入申告に基づいた正しい税金の支払い(納税) 実態を伴った正しい扶養控除 確定申告は,ご自身の収入に基づいた正しい所得税額を確定するために必要な手続きです。この手続きの性質から,正しい収入申告に基づいた正しい税金の納税をするためには確定申告が必要となり,「帰化申請の素行要件」と「確定申告」は切っても切れない関係にあることがご理解頂けると思います。 帰化申請を行う時点でこれらの手続きが正しく行われていないと,申請書類提出後に,法務局より「正しい状態にしてください」と指導が入り,是正されるまで審査がストップすることになります。場合によっては,申請書類提出前に正しい状態に修正し,追加で発生した税金等を納めない限り申請すら出来ないということにもなりかねません。 3.確定申告が必要になるケースのご紹介 当社にて帰化申請の準備を進めるうえで,「確定申告が必要」と判断することが多いケースをご紹介いたします。 ①転職しているケース 例えば,ある年において1月~3月まではA社,5月~10月まではB社,11月~12月まではC社で働いている方がいたとします。この場合,A社とB社の退職時に発行された源泉徴収票を,現勤務先であるC社に提出していれば,C社で3か所全ての収入金額を合計し,それに基づいた源泉徴収税額を計算してもらえます。これを「年末調整」と言います。 しかし,C社にA,B社の源泉徴収票を提出しなければ,C社はA,B社での収入を知ることができないため,C社の給与のみに基づいた年末調整をし,源泉所得税を確定させます。 この場合,本来であれば3箇所から給与を得ていたはずなのに,C社1か所分の給与に基づいた税金しか納税されておらず,「正しい納税が行われていない」ということになります。 もしくは,3か所それぞれの給与に基づく源泉徴収は,それぞれの会社ごとに適正にされているため,一見すると正しいですが,本来は3か所の給与を合計した金額に基づき税額を決定するため,「税額計算に誤りがある」という可能性があります。 このような状態を解消するために,確定申告が必要となります。 ②在外親族を扶養に入れているケース 海外にいるお父様とお母様をご自身の扶養に入れている場合,お父様とお母様それぞれ名義の口座に海外送金をしていることが分かる送金記録を,帰化申請書類に添付する必要があります。 しかし,海外送金の手数料が高いなどの理由から,それぞれの口座ではなくお父様の口座にまとめて送金されているケースが多く見られます。 扶養に入れている人数が「2人」であれば,送金先も「2か所」でないといけませんが,上記のようにまとめて送金していた場合,お母様には送金していない扱いとなります。 正しく送金していないにも関わらず,お父様,お母様両方とも扶養控除を受けていることになります。このようなケースでは,扶養人数と扶養控除の額を正しくするために,確定申告が必要となります。 なお,令和5年1月より海外送金に関する取り締まりが厳しくなり,年間38万円以上の送金がないと在外親族を扶養に入れることができないという新しいルールも制定されています。 ③副業をしているケース 副業と言っても様々ですが,最近は不動産を購入されて賃料収入を得られている方や自身の語学能力を駆使して翻訳業務をされる方等が多い印象です。 例えば,会社員でありながら賃料収入を得ている方は,給与所得に加え不動産所得がある ということで,確定申告をする必要があります。 また,1年間に複数の会社で勤務し,1か所の収入が20万円を超える方についても,確定申告が必要となる可能性が高くなります。 具体的には,会社員の方でA社から300万円の給与収入があり年末調整をしたが,実はA社の前勤務先であるB社からも25万円の給与収入があり,A社と合算しても年末調整していない場合,この25万円について,A社の給与収入と合算して確定申告をする必要があります。B社からの給与収入が仮に18万円だったなら,確定申告をする必要はありません。 なお,こちらの考え方については,上記でご紹介した国税庁のホームページ(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2022/01/1_06.htm

