特定技能2号コラム

COLUMN

特定技能1号と2号の違いとは?「育成就労」から移行する最新要件を行政書士が解説!

1.特定技能ビザとは? 前述の通り、特定技能ビザは人手不足が深刻な「建設」「農業」「介護」などの分野の労働力を確保するために創設されたものです。 就労ビザには他にも種類がありますが、特定技能ビザは就労できる業務内容の範囲が他の就労ビザよりも広く、単純労働を含めることができる点が大きな特徴です。 特定技能2号ビザは、1号よりも高度な技能を持っていることが認められた方向けのビザです。1号にはない、いわゆる「特典」があることが特徴です。詳しくは2章でご説明します。 特定技能ビザの対象となる分野を表にまとめました。下線を引いているものはその分野についてのコラムがあるものです。ぜひご参照ください。 特定技能1号(19分野) 特定技能2号(11分野) 介護 (「介護」ビザへ移行) 外食業 外食業 宿泊 宿泊 飲食料品製造業 飲食料品製造業 自動車整備 自動車整備 航空 航空 農業 農業 ビルクリーニング ビルクリーニング 工業製品製造業 工業製品製造業 建設 建設 造船・船用工業 造船・船用工業 漁業 漁業 自動車運送業 鉄道 林業 木材産業 リネンサプライ 物流倉庫 資源循環 「リネンサプライ」「物流倉庫」「資源循環」は2026年1月で追加が閣議決定されたものです。今後本格的に運用が始まります。このように、特定技能制度では経済情勢や人手不足の状況に合わせて柔軟に対象分野が追加されています。 また、特定技能制度ではそれぞれの分野に受け入れ人数の上限があります。例えば、外食業分野はその上限に達しつつあるタイミングで在留資格の認定がストップされました。詳しくは…

特定技能の漁業分野で外国人を雇用するには?基準・雇用形態・試験概要を解説

1.特定技能「漁業分野」の対象業務 まずは、特定技能の漁業について、業務区分からご紹介していきます。 (1)業務区分 特定技能の漁業分野には、次の表のとおり「漁業」と「養殖業」の2つの業務区分があります。 それぞれに対応する技能実習制度の職種・作業で、「技能実習2号を良好に修了」した外国人は、漁業技能測定試験の合格をしなくても、特定技能ビザを取得する要件を満たします。 また、特定技能制度は、技能実習制度と違い「漁業」の業務区分が作業ごとに分けられていません。 そのため、例えば「漁船漁業職種・かつお一本釣り漁業作業」の技能実習を修了した外国人が漁業の特定技能ビザを取得した場合は、技能実習中は従事できなかった他の作業への従事も可能となります。 特定技能制度(業務区分) 技能実習制度(職種) 技能実習制度(作業) 漁業(漁具の製作・補修、水産動植物の探索、漁具・漁労機械の操作、水産動植物の採捕、漁獲物の処理・保蔵、安全衛生の確保等) 漁船漁業 ・かつお一本釣り漁業・延縄漁業・いか釣り漁業・まき網漁業・ひき網漁業・さし網漁業・定置網漁業・かに・えびかご漁業・棒受網漁業 養殖業(養殖資材の製作・補修・管理、養殖水産動植物の育成管理、養殖水産動植物の収穫(穫)・処理、安全衛生の確保等) 養殖業 ほたてがい・まがき養殖 (2) 付随できる関連業務 どちらの業務区分においても、同じ職場の日本人従業員が通常行う業務に、付随的に従事することは関連業務として認められています。 認められる関連業務例は、次のとおりです。 〇漁業 漁具の積込み・積下し、漁獲物の水揚げ、漁労機械の点検、船体の補修及び自家原料を使用した製造・加工・出荷・販売等 〇養殖業 梱包・出荷及び自家原料を使用した製造・加工・出荷・販売等 主たる業務(操業や養殖作業など)を行わず、「関連業務のみ」に専ら従事させることは認められていません。 2.外国人本人と受入れ機関の要件 (1)外国人本人の要件 特定技能1号 年齢: 18歳以上であること 技能・日本語基準: 「1号漁業技能測定試験」および「日本語能力試験(N4以上またはJFT-Basic A2相当)」の合格 試験免除: 漁業分野の「技能実習2号を良好に修了」した外国人は、技能・日本語試験ともに免除されます 特定技能2号(熟練した技能を持つ人材) 試験基準: 「2号漁業技能測定試験」および「日本語能力試験(N3以上)」の合格 実務経験要件: 現場で操業・養殖を指揮監督する者を補佐、または他の作業員を指導・管理した2年以上の実務経験が必要です…

