德永 武道

永住ビザ申請の盲点とは?最新ガイドライン(2026年10月1日改定)に基づく50問50答!

永住ビザ申請の盲点とは?最新ガイドラインに基づく50問50答!

日本の永住権の審査基準は、年々厳格化の一途をたどっています。2019年7月改訂による社会保険・年金の支払い状況のチェック厳格化をはじめ、直近では在留手数料の大幅な値上げや、取得後の公的義務違反による「永住許可取消制度」の導入など、入管行政のスタンスは過去にないほど厳しくなっています。
 
実際、最新の統計データでは永住申請の許可率は約50%となっています。
すでに許可率の低下している永住権ですが、2026年10月1日に、基準がより厳格化されたガイドライン(本文中では「新ガイドライン」と記載)が公表されました。
 
新しい審査基準を正確に把握し、税金・年金の納期遅れや各種届出といった盲点を申請前に完全にクリアすることが重要です。
本コラムでは、正確な情報を知っていただくため、永住ビザ申請についてよくあるご質問50個に入管業務専門の行政書士が回答しました。
ご自身の状況と照らし合わせながら、ぜひ、ご参考にしてみてください。

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申請時期によって審査基準が変わります!

2026年10月1日にガイドラインが改定されましたが、本格的な新基準の全面適用は2027年4月1日以降の申請からとなります(収入・世帯年収に関する要件のみ、2026年4月以降の申請にもさかのぼって適用されます)。

ご自身の申請タイミングに合わせて以下のチェック表をご確認ください。

審査項目 2027年3月31日までの
申請基準
2027年4月1日以降の
申請基準
日本人・永住者等の配偶者特例 婚姻生活 3年以上 + 日本在留 1年以上 婚姻生活 5年以上 + 日本在留 3年以上
必要な在留期間(カードの年数) 在留期間 「3年」 で申請可能 原則として最長の 「5年」 が必要(※経過措置あり)
独立生計(世帯年収) 日本人世帯の平均収入水準(「家族滞在」収入は合算不可) 日本人世帯の平均収入水準(「家族滞在収入」は合算不可)
将来の年金受給額・補填資産 従来の年金納付状況を中心に評価 年金受給見込額 + 不足分を補う補填資産(金融資産)基準が適用
不在期間(日本不在日数) 総合判定(個別に判断) 過去10年で1回6か月以上/通算2年6か月以上の不在は原則消極評価
日本語能力 総合評価にて考慮 CEFR B1相当以上が明記された考慮要素に
制度理解・子の就学 総合評価にて考慮 「生活・就労ガイドブック」等の理解、子の小中学校通学が明記

Index

1.就労・年収・資産に関する質問

Q1.転職が多いのですが、永住権を取得するのは難しいですか。


A1.転職回数は、永住ビザ申請の結果に影響を与える可能性があります。例えば、転職が多い場合は、再就職までの期間を検証する必要があります。たとえ就労ビザの保有期間が5年を経過したとしていても、5年の期間に転職活動の期間を含んでいる時には注意を要します。永住審査では「転職してから安定的な就労状況にあるか」という点も見られるため、転職してから時間が経過していない場合には、安定性がないとして永住権の申請が不許可になってしまうリスクが高まります。

なお、転職時に必要となる入管への「所属機関に関する届出」を期限内に提出しているかも厳しく見られます。詳しくは【解決事例】永住ビザと転職との関係についてをご参照ください。

Q2.どれくらいの年収があれば永住権は許可されますか。


A2.新ガイドラインにおいて、明確な金額の基準ではなく「申請者の属する世帯年収が、世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入(年収水準)に継続して達しているか」が審査されます。原則として同一生計世帯単位で審査され、単身世帯の場合は本人の年収、家族がいる場合は世帯年収の合算値で判断されます。なお、同居していない海外の親族等を扶養している場合であっても世帯人数に加算され、5人以上の世帯では生活費等の増加額分が加算された年収水準が求められます。

Q3.貯金はどれくらいあれば、永住権の申請で有利になりますか。また、将来の「年金受給水準」や「補填資産」とは何ですか。


A3.永住権の審査においては、将来の「受給見込年金」とそれを補う「補填資産(預貯金等)」が評価されます。
新ガイドラインでは、将来もらえる年金の見込額(受給見込額)が、日本人平均水準(30年厚生年金加入相当)に達しているかが考慮要素となります。仮に若年期の免除期間等があり受給見込額が基準に届かない場合であっても、受給開始後の生活費を補う金融資産(補填資産)を有していれば、要件を満たしていると評価されます。なお、若い申請者ほど将来の資産形成が可能とみなされるため、求められる補填資産額の基準は低く設定されます。