交通違反は帰化申請の審査にどれぐらい影響する?専門行政書士が解説

交通違反がないことは帰化の要件のひとつ 日本への帰化については「国籍法」という法律で要件などが定められていますが,その中に「素行が善良であること」という規定があります。(国籍法第5条第3項)。 この「素行が善良であること」とは,「日本の法律やルールを守って生活している」ことを意味しています。 日本には様々な法律やルールがありますが,道路交通法もそのうちの1つです。「素行が善良である」のなかには,「交通違反がない」ということが含まれているわけです。 ただ,交通違反と言っても,シートベルト装着違反や駐車違反などの「軽微な違反」もあれば,飲酒運転やあおり運転など「悪質な違反」もあります。 悪質な違反は1回でも不許可になり得ますが,軽微な違反であれば1~2回までは特に問題とならずに許可される場合もあります。 帰化申請の審査に影響する交通違反の回数,違反の内容について,次のセクションから詳しく解説します。 交通違反の回数や重さによって影響が変わる 帰化申請で不許可リスクとなる交通違反の「目安」は,以下の通りです。 ①過去5年間に5回以上の違反歴がある ②直近2年間で3回以上の違反歴がある ③過去5年間で1回でもスピード違反や飲酒運転などの重大な違反で刑事罰を受けたことがある 上記①②③のどれか1つにでも該当する場合は,しばらく年数をあけてから帰化申請するように,法務局からアドバイスされる可能性が高いです。 軽微な違反であっても,短い期間で複数回あれば,やはり不許可リスクが高まります。 交通違反の有無を確認するには? 過去の交通違反の有無は,「運転記録証明書」を取得することで確認できます。 日本の運転免許証をお持ちの方は,帰化申請の際にこの「運転記録証明書」も提出することになります。 ここからは,運転記録証明書について解説していきます。 運転記録証明書とは   運転記録証明書は「自動車安全運転センター」という機関にて発行しています。 「1年」「3年」「5年」の3つの期間で指定でき,帰化申請では「5年」の運転記録証明書を提出します。 運転記録証明書には,氏名,生年月日,免許証番号のほか,過去の違反日,違反内容,違反点数などが記載されています。 運転記録証明書には,物損事故など行政処分がない事故については記載されません。しかし,実際の審査では警察機関に照会するなどして,ここに記載がないことも詳しく調べられることになります。 法務局での事前相談や書類点検の際に聞かれた際には,隠さず事実を正確に伝えましょう。 運転記録証明書の取得方法 続いて,運転記録証明書の取得方法について解説します。 運転記録証明書は,各都道府県にある「自動車安全運転センター」へ発行の申請を行います。 申請は以下の3つの方法から選べます。 【1.自動車安全運転センターの窓口で申請する】 自動車安全運転センターの窓口で,手数料の納付と申請が行えます。 ただし,ここで即時発行はできません。申請後,2週間前後で証明書が郵送される仕組みになっています。 ご自宅や勤務先の近くに自動車安全運転センターがある方以外は,わざわざ行くメリットはほぼありません。 次の2または3がおすすめです。 【2.郵便局(ゆうちょATM)で申請する】 郵便局またはゆうちょATMから申請することができます。 流れ ①最寄りの交番または警察署で「運転経歴に係る証明書 申込用紙」をもらう。 ②申込用紙に必要事項を記入して,名前の横に印鑑を押す。…

