航空分野コラム

COLUMN

航空分野における特定技能外国人の受入要件・業務内容・試験内容、注意点を解説

1.航空分野の受け入れ要件 特定技能外国人を採用・受入・雇用するためには、「受入企業(特定技能所属機関)に求められる基準」「外国人本人に求められる基準」、そして航空分野特有の「航空分野特定技能協議会への加入・協力義務」のすべてを満たす必要があります。 (1)受入企業の要件 特定技能外国人を受け入れる企業(特定技能所属機関)は、一般的な労働法令や社会保険関係法令の遵守に加え、航空分野特有の厳格な要件(告示基準)をクリアしなければなりません。 ① 事業者・事業場に関する要件(業務区分別) 航空分野では、業務区分(空港グランドハンドリング/航空機整備)ごとに受入企業が備えるべき許認可や事業場要件が明確に規定されています。 空港グランドハンドリング区分の場合 空港管理規則(昭和27年運輸省令第44号)第12条第1項若しくは第12条の2第1項の承認を受けた者(航空法第100条第1項の許可を受けた者を含む)、同規則第13条第1項の承認を受けた者、又はこれらに準ずる条例・規則等に基づき空港管理者により営業を行うことを認められた事業者であって、空港グランドハンドリングを営む者であること。 成田空港での特例措置: 国家戦略特別区域航空物流外国人材活用事業として、空港敷地外の保税蔵置場又は総合保税地域において空港グランドハンドリング(貨物取扱業務に限る)を行う事業者については、上記の空港管理規則に基づく営業承認要件の適用除外を受けます。ただしその場合は、千葉県及び成田国際空港株式会社が設置する「成田国際空港に関する国家戦略特別区域航空物流外国人材活用協議会」等の構成員に加入している必要があります。 航空機整備区分の場合 航空法(昭和27年法律第231号)第20条第1項第3号、第4号若しくは第7号の能力について同項の国土交通大臣の認定を受けた者(いわゆる「認定事業場」)、又は当該認定事業者から業務の委託を受けた者であること。 ② 雇用契約および待遇に関する要件 日本人と同等以上の報酬額: 特定技能外国人の報酬額は、同じ業務に従事する日本人従業員と同等以上でなければなりません。 直接雇用の原則(派遣不可): 航空分野における特定技能外国人の受入形態は、「直接雇用」のみ認められています。派遣形態による受入や、自社で雇用した特定技能外国人を他社へ派遣することは固く禁止されています。 在籍型出向の例外受入: 一方で、航空分野では密接な企業間での教育・研修や技能向上を目的として「在籍型出向」形態による受入が認められています。 「在籍型出向」とは 外国人が元の会社(出向元)と雇用関係を保ったまま、グループ会社や協力会社などの別の会社(出向先)に出向して勤務する形態です。 ただし、出向期間中の所定内賃金等の待遇を出向元と同等以上に維持・向上すること、出向期間(1号の場合は1年につき通算4か月を超えない範囲)の事前確認、出向元・出向先双方が適切に把握されていること等の厳しい条件が課されます。また、事前に入管・国土交通省への届出が必要となります。 ③ 適切な支援体制および法令遵守要件 1年以内に同種業務に従事する労働者を非自発的離職させていないこと、及び自社の責めに帰すべき事由による行方不明者を発生させていないこと。 1号特定技能外国人に対する「1号特定技能外国人支援計画」を作成し、事前ガイダンス、出送迎、住居確保、生活オリエンテーション、日本語学習機会の提供、定期面談(3か月に1回以上)等の支援を適切に実施すること。支援の全部を「登録支援機関」に委託することも可能です。 (2)「航空分野特定技能協議会」について 特定技能外国人を受け入れる企業(及び支援を委託される登録支援機関)にとって重要な法的要件が、「航空分野特定技能協議会」への事前加入および協力義務です。 ①航空分野特定技能協議会の目的と概要 航空分野特定技能協議会は、特定技能外国人の適正な受入及び保護を図ること、並びに各地域の特定技能所属機関が必要な特定技能外国人を受け入れられるよう、構成員相互の連絡や必要措置を講じることを目的に国土交通省によって設置されています。 ②航空分野特定技能協議会の活動内容 航空分野特定技能協議会規約の第3条において、以下のような活動内容が定められています。 受入制度の趣旨や優良事例の周知 受入に係る人権上の問題等への対応策の検討 特定技能所属機関及び登録支援機関に対する法令遵守の啓発 倒産時等における特定技能外国人への転職支援 就業構造や経済情勢の変化に関する情報の把握・分析 地域別の人手不足状況の把握・分析…