藤澤 勇來

帰化申請は家族全員でするもの?専門行政書士が解説!

日本への帰化を検討されていて,そのご家族も日本で暮らしている方から「帰化申請は家族全員一緒にしないとダメですか?」というご質問をよくいただきます。ビザ申請の場合,同時に申請しないとビザが取れなくなるケースなどがありましたが,日本国籍を取得する帰化申請ではどうなのでしょうか?
本コラムでは,家族全員で帰化申請するケースについて,国際行政書士が解説します。ご家族で帰化申請を検討している方はぜひ最後までお読みください。

1.帰化申請は家族全員でしないとダメ?

日本に家族がいる方の帰化申請は,必ずしも家族全員で行う必要はありません。成人していて,帰化の条件をクリアしているのであれば,単独で帰化申請することも可能です。
ただ,もしご家族のみなさんが「帰化したい」と考えているのであれば,単独よりも家族全員で同時に帰化申請することをおすすめします。なぜなら,家族全員で帰化申請するほうが,メリットが多いためです。

2.家族全員で帰化申請するメリットとは?

家族全員で帰化申請する場合のメリットは大きく3つあります。

【メリット1】家族全員分の戸籍が作れる
外国籍の方は,日本の戸籍に入ったり,新たに作ったりすることができません。しかし,帰化して日本人となった場合には戸籍が作られます。家族全員で一緒に帰化申請した場合,全員で同じ戸籍に入ることができます。個別に帰化申請した場合は,戸籍も個別に作られるため,同じ戸籍にしたい場合は別途入籍の手続きが必要になってしまいます。

【メリット2】成人していない子も帰化申請できる
通常の帰化申請では「能力条件」というものがあり,母国の成人年齢に達していないと帰化申請できません。ただ,これには例外があり,父または母と一緒に帰化申請する場合であれば未成年でも申請できます。これは,父または母の帰化が許可されれば,その子は「日本国民の子」となることから,「国籍法第八条第一項」に該当するものとして同時に申請が認められているのです。

【第八条第一項】
次の各号の一に該当する外国人については、法務大臣は、その者が第五条第一項第一号、第二号及び第四号の条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。
一 日本国民の子(養子を除く。)で日本に住所を有するもの

【第五条第一項第一号、第二号及び第四号とは?】
法務大臣は、次の条件を備える外国人でなければ、その帰化を許可することができない。
一 引き続き五年以上日本に住所を有すること。
二 十八歳以上で本国法によつて行為能力を有すること。
(中略)
四 自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によつて生計を営むことができること。

【メリット3】書類収集の工数や費用を抑えることができる
家族全員で帰化申請する場合,役所で取得する書類など一部省略できるものもあります。逆に,時間差でそれぞれ帰化申請する場合は,その都度書類一式を揃える必要があります。役所の書類取得が少なくて済むので,発行手数料も抑えられます。また,書類の作成を行政書士などに依頼する場合,二人目以降は報酬額を割引する事務所も少なくありません。帰化申請を専門に扱う行政書士法人第一綜合事務所でも,同時申請の場合は報酬額が半額以下となります。

3.家族同時に申請するデメリットはある?

家族同時に帰化申請するメリットがある一方で,デメリットになることはあるのでしょうか?
【結論】大きなデメリットはありません!
強いて言えば,単独で申請するときよりも少しだけ用意するものが増える程度です。

4.単独で申請しても世帯全員の書類は必要になる

帰化申請の審査のうち,生計面などの審査については「世帯」単位で行われます。このため,帰化申請をしない家族についても,同じ世帯なのであれば,提出が必要になる書類があります。

【同一世帯で帰化申請をしない家族でも必要になる書類の例】

  • 住民票
  • 課税証明書,納税証明書
  • 両親の婚姻に関する書類
  • 給与明細や源泉徴収票(働いている家族がいる場合)
  • 確定申告の控え(確定申告している家族がいる場合)
  • 韓国の除籍謄本(韓国籍の場合)

『帰化するつもりがない』ということなら仕方ありませんが,『いずれは帰化するつもりだけど,一緒にするかどうか迷っている』ということであれば,一緒のタイミングに合わせて申請することをおすすめします。

5.家族の中で帰化申請しない人がいると不利になる?

家族の中で帰化しない人がいる場合,その理由について説明を求められる場合があります。「帰化の要件をそもそも満たしていない」などの合理的な理由がない場合は,帰化が許可されないリスクも出てきます。

【不許可リスクがあるケース】
夫:会社員
妻:専業主婦
子:小学生と幼稚園生
妻と子二人だけ帰化申請して,夫は帰化申請しないケース

このケースの場合,「夫が本国に帰国することになったら,残った妻と子は日本で生活できなくなる」ことが懸念されます。夫が帰化しない(できない)理由と,妻と子だけが帰化しても生計上問題ないことを示すことができなければ,帰化の許可を取ることは難しいでしょう。

6.まとめ

家族全員で帰化申請するケースについて解説しましたが,いかがでしたか?

【おさらい】
・帰化申請は,家族全員でも単独でもどちらでも可能です。
・家族全員で一緒に申請すると大きく3つのメリットがあります。
①家族全員同じ戸籍に入れます。
②成人していない子も帰化できます。
③工数と費用が抑えることが可能です。
・家族の中で帰化しない人がいる場合,説明が必要になります。

国籍を変えるということは,大きな決断になることは間違いありません。ご家族みなさんが納得できるように,不明な点があればぜひ専門家にご相談ください。
帰化申請の専門家をお探しの方は,帰化許可の実績が豊富な行政書士法人第一綜合事務所の無料相談をぜひ利用してみてください。

この記事の監修者

行政書士法人第一綜合事務所

行政書士 藤澤 勇來

・日本行政書士会連合会(登録番号第24261751号)
・大阪府行政書士会(会員番号第8992号)
兵庫県出身。大阪オフィスに所属し,日本国籍を取得するための帰化許可申請業務を専門としている。

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