尾島 諒

【解決事例】交際期間が短い場合でも配偶者ビザ申請が許可される方法

留学生として東京に在住しているアメリカ人女性Aさんと大阪在住の日本人男性Bさんは,国際結婚し,日本で暮らすことを決めました。そして,ご夫婦は「日本人の配偶者等」の在留資格(以下「配偶者ビザ」といいます。)について色々と調べ始めました。

配偶者ビザ申請について調べ始めたところ,配偶者ビザ申請して許可を取得するためには,自分たちの交際期間が短い事に不安を抱きました。というのも,お二人は3か月前にインターネット上で出会い,知り合ってから国際結婚するまで片手で間に合う回数しか会った事がありませんでした。

配偶者ビザの許可を目指したものの,交際期間が短いことに不安になったことから,当社の無料相談にお見えになりました。

国際結婚したけれど,配偶者ビザが許可されなかった…。
そのようなご相談をいただくこともございます。
それでは,配偶者ビザ申請をして許可を取得するためには,どの程度の交際期間が必要なのでしょうか。

本ページでは,配偶者ビザ申請で交際期間が短い場合について見ていきます。

1.国際結婚したから配偶者ビザが取得できるわけではない…

日本人と外国人が国際結婚した場合,必ず配偶者ビザは許可されるのでしょうか。

日本人側の権利だけを強調すれば,家族が離れ離れになるのは不利益であることから,当然に配偶者ビザは許可されるべきとも考えられます。

しかし,日本の入管政策は国境の壁をなくす“グローバル化”ではなく,国境の壁はそのままで,壁にある門を広げたり,増やしたりする“国際化”と言われるものです。そのため,日本人と国際結婚したからといって,外国人が無制限に日本に在留できるわけではありません。配偶者ビザの申請にあたっては「夫婦が日本で生活していく上で安定した経済基盤があるかどうか」「結婚が真実婚であるかどうか」という2つのポイントが厳しく審査されることになります。

つまり,国際結婚=配偶者ビザの許可ではないということです。

2.配偶者ビザ申請の入管審査において確認されること

先述のように,配偶者ビザ申請の入管審査に当たっては二つの大きなポイントがあります。1つが「夫婦が日本で生活していく上で安定した経済基盤があるかどうか」であり,もう1つが「結婚が真実婚であるかどうか」です。

それぞれのポイントについて,ご説明していきたいと思います。

1つ目のポイントは「夫婦が日本で生活していく上で安定した経済基盤があるかどうか」。
ご夫婦の生活が経済的に困窮する可能性がある場合には,配偶者ビザが不許可となる可能性が高くなります。そのため,日本で安定した夫婦生活を送るに足る収入や資産が必要とされています。

そしてもう1つのポイントである「結婚が真実婚であるかどうか」。真実婚とは,ご夫婦が同居し,お互いを扶助し,協力し合う意思をもって結婚をしているかという事です。

しかし,真実婚の立証は容易ではありません。なぜなら,それは内心に関わることだからです。そのため,真実婚の立証については,客観的な証拠が重要になります。

3.配偶者ビザ申請のポイントとなる “交際期間”について

さて,皆さんに問題です。甲さんと乙さんが国際結婚しました。この人たちは真実婚でしょうか?

突然このように問われた場合,まず間違いなく,「甲さんと乙さんはどのような人で,どのように付き合って,どのように国際結婚に至ったのか知らないからわからない。」とお答えになると思います。

自信満々に真実婚だ,と言える人は当事者と付き合いの長い友人くらいで,見ず知らずの人の国際結婚について,真実婚かどうかを判別する事は不可能です。ですが,この夫婦が3年に亘る交際の末,国際結婚したという事情を付け加えるとどうでしょう。なんとなく真実婚であるような気がしませんか?

では,甲さんと乙さんが知り合ってから1ヶ月で国際結婚したという場合はどうでしょうか。付き合っている期間が短いことから,離婚する確率や偽装結婚である可能性が高いように感じないでしょうか。

みなさんが上記の二つの例の比較で感じたことは,入管審査においても同じように感じるはずです。このように,その国際結婚が真実婚であるかどうかを審査するにあたり,まず入管がチェックするのが交際期間の長短です。交際期間は婚姻の実体を示す分かり易い物差しとなるのです。

4.配偶者ビザ申請する際に交際期間が長い事のメリットと短い事のデメリット

配偶者ビザ申請する際,交際期間が長い場合には,それ自体が有利に働く事実になります。また,交際期間が長いという事は他にもメリットがあります。というのも,交際期間が長ければ夫婦で撮影した写真やメールなど,お二人の交際の事実を証明する資料が多く残っており,交際の実体を入管に証明しやすいのです。

他方,交際期間が短い場合,交際の事実を示す証拠も少なくなるのが通常です。そのため,真実婚であるかどうかを入管に説明する際には,多方面から証明する必要が出てきます。