【中国人の帰化申請】条件や必要書類など手続きのポイントを解説

帰化申請とは? 帰化申請とは,一言でいうと「日本人になる手続き」を言います。帰化申請が許可されると日本人となるため,日本の戸籍(帰化許可者の生年月日やご両親,婚姻日などのパーソナル情報のこと)が作成されます。 また,日本人なので,ビザの申請をすることなく日本で安定的に生活できるようになりますし,世界でも信頼度の高い日本のパスポートを持つことになるため,海外旅行の際にビザ申請をすることなく行ける国が増えます。 一方で,日本は二重国籍を認めていません。このため,中国人が日本への帰化を許可されると,自動的に中国国籍は喪失することになります。 中国人の帰化申請について 法務省が発表した国籍別帰化許可者数を見てみると,中国人の方は毎年2,000人以上が帰化していることになります。下の表は,過去5年間の帰化した方の人数です。 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 中国人 2,374人 2,881人 2,526人 2,262人 2,651人 全体 8,453人 9.079人 8,167人 7,059人 8,800人 国別にみると,1位が韓国・朝鮮,2位中国,3位ベトナム,4位ブラジル,5位フィリピンとなっています。 1位の韓国・朝鮮は歴史的な背景もあるため特別だとしても,2位の中国と3位のベトナムでは帰化許可者数が4倍以上もの差が生じています。(2023年のベトナムの帰化許可者数は625人)。 この数字からわかることは,他の国と比較して,中国人の多くが日本人として日本に長く住みたいと思ってくれているということです。 日本人としては,国籍という自身のアイデンティティを変えてまで日本人となりたいと思ってもらえていることを嬉しく感じますが,法務局との関係で考えると,帰化許可者数が多いということは,中国人の帰化申請について多く審査をしているということの裏返しであり,どこの法務局も中国人の帰化申請の審査に慣れているということです。 そのため,書類の不備があると法務局から「ここが違う」「この書類は取得できるはずだ」と,その都度指摘が入り,帰化申請の準備に時間がかかる可能性があります。 だからこそ,中国人の方が帰化申請を円滑に,かつ,早急に進めるためには,書類に不備がないよう正しい知識を持って帰化申請に臨むことが大切になります。 中国人の帰化申請を成功させるポイントとは? 帰化許可を取るためにはいくつかクリアしなければいけない条件がありますが,その中でも,中国人の方が特にポイントになるものが2つあります。 【ポイント1】中国側の必要書類を正確に把握して集めること 【ポイント2】小学校3年生レベルの日本語能力があること それぞれ解説していきます。 【ポイント1】中国側の必要書類を正確に把握して集めること 帰化申請で提出が必要になる書類について,法務局では申請人から話を聞いて判断します。このため,法務局での初回相談の際に曖昧な情報を伝えてしまうと,本来は取得できないはず書類を集めるように案内され,帰化申請が進められない事態に陥るかもしれません。 中国は,最初に届出をした行政機関がどこなのかによって,その後,証明書類が発行できる役所が変わることがあります。 【例:ご両親がどちらも中国国籍である独身の中国人の方】 この方が日本国籍を取るために帰化申請をする場合,ご両親の結婚を証明するための証明書が必要となります。 ご両親が中国本土で結婚手続きをした…

帰化申請中に転職しても大丈夫?不許可リスクについて専門行政書士が解説!

