2026.04.20 渡邉 直斗 特定技能外食業分野 【2026年4月13日】特定技能の外食業分野受入停止と、これからの人材確保で大切にしたいこと 特定技能とは 「特定技能」は、人材を確保することが困難な状況にあり、外国人によって不足する人材の確保を図るべき産業上の分野(特定産業分野)において、一定の技能を要する業務に従事するために設けられた在留資格です。政府が分野ごとに基本方針や分野別運用方針を定め、受入れ見込数を設定して運用されています。 特定技能には、1号と2号があります。 特定技能1号 「特定技能1号」は、特定産業分野に属する「相当程度の知識又は経験を必要とする技能」を要する業務に従事する外国人の方が対象です。外食業分野や介護分野、建設分野など16分野があります。在留期間についてですが、通算で原則5年(妊娠、出産、育児その他のやむを得ない事情がある場合は特例で6年)と定められているため、1号の資格のまま5年を超えて日本に在留することはできません。このコラムで解説する「受け入れ停止」は、原則としてこの特定技能1号が対象となります。(厳密に言えば、後述する特定技能2号も分野ごとの「受入れ見込数」の中に含まれています。しかし、実務上は2号には上限はないと考えて差し支えありません。) 特定技能2号 「特定技能2号」は、「熟練した技能」を要する業務に従事する外国人が対象で、11分野があります。1号の滞在期間5年の間に必要な技能を身につけ、「特定技能2号」へのステップアップ(在留資格の変更)ができれば、5年経過後も引き続き日本で働き続けることが可能となります。 なぜ「外食分野」だけが、いち早く上限に達したのでしょうか? 特定技能制度の歩みと制度全体の上限数の変化 特定技能制度は、2019年度から開始され、制度開始時の全体の受入れ見込数は34万5、150人と設定されていました。その後、コロナ禍の影響による大きな経済情勢の変化を踏まえ、2022年8月に各分野の受入れ見込数の見直しが行われましたが、全体の総数(34万5、150人)は維持されたまま運用されてきました。 制度開始時に設定した5年間の期限が2023年度末に到来したことに伴い、2024年3月29日に閣議決定が行われ、2024年4月からの5年間の新たな受入れ見込数が再設定されました。5年後の産業需要や人手不足数(生産性向上や国内人材確保の取組を差し引いた数)を踏まえ、新たな受入れ見込数は82万人へと大幅に拡大されました。 期間 全体の上限 (見込み数) 状況 第1期 (2019年4月から5年間) 345、150人 制度の認知が広がり、徐々に活用が進んだ時期。 第2期 (2024年4月から5年間) 820、000人 人手不足の深刻化により枠が大幅拡大。 外食分野の上限 特定技能制度の開始当初、外食業分野の5年間の受入れ見込数は53、000人に設定されていました。しかし、コロナ禍の影響など大きな経済情勢の変化を踏まえて2022年8月に見直しが行われ、令和5年度末までの受入れ見込数は30、500人へと下方修正されて運用されました。年度が変わり令和6年4月には、5年間における新たな受入れ見込数が設定され、再び当初と同じ53、000人の受入れ枠が設けられました。 期間 全体の上限 (見込み数) 状況 第1期 (2019年4月から5年間) 30、500人 制度開始の翌年からコロナ禍となり、外食産業は休業や時短営業を余儀なくされました。人手不足が一時的に和らいだうえ、入国制限で海外からの新規入国がストップしたため、枠が埋まるペースは非常に緩やかでした。 第2期 (2024年4月から5年間) 53、000人 コロナ明けで客足が戻り、外食産業の人手不足がかつてないほど深刻化しました。国内で人を採用できない企業が、一斉に「特定技能」の活用に踏み切ったため、第1期とは比較にならないスピードで人数が増えています。 「外食業の受入れ見込数は閣議決定で53、000人とされていますが、実際には在留者が5万人に迫った段階で停止措置が取られました。 これは、現在進行中の審査分や発表後の駆け込み申請を含めると、実質的に枠が埋まってしまうためです。 出入国在留管理庁は、2026年4月13日以降の受け入れを停止し、それ以降の新たな申請に対しては、ビザの取得に必要な証明書を原則として交付しない措置をとると明らかにしました。これより前に申請されたものは順番に審査するとしていますが、上限を超えた場合は証明書が交付されないということです。…