特定技能コラム

COLUMN

特定技能「物流倉庫」追加!2027年開始の要件と派遣禁止の注意点を行政書士が解説

1.特定技能に「物流倉庫」分野が追加!【2027年4月施行予定】 特定技能制度は全19分野へと拡大されることになりました。物流倉庫での外国人材の受け入れを検討する際,まず把握すべきは「いつから,どれくらいの規模で」制度が始まるのかという全体像です。 (1)2026年1月閣議決定から就労開始までの流れ 2026年1月23日の閣議決定を経て,現在は2027年春の本格始動に向けた準備フェーズに入っています。 具体的なタイムラインは以下の通りです。 時期 内容 2026年1月23日 【完了】閣議決定。物流倉庫分野の追加が正式決定。 2026年度中 省令・告示の整備。技能試験および日本語試験の開始。 2027年4月 【施行】実際の就労開始(入国・配属)。 ここで注意が必要なのは,2027年4月になってから動くのでは遅いという点です。 特定技能ビザを取得するには,雇用契約の締結や登録支援機関との連携,入管への申請など,多くの準備期間が必要です。 ※入管への申請期間の目安は他分野の実績から2〜3ヶ月程度ですが,新設分野のため余裕を持った体制整備が欠かせません。 (2)受入上限は3年間で11,400人。早期準備が鍵となる理由 政府は,2026年度からの3年間で,物流倉庫分野における受入上限数を「11,400人」と設定しました。 全国の倉庫業・運送業の事業所数を考えると,決して余裕のある枠ではありません。 このため,早い段階で「枠」の争奪が予想されます。 「育成就労制度」との連携: 新設される育成就労制度(旧・技能実習に代わる制度)からの移行も見込まれており,限られた枠を争うことが予想されます。 物流DXへの対応: 今回の改正の目的には「物流の効率化(DX)」が含まれています。ITシステムの利活用という要件に対応できる「質の高い人材」は限られているため,早期に受け入れ体制を整えた企業による確保競争が激化する ことが予想されます。 枠が埋まってしまえば,どれほど人手が足りなくてもビザの許可は下りません。まずは制度を正しく理解し,自社が要件を満たせるか確認することが,2027年4月のスタートダッシュを決める絶対条件です。 2.自社は対象?受入可能な企業・事業所の要件とは? 「うちは大手倉庫の一部を借りて作業している下請けだけど,対象になるの?」「運送免許はあるけれど,倉庫業の登録はしていない……」 こうした疑問をお持ちの経営者・人事担当者の方は多いはずです。今回の特定技能「物流倉庫」分野は,門戸が広がった一方で,どの箱(事業形態)で申請するかが非常に厳格に定められています。 (1)倉庫業者・運送業者・受託事業者の3区分を徹底解説 新制度において,特定技能外国人を受け入れられる企業は,大きく以下の3つのいずれかに該当する必要があります。 1. 倉庫業者: 倉庫業の登録を受けた倉庫業者で,倉庫作業を自ら実施する事業者。 2. 貨物自動車運送業者: 自ら運送業の許可を持ち,その事業に附帯して倉庫内作業を行っている事業者。 3. 受託事業者: 上記1の「倉庫業者」から委託を受けて,…