帰化申請の審査中に転職をした場合 帰化申請後,審査中に転職をした場合は,申請した法務局の担当事務官へ必ず報告してください。 転職先に関する書類など,法務局へ追加で提出が必要になります。転職先に記載してもらう書類もありますので準備に数週間かかる場合もあります。 追加の書類がすべて揃うまでは審査が中断することになるため,帰化申請後に転職をした場合は,トータルの審査期間が長くなってしまいます。 【転職をした場合の追加提出書類】 ①転職先企業が作成した「在勤及び給与明細書」 ②転職先の「勤務先附近の略図」 ③転職先の給与明細書 ①は転職先の人事部門などで作成してもらい,法人印を押印してもらう必要があります。 ②は申請人ご自身で作成します。 ③は転職先から発行され次第,法務局へ提出します。 これら以外にも,追加で提出を求められる場合があります。 帰化の審査をするうえで求められているものなので,法務局の指示に従って用意してください。 帰化申請する前に転職すれば大丈夫? 帰化申請の直前に転職することも,おすすめできません。 転職してから帰化申請をするまでの期間として,少なくとも半年,できれば1年は空けたほうが安心です。 転職して半年未満の場合,法務局での事前相談でも,帰化申請するタイミングを後ろ倒しするように言われることが多いです。 転職して半年未満の場合は,転職先に定着できるか不透明で安定しているとは言えない状態です。半年経過していれば,その間の給与実績などで評価してもらえることもあります。このあたりは,転職先の状況や申請する法務局によっても判断に差が出る部分ですので,事前相談の際にしっかり確認することをおすすめします。 過去の転職も帰化申請の審査に影響する? 帰化申請の審査中,申請前に転職することはおすすめできない話をしてきましたが,過去の転職についても帰化申請に影響があるのでしょうか。 過去に転職をしたことがある場合,転職そのものがマイナスになることはありません。 ただ,転職の内容によっては,帰化申請の審査に影響する場合もあります。主な3つのポイントを解説します。 ①「年収」での影響 過去に何度か転職していて年収が下がっている方は,帰化申請の審査に影響する可能性があります。 帰化申請では,経済基盤が安定していることを評価するために「年収」を重視しています。転職するごとに年収が減少している,短い期間で頻繁に転職している場合は,「経済的に安定していない」と判断される可能性が高くなります。一方で,何度か転職していたとしても,転職するごとに年収が増加していることが示せれば,経済的に安定していると見なされる可能性があります。 ②「仕事内容」での影響 過去に何度か転職している場合,仕事内容の一貫性や適法性について詳しく確認されることになります。 例えば,就労ビザの代表格である「技術・人文知識・国際業務」ビザの場合, 前回のビザ更新以降に転職している場合は,転職後の仕事内容がビザの要件に適合しているかについても確認されます。 同じ業界内でキャリアアップするための転職であれば,ポジティブに評価されることが多いですが,その一方で,異業種への転職が頻繁に行われると,定着性がなく不安定だと判断されるリスクがあります。 ③「離職期間」での影響 前の職場を退職して新しい職場へ就職するまでの離職期間についても,帰化申請の審査に影響を与える場合があります。 短期間の離職であれば,次の職場を探していた期間として理解されやすいですが,離職期間が長期間だった場合,その期間中の生活費や生活の安定性について疑問を持たれてしまいます。 過去に半年以上の離職期間がある場合は,その理由とともに,不安定な状況ではなかったことを書面で説明できるようにしましょう。 「転職」以外でも注意すべきポイント ここまでは転職について解説してきましたが,『仕事が変わる』という視点では,転職以外でも注意すべきポイントがあります。ここでは2つのポイントを解説します。 個人事業主(フリーランス)や会社経営者になる場合 申請時点では会社員として働いていた方が,審査中に個人事業主や会社経営者になった場合,ほとんどのケースで,法務局から帰化申請の取り下げを求められることになるでしょう。 個人事業主や会社経営者の方が帰化申請をする場合,最低でも直近2年分の確定申告書や決算報告書の提出が必要になります。事業の安定性や経営状況などを審査することができないため, 「審査できる状態になってから再度申請してください」と言われてしまいます。…

帰化申請は家族全員でするもの?専門行政書士が解説!

