コラム

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外食業で特定技能外国人を雇用する方法と注意点

1.外食業で特定技能ビザを取得する2つの方法 外食業において特定技能ビザを取得するには,外国人自身が「技能実習生2号を良好に修了」しているか,「技能試験と日本語試験に合格」している必要があります。 1-1技能実習生2号を良好に修了 「医療・福祉施設給食製造職種」の技能実習を2年10ヶ月以上修了した上で,外国人技能実習評価試験の専門級(実技試験のみ可)合格証明書を特定技能ビザ申請の際に提出すると,技能実習2号を良好に修了したとみなされます。 もし,外国人技能実習評価試験の専門級に合格できなかった場合でも,技能実習中の実習評価について,受入れ企業と監理団体に評価調書を発行してもらうことで,技能実習2号を良好に修了したとみなされます。 もっとも,特定技能外食業分野へ移行できる技能実習の職種が「医療・福祉施設給食製造職種」のみであるため,「技能実習生2号を良好に修了」した外国人が外食業分野へ移行するケースは少ないのが現状です。 1-2技能試験と日本語試験に合格 外食業特定技能1号技能測定試験の合格,および日本語能力検定N4以上に合格または国際交流基金日本語基礎テストの結果により,特定技能ビザ申請のための,技能基準と日本語基準の要件を満たすことができます。 外食業において特定技能ビザの取得を目指す外国人のほとんどが,国内外で実施されている,技能試験と日本語試験に合格する必要があるため,公開されている学習テキストなども参考にし,ビザ申請前に余裕のある受験計画を立てる必要があります。 特定技能ビザの試験については,【特定技能ビザ】全14分野の試験内容のページもご確認ください。 なお,他業種にて,技能実習生2号を良好に修了した外国人については,日本語試験が免除されますので,その点についても併せてご確認ください。 2.受入れ企業が必要な準備 〇協議会加入 受入れ企業は,農林水産省が主体の「食品産業特定技能協議会」に加入する必要があります。 協議会は,協議会員の相互連絡や情報共有の促進,特定技能の制度趣旨や優良事例の周知,人手不足状況の把握などの必要な対応などを協議し,対策を講じていくことを目的として設立されました。 協議会加入のタイミングは,初めて特定技能外国人を受入れてから4ヶ月以内です。 協議会加入に際して費用は発生せず,農林水産省の協議会ページより,加入申請後,通常2週間~1ヶ月程度で,協議会に加入することができます。 〇各役所等で取得が必要な書類 表の中に記載した書類は,特定技能ビザ申請にあたり,受入れ企業が各役所等で取得する必要のある書類です。 これら以外にも,特定技能ビザ申請に際し,追加書類の取得を求められる場合もあります。 登記事項証明書 業務執行に関与する役員の住民票の写し 労働保険料等納付証明書(未納なし証明書) 社会保険料納入状況回答票又は健康保険・厚生年金保険料領収証書の写し 税務署発行の納税証明書 法人住民税の市町村発行の納税証明書 〇特定技能外国人の支援体制を整える 特定技能外国人を雇用する際には,ビザの申請・更新業務,特定技能外国人への支援業務や四半期ごとの定期報告など,多くの業務が発生します。 自社で特定技能外国人を支援するか,登録支援機関に支援を委託するか,いずれかの手段を取る必要があります。 3.外食業で特定技能外国人が従事可能な業務 外食業で特定技能外国人の雇用ができるのは,日本標準産業分類の「飲食店」または「持ち帰り・配達飲食サービス業」に該当する企業です。 具体的には,食堂,レストラン,テイクアウト専門店,宅配専門店,仕出し料理店などが受入れ企業として想定されます。 また,従事可能な業務は,飲食物調理,接客,店舗管理など,外食業全般の業務です。 それ以外にも,日本人従業員が従事している業務(農産物の生産,配達作業など)があれば,付随的に従事可能とされています。 なお,風営法に規定された,風俗営業にかかわる事業所では就労することができず,接待業務に従事することも認められていません。 4.外食業で特定技能外国人を雇用する際の注意点…