2026.10.22 依田 隼弥 興行ビザ興行1号興行2号eスポーツ eスポーツ・VTuberの来日興行ビザ手続きと注意点を行政書士が解説 1.eスポーツ大会と「競技参加」「ファンイベント」の法的区分 eスポーツ分野における海外関係者の招へいでは、来日目的が「賞金やプロ契約を伴う純粋な競技大会への参加」であるか、「ファン向けのトークショー、ライブ配信、展示会等への出演」であるかによって、適用される在留資格が明確に分かれます。 イベントの内容 適用される在留資格 主要要件 立証資料 賞金付きプロeスポーツ大会への出場 興行2号 / 短期滞在(無報酬の場合) 賞金体系の明確性、日本人と同等額以上の賞金・手当 大会規約、賞金一覧、トーナメント表、出場契約書 ファンミーティング、周年ライブ出演 興行1号 会場要件(100人以上等)、出演報酬(月額20万/日額50万等) 会場図面、収容人数証明、出演契約書、チケット販売概要 ゲームPR動画撮影・Web配信出演・CM出演 興行3号 商品・事業の宣伝活動、配信プラットフォーム撮影 企画書、撮影スケジュール、配信契約書、報酬支払書 実務フロー:どの興行区分に該当するかの3ステップ判定 観客からチケット代を取ってリアルライブ・ファンミを行うか? →「興行1号」が基本です。会場の客席数(100人以上)や飲食物提供の有無、1日あたりの報酬額(50万円以上等)に応じて「イ・ロ・ハ」の要件を確認します。 詳しくは【イベント会社様へ】海外演者・選手の招へいビザ手続きと注意点を行政書士が解説もご参照ください。 賞金付きプロeスポーツ大会に「選手(プレイヤー)」として出場するか? → 「興行2号」となります。日本人と同等額以上の報酬・賞金が支払われるか、大会のプロ性が審査されます(無報酬・賞金なしのアマチュア大会は「短期滞在」が検討可能)。 観客を入れず、スタジオや現地での撮影・Web配信・ゲームPR施策を行うか? → 「興行3号」となります。「事業の宣伝」「記録媒体への録音・録画」に該当し、商品PRや配信番組への出演がこれに含まれます。 以下で詳しく見ていきましょう。 2. VTuber・ゲーム実況者・ストリーマーの来日招へいにおける要件 バーチャルユーチューバー(VTuber)や海外で活動するゲーム実況者・ストリーマーが来日してファンミーティングやリアルライブイベントを行う場合、特有の法務上の検討事項が存在します。 (1) 「中の演者(アクター・声優)」の在留資格手続 VTuberのキャラクターとしてリアル会場のスクリーンやモーションキャプチャースタジオに出演する場合であっても、出入国管理上の審査対象となるのは、日本に入国して実際にパフォーマンスや音声出力を行う「中の演者(自然人)」です。演者本人の名義で在留資格認定証明書(COE)を申請し、パスポート情報や過去の実績を提示する必要があります。キャラクター名と本人の対応関係を示す書類を内部資料として整理します。 (2)…
2026.10.22 渡邉 直斗 永住ビザ永住権配偶者ビザ手数料再移住 外国人配偶者と日本へ再移住:永住権取得を見据えたビザ申請を行政書士が解説 1. 日本の入管行政の大きな変化:手数料値上げと審査厳格化 まず、入管行政における大きな2つの変化(法改正・ガイドライン改定)について押さえておく必要があります。 (1) 【2026年10月1日施行】在留許可手数料の大幅引き上げ 2026年(令和8年)10月1日より、改正入管法に伴い、入管へ支払う在留許可手数料の「法定上限額」が引き上げられ、実際の納付金額も改定されました。 改定前の手数料は、在留資格変更や期間更新が一律6,000円(オンライン5,500円)、永住許可が一律10,000円でした。しかし、改定後は「許可される在留期間が長くなるほど手数料が高くなる」構造へと変化しました。 【2026年10月1日以降の改定後手数料(窓口/オンライン)】 在留期間「1年」: 33,000円(オンライン:27,000円) 在留期間「1年超3年未満」: 48,000円(オンライン:42,000円) 在留期間「3年以上5年未満」: 64,000円(オンライン:56,000円) 在留期間「5年以上」: 75,000円(オンライン:65,000円) 永住許可: 200,000円(窓口申請のみ) これまで10,000円だった永住許可の手数料は「20万円」と20倍に引き上げられています。また、後述しますが、もし「1年ビザ」しか認められず、毎年更新を繰り返すことになった場合、毎回27,000円〜33,000円もの手数料を支払い続けなければなりません。 (2) なぜ厳格化されるのか? 在留外国人「413万人時代」の入管行政 政府がこれほどまでに手数料を引き上げ、審査や管理の姿勢を強めている背景には、日本における在留外国人数が過去最多の4,125,395人(約413万人・2025年末時点)に達したことがあります。 国は「不法滞在者ゼロプラン」を掲げてデジタル化や厳格な在留管理を推進する一方で、増収した手数料財源を日本語教育プログラムや多言語相談などの共生支援に投じる方針です。つまり、「ルールを守り、しっかりとした基盤を持って日本で生活する外国人には手厚い支援を行うが、審査においては適正な資産・公的義務履行の裏付けを厳しくチェックする」という時代に入っているのです。 2. 