2021.12.14 依田 隼弥 配偶者ビザ結婚ビザ国際結婚手続き日本語ロシア人 【2026年最新情勢】ロシア人との国際結婚手続き・必要書類を行政書士が解説 1.国際結婚手続きの用語解説 この段落では、国際結婚手続きにおける専門用語を解説していきます。 以降の内容をご参照いただくにあたり必要となる前提知識ですので、ご一読の上、次の段落に進んでください。 ①国際結婚の成立とは? 国際結婚が有効に成立するには、双方の国籍国(本コラムでいうと日本とロシア)において、法的に有効な婚姻関係にあることが原則必要とされています。 日本で先に結婚手続きを行うことを日本方式と言い、ロシアで先に結婚手続きを行うことをロシア方式と言います。 ②婚姻要件具備証明書とは? 外国人が、日本方式の婚姻を有効に成立させるためには、国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件(婚姻できる年齢に達していること、独身であることなど)を満たしていることが必要とされています。 もっとも、日本の市区町村役場で、外国人配偶者の国籍国の法律を全て審査することは現実的ではありません。 そこで、国際結婚においては、相手国が発給した婚姻要件具備証明書を提出することによって、国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていると判断することにしているのです。 なお、発行国によっては、独身証明書などと言われることがありますが、独身であることのみならず、国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていることが明らかになるものであれば、基本的には婚姻要件具備証明書と考えていただいて差支えありません。 2.ロシア人との国際結婚手続きで注意すること ロシア人と日本人との国際結婚手続きの際、ご注意いただきたい事項を下記に記載いたします。 ①適用法について ロシアは連邦制を採用しておりますが、婚姻に関する事項は、政府が定める家族法に従うことになっています。もっとも、一部の婚姻要件については、地方自治体の立法により特別条項を設けることができるとされているため、ロシア方式に従った婚姻手続きを行う場合は、婚姻挙行地になる自治体の制度にも注意を払う必要があります。 たとえば、一部の自治体(モスクワ州の14歳など)では妊娠等の特別事情による婚姻年齢のさらなる引き下げを独自に認めているケースがあるほか、実務上も「ZAGS(ЗАГС)」と呼ばれるロシアの戸籍登録機関(役所)ならどこの窓口でも国際結婚ができるわけではなく、外国人の手続きに対応している「特定の指定されたZAGS」でしか受け付けないというローカルルールを設けている都市もあるため、事前の確認が必須です。 ②婚姻要件具備証明書について ロシアは婚姻要件具備証明書が発行される国です。日本方式で婚姻する場合は、在日ロシア大使館に婚姻両当事者が出頭して婚姻要件具備証明書を取得することになるため、ロシア人配偶者の来日が必要になります。 ③婚姻可能な年齢について ロシア人の婚姻可能な年齢は、男女ともに18歳以上と法定されています。 なお、婚姻締結地の立法によって、女子の妊娠など特別事情がある場合は婚姻を許可することができるとされている場合もあります。 ④再婚禁止期間について ロシアの家族法には、再婚禁止期間は定められていません。また、日本側でも民法改正(2024年4月1日施行)により、これまで女性に課されていた「100日間の再婚禁止期間」が完全に廃止されました。これにより、2026年現在は日ロ双方の法律において再婚禁止期間はなくなっており、お互いに前婚の離婚さえ正式に成立していれば、いつでもすぐに再婚手続きを進めることが可能です。 ⑤国内・国外パスポートの違いと「20歳・45歳更新」ルールについて ロシアには、海外渡航用の「国外パスポート(Заграничный паспорт)」とは別に、国内の身分証明書である「国内パスポート(Внутренний паспорт)」が存在し、結婚手続きではこの両方が必要になります。 注意すべきは、この国内パスポートには「20歳と45歳になったタイミングで必ず更新(再発行)しなければ失効する」という法律がある点です。 もし更新を忘れて失効していると、在日ロシア大使館での婚姻要件具備証明書の発行をはじめ、すべての手続きがストップしてしまいます。パートナーの年齢がこの節目に近い場合は、パスポートが今も有効な状態であるかを必ず最初に確認してください。 ⑥ 結婚後の「苗字(改姓)」について ロシアの法律では、結婚時に「同姓(相手の苗字にする)」「別姓(そのまま)」「結合姓(双方の苗字を合わせる)」を自由に選べます。しかし、日本方式で結婚する場合、「在日ロシア大使館・領事館では、結婚にともなう苗字の変更手続きを一切受け付けてくれない」という実態があります。 もしロシア人側が日本人の苗字に合わせたい場合、ロシア本国のZAGSまで本人が出向いて改姓手続きを行う必要があります。さらに、苗字が変わると「国内パスポート」「国外パスポート」「日本の在留カード」をすべてゼロから作り直さなければなりません。 そのため実務上は、「まずは夫婦別姓のままで婚姻手続きを完了させ、日本での生活(配偶者ビザ取得)が落ち着いてから、将来的に改姓を検討する」のが最も安全です。 3.国際結婚手続きにおける必要書類(日本方式) 本題の国際結婚手続きについて解説していきます。 ここからは、日本人とロシア人が日本方式で婚姻をおこなう場合の必要書類を記載します。 なお、提出先の市区町村役場によって若干の相違があるため、事前に役所照会することをお勧めいたします。 ①日本の市区町村役場において必要となる書類 <日本人の方にご準備いただく書類>…