【令和8年3月末速報値】特定技能1号が40万人を突破!分野別人数とこれからの外国人材採用のポイント

「人手不足が深刻で、求人を出しても応募がない…」
「競合他社は外国人材の採用を始めているようだが、自社でも対応できるだろうか?」
そんなお悩みを抱える企業経営者や人事担当者の方は少なくありません。生産性向上や国内人材の確保に努めてもなお人材確保が困難な状況において、即戦力となる外国人を受け入れる「特定技能」制度は、日本企業の事業継続に欠かせない制度として定着しています。本コラムでは、令和8年3月末の最新速報値を基に、どの分野で外国人の採用が進んでいるのかを紐解くとともに、新たに追加された分野や、大きな転換点となる「育成就労制度」の創設など、入管行政の最新トレンドを国際業務専門の行政書士が分かりやすく解説します。このコラムをお読みいただくことで、複雑化する入管法令のポイントを押さえ、安全かつ確実に外国人材を確保するための道筋が見えてきます。
Index
1. 【令和8年3月末速報値】特定技能在留外国人数の現状
国内人材の確保がますます困難になる中、特定技能制度を活用して即戦力となる外国人材を受け入れる企業は業種を問わず増えています。まずは、令和8年3月末時点の最新データから、日本における外国人材の受入れ状況の全体像を把握しておきましょう。
(1)特定技能1号は「404,527人」まで増加
特定技能制度の利用は年々右肩上がりで増加しており、令和8年3月末現在の速報値では、特定技能1号の在留外国人数は404,527人(令和7年末時点では382,341人)に達しました。また、より熟練した技能を要し、家族帯同や在留期間の更新に上限がない「特定技能2号」についても12,420人(令和7年末時点では7,955人)となっており、外国人材の長期的な定着が着実に進んでいます。
(2)分野別人数ランキング:どの業界で採用が進んでいるのか?
2026年現在、特にどの業界で特定技能外国人が活躍しているのでしょうか。特定技能1号において、人数の多い上位5分野は以下の通りです。
| 順位 | 産業分野名 | 特定技能1号 在留外国人数 |
| 1 | 飲食料品製造業 | 96,367人 |
| 2 | 介護 | 74,745人 |
| 3 | 工業製品製造業 | 59,038人 |
| 4 | 建設 | 51,055人 |
| 5 | 農業 | 39,950人 |
これら上位の業界では、すでに多くの企業が外国人材を事業運営の「貴重な戦力」として位置づけており、他社に先んじた人材獲得競争が激化しています。
2. 令和8年追加の「新規分野」の動向とトレンド
特定技能制度の大きな特徴は、経済情勢や人手不足の状況に合わせて柔軟に対象分野が追加される点にあります。直近の令和8年1月の閣議決定でも新たな分野の追加が発表され、大きな話題を呼びました。この章では、新たに追加された分野の2026年最新の受入れ数データと、これから本格化する新規分野の動向について述べます。
(1)自動車運送業や林業などの最新状況
2024年に追加が閣議決定された自動車運送業(333人)、鉄道(59人)、木材産業(34人)、林業(8人)など、新たな分野ですでに受入れの実績が出始めています。
特定技能「自動車運送業」については、特定技能「自動車運送業」と特定活動55号を徹底解説!採用フローや注意点は?で詳しく解説しています。ぜひご参照ください。
(2)これから始まる「特定技能1号のみ」の3分野
2026年1月の閣議決定ではさらに、特定技能1号に「リネンサプライ」「物流倉庫」「資源循環」の3分野が新規に追加されました。これらの新分野については、各分野の省庁による独自の追加ルール(上乗せ基準)が正式に定められ、準備が整い次第、運用が開始される予定であり、速報値でも在留者数が0人ですが、今後の動向に大きな注目が集まっています。
新規分野での在留資格申請は、行政側の審査要領や運用ルールも手探りの部分が多く、入管の審査官も慎重に審査を行います。「必要書類の不備」や「要件の解釈違い」によって、予期せぬ不許可や度重なる追加資料要求となり、採用計画が大幅に遅れるケースが発生しやすいのが実務上の盲点です。
これら新規分野での採用は、早期の情報収集と専門家による綿密な要件確認が成功の鍵を握ります。
3. 特定技能2号の増加が示す「長期雇用」の時代
かつて、「数年で帰国してしまうため、採用や教育のコストが見合わない」という悩みは、外国人材の受入れにおいて企業が抱える大きな課題でした。しかし、熟練人材である「特定技能2号」の増加や、新たな「育成就労制度」の創設により、外国人材を「自社の正社員」として永く雇用する道が本格的に開かれてきています。