海外在留の日本人・外国籍配偶者が直面する「帰国・再移住」3つの壁 海外から日本へ拠点を戻す国際結婚のご夫婦(日本人+外国籍配偶者)が「日本人の配偶者等」のビザ(在留資格認定証明書交付申請・COE交付申請)を申請する際、現実的に直面する主なハードルが以下の3つです。 壁(1) :日本国内での収入・所得証明が得られない(海外収入・海外資産の証明) 日本国内で会社員として勤務し給与を得ている場合であれば、日本発行の「課税証明書」「納税証明書」「源泉徴収票」を提示すれば、継続的な生活能力(生計要件)を証明できます。 しかし、海外から日本へ帰国する場合、以下のようなケースが多いです。 海外で仕事を辞めて日本に帰国し、日本でこれから求職・起業する。 海外の企業に在籍したまま、フルリモートで海外収入を得つつ日本で暮らす。 配偶者や日本人が海外で蓄えた資産(預貯金・株式・不動産等)を取り崩しながら、当面の生活を送る。 入管の審査において「日本国内での前年所得(課税証明書)」が出ない状態は、原則として「生計の安定性に疑問あり」と判断されやすい状況にあります。そのため、海外での給与明細、雇用契約書、銀行口座の残高証明書などを単に提出するだけでなく、それらを「どのように日本国内の生活資金へ充てるのか」を「理由書」や「資金計画書」で説明する必要があります。 壁(2) :日本国内での協力者・身元保証人の不在 「日本人の配偶者等」のビザ申請では、日本人配偶者が配偶者を呼び寄せる「身元保証人」となります。 しかし、長年海外に滞在していた日本人自身が日本国内で職に就いておらず、住民票もまだ日本に戻していない場合、日本人配偶者単独では「十分な身元保証能力(経済的・社会的保証能力)がない」とみなされることがあります。 従来であれば、日本国内に住む日本人の親・兄弟・親族等に「身元保証人」や「受入協力者」として名前を出してもらい、課税証明書や住民票の提出を頼むことが定石でした。しかし、近年は以下のようなご相談も増えています。…
2026.10.22 依田 隼弥 興行ビザ短期滞在興行3号 映画・PVロケ撮影・海外オーディションのビザ手続きと注意点を行政書士が解説 1.映画・ドラマ・PVロケ撮影における「興行3号」の一括手続き 海外の映画作品、テレビドラマ、ミュージックビデオ(PV)のロケーション撮影を日本国内で行う場合、出演するキャスト(俳優・モデル)だけでなく、撮影を支える制作クルー(監督、撮影監督、音声、照明、美術、メイク、衣装等)のビザ手続を一体的に進める必要があります。これらの活動は、上陸基準省令の「興行3号(放送番組または映画の製作に係る活動)」に分類されます。 (1) 撮影クルー全員の役割と雇用関係の提示 制作チーム全体をまとめて申請する場合、招へい機関(日本側の制作プロダクションや調整会社)は、各人員の役割一覧(クルーリスト)、パスポートコピー、専門的な職歴証明書、招へい機関との請負・委託契約書を提出します。単なる雑務ではなく、映像製作に直接必要な専門技術を有するスタッフであることを明確にします。 (2) 移動を伴う撮影ロケ計画書と滞在日程表 映画やPVのロケ撮影は、東京、京都、北海道、沖縄など複数の自治体や屋外ロケーションを移動しながら行われることが一般的です。入管審査においては、以下の項目を明記した「滞在日程表・ロケ計画書」を提出します。 ロケ計画書記載項目1:各日程の撮影場所(施設名、自治体名、屋外ロケ地の住所) ロケ計画書記載項目2:移動経路および交通手段(ロケバス、新幹線、国内線航空便等) ロケ計画書記載項目3:滞在先ホテル・宿泊施設の名称および所在地 ロケ計画書記載項目4:撮影許可の取得状況(公道使用許可、施設利用許可等の確保状況) 2.海外オーディション・スカウト企画のビザ選定 海外の新人モデル、アーティスト、ダンサーを発掘するために日本国内でオーディションやスカウト選考会を開催する場合、参加者の渡航目的に応じたビザ選定が必要です。 (1) 審査・選考のみの場合(短期滞在) オーディション参加者が日本国内でパフォーマンスの審査や選考を受けるのみであり、来日に関して対価としての報酬が支払われず、一般観客を集めて入場料を徴収する興行イベントを行わない場合は、「短期滞在(商用・オーディション参加)」での入国が認められるケースがあります。渡航費や滞在費の負担関係を証明する書類を用意します。 (2) 有観客選考ライブやパフォーマンス撮影を伴う場合(興行1号/興行3号) オーディションの過程を一般観客に公開してチケットを販売する公演(選考ライブ等)を実施する場合は「興行1号」、オーディションの模様を収録してテレビ番組やWebコンテンツとして配信・放送する場合は「興行3号」の取得が必要です。参加者に賞金や出演手当が支払われる場合も就労資格の手続を行います。 3.過密スケジュールに対応するための申請手順 ロケ撮影やオーディション企画は、キャストのスケジュール調整や天候、撮影許可の進捗により、来日日程が急遽決定・変更されることが少なくありません。過密日程の中で円滑に許可を取得するための実務手順を整理します。 事前資料の早期集約:企画決定直後に、キャスト・クルーのパスポートデータ、履歴書、過去の作品実績書、契約書案の収集を開始する。 事情説明書の添付:COE交付申請時、ロケ撮影の開始日や試写・公開日程が決まっている旨の事情説明書(理由書)を添付し、迅速な審理を要望する。 