Q4.現在無職で、資産運用や不動産収入だけで暮らしています。独立生計要件を満たせますか。


A4.はい、満たせる可能性はあります。「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」が要件であるため、会社に属していなくても、不動産収入や株式の配当、十分な資産があり、将来にわたって公共の負担(生活保護など)にならずに安定した生活が見込まれることを客観的に証明できれば、要件を満たしていると認められる可能性はあります。

Q5.会社の経営状態が赤字なのですが、経営者である私の永住申請に影響しますか。


A5.経営者や会社役員(在留資格「経営・管理」など)の場合、個人の年収だけでなく、経営する会社の決算状況も厳しく審査されます。一時的な赤字であれば理由書等で弁明の余地がありますが、債務超過や連続赤字の場合は「事業の継続性・安定性がない」とみなされ、個人の生計維持能力にも疑義を持たれるため、不許可になる可能性が非常に高くなります。現在「経営・管理」ビザをお持ちの方は経営管理ビザから永住ビザへの申請で重要になるポイントを解説もぜひご参照ください。

Q6.派遣社員ですが、永住権は取得できますか。


A6.派遣社員(や契約社員)であっても、世帯年収が世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入水準を満たしており、現在の雇用契約が長期にわたって継続する見込みがあるなど、生計の安定性を証明できれば取得は可能です。ただし、正社員(無期雇用)と比べると雇用の安定性という点で審査が慎重に行われる傾向があるため、過去の継続勤務年数や今後の契約見込みをしっかり立証する必要があります。

Q7.自己破産をした経験があるのですが、永住権の取得は無理ですか。


A7.過去に自己破産をしている場合、「独立の生計を営むに足りる資産を有すること」という要件を満たしていないと判断されるため、非常に厳しくなります。自己破産から相当な期間(一般的に5〜10年以上)が経過し、現在は完全に経済状態が立ち直っており、十分な年収と安定した生活基盤があることを証明できない限り、許可は難しいと思われます。

Q8.副業による収入は、年収要件の計算に含まれますか。


A8.現在の在留資格(就労ビザ)で認められている範囲内での副業(資格外活動許可を得ている場合や、資格の範囲内の活動である場合)であれば、確定申告を行い正しく納税していることを前提に、合算して年収として認められます。一方、「家族滞在」など就労目的ではない在留資格の者の「資格外活動許可」下で得るアルバイト収入等は、世帯年収の合算対象にはできません。

Q9.日本の大学を卒業して就職しました。就労ビザになって何年で年収要件を満たせますか。


A9.原則として、就労ビザ(「技術・人文知識・国際業務」など)に変更してから「引き続き5年以上」の在留が必要です。そのため、新卒1年目の年収がどれだけ高くても、就労ビザでの在留が5年に達するまでは原則として申請できません(高度専門職などの特例を除きます)。また、審査では申請時点だけでなく過去数年間にわたって「日本人世帯の平均収入水準」を継続して満たしているかがチェックされるため、就職初期の年収が水準に届いていなかった場合は、5年経過後も数年待つ必要がある可能性があります。

Q10.母国の親をたくさん扶養に入れています。年収要件に影響しますか。


A10.はい、影響します。新ガイドライン上では、同居していない海外の親族を扶養している場合であっても世帯人数に加算して審査を行います。扶養人数が増える(世帯人数が増える)ほど、求められる「日本人世帯の平均収入水準」の額が高くなります。世帯人数が5人以上に及ぶ場合は、さらに生活費等の増加額分が加算された年収基準を継続して満たす必要があります。

2.公的義務(税金・年金・医療保険・届出)に関する質問

Q11.これまで年金を払ったことがありません。今から年金を払って永住権は取得できますか。


A11.いいえ、今から遡って完納したとしても、それだけでは永住権は許可されません。新ガイドラインでは、公租公課について「申請時点で未納がないこと」だけでなく「過去において当初の支払期日通り適切に支払っていたか(期限の遵守)」が厳しく問われます。未払い分を一括納付しても過去の滞納・遅延履歴として消極評価されるため、今から期日通りの納付実績を継続して積み上げる必要があります。

