監査人コラム

COLUMN

育成就労の外部監査人は誰に頼む?外部役員廃止の注意点と第一綜合グループを選ぶメリット

1. 技能実習から「育成就労」へ:何が変わるのか? 技能実習制度が「国際貢献」を掲げていたのに対し、新設される育成就労制度は「人材確保・育成」に主眼を置いています。この大転換に伴い、監理・支援体制の「透明性」がこれまで以上に厳格に審査されます。 最大の変更点は、監理支援機関(現:監理団体)における外部役員の廃止と外部監査人の完全義務化です。 項目 技能実習制度(旧) 育成就労制度(新) 監督体制の選択肢 「外部役員」または「外部監査人」 「外部監査人」のみ(必須) 外部役員の扱い 認められていた 認められない (中立性欠如とみなされる) 主な目的 形式的な適正運営の確認 実効性のある中立・独立した監視 新制度の許可申請(国の事前登録申請受付は2026年9月、JITCOの施行日前申請受付は2026年4月15日より開始)において、監理支援機関は新たに外部監査人を設置しなければ許可を受けることができません。 「本人意向の転籍」の解禁と監理支援機関の責任強化 もう一つの大きな変更点が「転籍ルールの緩和」です。「転籍」とは、いわゆる転職のことで、外国人材が現在の受入れ企業(勤務先)を変更して別の企業に移ることを指します。原則としてこの「転籍」が認められなかった技能実習制度と異なり、育成就労制度では、以下の要件を満たせば「本人意向による転籍(同一業務区分内)」が可能になります。 同一機関での就労期間: 1〜2年(分野ごとに設定)を超えていること 試験要件: 技能検定試験(基礎級等)および一定水準以上の日本語試験(A1〜A2相当等)に合格していること 転籍先の適正性: 転籍先企業が適切な要件を満たしていること 転籍が柔軟になることで外国人材の権利が保護される反面、受入れ企業間での人材引き抜きトラブルや、労働環境を巡る不満が生じやすくなるリスクも孕んでいます。監理支援機関はこれまで以上に企業と外国人材の間に立ち、適切なサポートを行うことが求められます。こうした支援体制が適正に機能しているかを客観的に評価し、行政に報告するのが、他ならぬ「外部監査人」なのです。 2. 育成就労における「外部監査人」の役割 新制度における外部監査人は、監理支援機関が受入れ企業と癒着せず、適正な支援を行っているかを監視する「防波堤」です。その役割は多岐にわたり、専門的な判断が求められます。国の運用要領等で定められている主な監査業務は以下の通りです。 外部監査人の主な業務 3か月に1回以上の実地監査: 監理支援機関の事業所に赴き、業務が適正に行われているかを直接確認します。 外国人材との直接面談: 受け入れている育成就労外国人の4分の1以上(最低2名以上)と直接面談し、人権侵害や労働環境のトラブルがないかヒアリングします。 帳簿書類や設備の確認: 法令に基づいた書類が正しく作成・保管されているか、相談設備が整っているかをチェックします。 宿泊施設の環境確認: 外国人材が生活する宿泊施設が、定められた基準を満たしているかを確認します。 監査報告書の作成と提出:…