2026.10.22 渡邉 直斗 永住ビザ永住権配偶者ビザ手数料再移住 外国人配偶者と日本へ再移住:永住権取得を見据えたビザ申請を行政書士が解説 1. 日本の入管行政の大きな変化:手数料値上げと審査厳格化 まず、入管行政における大きな2つの変化(法改正・ガイドライン改定)について押さえておく必要があります。 (1) 【2026年10月1日施行】在留許可手数料の大幅引き上げ 2026年(令和8年)10月1日より、改正入管法に伴い、入管へ支払う在留許可手数料の「法定上限額」が引き上げられ、実際の納付金額も改定されました。 改定前の手数料は、在留資格変更や期間更新が一律6,000円(オンライン5,500円)、永住許可が一律10,000円でした。しかし、改定後は「許可される在留期間が長くなるほど手数料が高くなる」構造へと変化しました。 【2026年10月1日以降の改定後手数料(窓口/オンライン)】 在留期間「1年」: 33,000円(オンライン:27,000円) 在留期間「1年超3年未満」: 48,000円(オンライン:42,000円) 在留期間「3年以上5年未満」: 64,000円(オンライン:56,000円) 在留期間「5年以上」: 75,000円(オンライン:65,000円) 永住許可: 200,000円(窓口申請のみ) これまで10,000円だった永住許可の手数料は「20万円」と20倍に引き上げられています。また、後述しますが、もし「1年ビザ」しか認められず、毎年更新を繰り返すことになった場合、毎回27,000円〜33,000円もの手数料を支払い続けなければなりません。 (2) なぜ厳格化されるのか? 在留外国人「413万人時代」の入管行政 政府がこれほどまでに手数料を引き上げ、審査や管理の姿勢を強めている背景には、日本における在留外国人数が過去最多の4,125,395人(約413万人・2025年末時点)に達したことがあります。 国は「不法滞在者ゼロプラン」を掲げてデジタル化や厳格な在留管理を推進する一方で、増収した手数料財源を日本語教育プログラムや多言語相談などの共生支援に投じる方針です。つまり、「ルールを守り、しっかりとした基盤を持って日本で生活する外国人には手厚い支援を行うが、審査においては適正な資産・公的義務履行の裏付けを厳しくチェックする」という時代に入っているのです。 2. 海外在留の日本人・外国籍配偶者が直面する「帰国・再移住」3つの壁 海外から日本へ拠点を戻す国際結婚のご夫婦(日本人+外国籍配偶者)が「日本人の配偶者等」のビザ(在留資格認定証明書交付申請・COE交付申請)を申請する際、現実的に直面する主なハードルが以下の3つです。 壁(1) :日本国内での収入・所得証明が得られない(海外収入・海外資産の証明) 日本国内で会社員として勤務し給与を得ている場合であれば、日本発行の「課税証明書」「納税証明書」「源泉徴収票」を提示すれば、継続的な生活能力(生計要件)を証明できます。 しかし、海外から日本へ帰国する場合、以下のようなケースが多いです。 海外で仕事を辞めて日本に帰国し、日本でこれから求職・起業する。 海外の企業に在籍したまま、フルリモートで海外収入を得つつ日本で暮らす。 配偶者や日本人が海外で蓄えた資産(預貯金・株式・不動産等)を取り崩しながら、当面の生活を送る。 入管の審査において「日本国内での前年所得(課税証明書)」が出ない状態は、原則として「生計の安定性に疑問あり」と判断されやすい状況にあります。そのため、海外での給与明細、雇用契約書、銀行口座の残高証明書などを単に提出するだけでなく、それらを「どのように日本国内の生活資金へ充てるのか」を「理由書」や「資金計画書」で説明する必要があります。 壁(2) :日本国内での協力者・身元保証人の不在 「日本人の配偶者等」のビザ申請では、日本人配偶者が配偶者を呼び寄せる「身元保証人」となります。 しかし、長年海外に滞在していた日本人自身が日本国内で職に就いておらず、住民票もまだ日本に戻していない場合、日本人配偶者単独では「十分な身元保証能力(経済的・社会的保証能力)がない」とみなされることがあります。 従来であれば、日本国内に住む日本人の親・兄弟・親族等に「身元保証人」や「受入協力者」として名前を出してもらい、課税証明書や住民票の提出を頼むことが定石でした。しかし、近年は以下のようなご相談も増えています。…