Q12.会社の健康保険(社会保険)ではなく、国民健康保険に入っていますが大丈夫ですか。


A12.ご本人に帰責性がないケースにおいて、国民健康保険に加入していること自体は問題ありませんが、「保険料を毎月の納期限通りに支払っているか」は厳しく審査されます。国民健康保険は会社引き落としではないため、納付書の期限を1日でも遅れてコンビニ等で支払った履歴があると、それだけで「公的義務の適正な履行」をしていないとみなされ、不許可になる原因になります。申請時点までを含む全期間において、納期限内に納付した証明資料が必要です。

Q13.住民税の支払いを数回忘れていて、催促されてから支払いました。影響はありますか。


A13.はい、大いに影響します。年金や健康保険と同様に、住民税(個人住民税)も「当初の納期限内に支払っていたか」が審査されます。会社員で給与から天引き(特別徴収)されている場合は会社が遅れずに納付しているため問題ありませんが、自分で納付書で支払う(普通徴収)期間がある場合、納期限を過ぎてからの支払いは「遅延」とみなされ、原則として永住審査では消極的(マイナス)に評価されます。

Q14.「出入国管理及び難民認定法に定める届出等の義務」とは具体的に何を指しますか。


A14.外国人住民に義務付けられている、入管への各種変更手続きのことです。

具体的には、

  • 住居地を変更したときの市区町村への届出(引っ越し)
  • 転職・退職や所属会社の手続き(所属機関に関する届出)
  • 配偶者ビザの方が離婚・死別したときの届出
  • 在留カードの常時携帯・提示義務
  • 許可された範囲内の活動を行う義務

などが該当します。これらを「変更があった日から14日以内」という法律上の期限内に正しく提出しているかどうかが、永住許可の「国益適合要件」として厳格にチェックされます。

Q15.転職した際、入管への「所属機関に関する届出」を出していなかったことに気づきました。今から出せば大丈夫ですか。


A15. 提出していないことに気づいた時点で直ちに提出すべきですが、法律上の期限(14日以内)を大幅に過ぎてからの提出は「届出義務の不履行」とみなされ、永住審査で大きなマイナス(不許可事由)になります。未提出のまま永住申請をすると高確率で不許可になります。遅れて提出した場合は、その後数年間、適正な在留実績と義務の順守を証明できる期間を置いてから申請し直す必要があります。

Q16.過去に国民年金の「免除」や「猶予」の手続きをしていました。未払い扱いになりますか。


A16.日本の年金機構に正式に申請し、承認された「免除」や「若年者納付猶予」「学生納付特例」の期間については、違法な「未払い」とはみなされません。ただし、免除期間があるということは「その期間は経済的に自立していなかった」可能性があるため、独立生計要件(年収要件など)の審査において過去の状況として考慮されることはあります。現在は免除がなくなり、正規の保険料を期限内に支払っている状態であることが必要です。

Q17.配偶者(夫・妻)が年金や税金を滞納している場合、私単独の永住申請にも影響しますか。


A17.はい、影響を及ぼします。永住申請では、申請者本人だけでなく「世帯全体(同居する家族)」単位で審査されます。あなたが正しく税金や年金を納めていても、同居する配偶者が国民年金や住民税を滞納・遅延している場合、「世帯として公的義務を適正に履行していない」と判断され、あなたの申請が不許可になるケースが非常に多いです。家族全員の納付状況を確認してください。

Q18.永住許可が「取り消される」新制度が始まると聞きましたが、どのような内容ですか。


A18.入管法改正により、「永住許可を受けた後」であっても、故意に税金や社会保険料を滞納したり、入管法上の届出義務(住居地の届出など)を怠ったりした場合に、永住許可を取り消すことができる制度が導入されます(2027年4月1日施行)。これにより、「永住権を取る時だけ真面目に払う」という抜け道は通用しなくなり、永住取得後も継続して日本社会のルールと公的義務を守り続けることが法的に求められるようになりました。

Q19.確定申告の期限が遅れて「期限後申告」になってしまいました。永住審査に影響しますか。


A19.はい、影響します。個人事業主や副業をしている方、あるいは会社員でも医療費控除等で確定申告をする際、法定の申告・納税期限(原則3月15日)を過ぎてから申告・納税を行う「期限後申告」は、税法上の公的義務を適正な期間内に履行していないとみなされます。税金関連の遅延も、消極的な評価となります。

