藤澤 勇來

大阪で帰化申請をする際の注意点

大阪府にお住いの方が帰化申請をするには,住居地に応じて管轄の法務局に書類を持ち込み,申請をしなければなりません。
帰化申請において,大阪だから不利,兵庫だったら有利,というように,管轄によって帰化申請の許可率が変わるといったことはありませんが,そうは言っても,全国の法務局がすべて,全く同じ運用で帰化業務を行っているという訳でもありません。
そこで,ここでは現在大阪にお住いの方,これから大阪に転居予定で帰化申請を考えている方に向けて,大阪で帰化申請をする際の注意点について,ローカルルールにも触れながら解説していきます。

1.大阪でも帰化申請の取り扱いが無い法務局がある?!

冒頭でも記載した通り,帰化申請をするためには,決まった管轄の法務局で手続きをする必要があります。
そして,まず注意が必要なのが,その管轄の法務局というのは,

「=最寄りの法務局」ではない,

ということです。

そもそも大阪府内には,以下11箇所の法務局(及びその支局等)があります。

①大阪法務局
(本局)
②北出張所
③天王寺出張所 ④池田出張所
⑤枚方出張所 ⑥守口出張所
⑦北大阪支局 ⑧東大阪支局
⑨堺支局 ⑩富田林支局
⑪岸和田支局

しかし,このうち「国籍事務(帰化申請はここに含まれます)」の取り扱いがあるのは,約半分の6箇所のみです。

①大阪法務局
(本局)
②北出張所
③天王寺出張所 ④池田出張所
⑤枚方出張所 ⑥守口出張所
⑦北大阪支局 ⑧東大阪支局
⑨堺支局 ⑩富田林支局
⑪岸和田支局

つまり,ご自宅の近所に法務局があったとしても,国籍事務(帰化申請)の取り扱いのない法務局であれば,わざわざ遠方の法務局まで出向かないといけないということです。

1回だけの出頭であれば大きな負担にはならないでしょうが,通常,自力で申請を行う際に,面接等含めて合計10回近く法務局に通うというのは珍しい話ではありません。そのことを考えると,小さな思い違いが,大きな負担に変わってきますね。

なお,ご自身の管轄の法務局を調べたい場合は,以下の色分けの通りに管轄が分かれていますので,参考にしてみてください。

赤:大阪法務局本局,
黄色(上側):北大阪支局,
黄色(下側):堺支局
緑:東大阪支局,
紫:富田林支局,
青:岸和田支局

引用元:大阪法務局「大阪法務局 管轄のご案内(国籍)」(http://houmukyoku.moj.go.jp/osaka/static/click_map04.html

2.大阪管轄の帰化申請は厳しい?!

さて,大阪府内でも帰化申請の管轄が分かれている,ということがお分かり頂けたところで,次に,大阪管轄の法務局の審査について解説をしていきます。

こちらも冒頭で記載をした通り,管轄によって帰化申請の許可率が変わるといったことはありません。実際,帰化申請は法務局の担当官が審査をした後,全ての案件が東京の本省に送付され,更に審査をされます。イメージとしては,全国各地で案件を吸い上げて,最終的には本省で審査をして,法務大臣での決裁,という感じです。

そのため,審査してもらう法務局を選べないことを嘆く必要はないのですが,申請受付時の提出書類や,書類の書式,記載方法については,全国の法務局を比較すると,ローカルルールとも言える,管轄ごとの多少の違いがあります。

では大阪の法務局はどうか言うと,大阪法務局本局は,他の法務局に比べると少し「厳しい(細かい)」という印象を受けます。

まず前提として,帰化申請の中身の具体的な審査は,申請受理後に,相談員とは別の担当官が行います。そして,その前段階である事前点検は,必要書類がそろっているか,作成書類が漏れなく作成されているか,といった形式的な確認をすることとなっています。

そして,上記で言う「細かい」というのは,本局ではそういった事前点検での,形式的な部分について,細かいところまで赤ペンが入るという意味合いです。また,通常行政書士が帰化申請書類を作成・製本した際には,事前相談なしで申請受付をしてくれる法務局が大半であるところ,大阪法務局本局は必ず事前確認を入れないといけないなど,その徹底ぶりが伺い知れます。

なお,大阪法務局本局では,2020年,新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言が発出されるまでは,相談のための事前予約は不要で,加えて,相談の時間制限もありませんでした。しかし,現在は完全予約制となり,予約時間の枠も90分のみ,と制限がかかってしまっています。書類を細かくチェックされ,やり直しをしたのは良いものの,予約がなかなか取れない,ようやく予約が取れて再チェックをしてもらったけれど,まだ修正点があってやり直しとなれば,かなりの時間と労力,そしてモチベーションを消耗してしまいます。(なお,コロナの影響により,国籍事務の相談予約制は他の法務局においても導入されています。)

