松原 桃子

帰化申請で必要な日本語能力とは?日本語テストもある?

帰化申請で必要な日本語能力とは?日本語テストもある?

日本に帰化して,日本人として暮らしていくためには,日常生活で支障のない日本語でのコミュニケーションを取れる必要があります。帰化が許可されるためには,どのレベルの日本語能力があればいいのか,どのようにレベルが判断されるのか,本コラムで詳しく解説していきます。

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帰化申請で求められる日本語能力のレベル

「国籍法」には日本語能力について具体的な定めは記載されていませんが,実務上は小学校3年生程度の日本語能力が必要とされています。

【帰化申請で求められる日本語能力】

  • 日本語で会話ができる
  • 日本語で書かれた文章が読める
  • 日本で文章を書くことができる

いくら日本語での会話がスムーズでも,読み書きができないと帰化は許可されません。
帰化して日本国民になると,選挙権が与えられます。読み書きができないと,候補者の名前が読めず投票用紙に名前を書くこともできません。そういったことから,読み書きができることが求められているのです。

自分の日本語能力レベルを確認する方法

ご自身の日本語能力がどれぐらいのレベルなのか,気になる方もいらっしゃると思います。ここでは,日本語能力レベルを確認する方法について,2つご紹介します。

【方法1】法務局での「事前相談」で確認してみる

現在お住まいの住所地を管轄する法務局で,帰化申請の事前相談ができます。この事前相談では,これまでの経歴や帰化したい理由などを伝えて,申請できるかどうか,申請できる場合はどんな書類が必要なのか,担当官からいろいろと教えてもらえます。このとき一緒に,担当官へ「日本語能力レベルが気になっている」ことも相談してみてください。その場で,簡単に確認してもらえるはずです。
なお,法務局での事前相談は予約制です。予約できるのは平日のみで,法務局によっては曜日や時間帯が決まっているところありますので,電話で確認してください。

【方法2】日本語能力の試験を受けてみる

もう1つの方法は,日本語能力の試験を受験してみることです。もし過去に受験したことがあれば,ひとつ参考になるでしょう。

【小学校3年生レベルとは?】

  • 日本語能力試験(JLPT):「N4」以上
  • 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic):「A2」以上

日本語能力の試験を受験していたとしても,法務局の判断で別途,日本語テストが実施されることもあります。
日本語能力試験については, こちらのホームページ で試験日などの情報が公開されています。

日本語能力をチェックされる場面

帰化申請で実際に日本語能力をチェックされるのは,いくつかの場面があります。

【チェックされる場面】
①法務局での事前相談
②「動機書」など作成した書類の内容
③法務局での申請受付
④申請受付後の法務局での面接

①の事前相談で『日本語能力が不十分』だと判断されると,日本語を勉強してから申請するように勧められることもあります。また,申請受付をする際に,その場で日本語のテストを受けるよう指示される場合もあります。申請受付の際に日本語テストがなかった人でも,その後の面接で日本語テストが行われることもあります。

日本語テストの内容とは?

帰化申請で行われる日本語テストは,おおよそ15分程度で終わるものです。
設問の内容は法務局によってさまざまですが,以下のような内容が多いです。

【日本語テストの内容】

  • 漢字の読み方を書く
  • ひらがなを漢字に直して書く
  • ひらがなをカタカナに,カタカナをひらがなに直して書く
  • 文章を読んで回答を選ぶ

いつくかサンプルを用意しましたので,試しにやってみてください。

【漢字の読み方】
ともだちと うみで 泳ぎました

(答え:およぎ)

【ひらがなを漢字に】
しんかんせんは とてもはやく はしります

(答え:速く)

【カタカナをひらがなに】
スタジアム

(答え:すたじあむ)

【文章を読んで回答】
大きさが一番大きいものを選んでください
ラッコ ・ クジラ ・ シャチ

(答え:クジラ)

日本語テストの対策はどうする?

日本語テストの対策は,日本語能力試験の「N4」「N3」の勉強がおすすめです。
日本語能力試験(JLPT)のホームページで,レベル別の問題集などが公開されています。まずは こちらのホームページ で試しに問題を解いてみてください。
小学校3年生向けの「漢字ドリル」「国語ドリル」などを書店で購入して勉強するのもおすすめです。

帰化申請で必要な日本語能力まとめ

本コラムでは,帰化申請で求められる日本語能力レベルについて解説してきました。
帰化申請はビザ申請よりも書類が多くなるため,作成する書類,集める書類にどうしても意識がいってしまいますが,せっかく苦労して書類を揃えても,日本語能力レベルが低いと面接で不許可になってしまいます。
帰化申請とビザ申請を専門に取り扱っている行政書士法人第一綜合事務所では,無料相談で簡単な日本語能力の確認もしています。申請のプロと一緒に帰化の許可を目指したい方は,お気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者

行政書士法人第一綜合事務所

行政書士 松原 桃子

・日本行政書士会連合会(登録番号第24261750号)
・大阪府行政書士会(会員番号第8991号)
兵庫県出身。大阪オフィスに所属し,日本国籍を取得するための帰化許可申請業務を専門としている。

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