(1)特定技能2号「12,420人」が意味する採用戦略の変化
今回の速報値でもう一つ注目すべきなのが「特定技能2号」の在留外国人数が12,420人に達したという事実です。わずか3か月前の令和7年末時点の7,955人から急増しています。特定技能2号は2022年4月に初めて許可された新しい資格ですが、ここ数年で人数を伸ばしています。特定技能1号は「通算5年」という在留期間の上限がありますが、より熟練した技能が求められる「特定技能2号」へ移行できれば、在留期間の更新に上限がなくなり、配偶者や子などの「家族帯同」も基本的に可能となります。この速報値での増加は、多くの企業が外国人材を「数年間の一時的な労働力」としてではなく、「将来の現場を支えるコア人材(正社員)」として長期的に雇用・育成するフェーズにシフトしていることを表しています。
(2)「育成就労」から特定技能1号・2号へと続くキャリアパス
この長期雇用のトレンドをさらに加速させるのが、2027年4月から技能実習制度に代わって創設される「育成就労制度」です。育成就労制度は、「日本国内での人材確保と人材育成」を目的に掲げており、原則3年間の就労を通じて「特定技能1号水準」へと育成することを目標としています。つまり今後の外国人材採用は、「育成就労」で基礎を築き、「特定技能1号」で即戦力として活躍し、さらに試験等を経て「特定技能2号」として永く自社に定着してもらうという、一貫したキャリアパスを描いて採用活動を行うことがスタンダードになるでしょう。
育成就労制度について詳しくは、育成就労の外部監査人は誰に頼む?外部役員廃止の注意点と第一綜合グループを選ぶメリットをご参照ください。
4. 特定技能外国人の受入れ基準と1号・2号における支援体制の違い
特定技能外国人を受け入れて自社で雇用するためには、企業が入管法令等で定められた厳格なルールを満たす必要があります。これらのルールは、大きく分けて「受入れ企業自体の適格性(コンプライアンス)」と「外国人に対する支援体制」の2つに分類されます。特に支援体制については、特定技能「1号」と「2号」で企業側に求められる義務が異なるため、それぞれの違いを正しく理解し、将来の2号移行を見据えた社内体制を構築することが重要です。
(1)受入れ機関自体が満たすべき基準
特定技能外国人を受け入れる企業(特定技能所属機関)は、入管法等で定められた厳しい基準をクリアする必要があります。「特定技能雇用契約の適正な履行」のほか、企業自体(役員を含む)が「過去5年以内に出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をしていないこと」など、法令遵守が強く求められます。この要件を満たせない場合はいわゆる「欠格事由」に該当し、外国人の受入れが一切認められなくなります。また、欠格事由をクリアして受け入れた後であっても、「特定技能雇用契約の適正な履行」などの運用事項が確保されていないと出入国在留管理庁長官が認めた場合、期限を定めて改善命令が出されることがあります。
(2)特定技能1号外国人支援計画の適正な運用
特定技能1号の外国人を受け入れる際は、彼らが日本で安定的かつ円滑に活動できるよう、職業生活上・日常生活上・社会生活上の支援に関する「1号特定技能外国人支援計画」を作成し、実施しなければなりません。自社に外国人を支援するノウハウがない場合、この支援計画の全部の実施を、出入国在留管理庁長官の登録を受けた登録支援機関に委託することが可能です。全部委託した企業は、外国人を支援する体制の基準に適合しているものとみなされます。
(3)特定技能2号に対する支援計画の免除
特定技能1号の外国人には上記のような手厚い支援が求められますが、なお、特定技能2号の外国人に対しては、このような受入れ機関等による支援の対象外となるため、支援計画の作成・実施義務はありません。これは、特定技能2号の外国人がすでに熟練した技能を有し、日本での生活にも十分に適応して「自立した人材」として扱われるためです。企業側からすれば、外国人材を2号へステップアップさせることで、在留期間の上限なく長期雇用が可能になるだけでなく、これまで登録支援機関等に支払っていた委託費用や、支援業務に係る社内の労力を大幅に削減できるという実務上の大きなメリットがあります。
5.このコラムに関するQ&A
Q1. 企業が特定技能外国人を採用する際、受入れ人数の上限はあるのでしょうか?
