冨田 祐貴

経営管理ビザでアルバイトは可能?専門行政書士がわかりやすく解説!

経営管理ビザでアルバイトは可能?専門行政書士がわかりやすく解説!

経営管理ビザは,日本で事業の経営や管理を行うためビザですが,事業を始めてすぐには軌道にならず,なかなか売上や利益が上がらないこともあるでしょう。そんなとき,一時的にアルバイトをして収入を安定させたい!と考える人もいるのではないでしょうか。
本コラムでは,経営管理ビザを持っている外国人が,アルバイトもできるのか?について専門行政書士がわかりやすく解説します。アルバイトについて気になる方はぜひ最後までお読みください。

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【結論】アルバイトできるケースもある

結論から申し上げると,経営管理ビザでアルバイトできるケースもあり,絶対にできないというわけではありません。
経営管理ビザを持っているだけではアルバイトはできません。なぜなら,経営管理ビザは事業の経営や管理を行うためのビザなので,アルバイトはこれに該当しないからです。
では,一切アルバイトが禁止されているかというと,そういうわけでもありません。
本ページでは,アルバイトできるケースはどんなケースなのか?について,このあと詳しく解説していきます。

経営管理ビザで許されている活動の範囲とは?

経営管理ビザで許容されている活動は,入管法で以下のように定められています。

【入管法別表第一の二】
本邦において貿易その他の事業の経営を開始し若しくは本邦におけるこれらの事業に投資してその経営を行い若しくは当該事業の管理に従事し又は本邦においてこれらの事業の経営を開始した外国人(外国法人を含む。以下この項において同じ。)若しくは本邦におけるこれらの事業に投資している外国人に代わつてその経営を行い若しくは当該事業の管理に従事する活動(この表の法律・会計業務の項の下欄に掲げる資格を有しなければ法律上行うことができないこととされている事業の経営若しくは管理に従事する活動を除く。)

このように,経営管理ビザは「日本で事業の経営をする」か「日本で事業の管理をするか」と定められているので,アルバイトで収入を得ることは資格外の活動ということになります。

「資格外活動許可」を取ればアルバイトできる?

資格外の活動を行うには,別途「資格外活動許可」というものを取得する必要があります。この資格外活動許可には,「包括許可」と「個別許可」の2種類があります。

包括許可とは

働く場所や仕事内容,契約先を定めないで,包括的に「週28時間以内で働く」ということの許可するものです。を取るやり方です。留学生がコンビニや飲食店などで行ういわゆる一般的なアルバイトが,この包括許可になります。
経営管理ビザの場合,包括許可を申請しても実務上ほぼ「不許可」となります。

個別許可とは

一方の「個別許可」は,仕事内容や契約先を個別に定めて許可するものです。許可された内容以外のことはできません。経営管理ビザの場合,この個別許可であれば,経営管理ビザの方でも許可となるケースがあるのです。

【個別許可されたケース】
本業:経営コンサルティング会社を経営
アルバイト:特定の大学と契約を交わし,客員教授として経営に関する講義を週に何コマか行う

まとめると,
経営管理ビザの方は,収入を補強するために空いた時間でコンビニや飲食店などでアルバイトすることはできませんが,本業との関連性が強く,特定の機関と契約のうえ行うものであれば,アルバイトとしてできる可能性がある。
ということです。

黙ってアルバイトしたらどうなる?

知り合いからちょっと頼まれたレベルの仕事であったり,月に数回しか行わない仕事であったりすれば,「黙ってこっそりやってしまおう」と考える方がいるかもしれません。
しかし,このようなことは絶対にやめましょう。こっそりアルバイトをしたとしても,アルバイト先から税務署や労働官署に届出したデータから入管側に知られるでしょう。また,許可を取らずに資格外の活動をすることは,入管法で明確に禁止されています。最悪の場合,1年以下の懲役もしくは禁錮もしくは200万円以下の罰金に処せられる可能性もあり,せっかく始めた事業を途中で手放して帰国することになりかねません。
資格外活動については別コラム「法定外活動の際に問われる資格外活動罪とは?」もお読みください。

よくあるお問い合わせ

経営管理ビザでのアルバイトについて,よくあるお問い合わせをご紹介します。

本業の営業時間後であればコンビニでアルバイトできますか?


できません。
本業に専念する時間が十分に確保されていたとしても,コンビニでアルバイトをして収入を得ることは認められません。

アルバイトではなく,事業として追加することはできますか?


できます。
目的が「収入を増やす」ということであれば,アルバイトではなく,別の事業を手掛けて収入を増やすという方法もあるでしょう。これであれば,経営管理ビザの活動範囲内となるので可能です。ただし,経営管理ビザを更新する際に,追加で事業を行うことになった経緯や理由の説明を求められる場合があるので,それに備えて必要な書類等はしっかり保存しておきましょう。

資格外活動許可はどうやって申請しますか?


資格外活動許可は,管轄の入管へ申請します。必要な書類は以下の通りです。

【申請に必要な書類】

  • 資格外活動許可申請書
  • 当該申請に係る活動の内容を明らかにする書類(雇用契約書など)
  • 在留カードとパスポートのそれぞれ原本を提示

審査期間は2週間~2か月間とされています。

【まとめ】経営管理ビザでアルバイトは可能?

経営管理ビザでアルバイトは可能か?について解説しました。

【まとめ】

  • 経営管理ビザでアルバイトをすることは資格外活動になる。
  • 資格外活動許可のうち「個別許可」を取ればアルバイトできる。
  • 黙ってアルバイトをした場合,罰せられて更新できない可能性もある。

事業が軌道に乗るまで,資金繰りが難しい時期もあるかと思いますが,経営管理ビザを取ったからには,会社の経営・管理に専念していくしかありません。「深夜のコンビニでアルバイトをして穴埋めする」といったことはできないので,そのあたりもしっかり検討したうえで,会社経営していく必要があります。

経営管理ビザについてわからないことがありましたら,ビザ専門の行政書士法人として業界トップクラスの第一綜合事務所へどうぞご相談ください。初回のご相談は無料です。

この記事の監修者

行政書士法人第一綜合事務所

行政書士 冨田 祐貴

・日本行政書士会連合会(登録番号第19261319号)
・東京都行政書士会(会員番号第14030号)
兵庫県出身。東京オフィス長として,企業向けのセミナーにも登壇。外国人ビザ申請,国際結婚,帰化許可申請など国際業務を専門としている。

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