とはいえ,交際期間が短いから審査で不利になりそうだと考え,実際よりもずっと前から交際をしていたなどと話を捏造したりすることは言語道断です。物語として上手に書け,誤魔化せていると思っていても,入管審査ではまず間違いなく見抜かれ,配偶者ビザが不許可になってしまうという悲惨な結果が待っています。仮に捏造した箇所以外はすべて真実だとしても,その真偽も全て疑われて不許可なってしまいますので,真実に反する書面を提出することは絶対にやめてください。

確かに,配偶者ビザ申請の入管審査において,交際期間が短いことはデメリットではあります。しかし,必ず配偶者ビザ申請が不許可になるわけではありません。自分たちの交際を振り返り,交際の実体を示せるものを準備することが出来れば,交際期間が短くても配偶者ビザが許可されている事例はたくさんあります。

5.交際期間が短い場合以外に配偶者ビザの審査が厳しくなる要素とは?

交際期間が短いこと以外にも,配偶者ビザの入管審査が厳しくなりがちなケースがあります。下記の例はいずれも偽装婚などの犯罪に利用されたために,入管も慎重に審査するようになっています。

例えば,日本人側に離婚歴が多い場合は審査が厳しくなりがちです。
日本人が外国人の方と国際結婚し,その外国人配偶者が入国して暫くして離婚し,また別の外国人の方と婚姻する。このような偽装婚を繰り返し,外国人を多数入国させたケースがかつては見られたため,日本人側に離婚歴が多いと審査が厳しくみられる傾向にあります。

他には,出会い系サイトや結婚相談所で外国人配偶者と出会ったというケースにおいても,審査が厳しくなる傾向にあります。とりわけ年齢差が大きいと,本当にお互いに愛し合っているのだろうか,営利目的の偽装婚ではないだろうか,単に日本で働きたいために日本人を騙しているのではないだろうかなどと,入管は慎重に審査をします。

しかしながら,上記のケースに当たっているとしても,しっかりと愛し合って婚姻に至ったのであれば,隠したり嘘をついたりするのではなく,出会いの経緯を正直に伝えるべきです。たとえ入管審査が厳しくなる要素があったとしても,交際の実体を示す証拠を多角的に集め,しっかりと真実婚を証明できれば,配偶者ビザを取得することは不可能ではありません。

6.配偶者ビザ申請で交際期間が短い場合のまとめ

お二人が大恋愛の末に結婚されたのであれば,間違いなく婚姻の実体はあるはずです。交際の実体をしっかり入管の審査官に伝わるように書類を準備する事ができれば,配偶者ビザの許可の可能性は高まります。

交際の実体を証明するためにどんな資料が必要で,その資料をもってどのように証明しようとしているのか,戦略をしっかりと考えた上で資料を準備するようにしてください。

人の恋愛は十人十色,千差万別です。結婚に至るまでの男女の仲においては様々な事があり,数々の思い出があると思います。意外なものが交際の実体を示す証拠になったりします。
交際期間が短いから,交際の実体の証明がまだ無理だろうと諦め,愛する方と遠距離恋愛を続けると決めるのは早計です。

今回のご相談のケースにおいても,出会いはインターネット上であり,また東京と大阪の遠距離恋愛であったこともあり,結婚に至るまでお二人が会った回数は多くありませんでした。交際期間も3ヶ月と決して長くはありませんでした。

そのため,Aさんの配偶者ビザ申請にあたり,ご夫婦の交際の実体をしっかりと示す必要がありました。交際経緯については時系列に沿って詳しくお話を伺い,それに対応したお二人の写真も準備してもらいました。また,インターネット上でやりとりをしていたため,大量の通信履歴も残っていました。そこで,交際経緯と写真,通信履歴をリンクさせ,お二人が知り合い,交際に発展し,結婚に至るまでの流れをフィードバックできるような資料を準備しました。

詳細にヒアリングをし,それに沿ってどのような資料が存在するかを検証し,事実と証拠を綿密につなぎ合わせていった結果,無事にAさんは留学から配偶者ビザへの在留資格変更許可を受けました。その後,お二人の間にはお子様が生まれ,現在ご夫婦は大阪で幸せにお子様と共に暮らされております。

一般的には,何が交際の実体を示せる証拠になるかわからないことが多いと思います。
私たちの経験でも,ヒアリングを進める上で,思わぬ書類がご夫婦の交際実体を示す有益な資料になったこともしばしばございます。また,直接的な事実のみならず,間接的な事実の積み上げによって,交際期間が短くとも交際実体の立証に成功した事例もあります。

配偶者ビザ申請をしたいけど,交際期間が短いからとご不安を抱えておられる方は,まずは無料相談をご利用ください。
配偶者ビザの許可に向けて,一緒に拾える申請材料を探していきましょう。

この記事の監修者

行政書士法人第一綜合事務所

行政書士 尾島 諒

・日本行政書士会連合会(登録番号第24260162号)
・大阪府行政書士会(会員番号第8842号)
愛知県出身。大阪オフィスに所属し,外国人ビザ申請,永住権取得,国際結婚手続き,帰化許可申請など国際業務を専門としている。

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