雇用維持支援コラム

COLUMN

特定活動ビザ(帰国困難・雇用維持支援)の内容と変更点

1. 特定活動ビザ(帰国困難・雇用維持支援)とは 特定活動ビザ(帰国困難・雇用維持支援)とは,新型コロナウイルスの影響で,元々保持していたビザの期限内に帰国困難な外国人や,受入れ機関が倒産したなどの理由で解雇された外国人を対象に発給されているビザです。 なお,「特定活動ビザ」とは新型コロナウイルスの影響を受けた外国人を救済するためだけのビザではなく,現行あるビザでは対応できない活動に対して,法務大臣の権限で発給することができるビザです。 そのため,今回は新型コロナウイルスの影響を受けて帰国困難などに直面している外国人を救済する目的で特定活動ビザが使われていますが,実際には本記事で紹介する事例以外でも,さまざまな用途で特定活動ビザが使われています。 2. 特定活動ビザ(帰国困難・雇用維持支援)の変更点 特定活動ビザ(帰国困難・雇用維持支援)は,外国人の往来が実質的に再開されている現在においても,帰国困難な合理的な理由が説明できれば,入管での審査を経てビザを取得することができます。 これまでは,ビザ申請の際に提出された帰国が困難である理由書などの資料から,各入管にてビザ発給の可否が判断されていました。 そのため,同じ条件下の外国人でも,管轄の入管や審査を担当する審査官によって,ビザ申請の審査結果が異なるような事例も散見されました。 一方で,今回の発表により,今後の特定活動ビザ(帰国困難・雇用維持支援)の発給に関わるルールが明確にされました。 まずは,今回発表された変更点について解説して行きます。 なお,本記事では特定活動ビザ(帰国困難・雇用維持支援)と併せて,多くの帰国困難な外国人が取得をしている「短期滞在ビザ」についてもご紹介します。 2-1.対象者 新たな発表では,現在,特定活動ビザ(帰国困難・雇用維持支援),短期滞在ビザで在留している外国人または2022年11月1日までに現在保持しているビザの期限が満了する外国人に限り,今後の特定活動ビザ(帰国困難・雇用維持支援),短期滞在ビザへの変更や更新が認められることになりました。 2-2.許可される在留期間と変更・更新の可否 今後,許可される在留期間や変更・更新の可否は,ビザ申請する外国人のビザの状況によって,次の➀~➂の何れかのルールに則り決定されます。 ➀現在保持している特定活動ビザ(帰国困難・雇用維持支援)または短期滞在ビザの在留期限が6月29日までの外国人 特定活動ビザ(帰国困難・雇用維持支援)または短期滞在ビザで在留している外国人で,在留期限が6月29日までの外国人は,下記のルールでビザの更新が認められます。 現在のビザ 更新で取得できる在留期間 特定活動ビザ(帰国困難・雇用維持支援) 4ヶ月 短期滞在ビザ 90日 なお,ビザ更新をした後も,引き続き帰国困難な状況が認められることで,再度のビザ更新が認められる可能性がありますが,その際には6月30日以降の更新として②の取扱いになりますので、再度のビザ更新は「今回限り」のものになり、それ以降の更新は認められません。 ②現在保持している特定活動ビザ(帰国困難・雇用維持支援)または短期滞在ビザの在留期限が6月30日以降の外国人 特定活動ビザ(帰国困難・雇用維持支援)または短期滞在ビザで在留している外国人で,在留期限が6月30日以降の外国人は,下記のルールでビザ更新が認められます。 現在のビザ 更新で取得できる在留期間 特定活動ビザ(帰国困難・雇用維持支援) 4ヶ月 短期滞在ビザ 90日 なお,ビザ更新が認められるのは「今回限り」とされているため,ビザ更新をした後は在留期限が満了する前に,母国へ帰国する必要があります。 ➂新たに特定活動ビザ(帰国困難・雇用維持支援)または短期滞在ビザの取得を希望する外国人 特定活動ビザ(帰国困難・雇用維持支援)または短期滞在ビザ以外のビザで在留する外国人で,11月1日までに在留期限を迎える外国人については,下記のルールでビザの取得が認められます。 希望するビザ 取得できる在留期間 特定活動ビザ(帰国困難)…