上記のことから,いかに完成度の高い書類を作成・準備し,少ない回数で確認を終えるか,ということが以前にも増して重要になって来ていると言えます。

3.大阪で帰化申請をする際のスケジュール

帰化申請とよく比較される手続きとして,永住許可申請というものがあります。この永住許可申請も,申請先の出入国在留管理局が住居地によって管轄分けされているのですが,実は,この永住許可申請は管轄によって審査期間が大幅に異なります。
これをご存じの方は,帰化申請においても管轄によって審査期間にばらつきが出るのでは?と心配になるかもしれません。
そこで,次は大阪で帰化申請をする際のスケジュールについて解説をしていきます。結論から言ってしまうと,大阪だからと言って,審査が早い,若しくは遅い,ということは感じません。
では早速,大阪での帰化申請全体のスケジュール感を見てみましょう。

① 事前相談(2~3週間)

まず,ご自身で帰化申請をされる方は,管轄の法務局を調べたうえで,国籍課に事前相談の予約を取ることになります。ここで予約が取れるまでにかかる期間はだいたい2~3週間で,その時の予約状況により前後します。つまり,スタートラインに立つまでに最初から「待ち」が入ります。

② 必要書類準備(2~6カ月)

次に,法務局まで事前相談に行くと,相談員から,身分関係や仕事の状況などのヒアリングを受け,必要書類のリストアップをしてもらうことになります。ここからが帰化申請の準備の本格始動で,国内外の役所,勤務先などから必要な書類を集め,また,それらの書類を基に帰化申請書類を作成していきます。

※必要書類について詳細をご覧になりたい方は,【帰化許可申請の必要書類は?】をご参照ください。

書類の準備にかかる時間は,個人個人の書類の種類や忙しさなど,多くの要素に左右されますので一概には言えません。しかし,熟練した行政書士が関与した場合でも,早くとも2カ月~3カ月の期間を要し,ご自身で全ての書類の手配をするとなった場合には,この倍の期間,もしくは更に長い期間を要します。また,自力で申請をする際には,書類点検とやり直しのために4~5回法務局に行くということもざらにあります。その証拠に,法務局で貰える必要書類一覧には7枠の「相談・点検日」記入欄が設けられています。(つまり,それだけの回数の相談・点検・修正を想定しているということです。。)

③ 審査期間(6カ月~1年以上)

そして,無事に全ての書類が揃えば,必要書類の有無の最終確認がされ,申請が受付になります。その後は作業も一旦休憩となり,申請から3~4か月後に行われる面談を経て,審査が進み,最終的な結果が通知されることになります。なお,この審査期間は特別永住者の方が一般の外国人の方に比べて短い傾向にあり,早ければ半年,多くは1年以内に結果が分かります。一方,一般外国人の方の申請については,結果通知までに1年以上かかることも珍しくありません。また,この期間中にも追加資料の提出や,国籍によっては国籍離脱の手続きといった対応が求められる場合があります。

④ 事後手続き(1カ月)

最後に,帰化が許可された後は,帰化届の提出や,国によっては国籍離脱,その他証明書等の氏名等変更といった事後手続きをしていくことになります。厳密に言うと,官報に氏名が掲示された日からその方は日本国籍を取得したことになりますので,帰化申請自体はすでに終わっています。しかし,一連の手続きとしては,この事後手続きも帰化申請の一部として捉えています。

以上のように,期間に幅はあるものの,全てスムーズに行ってもスタートからゴールまでには1年近くの期間を要し,場合によっては2年近く又はそれ以上の期間を要することになります。もちろん,帰化申請は根気強く取り組めば,一人で出来ない手続きではありません。しかし,その道のりは遠く,多くの時間と労力,そして精神力が必要になることは,あらかじめ覚悟しておきましょう。

4.「大阪で帰化申請をする際の注意点」まとめ

さて,ここまで読んでいかがだったでしょうか?

本コラムの内容を簡単にまとめると,まず大阪で帰化申請をするのにも管轄があり,必ずしも最寄りの法務局で帰化申請ができるとは限りません。さらに,特に本局においては,細かい点まで書類を確認され,修正のたびに予約を取って確認してもらいに行く必要があります。

なお,予約制度については他の管轄についても同じであり,修正回数が多ければ多いほど,ペンディング期間が重なり,申請受理までの期間が長期化する点に注意が必要です。そして最後に,これは大阪での帰化申請に限ったことではありませんが,帰化申請準備から許可,事後手続き完了までは,想像以上に長い道のりであり,全てを自身で行うにはかなりの負担になることは必至です。

実際,当事務所のお客様にも,事前相談までは自分で行ったけれど,あまりの書類の多さに,自分での申請をあきらめてしまった,という方は多くいらっしゃいます。当事務所では,大阪の法務局での事前相談~書類取得~書類作成~最終確認~申請同行までを一貫してサポートし,お客様にとって1回目の出頭で申請受理になるよう,手配が可能です。また,帰化申請受理後のアドバイス等も引き続き可能ですので,大阪の帰化申請でお困りの方は,あきらめる前にぜひ一度,当事務所までご相談下さい。

この記事の監修者

行政書士法人第一綜合事務所

行政書士 藤澤 勇來

・日本行政書士会連合会(登録番号第24261751号)
・大阪府行政書士会(会員番号第8992号)
兵庫県出身。大阪オフィスに所属し,日本国籍を取得するための帰化許可申請業務を専門としている。

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