A1. 個別の企業に対する人数枠は、一部の分野(介護分野や建設分野など)を除いて基本的にありません。
ただし、日本全体としての受入れ上限である「受入れ見込数」が政府によって原則5年ごとに設定されています。令和6年3月に設定された最新の見込数では、令和11年3月末までの5年間で、特定技能1号が「80万5,700人」、育成就労が「42万6,200人」と定められており、これが事実上の受入れ上限として運用されます。
Q2. 特定技能2号の在留外国人は、どの分野で多く受け入れられていますか?
A2. 最も多いのは「飲食料品製造業」で3,402人です。次いで「建設」が3,148人、「農業」が1,798人、「工業製品製造業」が1,529人となっています。
Q3. 「育成就労制度」では外国人の転職が認められるのですか?
A3. 自由に転職できるわけではありません。
「本人意向の転籍(転職のことです)」が認められるには、複数の厳しい要件を満たす必要があります。具体的には、同一機関での就労期間(分野ごとに1〜2年の範囲で設定)、技能検定試験基礎級等および一定水準以上の日本語試験の合格、さらに転籍先の企業が適切と認められる一定の要件を満たしていることなどが必要です。また、転籍の際には、転籍前の企業が負担した初期費用等について、正当な補填がなされる仕組みも検討されています。
Q4. 特定技能外国人を受け入れる際、企業は「協議会」への加入が必要ですか?
A4. はい、必要です。
制度の適切な運用を図るため、特定技能外国人を受け入れる企業(特定技能所属機関)には、各分野の所管省庁が設置する「分野別の協議会」への加入が義務付けられています。さらに、建設分野や工業製品製造業分野においては、協議会の設置に加えて、分野所管省庁の登録を受けた法人(登録法人)への加入も義務付けられています。
6. まとめ:外国人材の在留資格手続きは行政書士法人第一綜合事務所にお任せください
特定技能外国人の受入れ人数が急増する一方で、入管法や関連法令は「育成就労制度」の創設などを背景に頻繁にアップデートされています。2027年4月施行の改正法では、外国人に不法就労活動をさせる等の「不法就労助長罪」の罰則が大幅に引き上げられ、「拘禁刑3年以下又は罰金300万円以下(併科可)」から、「5年以下又は500万円以下(併科可)」となるなど、企業のコンプライアンス・リスクは格段に高まっています。「自社だけで手続きを行い、うっかり要件を満たしていない外国人を雇ってしまった」「支援計画が適切に実行されておらず行政指導を受けた」といった事態を防ぐためには、確かな法的知識に基づくリスク管理が不可欠です。
行政書士法人第一綜合事務所では、特定技能制度をはじめ、最新の入管法や育成就労制度の動向に精通した専門家が、貴社の状況に合わせた最適な外国人材の採用・在留資格管理の方法をご提案いたします。「初めて特定技能で採用したいが、何から手をつければいいか分からない」「自社が受入れ要件を満たしているか診断してほしい」「新規分野での受入れを検討したい」など、どんな疑問でも構いません。
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