藤澤 勇來

帰化申請の法務局管轄|東京・大阪などの主要都市について解説

帰化申請の法務局管轄|東京・大阪などの主要都市について解説

外国籍の方が日本に帰化申請をする場合,これまで在留資格審査等で親しんで来た「入管」ではなく,法務省が管轄する各地の「地方法務局・支局」にて行う必要があります。
どの法務局・支局で帰化申請手続きをすればよいのか?
そこから分からないというお客様からの問い合わせが多いのも事実です。
冒頭から結論をお伝えしますが,帰化申請の管轄窓口は,「申請をしようとする者の住所地を管轄する法務局又は地方法務局」です。
弊社では帰化申請について全国対応させて頂いていますが,本コラムでは,弊社が帰化申請で申請書類提出(実務上は「受付」と呼ばれます)に立ち会うことが出来る関西2府4県+三重県と,東京都・関東三県(埼玉県、千葉県、神奈川県)の法務局・支局事情について解説します。

1.帰化申請を扱う地方法務局・支局

先述の通り,帰化申請を行う際の法務局の窓口は自由に選べません。
原則として,「申請しようとする者」=外国籍であるあなた――の,「住所地」=あなたが今住んでいる(住民票がある)所を管轄する,「法務局又は地方法務局」です。

「都市部に職場があるので,そちらを管轄する地方法務局・支局で仕事帰りに手続きする方が便利だな」と思っても,それはできません。

また,帰化申請は原則として「申請者自らが」「窓口に出頭して」行わなければなりません。
地方法務局の窓口が開いているのは平日の昼間ですので,会社員の方ですと半休を取る必要があります。
実際,当社のお客様も半休を取られる方がほとんどです。

帰化申請をするにあたり作成・収集する書類の数も入管への在留資格取得手続きと比べて多いので,書類の間違いや抜けがあったら,管轄の法務局から再取得・再提出を命じられますし,場合によっては,書類取得に時間がかかり既に取得している書類の有効期限が切れたため,再取得をしなければならないなんてこともあります。
さらに言うと,法務局では作成した帰化申請書類の内容も厳しく確認され,帰化申請書類の修正の指示を受けた結果,次回に修正箇所の確認をされたりなど,何度も法務局に足を運ぶことになります。

こうした手間がかかるからこそ,無駄足を踏まないためにもご自分の帰化申請手続きはどの法務局・支局にすればよいか,事前に確認しておきましょう。

帰化申請の手続きでややこしいのは,「ご自分の住所地を管轄する地方法務局・支局」であっても,帰化申請手続きができないことがあることです。
帰化申請など国籍に関する業務を取り扱うのは,基本的に各地の法務局の「国籍課」もしくは「戸籍課」という部署です。
地方法務局支局・出張所によっては,帰化申請以外の業務(不動産登記等)は扱うが,帰化申請等の国籍に関する業務を取り扱っていないところもあります。
例えば,京都府舞鶴市に住んでいる方は,住所地における管轄は法務局舞鶴支局になりますが,帰化申請を行う場合は京都地方法務局本局へ提出することになります。

帰化申請における「受付」は,申請人の住所地を管轄する地方法務局・支局で行うけれど,相談業務や書類確認は別の地方法務局・支局で行うという取扱いをしている地方法務局・支局もあったりします。

さらに,帰化を考えている方が「転居(引っ越し)」を考えていると,またややこしくなります。

日本への帰化を考えている方の中には,将来を見据えて新しく就職・転職を考えることもあるでしょう。
あるいは,日本での結婚・出産などを見据えて,現住所以外の所に新居を構える計画を立てておられる方もあると思います。

基本的に,帰化申請後に転居した場合は,必ず管轄の地方法務局・支局に転居の事実を連絡する必要があります。その場合,帰化申請の審査期間が長引くことがあり得ますし,転居先が非常に遠方の場合は,管轄する地方法務局・支局そのものを変更する必要も生じます。