専門窓口の活用:日本側制作会社が行政書士等の専門家と連携し、出入国在留管理局との事前相談や書類チェックを滞りなく行う。 在外公館での査証発給手配:COE交付後、現地の日本大使館・領事館へ速やかに連絡し、査証発給予約の手配を行う。 4. ロケ撮影・海外オーディション現場で多発するトラブルと回避策 大規模な撮影クルーの一括招へいや海外オーディション企画では、ロケ現場ならではの突発的なトラブルが発生します。 事例1:ロケ地変更や天候不順による「申請外ロケーション撮影」 当初提出したロケ計画書以外の自治体やロケ地(例:雨天のため急遽別の全天候型スタジオや他県の施設に変更)で撮影を行ってしまったケース。 原因: 興行ビザが「指定された日程・場所・活動内容」に対して許可されていることに対する制作現場の認識不足。 対策: 天候リスクや予備ロケ地が想定される場合は、COE申請の段階で「予備ロケ地(候補地)」も含めた撮影計画書を作成し、事情説明書でカバーしておくことが重要です。無許可で大幅にロケ地を変更すると、資格外活動や管理不十分を理由に次回以降のビザ申請に悪影響を及ぼします。 事例2:スタイリスト・ヘアメイク等「技術クルー」の経歴立証不足による不許可 主演俳優のビザは無事下りたが、専属スタイリストや特殊メイクアーティストのビザが「専門技術の証明不足」で不許可となり、撮影プラン変更を余儀なくされたケース。 原因: 審査官に対し「日本国内のスタッフでは代替できず、なぜその人物でなければならないのか」の理由と、その人物の専門的経歴(過去の作品クレジット、ポートフォリオ等)を証明しきれなかったこと。 対策:…
2026.10.22 冨田 祐貴 特定活動告示6号興行ビザ短期滞在イベント会社興行1号興行2号 【イベント会社様へ】海外演者・選手の招へいビザ手続きと注意点を行政書士が解説 1. 「興行」・「特定活動」の判定基準 旅行代理店やイベント企画会社が海外から演者、ダンサー、演奏家、スポーツ選手を招へいする際、最初に行うべき作業は「どの興行区分に該当するか」の判別です。入管法における興行資格は、活動内容と受け入れ態様により細かく分類されています。 (1) 興行1号(演劇・音楽・舞踊等)の3区分(イ・ロ・ハ)と適用要件 興行1号(演劇、演芸、歌謡、舞踊、演奏等の音楽・舞台パフォーマンス活動)は、不法就労等の防止観点から厳格な要件が定められていますが、主催者の実績、公的催事性、施設規模、あるいは高額報酬案件に応じて要件緩和が認められています。 1号イ(適正実績機関緩和):過去に外国人の興行を適正に実施した実績を有する機関が招へいする場合の緩和区分です。管理者の3年以上経験、過去違反がないこと、過去3年間の報酬全額支払実績等が審査されます。 1号ロ(特定施設・公的イベント緩和):国・自治体・学校主催、文化交流目的(公的資金援助)、テーマパーク(敷地10万㎡以上)、100人以上客席で飲食物有償提供なし・接待なしの施設、または報酬1日50万円以上かつ30日以内の滞在活動が該当します。 1号ハ(一般要件・通常区分):イおよびロの緩和基準に該当しない場合の一般要件。演者自身の2年以上の学歴・経歴要件、招へい機関の常勤5名要件、施設要件(舞台13㎡以上、控室9㎡以上、客接待防止体制等)が課されます。 100人客席要件・飲食提供に関する実務上の注意点 興行1号ロの緩和規定(客席100人以上要件)を適用する際、単に「100人以上の座席がある会場」であることのみでは不十分です。法令上、「客席部分の収容人員が100人以上」であり、かつ「客席において飲食物の有償提供を行わず、客の接待を行わないこと」(または非営利目的の施設であること)が要件とされています。 飲食店、レストラン、ライブレストラン等で客席が100人以上であっても、客席で飲食物が有償提供される場合は1号ロの施設緩和に該当せず、1日50万円以上の報酬要件を満たさない限り、1号ハ(一般要件)が適用されます。ただし、バーカウンターで来場者が自ら購入・受領し、客席に持ち運んで飲食するセルフスタイルであれば、1号ロの対象となります。 詳しくはライブハウスの100人会場要件と興行ビザ実務を行政書士が解説をご参照ください。 (2) 興行2号(プロスポーツ等)と「特定活動告示6号(アマチュア選手)」の比較 詳しくは外国人のスポーツ選手やコーチの在留資格とは?興行2号・技能・特定活動の要件と手続きを行政書士が解説をご参照ください。この章では主なビザを紹介します。 ①興行2号(プロスポーツ選手・競技活動) プロ競技会、プロリーグ、格闘技、モータースポーツなどの競技活動に直接従事し、賞金や年俸等の報酬を得る場合に適用されます。 主要要件:日本人が従事する場合と同等以上の報酬を受けること。 例:プロサッカー・プロバスケットボール(Bリーグ)選手、プロボクサー、レーシングドライバー等 ②特定活動告示6号(アマチュアスポーツ選手) オリンピック大会や世界選手権大会等に出場した実績を持つ優秀なアマチュアスポーツ選手が、日本のアマチュアスポーツ振興等のために招へいされる場合に適用されます。 主要要件: オリンピック大会、世界選手権大会その他の国際的な競技会に出場した実績を有すること。 日本のアマチュアスポーツの振興および水準の向上のため、本邦の公私の機関(企業実業団等)に雇用されること。 月額25万円以上の報酬を受けること。 