特定技能のビルクリーニング分野で外国人を雇用するには?業務内容・受け入れ要件・試験概要まで解説

1.ビルクリーニングでの特定技能ビザ取得状況 政府が定める特定技能1号のビルクリーニング分野の受入れ見込数(上限)は、令和11年3月末までで32,200人と設定されています。 制度開始初期は受け入れが進まない時期もありましたが、2026年現在では受け入れ態勢の整備が進み、在留外国人数は着実に増加しています。入管の公表データによると、ビルクリーニング分野における特定技能外国人の数は以下のとおりです。 特定技能1号:9,202人(令和8年3月末時点速報値) 特定技能2号:18人(令和8年3月末時点速報値) 今後もこの分野での受け入れは拡大していくことが見込まれます。 2.「特定技能」ビルクリーニングの業務内容 (1)特定技能1号の業務 ビルクリーニング業では、特定技能外国人が、建築物内部の清掃業務全般(床・天井・内壁・トイレ・洗面所等)に従事することが認められています。 また、関連業務として、次のような業務にも従事することが認められます。 資機材倉庫の整備作業 建物外部洗浄作業(外壁、屋上等。ただし高所作業を伴う窓ガラス外壁清掃作業は除く) 客室整備作業(ベッドメイク含む) 建築物内外の植栽管理作業(灌水作業等) 資機材の運搬作業(他の現場に移動する場合等) なお、上記業務に住宅内部の清掃を目的として従事することはできず、関連業務に従事する割合が清掃業務を超えることも認められません。 (2)特定技能2号の業務 特定技能2号での業務内容は、「建築物内部の清掃に、複数の作業員を指導しながら従事し、現場を管理する業務及び同業務の計画作成、進行管理その他のマネジメント業務」となっています。1号よりも高度な業務です。 3.「特定技能」ビルクリーニングの受け入れ企業が守るべき要件と協議会への加入 特定技能外国人を受け入れる企業(特定技能所属機関)には、法令遵守や適切な労働環境の確保が求められます。雇用形態は直接雇用に限られます。 (1) 協議会への加入義務 受け入れ企業は、厚生労働省が設置する「ビルクリーニング分野特定技能協議会」の構成員になる必要があります。 加入手続きは、入管への申請を行う前に完了させておく必要があります。在留資格の申請時に協議会の構成員であることを証明する書類の提出が求められますので、採用が決まり次第、余裕を持って加入手続きを進めることが重要です。 また、協議会の目的達成のために、次の事項について協議または情報共有を行うとしており、協議会員は必要に応じて、協議会からの要請に協力する必要があります。 特定技能外国人の受入れに係る制度の趣旨や優良事例の周知 受入れに係る人権上の問題等への対応 特定技能所属機関等に対する法令遵守の啓発 特定技能所属機関の倒産時等における特定技能外国人に対する転職支援(特定技能所属機関が支援義務を果たせない場合における情報提供等の必要な協力) 就業構造の変化や経済情勢の変化に関する情報の把握・分析 地域別の人手不足の状況の把握・分析 前号を踏まえた大都市圏等への集中回避に係る対応策の検討・調整(看過しがたい偏在が生じた場合の協議会による大都市圏等での受入れの自粛要請や大都市圏等の特定技能所属機関による特定技能外国人引抜きの自粛要請等を含む。) 特定技能所属機関に対する構成員であることの証明 円滑かつ適正な受入れのために必要なその他の情報、課題等の共有・協議等 上記事項に掲げるもののほか、上記の目的を達成するために必要なこと 参照:厚生労働省(ビルクリーニング分野特定技能協議会設置要綱)(外部リンク) (2) 登録要件…