このような事情も踏まえ,ご自分がどのタイミングで,どの地方法務局・支局で帰化申請手続きを行えば最も効率的か,事前に調べて考えておきましょう。

帰化申請における申請者のご負担の最たるものは,「何度も都合をつけて法務局に行かなければならない」ことでしょう。
もちろん,私たち行政書士法人のような専門家が同行したり,必要な書類の作成・収集を代行したりしてサポートし,ご自分が法務局に行く手間を最小限に抑えることは可能です。
ご自分がどの地方法務局・支局に帰化申請をすればよいのかも含め,事前に私達のような専門家にご相談いただければ,助言・サポートをすることができますので,ご相談ください。

2.関西2府4県+三重県の法務局管轄表

弊社には大阪事務所と東京事務所があります。
この項では,大阪事務所で帰化申請の「受付」と言われる場に同行出来るサービスを提供できる関西2府4県と三重県の法務局管轄についてお知らせします。

大阪府

大阪府内に住所地を持つ方の帰化申請窓口は以下です。

法務局 管轄地域
大阪法務局民事行政部国籍課
(大阪市中央区)
大阪市(全区),池田市,豊中市,箕面市,枚方市,寝屋川市,交野市,守口市,門真市,大東市,四條畷市,豊能町,能勢町
大阪法務局北大阪支局
(大阪府茨木市中村町)
吹田市,高槻市,茨木市,摂津市,島本町
大阪法務局東大阪支局
(大阪府東大阪市高井田元町)
東大阪市,八尾市,柏原市
大阪法務局堺支局
(大阪府堺市堺区)
堺市,松原市,高石市,大阪狭山市
大阪法務局富田林支局
(大阪府富田林市甲田)
富田林市,河内長野市,羽曳野市,藤井寺市,太子町,河南町,千早赤阪村
大阪法務局岸和田支局
(大阪府岸和田市上野町東)
岸和田市,泉大津市,貝塚市,泉佐野市,和泉市,泉南市,阪南市,忠岡町,熊取町,田尻町,岬町

大阪法務局の管内には北・天王寺・守口等の出張所はありますが,帰化申請の取扱いは上記の法務局本局・支局しかできません。

京都府

京都府内に住所地を持つ方の帰化申請窓口は以下です。

<td京都地方法務局戸籍課(京都市上京区)<td京都市全区,向日市,長岡京市,乙訓郡大山崎町,南丹市,船井郡京丹波町,亀岡市,舞鶴市,福知山市,綾部市,宮津市,与謝郡(伊根町・与謝野町),京丹後市

法務局 管轄地域
京都地方法務局宇治支局
(京都府宇治市)
宇治市,久世郡(久御山町),城陽市,八幡市,京田辺市,綴喜郡(井手町・宇治田原町),木津川市,相楽郡(笠置町・和束町・精華町・南山城村)

京都府の地方法務局には,宮津や舞鶴などの支局がありますが,それらの支局では「国籍」に関わる業務――「帰化申請」は取り扱っていません。
ですから,京都府在住の外国籍の方が帰化許可申請をしようと思えば,上記二つの地方法務局のいずれかに申請しなければならないことになります。

兵庫県

兵庫県内に住所地を持つ方の帰化申請窓口は以下です。

法務局 管轄地域
神戸地方法務局国籍課
(神戸市中央区)
神戸市全区,※洲本市,淡路市,南あわじ市
神戸地方法務局西宮支局
(西宮市)
西宮市,芦屋市
神戸地方法務局伊丹支局
(伊丹市)
伊丹市,川西市,宝塚市,三田市,川辺郡猪名川町,丹波市,丹波篠山市
神戸地方法務局尼崎支局
(尼崎市)
尼崎市
神戸地方法務局明石支局
(明石市)
明石市,三木市,洲本市,淡路市,南あわじ市
神戸地方法務局姫路支局
(姫路市)
姫路市,神崎郡神河町,市川町,福崎町,たつの市,宍粟市,相生市,赤穂市,揖保郡太子町,佐用郡佐用町,赤穂郡上郡町,豊岡市,養父市,朝来市,美方郡香美町,新温泉町,西脇市,加西市,小野市,加東市,多可郡多可町
神戸地方法務局加古川支局
(加古川市)
加古川市,高砂市,加古郡稲美町,播磨町,西脇市,加西市,小野市,加東市,多可郡多可町