例:実業団陸上部、実業団ラグビーチーム等に所属・雇用される外国籍選手 (3) 「短期滞在(ノービザ)」で招へいできるケース・できないケース 現場でよく起こる勘違いが「数日間のイベントだから短期滞在(観光・商用ビザ)で大丈夫だろう」というものです。 短期滞在が認められる例:報酬を伴わないアマチュアコンテストへの参加、報酬が発生しない対談や挨拶、日本国内で対価(報酬・賞金)を得ない国際会議での講演等。 興行ビザが必要な例:出演料・出演対価が発生するライブ・ショー・興行イベント、入場料を徴収する催事でのパフォーマンス、賞金が出るプロスポーツ競技会等。対価の支払先が海外法人であっても、日本国内で実質的な興行・パフォーマンス活動を行う場合は「興行ビザ」が必要です。 2.MICE・インバウンドイベントの標準タイムラインと工程管理 大型イベントや国際会議(MICE)の準備においては、ビザ手続き遅延による出演不能リスクを避けるため、プロジェクト初期段階でのスケジュール設定が極めて重要となります。以下に標準的なスケジュールを示します。 時期(入国からの逆算) 実施タスク・手続き内容…
2026.10.22 渡邉 直斗 興行ビザ興行1号ライブハウス興行3号 ライブハウスの100人会場要件と興行ビザ実務を行政書士が解説 1. 興行1号ロの「100人会場要件」と飲食提供の審査基準 演劇、演奏、ダンス等の興行を行う場合、「興行1号」が適用されます。このうち、「興行1号ロ」の施設緩和規定は、小規模なライブハウスや小劇場等での海外演者の招へいを円滑化するための要件として設置されています。 基準1(飲食提供制限) 客席部分において飲食物を有償で提供しないこと(非営利目的の施設を除く)。 基準2(接待の禁止) 客の接待(風営法第2条第3項に規定する接待)をしない施設であること。 基準3(客席収容人員) 客席部分の収容人員が100人以上であること(または営利を目的としない公私の機関が運営する施設)。 (1) ライブハウス・クラブでのアルコール提供・フード販売の注意点 実務上、質問が多い点が「ドリンク代(500円~600円等)をとってアルコールやソフトドリンクを提供するライブハウスで1号ロが使えるか」という点です。省令上は「客席において飲食物を有償で提供せず」と規定されています。そのため、バーカウンターが客席エリアと明確に区分されており、客席内で飲食の給仕(客席販売や注文取り)を行わない態様であれば基準を満たすと判断されるケースがあります。 ただし、テーブル席で料理や酒類を給仕する居酒屋・レストラン型の店舗や、接待を伴う風営法許可店舗では1号ロは適用できず、より要件の厳しい1号ハ(一般要件:舞台面積13㎡以上、控室面積9㎡以上、客接待防止体制等)が適用されます。 (2) 図面および客席数証明資料の提出実務 申請時には、施設の構造と客席数を客観的に証明するため、以下の資料等を提出します。 施設平面図:舞台、控室、客席エリア、バーカウンターの位置関係・寸法を明記した図面。 客席収容人員の算定書:有効客席面積に対する座席数、または立ち見客の収容算定根拠(通常1㎡あたり2〜3名等で換算)。 飲食給仕を行わない誓約書・概要説明書:客席内での有償給仕を行わない旨を説明する資料。 2.海外YouTuber・インフルエンサー招へい(興行3号)の実務 近年、自治体のインバウンド観光誘致や新商品のPR、ゲームタイアップ等で、海外の人気YouTuberやSNSインフルエンサーを日本に招待し、動画撮影や撮影取材を行う案件が急増しています。このようなWeb動画プロモーション案件には「興行3号」が適用されます。 興行3号イ:商品または事業の宣伝に係る活動(CM撮影、企業PR動画出演、観光プロモーション撮影等) 興行3号ロ:放送番組(有線放送含む)または映画の製作に係る活動 興行3号ハ:商業用写真の撮影に係る活動(ポスター、雑誌、Web広告写真等) 興行3号ニ:商業用のレコード、ビデオテープその他の記録媒体に録音または録画を行う活動 興行3号の申請では、演者自身の過去の芸能実績やチャンネル登録者数・インフルエンサーとしての活動実績を示す資料、招へい機関(広告代理店や制作会社)との委託契約書、撮影仕様書(ロケ地、日程、撮影内容)、日本人が従事する場合と同等以上の報酬が支払われることを証する文書を提出します。 3. リアル店舗興行(1号)と店舗ロケ撮影(3号)の審査視点の違い ライブハウスや店舗で海外ゲストを迎える際、それが「観客を入れたリアル公演(興行1号)」なのか「店舗を利用したPR動画・PV撮影(興行3号)」なのかによって、入管がチェックする審査の着眼点は全く異なります。 店舗運営会社やイベント制作会社が押さえるべき、実務上の審査視点の違いは以下の通りです。 (1)会場・店舗設備に関する要求基準 興行1号ロ(リアル公演): 客席面積、座席数(100人以上)、舞台・控室の構造、客席での飲食給仕の有無(セルフ販売か否か)など、店舗の物理的構造や営業形態が基準を満たしているかが厳しく審査されます。 興行3号(店舗ロケ・撮影): 会場や店舗の広さ・客席数・客接待といった施設基準は一切問われません。個人のスタジオ、商業施設の貸し切り、屋外ロケ地など、撮影計画に沿った場所であれば自由に設定可能です。 (2)観客の有無と風営法該当性 興行1号ロ(リアル公演): 入場料を支払う観客(集客)が存在するため、不法就労防止や治安上の観点から、風営法(特定遊興飲食店営業等)の該当性や「客の接待の有無」が厳しくチェックされます。 興行3号(店舗ロケ・撮影): 原則として観客を集めない(または撮影エキストラのみ)前提であるため、店舗の風営法区分ではなく「どのような商品・事業のPR・収録活動であるか」という企画内容の適法性が審査の中心となります。…
