仲野 翔悟

【日本の書類を海外へ】アポスティーユと領事認証の違いとは?基本構造から私文書の認証フローまで徹底解説

【日本の書類を海外へ】アポスティーユと領事認証の違いとは?基本構造から私文書の認証フローまで徹底解説

「海外の取引先から,書類に認証を受けてほしいと言われた」
「アポスティーユと領事認証,どちらを選べばいいのかわからない」
海外進出や国際手続きにおいて,避けて通れないのが書類の認証手続きです。しかし,専門用語が多く,手続きのルートも複雑なため,多くの方がここでつまずいてしまいます。
実は,この手続きには「基本のルート(領事認証)」と,それを「省略できる特例ルート(アポスティーユ)」の2種類が存在します。この構造を理解すれば,自分が何をすべきかが見えてきます。

本記事では,国際業務に特化した行政書士法人として,年間9,000件以上(2025年実績)のご相談に対応している行政書士法人第一綜合事務所が,認証手続きの全体像と判断基準を分かりやすく解説します。

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1.アポスティーユ・領事認証とは?(書類に信頼を与える手続き)

日本の書類を海外へ提出する場合,現地の受け入れ機関は「この書類は本当に日本の公的機関が発行した本物なのか?」「偽造ではないか?」を確認する術がありません。

そこで,日本の外務省という国の機関が「間違いなく本物です」という証明(お墨付き)を与えます。これにより,海外でも公的な書類として通用するようになります。

2.【原則】基本は「外務省の公印確認」+「駐日大使館での領事認証」

まず,認証手続きの本来の形(基本原則)から解説します。
通常,国をまたいで書類を有効にするには,以下の2段階の認証が必要です。

ステップ1:日本の外務省での「公印確認」
まず,日本の外務省が「この書類の公印は本物です」という証明(公印確認)を行います。

ステップ2:駐日大使館(領事館)での「領事認証」
次に,提出先国の駐日大使館(領事担当官)が,「外務省の印鑑は本物です」という確認(領事認証)を行います。

つまり,「日本側(外務省)の公印確認」を経て,さらに「相手国側(大使館)の領事認証」を受けるというダブルチェックを経て,初めて現地で使える書類になります。
一般的にはこの手続き全体を指して「領事認証を取得する」と表現されることが多いですが,正確には最後の大使館で行う手続きのことを「領事認証」と呼びます。

3.【特例】ハーグ条約加盟国なら「アポスティーユ」で領事認証が省略できる

すべての書類で毎回ダブルチェック(領事認証)を行うのは,申請者にとっても大使館にとっても大変な手間です。
そこで,国際的なルール作りを行う「ハーグ国際私法会議」において,認証手続きを簡略化するための条約(外国公文書の認証を不要とする条約)が締結されました。認証の実務においては,この条約を指して単に「ハーグ条約」と呼ぶことが一般的です。

外務省のアポスティーユだけで完了する仕組み

提出先の国がこの「ハーグ条約」に加盟している場合(アメリカ,イギリス,韓国,中国,スペインなど)は特例が適用されます。

日本の外務省で「アポスティーユ(Apostille)」という特定の証明を受ける。
→ これさえあれば,駐日大使館での領事認証は不要(省略)となる。

つまり,アポスティーユとは「大使館に行かなくて済む,スピードアップのための特例認証」のことなのです。

中国もアポスティーユ加盟国になりました(2023年11月〜)

以前は領事認証が必要な国の代表格であった「中国」ですが、2023年11月7日よりハーグ条約が発効されました。 これにより,現在は中国向けの書類も、原則として「アポスティーユ」だけで手続きが完了します(駐日中国大使館での領事認証は不要になりました)。

4.「私文書」の場合は,まず公証役場で公証してもらう

ここまでは「公文書(戸籍謄本や登記簿謄本など)」の話でした。 注意が必要なのは,会社定款,委任状,契約書,卒業証明書などの「私文書」の場合です。

私文書はそのままでは外務省に出せません

日本の外務省は,公文書(公務員が発行した書類)の印鑑証明はできますが,私人が作成した書類(私文書)には直接認証を与えることができません。
そのため,私文書の場合は以下のステップを踏んで,書類を「公的な性質を持つもの」にする必要があります。

ステップ1:公証役場
公証人の面前で「この文書は真正に成立した」等の認証(公証)を受けます。

ステップ2:地方法務局
公証人の印鑑証明を受けます。

ステップ3:外務省(公印確認またはアポスティーユ):
ここでようやく外務省の手続きに入れます。

ステップ4:駐日大使館(※領事認証が必要な国のみ)
最後に領事認証を取得します。

このように,私文書の場合は「公証役場」の手続きが必須となります。

5.私文書認証の切り札「ワンストップサービス」とは?