兵庫県内にお住まいの方で,「洲本支局」管轄区域(洲本市,淡路市,南あわじ市)にお住まいの方は,神戸地方法務局本局,明石支局のどちらでも帰化申請の受付が可能です。
同じく兵庫県内にお住まいの方で,「社支局」管轄区域(西脇市,加西市,小野市,加東市,多可郡多可町)にお住まいの方は,加古川支局及び姫路支局のどちらでも帰化申請の受付が可能です。
なお,加古川支局は火曜日だけ相談対応が可能,姫路支局は火曜日以外が相談の日程となっております。

奈良県

法務局 管轄地域
奈良地方法務局戸籍課
(奈良市高畑町)
奈良市,大和郡山市,天理市,生駒市,桜井市,宇陀市,山辺郡(山添村),生駒郡(平群町,三郷町,斑鳩町,安堵町),宇陀郡(曽爾村,御杖村)吉野郡(東吉野村)
奈良地方法務局葛城支局
(大和高田市)
大和高田市,橿原市,御所市,香芝市,葛城市,五條市,高市郡(高取町,明日香村),北葛城郡(上牧町,王寺町,広陵町,河合町),磯城郡(川西町,三宅町,田原本町),吉野郡(吉野町,大淀町,下市町,黒滝村,天川村,野迫川村,十津川村,下北山村,上北山村,川上村)

滋賀県

法務局 管轄地域
大津地方法務局戸籍課
(大津市京町)
大津市,草津市,栗東市,守山市,野洲市,高島市,甲賀市,湖南市
大津地方法務局彦根支局
(彦根市西今町)
彦根市,東近江市,近江八幡市,犬上郡豊郷町,犬上郡甲良町,犬上郡多賀町,愛知郡愛荘町,蒲生郡日野町,蒲生郡竜王町
大津地方法務局長浜支局
(長浜市八幡東町)
長浜市,米原市

滋賀県には甲賀支局がありますが,帰化申請に限っては大津地方法務局本局の戸籍課が窓口です。

和歌山県

法務局 管轄地域
和歌山地方法務局戸籍課
(和歌山市)
和歌山県内全域

和歌山県は広大で,和歌山地方法務局本局をはじめ,橋本,田辺,新宮など各地に法務局支局がありますが,新規に帰化申請を受付けているのは和歌山地方法務局本局だけです。

三重県

法務局 管轄地域
津地方法務局戸籍課
(津市)
津市,亀山市,鈴鹿市,伊勢市,鳥羽市,志摩市,松阪市,名張市,伊賀市,尾鷲市,熊野市,多気郡(多気町,明和町,大台町),度会郡(玉城町,度会町,南伊勢町,大紀町),北牟婁郡(紀北町),南牟婁郡(御浜町,紀宝町)
津地方法務局四日市支局
(四日市市)
四日市市,桑名市,いなべ市,三重郡(菰野町,朝日町,川越町),桑名郡(木曽岬町),員弁郡(東員町)

三重県にも松阪,桑名などの地方法務局支局がありますが,新規に帰化申請を受付けているのは津地方法務局と四日市市局のみです。

3.関東一都三県の法務局管轄表

弊社には東京事務所もございますので,帰化申請の「受付」と言われる場に同行出来るサービスを提供できる関東一都三県の法務局管轄についてもお知らせします。

東京都

法務局 管轄地域
東京法務局民事行政部国籍課
(千代田区)
東京都23区,島嶼部(大島町,利島村,新島村,三宅村,神津島村,御蔵島村,八丈町,青ヶ島村,小笠原村)
東京法務局八王子支局
(八王子市)
八王子市,立川市,昭島市,町田市,日野市,東大和市,稲城市,武蔵村山市,多摩市
東京法務局府中支局
(府中市)
武蔵野市,三鷹市,府中市,調布市,小平市,小金井市,東村山市,国分寺市,国立市,西東京市,狛江市,清瀬市,東久留米市
東京法務局西多摩支局
(福生市)
青梅市,福生市,羽村市,あきる野市,西多摩郡(奥多摩町,瑞穂町,日の出町,檜原村)