2026.10.14 松原 桃子 帰化永住不動産登記国籍国籍申し出 【2026年10月5日から】不動産登記の国籍申し出が義務化:帰化申請への影響を解説 1.制度改正の背景:なぜ今、不動産所有者の「国籍等」を把握するのか? 従来、日本の不動産登記制度において、登記簿(登記事項証明書)に記載される所有者の情報は「氏名」と「住所」のみでした。そのため、国内にどれだけの外国人が不動産を所有しているのか、あるいは海外に住む外国人がどの土地を買収しているのかを公的に一元把握する仕組みが存在しませんでした。 法務省が今回の「国籍等の申し出義務化」に踏み切った背景には、大きく分けて2つの公的な目的が存在します。 (1)国土の適切な利用・管理と不動産市場の実態把握 近年の円安傾向やグローバル投資の活発化に伴い、都心部のアパート・マンションや、リゾート地、森林、水源地などが外国籍の個人や海外投資家によって取得されるケースが急増しています。 これに伴い、市場では「外国人による投機的な短期売買がマンション価格高騰の一因になっているのではないか」という指摘や、安全保障上の観点から「自国の重要な土地や防衛施設周辺の土地が、どの国の人物によって所有されているかを把握すべきだ」という議論が活発化しました。 国としては、「国土の適切な利用および管理の観点から、所有者の国籍情報をデータベースとして正しく把握・分析できるようにする」インフラ整備が必要となったのです。 (2)「国際相続」における準拠法確認と手続きの円滑化 もう一つの重要な目的が、相続登記の円滑化です。 日本国内にある不動産であっても、所有者が外国籍であった場合、その相続手続きには日本の民法ではなく「被相続人(亡くなった方)の本国法」が適用されます(法の適用に関する通則法第36条)。つまり、亡くなった方の国籍によって「誰が法定相続人になり、どのような割合で財産を分けるか」という根本的なルールが変わるのです。 あらかじめ所有者の国籍情報を公的に把握しておくことで、将来的に相続が発生した際に「どの国の法律に基づいて相続手続きを進めるべきか」の初期確認がスムーズになります。これは、近年深刻な社会問題となっている「所有者不明土地問題」や「海外在留者の連絡不通による空き家化」を防ぐためにも、欠かせない施策と位置付けられています。 2.在留外国人が最も気になるプライバシー問題:「登記簿に国籍が公開される」は大きな誤解 この報道が出た際、外国人住民の方々から多く寄せられたのが、「自分がどこの国の人間であるかが、誰でも取得できる登記簿謄本(登記事項証明書)に載ってしまうのか?」というプライバシーに関する懸念でした。 日本で長年生活し、地域社会に溶け込んで暮らしている外国人や、差別・偏見などの不利益を心配される方々にとって、国籍情報が公に晒されるかどうかは切実な問題です。 結論から明確にお伝えしますと、申し出た国籍情報が一般に公開される登記簿謄本に記載されることはありません。 今回の改正で提供された「国籍等」の情報は、法務局が内部で管理する「検索用情報管理ファイル」というシステムにのみ記録される非公開の内部情報です。 登記事項証明書(登記簿謄本)への印字:一切されません 一般第三者による閲覧・開示請求:原則として非公開です つまり、第三者が手数料を支払って法務局で登記簿謄本を取得したり、インターネットの登記情報提供サービスで確認したりしても、そこに国籍が表示されることはありません。 あくまで行政機関内部で所有者の身分関係を正しく管理し、将来の相続登記や行政間での情報連携(不動産ベース・レジストリ等)に活用するための情報管理システムです。したがって、マイホームを購入したからといって、近所の人や他人に国籍を知られる心配はありませんので、ご安心ください。 3.実務での変更点:不動産取得時に必要となる書類と注意点 では、実際に2026年10月5日以降に不動産を購入したり、相続によって名義変更(所有権移転登記など)を行ったりする場合、どのような手続きが必要になるのでしょうか。 まず知っておくべき重要な点は、「この申し出は外国人に限らず、日本国籍の人も含めた全員が対象になる」という点です。外国人だけを対象にする制度ではなく、新しく所有者になるすべての個人に対して国籍等の情報提供が求められます。 (1)申請書への記載 登記申請書を作成する際、新たに所有者(権利者)となる方の氏名や住所の欄に加えて、国籍を記載する項目が追加されます。 もし申請書に国籍等の記載がない場合、登記官から補正(不備の修正)を求められることになります。任意で省略できるものではなく、必須項目となります。 (2)国籍等を証明する確認書類の提出 国籍等を申し出る際には、その情報が正しいことを証する公的な公文書を添付する必要があります。具体的には、以下のような書類が該当します。 所有者の区分 主な確認書類 実務上の注意点 日本国内に住む外国人(中長期在留者・特別永住者) 国籍・地域が記載された「住民票の写し」 住民票1枚で「住所証明」と「国籍証明」を兼ねることができるため、スムーズです。在留カードのコピーでも対応可能です。 海外に住む外国人(非居住者・短期滞在者) 本国公証人等の「宣誓供述書」 + パスポートのコピー 日本の住民票がないため、本国の公証人や大使館・領事館で「国籍」を宣誓・認証した公的な書類(および日本語訳文)が必要です。 日本国籍の方…