なお、ふるさと納税(ワンストップ特例や適正な確定申告による控除)や住宅ローン控除などの適法な税額控除を利用していること自体は、期限内に申告・納税を行っている限り審査上全く問題ありません。

3.過去の素行・交通違反・刑罰に関する質問

Q20.新ガイドラインで明記された「我が国の制度・ルール等の理解」の確認とはどのようなものですか。


A20.地域社会への適応と秩序ある共生社会の実現に向け、申請者の「日本の制度やルールへの理解度」が考慮要素として明記されました。具体的には、出入国在留管理庁が指定する方法により「生活・就労ガイドブック」記載事項を中心に確認が行われ、理解度が一定水準以上に達しているか、または理解する意欲があるかが評価されます。

Q21.交通違反を何度かしてしまいました。永住権を取得するのは難しいですか。


A21.まずは、交通違反の度合いを検証する必要があります。過去5年間で1、2回程度の軽微な違反で、その場ですぐに反則金(青切符)を支払っている場合であれば、永住権の申請に大きく影響することはないといってよいでしょう。しかし、短期間に繰り返し交通違反を行っている場合は、「日常生活において社会的非難を受ける行為を繰り返している」として素行善良要件を満たさないと判定されるリスクが高まります。

Q22.スピード違反で「赤切符」を切られ、罰金を支払いました。永住申請への影響はありますか。


A22.「赤切符」による違反は、軽微な反則金(青切符)とは異なり、刑事罰である「罰金刑」に該当します。新ガイドラインでは「罰金刑や拘禁刑などを受けていないこと」が要件となっています。実務上、罰金刑を受けた場合は罰金を納付した日から「5年間」が経過するまでは、永住許可が認められない可能性が高くなります。 罰金刑を受けてから5年以上の適正な在留期間を空けて再申請する必要があります。

Q23.過去に自転車の運転で警察に注意され、警告票(黄色い紙)をもらいました。これは履歴に残りますか。


A23.自転車の運転審判や指導警告(黄色い警告票)は、前科(罰金刑など)や自動車の運転免許の点数制度のような形では入管の標準的な審査書類に直接現れないことが多いですが、警察のデータには一定期間記録されます。悪質なケースで刑事事件(罰金等)に発展していない限り、1回程度の警告で即不許可になることは通常ありませんが、近年は自転車の取り締まりも厳格化されているため、普段から法律を守る姿勢が大切です。

Q24.知人と口論になり、警察を呼ばれて厳重注意を受けました。前科や逮捕歴がない場合も影響しますか。


A24.逮捕されておらず、裁判にもなっていない(前科がない)「口頭注意・厳重注意」の段階であれば、永住審査の書類上だけで即座に弾かれる可能性は低いです。ただし、警察が介入して何らかの書面(始末書など)が作成されている場合、入管がバックグラウンドチェックを行う過程で把握される可能性はゼロではありません。「法律を遵守し社会的に非難されることのない生活を営んでいる」という素行善良要件に基づき、身の潔白と平穏な生活を維持することが重要です。

Q25.「拘禁刑」とは何ですか。過去に「懲役」や「禁錮」の判決を受けた場合はどうなりますか。


A25.刑法の改正により、従来の「懲役刑」と「禁錮刑」が一本化され「拘禁刑」という名称に変更されました。これに伴い、永住ガイドラインの文言も「罰金刑や拘禁刑などを受けていないこと」にアップデートされています。過去に執行猶予付きであっても懲役・禁錮(現在の拘禁刑)の判決を受けた場合、執行猶予期間が無事に満了した日から数えて「10年間」が経過しなければ、永住許可の要件(素行善良)を満たすとは認められません。実務上、実刑であった場合は、出所後から10年以上の経過が必要です。

Q26.家族滞在ビザの配偶者が、週28時間を超えてアルバイトをしていました。私の永住申請に影響しますか。


A26. はい、大きく影響します。家族滞在ビザや留学生の「資格外活動許可」で認められている就労時間は「週28時間以内」と法律で厳格に定められています。これを破るオーバーワークは「不法就労」(入管法違反)です。扶養者であるあなた自身が家族の適正な在留を管理・監督していなかったとみなされ、「国益適合要件(法律の順守)」や「素行善良要件」に反するとして、あなた自身の永住申請が不許可になります。