農業で特定技能外国人を雇うには?受け入れ要件から試験の概要・合格率、雇用形態まで解

1.農業分野の特定技能ビザについて 特定技能制度の開始当初、農業分野では最長5年の在留に限られる「特定技能1号」のみが運用されていました。しかし制度改定により、熟練した技能を持つ方向けの「特定技能2号」が導入され、農業分野でも無制限の在留期間更新や家族の帯同が可能となりました。 これにより、事業者には「通算5年の壁を越えた長期雇用」や「将来像を提示することによる定着率向上」という大きなメリットが生まれています。今後の外国人採用では、2027年4月から開始される新制度「育成就労」から特定技能1号、さらに現場の指導者・管理者を目指す「特定技能2号」へと至る一貫したキャリアパスを見据え、初期段階から育成・定着の体制を整えておくことがこれまで以上に重要となっています。 それでは、特定技能制度での農業の業務区分や雇用形態について見ていきましょう。 2.農業分野の業務区分と受け入れ方式 (1)業務区分 特定技能「農業」の業務区分は、次の表のとおり「耕種農業全般」と「畜産農業全般」の2つのみです。 対応する技能実習制度の作業で技能実習2号を良好に修了した外国人については、特定技能ビザを取得するための要件を満たすため、新たに農業技能評価試験を受験する必要はありません。 特定技能制度(業務区分) 技能実習制度(作業名) 耕種農業全般 (栽培管理、農産物の集出荷、選別等の業務) 施設園芸 畑作・野菜 果樹 畜産農業全般 (飼養管理、畜産物の集出荷、選別等の業務) 養豚 養鶏 酪農 特定技能外国人が就労する際には、許可を取得した業務区分に含まれる業務への従事のみが認められるため、例えば、耕種農業全般に従事する特定技能外国人が、畜産農業の業務に携わることは認められていません。 なお、特定技能の2つの業務区分のどちらで就労する場合でも、関連業務として、運搬業務、販売業務、冬季の除雪作業などに付随的に従事させることは認められています。 (2)雇用形態 農業は作物の収穫期など、時期によって必要な人員が大きく変わる特殊性があります。特定技能制度では、事業者のニーズに合わせて主に3つの方法で外国人を雇用することが可能です。 ①通年雇用(直接雇用) 一般的な雇用形態として、1年以上の雇用契約を結び、年間を通して自社で就労してもらう方法です。熟練度を高めやすく、長期的な戦略に基づいて人材を確保できます。 ②繁忙期・季節限定雇用(直接雇用の期間設定) 特定技能ビザは、技能実習と異なり、受入れ機関と外国人の双方が合意すれば雇用契約期間を自由に設定できます。 そのため、「収穫期の3ヶ月間だけ雇用する」といった契約を結ぶことが可能です。繁忙期以外の期間は母国へ一時帰国してもらうか、繁忙期と閑散期が逆になる他の農家と連携して時期をずらしながら雇用をリレーしていく運用も行われています。 ③派遣での雇用 特定技能制度では原則として直接雇用が義務付けられていますが、農業分野(および漁業分野)では例外的に「派遣」での受け入れが認められています。人材派遣会社が雇用主となり、繁忙期を迎えた複数の農家へ外国人を派遣で手配する仕組みです。直接雇用に比べ費用は高くなる傾向がありますが、登録支援機関の許可を取得している派遣会社もあるため、特定技能外国人への支援業務も含めて依頼することで、労務管理や手続きの手間を大幅に軽減できるメリットがあります。 ④請負での雇用 JAなどが請負業者となり、複数の請負現場にて、特定技能外国人を就労させるような受入れの方法も可能です。請負業者と外国人の間で締結するため、請負業者が繁忙期の違う複数の請負現場と請負契約を締結していれば、就業場所が変更となった場合でも、新たに特定技能ビザの切り替え申請をする必要はなく、入管庁への就業場所変更の届出等のみで就労を継続させることができます。 3.農業分野の受け入れ要件 (1)外国人本人の要件 技能試験と日本語試験に合格 農業の技能を証明するための農業技能評価試験と日本語能力試験N4以上、または国際交流基金日本語基礎テストA2レベル程度の結果を取得することで、農業の特定技能ビザ申請のための要件を満たすことができます。 技能実習2号を良好に修了 農業の該当職種にて、技能実習2号を良好に修了した外国人については、技能試験や日本語試験を受験せずに、特定技能ビザの申請をすることができます。 (2)受入れ機関の主な要件…