2026.10.14 依田 隼弥 特定技能ビザ登録支援機関特定技能1号協議会 【特定技能制度】登録支援業務はどこに頼む?行政書士法人第一綜合事務所の協議会加入状況について 1.特定技能制度の最新動向と全体像 特定技能制度は、2019年4月に創設された在留資格です。一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人を受け入れることを目的としており、「特定技能1号」および「特定技能2号」の2段階が設けられています。 区分 特定技能1号 特定技能2号 在留期間 通算上限5年(条件により最長6年) 更新回数に制限なし 技能水準 試験等で確認(技能実習2号修了者は免除) 試験等で確認(熟練した技能) 日本語能力水準 試験(A2.2相当以上)等で確認 試験(B1相当以上)等で確認 家族帯同 基本的に不可 要件を満たせば可能(配偶者・子) 支援の対象 受入れ機関または登録支援機関による支援の対象 支援の対象外 受入れ対象分野は制度改定を経て拡大が進んでおり、介護、ビルクリーニング、リネンサプライ、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、自動車運送業、鉄道、物流倉庫、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、林業、木材産業、資源循環の19分野が指定されています。全分野の概要については【育成就労制度対応】「特定技能」業務区分と「技能実習」移行職種の関係性を行政書士が解説もご参照ください。 2.受入れ機関と「登録支援機関」の関係性 特定技能外国人を受け入れる企業・事業者(特定技能所属機関)には、1号特定技能外国人が日本で適正かつ円滑に活動できるよう、「1号特定技能外国人支援計画」を作成し、これに基づく支援を実施する法的義務が課されています。 (1)1号特定技能外国人支援計画で義務付けられる10の支援項目 受入企業は、以下の項目を含む支援を実施しなければなりません。 事前ガイダンス(労働条件・活動内容等の説明) 出入国時の送迎(空港等と事業所・住居間の送迎) 住居確保・生活に必要な契約支援(連帯保証人、口座開設、ライフライン等の補助) 生活オリエンテーション(日本のルール・マナー、防災等の説明) 公的手続き等への同行(住民登録、税・社会保障手続等の補助) 日本語学習の機会の提供(日本語教室の案内等) 相談・苦情への対応(母国語等による助言・指導) 日本人との交流促進(地域イベントや自治会活動等の案内) 転職支援(受入側都合の解雇時等における次の就労先探し) 定期的な面談・行政機関への通報(3ヶ月に1回以上の面談と法令違反時の通報) (2)登録支援機関の位置づけ これらの支援計画は受入企業が自力で実施することも可能ですが(自社支援)、専門知識や母国語での対応体制が必要となるため、出入国在留管理庁長官の登録を受けた「登録支援機関」へ支援計画の全部の実施を委託することが認められています。 受入企業が登録支援機関に支援の全部を委託する場合、受入企業自体に過去の中長期在留者受入実績等がなくても、外国人を受け入れるための支援体制要件を満たしているものとみなされます。…
2026.10.07 渡邉 直斗 永住経済財政運営と改革の基本方針2026永住ガイドライン 【2026年最新】経営管理ビザ・就労ビザ等の審査厳格化!入管最新動向と不許可対策を解説 このコラムは高市早苗首相(@takaichi_sanae)が9月27日にXに投稿した以下の2ポスト内の数値を参考にしております。 入管庁からはまだ正式に公表されているわけではない旨、ご了承ください。 政府では、在留外国人数の増加に伴って不安や不公平感を感じる国民の皆様がいらっしゃることに向き合い、「外国人政策」を「秩序」あるものとし、国民の皆様と外国人の双方が安全・安心に生活していけるようにするため、本年1月、『外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策』を取りまとめ、幅広い施策に取り組んでいます。 それらの施策の中から、外国人の「在留資格」に関する取組の状況をご説明したいと思います。 <「経営・管理」の在留資格の許可基準の見直しについて> 「経営・管理」とは、貿易などの事業の経営や管理に従事することを目的とする在留資格です。 「経営・管理」については、諸外国の同様の制度に比べて、許可基準が緩く、移住目的の方法として悪用されているなどの問題が指摘されていました。 そこで、昨年10月に許可基準の見直しを行い、新たな基準に基づく厳格な審査を実施してきました。 その結果、令和8年上半期の「在留資格認定証明書交付件数」は、前年同期比90%減少(3,074件減少)となっています。 <「企業内転勤」の在留資格の審査の厳格化について> 「企業内転勤」とは、国外にある親会社の外国人職員が、国内の子会社に転勤する場合などに用いられる在留資格です。 「企業内転勤」についても、実態を欠いた悪用事例が一部で確認されていました。 