2021.10.06 依田 隼弥 配偶者ビザ結婚ビザ国際結婚手続きフランス人 【2026年最新】フランス人との国際結婚の手続きと必要書類を行政書士が解説 1.国際結婚手続きの用語解説 この段階では、国際結婚手続きにおける専門用語を解説していきます。 以降の内容をご参照いただくにあたり必要となる前提知識ですので、ご一読の上、次の項目に進んでください。 ①国際結婚の成立とは? 国際結婚が有効に成立するには、双方の国籍国(本コラムでいうと日本とフランス)において、法的に有効な婚姻関係にあることが原則必要とされています。 日本で先に結婚手続きを行うことを日本方式と言い、フランスで先に結婚手続きを行うことをフランス方式と言います。 どちらの方式を選んでも、最終的には日本とフランスの両方の国に届出を行う必要があります。先に手続きをして婚姻を成立させる方を「創設的届出」、その後にもう一方の国へ報告する手続きを「報告的届出」と呼び、この二つの手続きが両方完了して初めて、双方の国で正式な夫婦となるのです。 ②婚姻要件具備証明書とは? 外国人が、日本方式の婚姻を有効に成立させるためには、国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件(婚姻できる年齢に達していること、独身であることなど)を満たしていることが必要とされています。 もっとも、日本の市区町村役場で、外国人配偶者の国籍国の法律を全て審査することは現実的ではありません。 そこで、国際結婚においては、相手国が発給した婚姻要件具備証明書を提出することによって、国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていると判断することにしているのです。 なお、発行国によっては、独身証明書などと言われることがありますが、独身であることのみならず、国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていることが明らかになるものであれば、基本的には婚姻要件具備証明書と考えていただいて差支えありません。 ③アポスティーユとは? 国際結婚の手続きを進める上で、非常によく登場するのが「アポスティーユ」という言葉です。 アポスティーユとは、日本の市区町村役場で発行された戸籍謄本などの公文書に対して、「この書類は日本政府が認めた本物の公文書である」ということを外務省が国際的に証明する外務省の公印確認手続きのことです。 日本が締結している「ハーグ条約」の加盟国(フランスを含む)に書類を提出する場合、日本の外務省でアポスティーユを取得しておけば、現地の駐日大使館での複雑な領事認証の手続きを経ることなく、そのまま相手国の役所に有効な公文書として提出することができます。 2.フランス人との国際結婚手続きで注意すること フランス人と日本人との国際結婚手続きの際、ご注意いただきたい事項を下記に記載いたします。 ①婚姻要件具備証明書について フランスは婚姻要件具備証明書が発行される国ですので、日本方式で婚姻を行う場合は、在日フランス大使館発行の婚姻要件具備証明書が必要になります。 ②婚姻可能な年齢について フランス人の婚姻可能な年齢は、男女ともに18歳です。 なお、女子が妊娠しているなど重大な理由がある場合は、検事の承認と父母の同意により、18歳未満の者でも婚姻が可能になる場合があります。 ③再婚禁止期間について フランスでは、再婚禁止期間は定められていません。 日本でも、2024年4月の法改正により、再婚禁止期間の制限なく婚姻届を提出できます。よって男女ともに、離婚後いつでも制限なく婚姻届を提出することが可能です。 ④フランス特有の「民事婚」について フランス人と国際結婚をする上で、根本的な制度の違いとして知っておくべきなのが「民事婚(Mariage civil)」の原則です。 フランスは厳格な政教分離の国であり、法律上の婚姻はすべて、市役所(Mairie)において公務員の前で宣誓を行う「民事婚」でなければ有効になりません。日本のように「婚姻届を提出するだけ」で結婚が成立する仕組みとは異なり、フランス現地では市役所での挙式手続きそのものが法律婚となります。 なお、教会(チャペル)などで行われる宗教的な結婚式には法的な効力が一切ありません。フランス方式で手続きを進める場合は、必ずこの「民事婚」のステップを踏む必要があることを覚えておきましょう。 ⑤「PACS(民事連帯契約)」について フランスには、婚姻(結婚)に準じる法的関係として「PACS(民事連帯契約)」という特有の制度があります。共同生活を送る上での権利や義務が認められるため、フランス国内では広く利用されている制度です。 しかし、日本での共同生活や、日本での配偶者ビザの取得を視野に入れている場合は注意が必要です。日本の法制度上、PACSは正式な法律婚としては認められないため、PACSの身分のままでは配偶者ビザを取得することができません。そのため、最終的に日本を拠点にする予定がある場合は、PACSではなく、双方の国で正式な法律婚(婚姻手続き)を行うのが一般的かつ確実な選択肢となります。 ⑥夫婦財産契約(Contrat de mariage)について フランスには、結婚前に夫婦の財産をどう扱うかを公証人のもとで契約する「夫婦財産契約」という重要な制度があります。 国際結婚の場合、結婚後にフランスに住む(または将来移住する可能性がある)ケースにおいて、この契約をしないと自動的にフランス法の法定財産制(結婚後に得た財産は原則共有)が適用されてしまいます。日本に住む場合は日本の法律(別産制:財産は各自のもの)が原則適用されますが、将来のフランス移住の可能性や日仏にまたがる資産のトラブルを防ぐため、事前に財産の扱いについて話し合っておくカップルが多いです。 ⑦結婚後の「苗字(姓)」について…