1.帰化申請は家族全員でしないとダメ? 日本に家族がいる方の帰化申請は,必ずしも家族全員で行う必要はありません。成人していて,帰化の条件をクリアしているのであれば,単独で帰化申請することも可能です。 ただ,もしご家族のみなさんが「帰化したい」と考えているのであれば,単独よりも家族全員で同時に帰化申請することをおすすめします。なぜなら,家族全員で帰化申請するほうが,メリットが多いためです。 2.家族全員で帰化申請するメリットとは? 家族全員で帰化申請する場合のメリットは大きく3つあります。 【メリット1】家族全員分の戸籍が作れる 外国籍の方は,日本の戸籍に入ったり,新たに作ったりすることができません。しかし,帰化して日本人となった場合には戸籍が作られます。家族全員で一緒に帰化申請した場合,全員で同じ戸籍に入ることができます。個別に帰化申請した場合は,戸籍も個別に作られるため,同じ戸籍にしたい場合は別途入籍の手続きが必要になってしまいます。 【メリット2】成人していない子も帰化申請できる 通常の帰化申請では「能力条件」というものがあり,母国の成人年齢に達していないと帰化申請できません。ただ,これには例外があり,父または母と一緒に帰化申請する場合であれば未成年でも申請できます。これは,父または母の帰化が許可されれば,その子は「日本国民の子」となることから,「国籍法第八条第一項」に該当するものとして同時に申請が認められているのです。 【第八条第一項】 次の各号の一に該当する外国人については、法務大臣は、その者が第五条第一項第一号、第二号及び第四号の条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。 一 日本国民の子(養子を除く。)で日本に住所を有するもの 【第五条第一項第一号、第二号及び第四号とは?】 法務大臣は、次の条件を備える外国人でなければ、その帰化を許可することができない。 一 引き続き五年以上日本に住所を有すること。 二 十八歳以上で本国法によつて行為能力を有すること。 (中略) 四 自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によつて生計を営むことができること。 【メリット3】書類収集の工数や費用を抑えることができる 家族全員で帰化申請する場合,役所で取得する書類など一部省略できるものもあります。逆に,時間差でそれぞれ帰化申請する場合は,その都度書類一式を揃える必要があります。役所の書類取得が少なくて済むので,発行手数料も抑えられます。また,書類の作成を行政書士などに依頼する場合,二人目以降は報酬額を割引する事務所も少なくありません。帰化申請を専門に扱う行政書士法人第一綜合事務所でも,同時申請の場合は報酬額が半額以下となります。 3.家族同時に申請するデメリットはある? 家族同時に帰化申請するメリットがある一方で,デメリットになることはあるのでしょうか? 【結論】大きなデメリットはありません! 強いて言えば,単独で申請するときよりも少しだけ用意するものが増える程度です。 4.単独で申請しても世帯全員の書類は必要になる 帰化申請の審査のうち,生計面などの審査については「世帯」単位で行われます。このため,帰化申請をしない家族についても,同じ世帯なのであれば,提出が必要になる書類があります。 【同一世帯で帰化申請をしない家族でも必要になる書類の例】 住民票 課税証明書,納税証明書 両親の婚姻に関する書類 給与明細や源泉徴収票(働いている家族がいる場合) 確定申告の控え(確定申告している家族がいる場合) 韓国の除籍謄本(韓国籍の場合) 『帰化するつもりがない』ということなら仕方ありませんが,『いずれは帰化するつもりだけど,一緒にするかどうか迷っている』ということであれば,一緒のタイミングに合わせて申請することをおすすめします。 5.家族の中で帰化申請しない人がいると不利になる? 家族の中で帰化しない人がいる場合,その理由について説明を求められる場合があります。「帰化の要件をそもそも満たしていない」などの合理的な理由がない場合は,帰化が許可されないリスクも出てきます。…

【愛知県】名古屋法務局で帰化申請するには?手続きの流れや必要書類を行政書士が解説!

1.愛知県在住の方はどこで帰化申請できる? 愛知県在住の方が帰化申請をする場合,管轄の法務局は「名古屋法務局」です。名古屋法務局には,名古屋市にある本局のほか,10の支局があります。現在住んでいる市区町村によって,本局なのか支局なのか申請先が変わります。 法務局のホームページで公開されているマップを見てみましょう。帰化申請できる局ごとに色分けされています。 (引用:名古屋法務局ホームページより) 現在住んでいる市区町村 帰化申請先 名古屋市,清須市,北名古屋市,長久手市,日進市,豊明市,西春日井郡豊山町,愛知郡東郷町 名古屋法務局 国籍課 TEL:052-952-8111 春日井市,瀬戸市,小牧市,尾張旭市 名古屋法務局 春日井支局 TEL:0568-81-3210 津島市,愛西市,弥富市,あま市,海部郡(蟹江町,飛島村,大治町) 名古屋法務局 津島支局 TEL:0567-26-2423 一宮市,稲沢市,江南市,岩倉市,犬山市,丹羽郡(大口町,扶桑町) 名古屋法務局 一宮支局 TEL:0586-71-0600 半田市,常滑市,大府市,東海市,知多市,知多郡(阿久比町,武豊町,南知多町,美浜町,東浦町) 名古屋法務局 半田支局 TEL:0569-21-1095/1952 岡崎市,額田郡幸田町 名古屋法務局 岡崎支局 TEL:0564-52-6415 刈谷市,知立市,安城市,碧南市,高浜市 名古屋法務局 刈谷支局 TEL:0566-21-0086 豊田市,みよし市 名古屋法務局 豊田支局 TEL:0565-32-0006/2960 西尾市 名古屋法務局…

帰化申請にかかる期間について帰化の専門家が解説!

