2026.05.07 渡邉 直斗 特定技能育成就労監査人 育成就労の外部監査人は誰に頼む?外部役員廃止の注意点と第一綜合グループを選ぶメリット 1. 技能実習から「育成就労」へ:何が変わるのか? 技能実習制度が「国際貢献」を掲げていたのに対し、新設される育成就労制度は「人材確保・育成」に主眼を置いています。この大転換に伴い、監理・支援体制の「透明性」がこれまで以上に厳格に審査されます。 最大の変更点は、監理支援機関(現:監理団体)における外部役員の廃止と外部監査人の完全義務化です。 項目 技能実習制度(旧) 育成就労制度(新) 監督体制の選択肢 「外部役員」または「外部監査人」 「外部監査人」のみ(必須) 外部役員の扱い 認められていた 認められない (中立性欠如とみなされる) 主な目的 形式的な適正運営の確認 実効性のある中立・独立した監視 新制度の許可申請(国の事前登録申請受付は2026年9月、JITCOの施行日前申請受付は2026年4月15日より開始)において、監理支援機関は新たに外部監査人を設置しなければ許可を受けることができません。 (1)「本人意向の転籍」の解禁と監理支援機関の責任強化 もう一つの大きな変更点が「転籍ルールの緩和」です。「転籍」とは、いわゆる転職のことで、外国人材が現在の受入れ企業(勤務先)を変更して別の企業に移ることを指します。原則としてこの「転籍」が認められなかった技能実習制度と異なり、育成就労制度では、以下の要件を満たせば「本人意向による転籍(同一業務区分内)」が可能になります。 同一機関での就労期間: 1〜2年(分野ごとに設定)を超えていること (分野ごとの転籍制限期間について、詳しくは【育成就労制度対応】「特定技能」業務区分と「技能実習」移行職種の関係性を行政書士が解説をご参照ください) 試験要件: 技能検定試験(基礎級等)および一定水準以上の日本語試験(A1〜A2相当等)に合格していること 転籍先の適正性: 転籍先企業が適切な要件を満たしていること 転籍が柔軟になることで外国人材の権利が保護される反面、受入れ企業間での人材引き抜きトラブルや、労働環境を巡る不満が生じやすくなるリスクも孕んでいます。監理支援機関はこれまで以上に企業と外国人材の間に立ち、適切なサポートを行うことが求められます。こうした支援体制が適正に機能しているかを客観的に評価し、行政に報告するのが、他ならぬ「外部監査人」なのです。 (2)育成就労期間と認定基準の厳格化 育成就労制度における就労期間は原則として「3年以内」と定められています。2026年8月5日更新の運用要領では、人材育成の観点から「3年を6か月以上下回る計画(2年6か月未満の計画)」については、適正な育成を行えるものと認められず、認定を受けられない可能性がある旨が明文化されました。 また、外国人が従事する業務の範囲に関して、現行の技能実習制度にある「関連業務」や「周辺業務」といった複雑な区分は整理され、「必須業務(業務時間全体の1/3以上)」および「安全衛生業務(業務時間全体の1/10以上)」に充てるべき時間割合が厳格に管理されます。これに伴い、外部監査人には、計画通りの業務割合で実務が行われているかを現場で厳格に監査することが求められます。 (3) 特定技能制度とのシームレスな接続とキャリアパス 従来の技能実習制度が「国際貢献」を建前としていたのに対し、育成就労制度は「特定技能1号へスムーズに移行できる日本国内での人材の育成」を目的として位置付けられています。 育成就労で3年間の就労・育成を修了し、一定の技能試験(特定技能1号評価試験等)および日本語試験(A2相当等)に合格することで、追加の試験を受けずに「特定技能1号」への在留資格変更が可能となります。 これにより、受入れ企業には、単なる現場作業の管理だけでなく、「特定技能を見据えた長期的な人材育成計画とキャリア支援」を主導することがこれまで以上に求められます 2. 育成就労における「外部監査人」の役割…