Q27.万引きや置き引きで書類送検され、最終的に「起訴猶予(不起訴)」になりました。永住はできますか。


A27.不起訴(起訴猶予)になった場合、裁判で有罪判決を受けたわけではないため法律上の「前科」にはなりませんが、入管は警察・検察の捜査履歴を把握することができます。「実際に犯罪行為を行い、容疑が事実であったが諸事情で起訴されなかっただけ」というケース(起訴猶予)では、素行が善良であるとは認められにくく、不許可になる可能性が非常に高いです。事案の重大性によりますが、数年から相当期間(目安として5年前後)の無事故無違反の期間を置いてからでないと申請は厳しいでしょう。

4.在留期間・出国日数に関する質問

Q28.私は仕事の都合で日本を出国することが多いのですが、永住権を取得することはできませんか。


A28.日本からの出国日数が多い場合には、永住権の審査に影響があります。新ガイドラインでは、出国日数に関する明確な基準が設けられました。

申請時点から過去10年以内において、合理的な理由がなく「1回の出国で半年(約180日)以上不在にした期間がある場合」または「通算して2年6か月(約900日)以上不在にした場合」は、原則として消極評価となります。出張等の合理的な事情と証明資料が不可欠です。

Q29.原則として「引き続き10年以上本邦に在留」とありますが、途中でビザが切れた期間がある場合はどうなりますか。


A29.「引き続き」とは、在留資格が途切れることなく連続して日本に在留していることを意味します。うっかり更新を忘れて在留期限が過ぎてしまい、一度出国してビザを取り直したような場合や、数ヶ月間ビザがないブランク期間が生じた場合は、それまでの在留期間カウントは「リセット」されます。その時点から新たに1年目としてカウントし直し、再び10年を待つ必要があります。

Q30.現在のビザの在留期間が「3年」なのですが、永住申請はできますか。


A30.ガイドライン上は「現に有している在留資格について、最長の在留期間をもって在留していること」となっていますが、新ガイドラインの注記において、2027年3月31日までの永住許可申請においては、在留期間「3年」を有する者であっても「最長の在留期間をもって在留している」ものとして取り扱われます。そのため、在留期間が「3年」であれば永住申請を行う資格があります。「1年」の場合は申請できません。

5.身元保証人に関する質問

Q31.永住権の申請の身元保証人は、収入が少ない人でも大丈夫ですか。


A31.身元保証人の責任からして、理論的には身元保証人世帯が生活するに足る収入+αの収入が必要と言えます。もっとも、身元保証人の年収が低いことで永住権の申請が不許可になる事案は、当社の過去の事例ではありません。

Q32.永住ビザ申請の身元保証人には、どのような責任がありますか。


A32.永住許可申請時の身元保証人は、以下の3点を保証することになります。

①滞在費

②帰国旅費

③法令の遵守

身元保証人の保証責任は法的拘束力がなく、道義的責任であると考えられています。

仮に身元保証をした外国人が滞在費や帰国旅費の準備が出来ない場合でも、身元保証人が代わりに支払うことを求められるわけではなく、直ちに法的な責任追及をされるわけではありません。ここでいう身元保証は、民法上の身元保証契約を指しているわけではなく、在留制度独自のものと解釈されています。つまり、法的なペナルティや金銭請求が会社・個人に及ぶことはないため上司等に依頼しても迷惑はかかりません。永住ビザの身元保証人の詳細については、永住ビザの身元保証人とはでもご説明しておりますので、ご興味のある方はご覧ください。

Q33.身元保証人は、外国人の友人でもなれますか。


A33.いいえ、なれません。永住申請の身元保証人になれるのは、法律上「日本人」または「永住者の在留資格を持つ外国人」に限られています。いくら親しい友人であっても、その方が「技術・人文知識・国際業務」や「家族滞在」などの一般の在留資格である場合は、身元保証人になることはできません。

Q34.身元保証人が見つかりません。身元保証人なしで永住申請することは可能ですか。


A34.いいえ、不可能です。 永住許可申請において、身元保証人の書類(身元保証書、本人確認書類など)の提出は必須要件となっています。身元保証人が用意できない場合、申請書類そのものが受理されないか、受け付けられたとしても不許可になるでしょう。なぜなら、「誰も身元保証人を引き受けてくれない=日本の社会やコミュニティに十分馴染めておらず、信用がない」と入管に判断されてしまうからです。

