2021.11.10 渡邉 直斗 留学生日本語アルバイト資格外活動許可 資格外活動許可を徹底解説【留学生担当者様向けコラム】 1.「資格外活動許可」とは? そもそも,「資格外活動許可」とは何でしょうか? 多くの方が,「今持っている在留資格の範囲外の活動をする場合に必要な許可」といった趣旨の回答をされるのではないでしょうか。 しかし,これは「半分」正解,「半分」誤りです。 資格外活動許可とは,上記の理解に加えて,その行おうとする活動が「収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動」である場合にのみ必要な許可です。 つまり,平たく言うと資格外活動許可は,現在の在留資格外の活動をする場合で,かつ,お金を稼ぐ場合にのみ必要,ということになります。 (臨時の報酬等) 第十九条の三 法第十九条第一項第一号に規定する業として行うものではない講演に対する謝金,日常生活に伴う臨時の報酬その他の報酬は,次の各号に定めるとおりとする。 一 業として行うものではない次に掲げる活動に対する謝金,賞金その他の報酬 イ 講演,講義,討論その他これらに類似する活動 ロ 助言,鑑定その他これらに類似する活動 ハ 小説,論文,絵画,写真,プログラムその他の著作物の制作 ニ 催物への参加,映画又は放送番組への出演その他これらに類似する活動 二 親族,友人又は知人の依頼を受けてその者の日常の家事に従事すること(業として従事するものを除く。)に対する謝金その他の報酬 三 留学の在留資格をもつて在留する者で大学又は高等専門学校(第四学年,第五学年及び専攻科に限る。)において教育を受けるものが当該大学又は高等専門学校との契約に基づいて行う教育又は研究を補助する活動に対する報酬 ここまでのポイントを整理すると,「資格外活動許可」は, ①現に有する在留資格の範囲外の活動で, ②収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動に従事しようとする場合に必要となる。 ③他方,報酬が発生しない場合には,資格外活動許可は不要 とまとめることが出来ます。 2.「資格外活動許可」の一般的な要件 2−1.「包括許可」と「個別許可」 資格外活動許可の一般的な要件に話を進める前に,先に抑えておくべきキーワードがありますので,まずはそちらを確認しましょう。 そのキーワードは,“包括許可”と“個別許可”です。 資格外活動許可は「包括許可」と「個別許可」の2つに区分されます。 通常,留学生がアルバイトのために取得している資格外活動許可は「包括許可」です。これは,「1週間のうち28時間以内(※)」という条件付きで,逐一勤務先等の指定がされない,包括的な資格外活動が許容される許可の種類です。 (※)教育機関の長期休業期間にあっては,1日につき8時間以内に延長されます。 他方「個別許可」とは,予定する資格外活動が,上記の包括許可の時間制限を超える場合や,客観的に稼働時間の管理が困難な場合等に取得するものです。 こちらは包括許可と違い,活動先の機関名や活動期間等が個別に指定され,指定された範囲内のみでの資格外活動が許容されます。 留学生が個別許可を取得する場面としては,有償型インターンシップへの参加が代表的な例です。 2−2.「資格外活動許可」の要件(一般原則) 資格外活動許可の要件は以下のとおりです。…