前述のとおり,私文書(会社定款,委任状,卒業証明書など)の認証は,原則として
「公証役場」→「法務局」→「外務省」という3つの役所を回らなければなりません。これには多大な時間と移動の手間がかかります。

しかし,特定の地域(公証役場)では,この手間を一気に解消できる「ワンストップサービス」という制度が導入されています。

公証役場の窓口だけで「外務省の認証」まで完了

ワンストップサービスに対応している公証役場では,公証人が法務局長や外務省に代わって認証を付与することができます。これにより,以下のステップが大幅に短縮されます。

【提出先がハーグ条約加盟国の場合(アポスティーユ)】
公証役場で認証を受けた時点で,その場で「アポスティーユ」も付与されます。

→ 法務局や外務省に行く必要がなくなり,公証役場だけで手続きが完結します。

【提出先がハーグ条約非加盟国の場合(領事認証)】
公証役場で「外務省の公印確認」まで付与されます。

→ 法務局や外務省に行く必要はなく,公証役場の次は,直接「駐日大使館」へ行くことができます。

対象となる地域は?(東京・大阪・神奈川など)

非常に便利な制度ですが,日本全国すべての公証役場で利用できるわけではありません。
現在は,以下の法務局管内にある公証役場で実施されています。(2026年1月現在)

北海道(札幌),宮城県,東京都,神奈川県,埼玉県,千葉県,愛知県,静岡県,大阪府,福岡県
※最新の対応地域は変更になる場合があります。

最短ルートでの認証取得をサポートします

「自分の書類はワンストップサービスが使えるのか?」「どこの公証役場へ行けば一番早いのか?」 一般の方には判断が難しいこうしたポイントも,私たち行政書士法人第一綜合事務所が適切にコーディネートいたします。

当社では,お客様の所在地や書類の内容に合わせて,「ワンストップサービス対応の公証役場」を優先的に利用し,最短スピードでの認証取得を実現しています。 煩雑な予約や公証人との事前打ち合わせも,当社の行政書士が代行しますのでご安心ください。

6.アポスティーユ?領事認証?迷った時の判断方法

「結局,自分の書類はどうすればいいの?」と迷ったときは,以下の2つの質問で判断できます。

Q1. その書類は「公文書」ですか?「私文書」ですか?

  • 公文書(戸籍謄本,登記簿謄本,納税証明書など)
    → そのまま外務省の手続きへ
  • 私文書(定款,議事録,委任状,履歴書,私立学校の証明書など)
    → まずは公証役場での認証が必要(翻訳文を付ける場合もこちら)

Q2. 提出先の国は「ハーグ条約」に加盟していますか?

  • 加盟している(米・英・韓・中国・スペインなど)
    → アポスティーユ(外務省だけで完了)
  • 加盟していない(ベトナム・インドネシア・中東諸国など)
    → 公印確認 + 領事認証(外務省の後に大使館へ行く必要あり)

判断に迷う場合や,翻訳文を添付して「私文書」として扱うべきか不明な場合は,自己判断せず専門家にご相談ください。

7.複雑な認証手続きは,実績豊富な行政書士にお任せください

基本はシンプルに見えても,実際の申請現場では「翻訳の正確性」や「国ごとの細かなルール」が壁となり,何度もやり直しになるケースが後を絶ちません。
行政書士法人第一綜合事務所は,国際業務に特化した行政書士法人として,お客様のアポスティーユ認証手続きをサポートいたします。

行政書士法人第一綜合事務所が選ばれる3つの理由

(1)年間9,364件超の相談実績(2025年)
個人のお客様から大手企業の海外進出まで,圧倒的な取扱数に裏打ちされたノウハウがあります。最新の各国大使館ルールも熟知しています。

(2)多言語ネイティブスタッフが在籍
英語,中国語,ベトナム語,韓国語,タイ語,ラオス語のネイティブスタッフが常駐。「現地の役所に通用する翻訳」を社内で作成・チェックできるため,認証後のトラブルを防げます。

(3)私文書もワンストップ対応
手間のかかる「公証役場」の手続きから,外務省のアポスティーユ取得,各国大使館の領事認証まで,すべて一括で代行します。お客様は書類を郵送して待つだけです。

「急ぎで認証が必要」「手続きがよくわからない」という方は,まずはお気軽にお問い合わせください。経験豊富なプロフェッショナルが,最適なルートをご提案いたします。

この記事の監修者

行政書士法人第一綜合事務所

行政書士 仲野 翔悟

・日本行政書士会連合会(登録番号第23260654号)
・大阪府行政書士会(会員番号第8637号)
大阪府出身。大阪オフィスに所属し,外国人ビザ申請,永住権取得,国際結婚手続き,帰化許可申請など国際業務を専門としている。

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