東京都の法務局には,各地出張所がありますが,帰化申請を受付けられるのは上記の地方法務局・支局となります。

神奈川県

法務局 管轄地域
横浜地方法務局国籍課
(横浜市中区)
横浜市全域
横浜地方法務局湘南支局
(藤沢市)
藤沢市,鎌倉市,茅ヶ崎市,寒川町
横浜地方法務局川崎支局
(川崎市)
川崎市
横浜地方法務局横須賀支局
(横須賀市)
横須賀市,逗子市,三浦市,葉山町
横浜地方法務局西湘二宮支局
(中郡二宮町)
平塚市,小田原市,南足柄市,大磯町,二宮町,中井町,大井町,松田町,山北町,開成町,箱根町,真鶴町,湯河原町
横浜地方法務局厚木支局
(厚木市)
厚木市,秦野市,伊勢原市,大和市,海老名市,座間市,綾瀬市,愛川町,清川村
横浜地方法務局相模原支局
(相模原市)
相模原市

東京都と同様,横浜地方法務局には各地出張所等がありますが,帰化申請を受付けられるのは上記の地方法務局・支局です。

埼玉県

法務局 管轄地域
さいたま地方法務局戸籍課
(さいたま市中央区)
埼玉県全域

埼玉県には所沢,越谷など各地に地方法務局支局・出張所がありますが,帰化申請を受付けられるのは上記のとおりさいたま地方法務局のみです。

千葉県

法務局 管轄地域
千葉地方法務局戸籍課
(千葉市中央区)
千葉市,習志野市,市原市,東金市,山武郡全域,大網白里市,山武市,佐倉市,四街道市,八街市印,印旛郡全域,成田市,富里市,印西市,白井市,茂原市,勝浦市,長生郡全域,いすみ市,夷隅郡全域,木更津市,君津市,富津市,袖ケ浦市,館山市,鴨川市,安房郡全域,南房総市,匝瑳市,旭市,銚子市,香取郡全域,香取市,船橋市,八千代市
千葉地方法務局松戸支局
(松戸市)
松戸市,流山市
千葉地方法務局柏支局
(柏市)
柏市,我孫子市,野田市
千葉地方法務局市川支局
(市川市)
市川市,鎌ケ谷市,浦安市

千葉県には木更津,館山等の地方法務局支局及び出張所がありますが,帰化申請を受付けているのは上記の地方法務局・支局です。

このように,帰化申請は原則として各地に住む申請者の居住地を管轄する地方法務局・支局の窓口で行う必要がありますが,居住地の最寄りの地方法務局・支局であっても,帰化申請にかかる業務を受付けていないところもありますのでご注意ください。

4.どこに帰化申請すればよいか分からない時は?

上記3で示したのは,関西2府4県+三重県と,関東1都3県における帰化申請の管轄窓口です。
これ以外の地域にお住まいの方,あるいは,本コラムで示した地域に住んではいるけれど,今一つどこに帰化申請すればよいか分からないと思っている方は,法務省がHPで管轄する地方法務局・支局をまとめていますので,参考にご覧ください。
https://www.moj.go.jp/MINJI/kokuseki_contactpoint.html#nara

なお,先述のようにこれらの申請先は,あくまで申請人の方の「現在の居住地」を管轄するものです。
転居・転職を考えておられる方,帰化申請の管轄がわからない場合には,是非私たちのような専門家にご相談ください。

5.帰化申請の法務局の管轄のまとめ

本コラムでは,帰化申請の法務局の管轄ついて細かくご説明しました。
先述のように,帰化申請には時間も手間もかかります。
また,現在の居住地と職場等が離れている場合は,帰化申請手続きを行う負担が増えてしまいます。

弊社のような専門家に帰化申請手続きの代行を依頼していただくメリットの一つは,管轄の法務局へご足労いただく回数が少なくなることです。
行政書士法人第一綜合事務所へご依頼の場合には,法務局に行って頂く回数を「申請同行」,「面接実施の際」の最低限の回数でご案内することが可能です。
そのため,帰化申請手続きを行う方のご負担軽減に繋がります。

これから帰化申請を考えてられておられる方が,どこに申請をすればよいかも含めて,是非弊社にお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者

行政書士法人第一綜合事務所

行政書士 藤澤 勇來

・日本行政書士会連合会(登録番号第24261751号)
・大阪府行政書士会(会員番号第8992号)
兵庫県出身。大阪オフィスに所属し,日本国籍を取得するための帰化許可申請業務を専門としている。

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