そこで、本年4月から、国外・国内それぞれの事業所の存在を明らかにするための新たな資料の提出を求めるなど、厳格な審査を行うようにしました。 その結果、令和8年上半期の「在留資格認定証明書交付件数」は、前年同期比で15%減少(739件減少)し、より実態に即した運用が行われるようになっています。 <「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の審査の厳格化について> 「技術・人文知識・国際業務」とは、日本の会社などに雇用されて、自然科学・人文科学に関する技術・専門的知識や外国語の能力などを活かして働く場合に用いられる在留資格で、システムエンジニアや、経理・財務、通訳・語学教師など、幅広い分野で利用されています。 「技術・人文知識・国際業務」についても、在留資格該当性のない活動に従事する事案が散見されるとの指摘があります。 そこで、対策として、派遣元と派遣先の双方に対し、従事させる業務についての誓約書を求めたり、言語能力の確認(CEFR・B2相当の言語能力の確認)を行うことにしたりするなど、審査の強化に取り組んでいます。 本年7月には、出入国在留管理庁の入国審査官など226名を緊急増員することとしましたので、更に取組を加速してまいります。 <「永住許可制度」の適正化について> 「永住者」とは、在留活動・在留期間の制限がなく、最も安定した法的地位として創設された在留資格であるため、特に慎重な審査を行う必要があります。 こうした位置付けを踏まえ、『永住許可に関するガイドライン』を改定することとしました。 主な改定内容は、以下の2点です。 「永住者」の在留資格を得るためには、「独立生計要件」、つまり「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」が必要となりますが、実際には、「永住者」の在留資格を得たにもかかわらず、独立の生計を営むことができないという事例が多くありました。 そこで、「独立生計要件」について、 ・世帯年収の基準を「日本人世帯の平均年収を上回る水準」に見直すとともに、 ・将来の年金見込み額を新たに考慮することとする予定です。 また、いわゆる「国益要件」、つまり「その者の永住が日本国の利益に合すると認められること」についても、 ・一定水準の日本語能力を有しているか、 ・我が国の制度・ルールなどへの理解が一定水準以上に達しているか といった事項を新たに考慮することとする予定です。 『新ガイドライン』は、パブリック・コメントで寄せられた意見を踏まえて検討を行った上で、10月1日に改定を予定しています。 — 高市早苗 (@takaichi_sanae) September 27, 2026 『外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策』に基づく施策の中から、国民の安全・安心に密接に関わる「不法滞在者対策」について、取組の状況をご紹介します。 政府では、難民該当性や人道配慮の必要性が認められないなど、制度の趣旨に沿わない「難民認定申請」を繰り返している者を含め、「退去強制事由」に該当する外国人を速やかに我が国から退去させるための『不法滞在者ゼロプラン』に取り組んでいます。…
2026.10.01 冨田 祐貴 家族滞在資格外活動週28時間風営法解禁 【2026年10月1日から】家族滞在の方がパチンコ店で働けるように?「個別許可」の要件を行政書士が解説 1.在留資格「家族滞在」とは? まずは入管法)における「家族滞在」という在留資格の本来の目的と位置づけについて整理しておきましょう。 (1)「家族滞在」ビザの対象者と目的 在留資格「家族滞在」は、日本で就労資格(例えば「技術・人文知識・国際業務」や「教授」「経営・管理」など)をもって在留する外国人、あるいは「留学」の在留資格で学ぶ方の扶養を受ける配偶者または子に付与されるビザです。 ポイントは以下の通りです。 対象者: 扶養者(本体者)の「配偶者」または「子」に限られます(親や兄弟姉妹は含まれません)。 活動内容: 「扶養を受ける者として行う日常的な活動」と定められています。 つまり、家族滞在ビザは「日本で働く扶養者と一緒に暮らし、扶養を受けながら日常生活を送るため」に用意された在留資格なのです。 (2)原則として「就労禁止」 入管法上、外国人が日本で行うことができる活動は在留資格ごとに厳密に定められています。 「技術・人文知識・国際業務」などの就労ビザを持つ人は、その専門分野で働くことが認められていますが、「家族滞在」ビザは「扶養を受けること」を前提としているため、原則として収入を伴う事業を運営したり、報酬を受ける活動(就労・アルバイト)を行ったりすることは禁止されています。 もし許可を得ずに働いて給料を受け取ってしまうと、入管法違反(資格外活動違反・不法就労)となり、最悪の場合は在留資格の取り消しや退去強制(強制送還)の対象となってしまいます。 2.アルバイトをするための「資格外活動許可」 「では、家族滞在の人は一切働けないの?」と思われるかもしれませんが、もちろん例外(救済措置)が存在します。それが「資格外活動許可」です。 (1)「資格外活動許可」とは? 家族滞在ビザを持つ方が、本来の活動(日常生活)の遂行を阻害しない範囲で、生活費や学費の補填などのためにアルバイトを行いたい場合、入管へ申請して「資格外活動許可」を取得することができます。 