6.配偶者・家族・各種特例に関する質問

Q35.新ガイドラインで追加された「学齢期の子の就学」や「日本語能力」とはどのような要件ですか。


A35.家族での安定した生活や地域社会への適応のため、以下が国益適合要件として新設されました。

  • 学齢期の子の就学:義務教育期間にある子を養育する親である場合、子が小学校または中学校に通学していることが求められます。
  • 日本語能力:原則として「日本語教育の参照枠」におけるB1相当レベル以上の日本語能力を有しているかが評価されます(高度専門職や、日本の小中高校等を累計6年以上修了した者、永住者の子等は除外・配慮規定あり)。

Q36.家族滞在ビザを持っている配偶者や子供も一緒に永住ビザ申請した方が良いですか。


A36.配偶者やお子様が永住権の要件を満たしているようであれば、一緒に永住権の申請をするのが良いでしょう。仮に、何らかの理由があり、単独で永住権を取得した場合には、配偶者やお子様は、永住者の配偶者ビザや定住者ビザに変更をする必要があります(詳細は【解決事例】夫が永住ビザを取得したら妻の家族滞在ビザはどうなる?をご覧ください。)。別々に申請すると、ビザの申請回数が増え、申請毎にそれぞれ書類を用意しなければなりません。やはり、永住権の要件を満たしているのであれば、家族一緒に永住権の申請をするほうが手続上のメリットがあるといえるでしょう。

Q37.日本人と離婚した場合、配偶者ビザからの永住特例は使えなくなりますか。


A37. はい、使えなくなります。「日本人の配偶者」としての緩和特例(実体ある婚姻5年+在留3年以上)は、申請時および審査中を通じて「実体を伴う婚姻関係が継続していること」が前提です。申請前、あるいは申請中に離婚(または死別)した場合は特例の対象外となり、原則通り「引き続き10年以上在留(うち就労5年以上)」の一般要件を満たさなければ永住は許可されません。ただし、日本人の実子を扶養している場合などは、「定住者」資格へ変更したのち、定住者からの緩和特例(5年在留)を狙う道はあります。

Q38.「定住者」の在留資格を持っています。何年で永住申請ができますか。


A38. 「定住者」の在留資格を保有している方は、原則10年の在留要件が緩和され、「定住者の在留資格で引き続き5年以上本邦に在留していること」で永住申請を行うことができます。日系人の方や、日本人・永住者と離婚後に定住者ビザへ変更された方などがこれに該当します。詳しくは定住者ビザからの永住ビザ申請のポイントをご参照ください。

Q39.難民認定を受けている場合、永住申請の要件はどう緩和されますか。


A39.難民の認定、または補完的保護対象者の認定を受けた方については、以下の緩和措置があります。

① 独立生計要件(資産や技能の要件)の適用が免除されます(公共の負担になるおそれがあっても不許可事由になりません)

② 在留期間が緩和され、「認定後引き続き5年以上本邦に在留していること」

以上二点で申請が可能になります。

ただし、新ガイドラインでは「現に公共の負担となっている場合やそのおそれが現実的であり、特段の事情がない場合」は国益適合の観点から消極評価される可能性がある点に注意が必要です。

Q40.「我が国への貢献に関するガイドライン」が廃止されたと聞きましたがどう変わったのですか。


A40.従来は本ガイドラインとは別に単独の規定として存在していた「我が国への貢献に関するガイドライン」が廃止され、新ガイドラインへ統合・集約されました。

制度や具体例そのものがなくなったわけではなく、本ガイドライン本体に一本化された上で、以下のような実績を有する者が対象として規定されています。

  • 日本政府からの勲章・褒章(文化勲章等)を受けた者
  • ノーベル賞や文化・芸術・スポーツ等の権威ある賞を受けた者
  • 日本政府や自治体の委員等として公共の利益に貢献した者(おおむね5年以上)
  • 東証プライム上場企業の取締役を5年以上務め経済発展に貢献した者 など

