2026.02.25 依田 隼弥 特定技能物流倉庫物流倉庫 特定技能「物流倉庫」追加!2027年開始の要件と派遣禁止の注意点を行政書士が解説 1.特定技能に「物流倉庫」分野が追加!【2027年4月施行予定】 特定技能制度は全19分野へと拡大されることになりました。物流倉庫での外国人材の受け入れを検討する際、まず把握すべきは「いつから、どれくらいの規模で」制度が始まるのかという全体像です。 (1)2026年1月閣議決定から就労開始までの流れ 2026年1月23日の閣議決定を経て、2026年9月現在は2027年春の本格始動に向けた準備フェーズに入っています。 具体的なタイムラインは以下の通りです。 時期 内容 2026年1月23日 【完了】閣議決定。物流倉庫分野の追加が正式決定。 2026年6月26日 【完了】上乗せ基準告示の公布。 受入れ機関の要件(DX・WMS要件等)が決定。 2026年度中 協議会の設置、技能試験および日本語試験の開始。 2027年4月 【施行】実際の就労開始(入国・配属)。 ここで注意が必要なのは、2027年4月になってから動くのでは遅いという点です。 特定技能ビザを取得するには、雇用契約の締結や登録支援機関との連携、協議会への加入、入管への申請など、多くの準備期間が必要です。 ※入管への申請期間の目安は他分野の実績から2〜3ヶ月程度ですが、新設分野のため余裕を持った体制整備が欠かせません。 (2)受入上限は3年間で11,400人。早期準備が鍵となる理由 政府は、2026年度からの3年間で、物流倉庫分野における受入上限数を「11,400人」と設定しました。 全国の倉庫業・運送業の事業所数を考えると、決して余裕のある枠ではありません。 このため、早い段階で「枠」の争奪が予想されます。 「育成就労制度」との連携: 新設される育成就労制度(旧・技能実習に代わる制度)においても、物流倉庫分野が受入上限数6,900人で設定されました。育 成就労から特定技能1号への移行ルートが開けるため、中長期的な人材確保の戦略が求められます。 ● 特定技能2号の扱い: 物流倉庫分野は、2026年9月時点では「特定技能1号のみ」が対象で、熟練労働者向けの「特定技能2号」は対象外となっています。そのため、まずは最長5年間の特定技能1号枠を活用した人材計画を立てることが前提となります。 物流DXへの対応: 今回の改正の目的には「物流の効率化(DX)」が含まれています。ITシステムの利活用という要件に対応できる「質の高い人材」は限られているため、早期に受け入れ体制を整えた企業による確保競争が激化することが予想されます。 枠が埋まってしまえば、どれほど人手が足りなくてもビザの許可は下りません。まずは制度を正しく理解し、自社が要件を満たせるか確認することが、2027年4月のスタートダッシュを決める絶対条件です。 2.自社は対象?受入可能な企業・事業所の要件とは? 「うちは大手倉庫の一部を借りて作業している下請けだけど、対象になるの?」「運送免許はあるけれど、倉庫業の登録はしていない……」 こうした疑問をお持ちの経営者・人事担当者の方は多いはずです。今回の特定技能「物流倉庫」分野は、門戸が広がった一方で、どの箱(事業形態)で申請するかが非常に厳格に定められています。 (1)倉庫業者・運送業者・受託事業者の3区分を徹底解説 新制度において、特定技能外国人を受け入れられる企業は、大きく以下の3つのいずれかに該当する必要があります。 1. 倉庫業者(類型A): 倉庫業の登録を受けた倉庫業者で、倉庫作業を自ら実施する事業者。…