一般的に申請される資格外活動許可は「包括許可」と呼ばれ、一度許可を受けると、以下のルールのもとでアルバイトが可能になります。 労働時間の上限: 週28時間以内(複数のアルバイトを掛け持ちする場合も、全ての合計で週28時間以内) 就労先: 特定の1社に限定されず、一般的なアルバイト先であれば変更可能 これにより、コンビニエンスストア、飲食店(居酒屋・ファミレス等)、スーパー、ホテル清掃、倉庫作業など、さまざまな場所で多くの家族滞在の方が活躍されています。 (2)包括許可では禁止されている「風俗営業」の範囲 包括許可を取得すれば基本的には自由にアルバイト先を選べますが、入管法施行規則第19条第5項第1号により、明確に一律禁止されている業種がありました。 それが、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)」に規定する営業所での就労です。 具体的には、以下のような店舗・業種でのアルバイトは一切禁止されていました。 風俗営業(風営法第2条第1項) パチンコ店、スロット店、麻雀店、ゲームセンター等(遊技場営業) ※2026年10月1日から「個別許可」により就労可能 キャバクラ、スナック、ホストクラブ、バー(接待飲食等営業) ※2026年10月1日以降も禁止 性風俗関連特殊営業…店舗型・無店舗型性風俗(ソープランド、デリヘル等) ※2026年10月1日以降も禁止 特定遊興飲食店営業…深夜に客に遊興させ、酒類を提供するクラブやライブハウス等 ※2026年10月1日以降も禁止 (3)なぜ「ホール清掃」や「カウンター接客」も禁止対象だったのか? 「パチンコ店で玉出しやカウンターの景品交換、フロアの清掃をするだけなら関係ないのでは?」と考えがちですが、これまでの入管法規則では「風俗営業が営まれている営業所において行う活動全般」が禁止対象とされていました。 そのため、職種(ホールスタッフ、清掃員、調理補助など)にかかわらず、従来は「パチンコ店の店舗内で働くこと自体がアウト」という厳しい運用がなされていたのです。…
2026.09.29 冨田 祐貴 特定技能ビザ特定技能1号木材産業分野 木材産業分野における特定技能1号の受入れ要件・業務内容、試験概要、注意点を行政書士が解説 1. 木材産業分野の受入れ要件 木材産業分野で特定技能外国人を受け入れるためには、企業(特定技能所属機関)および受け入れる事業所が、法令ならびに分野固有の上乗せ基準をすべて満たしている必要があります。 また、木材産業分野における特定技能1号の受入れ見込数は、令和10年度末までの5年間で最大4,500人と定められています。令和8年6月末時点の速報値で在留数はまだ74人ですが、受入れ枠に限りがある点も留意しておきましょう。 (1)受入れ機関が満たすべき要件 ① 対象業種の該当性(日本標準産業分類) 受け入れを行う事業所(工場や作業所等)は、日本標準産業分類に基づく以下のいずれかの対象業種を行っていることが必須条件です。 小分類121:製材業、木製品製造業(細分類1211 一般製材業、細分類1212 単板〈ベニヤ〉製造業、細分類1213 木材チップ製造業、細分類1219 その他の特殊製材業) 細分類1222:合板製造業(単板積層材〈LVL〉製造業を含む) 細分類1223:集成材製造業 細分類1224:建築用木製組立材料製造業(プレカット製造業) 細分類1227:銘木製造業 細分類1228:床板製造業 造作材製造業・建具製造業(細分類1221)、パーティクルボード製造業(細分類1225)、繊維板製造業(細分類1226)、木製家具製造業(中分類13)などは特定技能の対象外です。 ただし、事業の一部で対象業種に該当する製品(プレカット材や合板など)を製造・加工している場合は、その製造工程に限り受入れが可能です。 ② 雇用形態 特定技能外国人との契約は直接雇用に限られます。派遣雇用による受入れは一切認められていません。 ③ 法令遵守 過去1年以内に特定技能外国人と同種の業務に従事する労働者を会社都合で離職(非自発的離職・整理解雇など)させていないことや、雇用主側の理由で行方不明者を発生させていないこと、労働・社会保険・租税関係法令を遵守していることなどが求められます。 (2)木材産業特定技能協議会への事前加入 木材産業分野では、特定技能外国人を適正に受け入れ・保護するための枠組みとして、林野庁が事務局を務める「木材産業特定技能協議会」が設置されています。受入れ企業は、入管へ申請を行う前に、事業所ごとに協議会へ加入しなければなりません。 ① 協議会加入の手順 協議会への入会申請を行うには、分野固有の追加要件である「労働安全対策(作業安全規範)の点検」をクリアする必要があります。 具体的には、手続きは以下のステップで進めます。 STEP 1:安全規範の取組状況確認申請(全木連への申請) 木材産業は製造業の中でも労働災害発生率が高い分野です。そのため、農林水産省が定めた「農林水産業・食品産業の作業安全のための規範(個別規範:木材産業)」のチェックシートに基づき、事業所ごとの安全対策状況を点検・記入します。これにエビデンス資料(写真や安全診断の実施証拠など)を添付し、一般社団法人全国木材組合連合会(全木連)に提出します。適切に取り組まれていると認められると、全木連から「確認証」が交付されます。 点検項目の例 チェック 点検項目 点検内容 ☐…