これらの「貢献」が認められた場合、原則10年必要な在留期間が「5年以上」に緩和されるとともに、国益適合要件の総合評価においても積極的に加点考慮されます。

Q41.子供が日本で生まれ、現在「家族滞在」ビザです。子供単独で永住申請できますか。


A41.両親がまだ永住者ではない場合、子供単独で永住権を取得することは原則として難しいです。子供が永住申請できるのは、

①両親(またはどちらか片方)が同時に永住申請を行う場合

②すでに両親が永住権を取得している場合です。

親が永住者であれば、その実子は「日本に引き続き3年以上在留していること」で永住申請ができる特例対象となります。

Q42.「10年のうち、就労資格または居住資格をもって引き続き5年以上」の条件について、技能実習や特定技能1号の期間は含まれますか。


A42.ガイドラインに明記されていますが、在留資格「技能実習」および「特定技能1号」の期間は、この「就労資格での5年以上」の期間に含めることができません。 例えば、技能実習で3年、その後特定技能1号で5年、合計8年日本にいたとしても、それらはカウント対象外です。その後「特定技能2号」や「技術・人文知識・国際業務」などの対象となる就労ビザに変更し、その資格で「引き続き5年以上」在留しなければ、原則10年の要件を満たすことはできません。

Q43.日本人の配偶者ビザを持っていますが、日本在留3年で永住申請できる特例があると聞きました。本当ですか。


A43.はい、本当です。新ガイドラインにおいて、日本人、永住者、または特別永住者の配偶者の緩和条件は、「実体を伴った婚姻生活が5年以上継続し、かつ、引き続き3年以上日本に在留していること」へと改定されました。例えば、海外で結婚して2年暮らした後に日本に入国し、日本で3年暮らせば(合計婚姻5年+日本在留3年)、原則10年の在留を待たずに永住申請が可能です。ただし、現在持っている配偶者ビザの在留期間が「3年」以上である必要があります(2027年3月31日までは「3年」も最長の在留資格扱いのため)。

Q44.高度専門職ビザ(またはポイント70点以上)の外国人は、何年で永住申請ができますか。


A44.高度専門職省令に基づくポイント計算で「70点以上」を有している方は、その状態を維持して「引き続き3年以上」日本に在留していれば永住申請が可能です。さらに、ポイントが「80点以上」ある方、または「特別高度人材(J-Skip)」の基準に該当する方は、「引き続き1年以上」の在留で永住申請ができるという強力な緩和特例が設けられています。詳しくは高度人材ポイント制・特別高度人材(J-Skip)での永住申請とは?最短1年で取得する条件を解説もご参照ください。

7.審査期間・許可率・手数料などその他のご質問

Q45.過去の永住権の申請の不許可は、再申請の永住権の申請に影響しますか。


A45.虚偽の内容や事実に相違がある書類を入管へ提出していないのであれば、過去の永住権の申請の不許可が影響することは通常ありません。

もっとも、不許可理由を何らリカバーしないままでは、何度永住権の申請をしても結論は変わりません。そのため、永住権が不許可になった場合には、不許可理由の確認はもとより、不許可となった原因への対応が重要となります。

詳細は、永住権の不許可事例と再申請の方法を行政書士が解説をご参照ください。

Q46.永住許可申請に必要な書類は、自分で集めるもの以外に会社に用意してもらうものはありますか。


A46.はい、勤務先の会社に用意してもらう書類があります。主に「在職証明書」が必要です。また、会社員の場合は直近数年分の住民税の納付状況を証明するために、会社が給与から天引きして納付していることを示す資料(課税証明書・納税証明書)が必要ですが、これは自身で市区町村役場から取得します。経営者や役員の場合は、会社の決算書や登記事項証明書なども必要になります。永住申請の必要書類について詳しくは【2026年最新】永住権の条件と必要書類・申請の流れを完全解説!もご参照ください。

Q47.永住権の申請中に在留期限を迎えそうです。永住権の申請中でも在留期間の更新許可申請をしないといけませんか。


A47.永住権の申請をしたとしても、現在お持ちの在留期間は進行しています。そのため、永住権の申請中でも、在留期限までに現在お持ちのビザの更新許可申請は行う必要があります。

なお、永住権申請時に現在お持ちの在留期間が残り3ヶ月を切っている場合には、永住権の申請に先立って、または同時に在留期間の更新許可申請を行わなければ、永住権の申請が受理されない扱いになっていますので、ご注意ください。

Q48.永住申請の審査期間はどれくらいかかりますか。


A48.入管の公表データ(2026年7月の在留審査処理期間統計)によると、永住許可申請の審査期間の目安は以下の通りです。

  • 法務省が定める標準処理期間(目標値): 4ヶ月~6か月
  • 実際の全国平均処理日数: 約310日前後(約9ヶ月〜10ヶ月)