1.帰化申請の許可が出るまでにかかる期間はどれぐらい? 管轄の法務局へ帰化許可申請を行って,官報に掲載される(=許可となる)までにかかる期間は,概ね1年程度です。いま持っている国籍から離脱して,日本国籍を取得する手続きですので,入管局でのビザ申請よりも慎重な審査となるため時間がかかります。 ただ,冒頭でも述べた通り,在留資格や身分などによって審査期間は前後します。 当社でサポートさせていただいたお客様の事例 永住ビザを保有している方が1人で帰化申請:1年程度で許可 日本人の配偶者等ビザを保有している方が1人で帰化申請:1年程度で許可 特別永住者の方が1人で帰化申請:8ヶ月程度で許可 審査期間は上記の通り「概ね1年程度」ですが,帰化申請の場合,法務局で申請が受付になるまでの「準備期間」にもそれなりに時間がかかります。本国や役所から取り寄せる書類が多い方だと,準備期間に数か月かかる場合もあります。トータルで見ると,帰化申請は1年以上かかる手続きになります。 2.帰化申請にかかる期間の内訳を流れに沿って理解! ここからは,帰化申請の流れに沿って,どれぐらい期間がかかるのか見ていきましょう。 【Step①】管轄の法務局へ相談予約を入れる(スタート) まずは,現在お住まいの住所地を管轄する法務局へ,帰化申請の事前相談を予約します。 帰化申請の事前相談は予約制となっており,混雑状況によって予約が取れる時期が変わります。人口が多い東京などでは2~3ヶ月待ちになる場合もあります。逆に人口が少ない法務局では,事前相談できる日が毎日ではなく,「毎週火曜日の午前中」のように決められている場合もあります。 まずは,管轄の法務局へ電話して空き状況を確認してみましょう。 【Step②】予約した法務局にて事前相談 予約した日時に法務局へ行って,事前相談をします。 ここで,帰化申請で提出が必要な書類について説明を受けられます。 何かわからないことや聞きたいことがあれば,このときに質問しましょう。聞きたいことを漏れなく確認できるように,あらかじめメモなどを用意しておくといいかもしれません。 【Step③】帰化申請に必要な書類を収集 事前相談で必要書類のリストがもらえたら,そのリストに沿って書類を準備します。 必要書類には以下の3タイプがあります。 ①手元にある(あるはずの)書類 ②役所から取り寄せる書類 ③作成する書類 ①は,大学の学位記や日本語能力試験の合格証,過去のパスポート,日本の運転免許証などです。 普段からよく使うものであればコピーを取るだけなのですぐ用意できると思いますが,学位記や過去のパスポートなどは探す必要があるので時間がかかるかもしれません。 ②は,日本の市役所や税務署,法務局などで取り寄せる書類と,本国で発行される書類などです。 日本にある大使館や領事館では発行できない本国書類もあり,本国にいる親族などに取得を依頼しなければいけない場合もあります。役所から取り寄せる書類には通常,有効期限が設定されています。『本国書類の取り寄せに時間がかかりすぎて,先に取得した日本の役所書類の有効期限が切れてしまった…』のようなことも珍しくありません。 このStep②で時間がかかりすぎてしまい,帰化申請を諦める方もいらっしゃいます。計画的に取得していけるかどうかがひとつポイントになります。 【Step④】帰化申請書類の作成 必要書類が揃ったら,帰化の申請書類を作成します。 申請書類には法務省指定のフォーマットがありますが,このフォーマットはデータではなく「紙」で渡されます。このため,手書きで記入するか,紙を見ながらWord等の文書作成ソフトでそっくりに作成していく必要があります。 このStep③も,書き方がわからず時間がかかってしまう方が少なくありません。もちろん,法務局で書き方を教えてもらえますが,それにも予約が必要です。混雑している法務局では,書類の書き方相談でも1ヶ月以上先になってしまう場合があります。 【Step⑤】法務局で帰化申請の受付 〔スタートから1~2ヶ月〕 すべての必要書類が揃ったら,法務局へ申請予約を入れて,書類一式を持参します。 なお,法務局によっては「法務局で書類一式のチェックを受けてからでないと申請予約が取れない」という運用にしているところもあります。 この場合は,申請予約の前にチェック予約を入れて,チェックがOKになったら改めて申請の予約を入れるという流れになり,1~2ヶ月長くなります。 【Step⑥】法務局で面接 〔スタートから3~4ヶ月〕…