松原 桃子

帰化申請の不許可理由と不許可後の対策について

帰化申請の不許可理由と不許可後の対策について

本ページでは,帰化申請の不許可に関する事項を検証していきます。
帰化申請をこれから考えている方で,一般的に多い不許可理由を事前に知っておきたい方はもちろん,一度不許可になってしまった方も,次の手続きへスムーズに移行するために,本ページがご参考になれば幸いです。

それでは,帰化申請の不許可に関する事項について見ていきましょう。

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1.帰化申請の不許可率について

まずは,帰化申請の不許可率について見ていきましょう。
法務省民事局では,帰化申請の許可者数と不許可者数だけでなく,帰化申請件数や国籍別の許可者数を毎年公表しています。

法務省民事局とは,登記,戸籍,国籍,供託など(主に法務局での手続き)に関する事務を行っている機関です。
法務省民事局が公表しているデータをもとに,直近6年間の帰化申請の許可率と不許可率を算出しましたのでご覧ください。

年/事項 帰化申請件数 帰化許可者数 帰化許可率 帰化不許可者数 帰化不許可率
平成26年 11,337 9,277 約81% 509 約4%
平成27年 12,442 9,469 約76% 603 約5%
平成28年 11,477 9,554 約83% 607 約5%
平成29年 11,063 10,315 約93% 625 約5%
平成30年 9,942 9,074 約91% 670 約7%
令和元年 10,457 8,453 約80% 596 約5%

永住許可申請の許可率がおおむね50%前後であるということと比較すると,
帰化申請の許可率は75%から90%で推移しているため,永住許可申請よりは帰化申請の方が,数字上は許可率が高いということがわかります。

永住許可申請の許可率に関しては,入管申請データを解析!永住ビザ申請の許可率・不許可率!  をご参照ください。

帰化申請の不許可率を確認してみると,4%から7%で推移していることが分かります。
不許可率が低い理由には2つが考えられます。

帰化申請を行う際は,申請までに法務局へ何度か足を運び,申請の相談と書類の確認を行います。そして,不許可の見込みが高い場合は,申請の相談段階で法務局から指摘を受けます。
そのため,そもそも不許可リスクの高い人は,申請前の相談段階で,法務局からの助言をもとに,帰化申請を行わない人が多いというのが1つ目の理由です。

2つ目の理由として,帰化申請は入管申請と大きく異なり,帰化申請後に申請を取り下げるケースが実務上多くある点です。

帰化申請を行った後に,法務局の担当官から申請者へ連絡があり,帰化申請の取り下げを勧められることがあります。

このような連絡があるということは,”あなた(申請者)は申請後に不利益な事項があったので,不許可の可能性が高いと判断していますよ”という法務局からのメッセージです。
帰化申請が不許可になった記録は法務局に残り,次回申請にも影響を及ぼしますので,法務局から帰化申請の取り下げ連絡があった場合は,ケースによっては申請取り下げに応じることをお勧めします。

このように,そもそも許可・不許可の判断に至らないケースも多いため,帰化申請の不許可率は低い水準で推移しています。

2.帰化申請で多い不許可理由とは!?

上述のとおり,法務局が不許可の可能性が高い判断した場合には,事前相談の段階や帰化申請後にも,申請の取止めや取下げを勧めてきます。行政の効率化という観点もあるからなのでしょう。

しかし,実際には4%から7%の帰化不許可者がいることも事実です。

それでは,帰化申請が不許可になるケースを見ていきましょう。

帰化申請を行った後,不許可処分を受ける場合,法務省から申請人の自宅宛てに不許可通知が届きます。
不許可通知には,不許可理由に関する記載は一切なく,帰化申請を不許可と決定した旨のみが記載されます。また,管轄の法務局へ問い合わせをしても,原則不許可理由を教えてくれません。

不許可理由はお客様によって多岐にわたりますが,大きく分けると,以下の4つのケースが想定されます。

①申請後に申請した内容からの変更(結婚,離婚,引越し,転職など)があったにも関わらず法務局へ報告を行わなかった。

②申請後に,審査に不利益な事項(法律違反(過度な交通違反を含む),租税公課の未納,破産手続開始決定を受けたなど)が発生した。

③帰化申請で提出した申請書類に虚偽や事実と乖離する記載が確認された。

④法務局からの追加書類提出依頼に対して,対応を行わなかった。

もちろん,上記以外の不許可理由も想定されますが,この4つが一般的には不許可理由として多いケースになります。

3.帰化申請で不許可後にすべきこと

それでは,帰化申請の不許可通知を受けた後,何をすべきなのでしょうか。

再申請するには,まず不許可になった理由を,次回申請時に解消していなければなりません。
帰化申請の不許可理由は法務局で確認することができませんが,帰化申請が不許可になってしまった方のほとんどは,不許可理由に心当たりがあります。

それは上述のように,申請前の相談段階や申請後に法務局から不許可リスクになる事項を伝えられている場合や,法務局からの指摘や打診を受けていない場合でも,ご自身に関して大きな変化があった事項であれば,見当が付きやすいからです。
不許可通知を受けた後,まずはご自身で不許可理由を整理してみてください。

帰化申請を行って不許可処分を受けてしまった方も,焦る必要はなく,まずは不許可理由を明確にすることが大切です。

不許可理由に心当たりが無い方は,当社の行政書士がお話を伺い,不許可理由を検証すると共に,再申請に向けた対策をご提案いたしますので,お気軽にご相談ください。

4.帰化申請の不許可理由と不許可後の対策のまとめ

本ページでは,帰化申請の不許可率や不許可理由についてみてきました。

もちろん,一度の申請で帰化許可を取得できることがベストです。
しかし,お客様の様々な状況によって,不許可になってしまうケースもございます。

当社はこれから帰化申請を考えている方はもちろん,一度帰化申請を行って不許可になってしまった方も,初回無料でご相談を承っております。

本ページが帰化申請をご検討されている方にとって少しでも参考になれば幸いです。

この記事の監修者

行政書士法人第一綜合事務所

行政書士 松原 桃子

・日本行政書士会連合会(登録番号第24261750号)
・大阪府行政書士会(会員番号第8991号)
兵庫県出身。大阪オフィスに所属し,日本国籍を取得するための帰化許可申請業務を専門としている。

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