近年、審査の厳格化や申請件数の増加に伴い、公式の目標値(4ヶ月)を大きく上回る時間を要するのが実態です。さらに、申請する入国管理局(管轄)によって審査スピードに大きな差が生じています。

Q49.永住申請の許可率はどれくらいですか。他のビザ申請と比べても難しいのでしょうか。


A49.入管が発表した最新の統計データ(2026年1月〜4月の通算データ)によると、永住申請の許可率は「50.8%」となっています。つまり、「およそ2人に1人が不許可になる」という非常に厳しい結果が出ています。

他の主要な在留資格の手続きと比較すると、永住審査の難しさは一目瞭然です。

  • 在留期間更新許可申請の許可率: 97.30%
  • 在留資格変更許可申請の許可率: 94.90%
  • 永住許可申請の許可率: 50.8%

通常のビザ更新や変更は9割以上が許可されるのに対し、永住申請は半分近くが不許可になります。入管の審査官は書類を機械的にチェックしているわけではなく、「この外国人を本当にこのまま日本に住まわせても問題ないか」を、独立生計や公的義務の履行状況(期限内の納付など)から極めて厳格に総合判断しているためです。「長く日本に住んでいてトラブルも起こしていないから大丈夫だろう」と油断せず、完璧な書類準備を行って申請することが重要です。詳しくは【2026年最新データ】永住申請の許可率は約50%?半分近くが不許可になる理由と一発許可のための対策を専門家が解説もご参照ください。

Q50.2026年10月からの在留手数料の改定について教えてください。永住申請の手数料も変わるのでしょうか。


A50.はい、変わります。2026年5月29日に成立した改正入管法により、入国管理局に支払う在留手数料の法定上限額が大幅に引き上げられました。

これに伴い、2026年10月1日以降の申請においては、一律料金から「許可される在留期間が長くなるほど高くなる料金体系」へとシフトしました。

主なポイントは以下の通りです。

  • 永住許可申請の手数料:従来の10,000円から200,000円へ引き上げられました(※永住許可は窓口交付のためオンライン割引の対象外です)。
  • 在留資格の変更・更新許可の手数料:従来の一律6,000円(窓口)から、許可される在留期間に応じた段階制料金(窓口:10,000円〜75,000円/オンライン:10,000円〜65,000円)へ変更されています。

なお、この手数料は「申請時」ではなく「許可が出た(在留カード交付)時」に納付するものであるため、不許可となった場合に20万円の手数料が発生することはありません。また、2026年9月30日までに受け付けられた申請については、許可が10月1日以降となった場合でも旧手数料が適用されます。

最新の状況は【2026年10月施行】改正入管法による在留手数料の大幅値上げの影響を行政書士が解説をご参照ください。

ここまで、2026年10月1日改定の「永住許可に関するガイドライン」に完全準拠した形で、よくある50個の質問に回答してきました。いかがでしたでしょうか。

審査期間が10ヶ月以上、混雑する東京入国管理局では1年半以上に及ぶこともある永住申請において、一度不許可になってしまうと、膨大な時間、そして労力が無駄になってしまいます。さらに、過去の不許可記録は入管にすべて残るため、2回目の再申請のハードルは初回よりも高くなってしまいます。

だからこそ、都度変わるガイドラインの意図を正しく理解し、最初から「一発許可」を狙える完璧な書類を揃えて申請することが極めて重要です。

「自分の年収や扶養人数で要件を満たしているか不安」

「過去にうっかり税金や年金を遅れて払ってしまった時期がある」

「転職したばかりだけれど、永住申請を進めても大丈夫だろうか」

少しでも不安や疑問がある方は、自分だけで判断して申請する前に、まずは入管行政の最新トレンドや実務に精通している行政書士法人第一綜合事務所へご相談ください。あなたやご家族が日本でこれからも安心して暮らしていけるよう、最適な戦略で永住権獲得の手続きを全力でバックアップいたします。

この記事の監修者

行政書士法人第一綜合事務所

行政書士 德永 武道

・日本行政書士会連合会(登録番号第23082840号)
・東京都行政書士会(会員番号第14958号)
千葉県出身。東京オフィスに所属し,外国人ビザ申請,永住権取得,国際結婚手続き,帰化許可申請など国際業務を専門としている。

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