ビルクリーニング分野コラム

COLUMN

【特定技能】ビルクリーニング分野の内容と技能試験

1. ビルクリーニングでの特定技能ビザ取得状況 日本政府は特定技能制度の施行から5年間の間に,ビルクリーニング業での特定技能外国人の受入れ見込み数を37,000人と公表しており,特定技能14業種の中でも,4番目に多い数字です。 しかし,入管庁の公表によると,2021年9月末時点で,日本のビルクリーニング業で就労している特定技能外国人の数は,日本全体で487人に留まっています。 特定技能外国人の全体数が38,337人であるため,ビルクリーニング業の特定技能外国人は,全体のわずか1%程度です。 ビルクリーニング業での低い外国人雇用状況を受け,受入れ機関や登録支援機関,技能実習の監理団体へ外国人受入れについての情報提供を行う「ビルクリーニング外国人受入支援センター」も設置されるなど,外国人受入れ数を増加させるための活動も活発に行われています。 これらの事実を考慮すると,ビルクリーニング業での特定技能外国人の受入れ人数は,今後増えていくことは間違いないでしょう。 2.「特定技能」ビルクリーニングの業務内容 ビルクリーニング業では,特定技能外国人が,建築物内部の清掃業務全般(床・天井・内壁・トイレ・洗面所等)に従事することが認められています。 また,関連業務として,次のような業務にも従事することが認められます。 資機材倉庫の整備作業 建物外部洗浄作業(外壁,屋上等。ただし高所作業を伴う窓ガラス外壁清掃作業は除く) 客室整備作業(ベッドメイク含む) 建築物内外の植裁管理作業(灌水作業等) 資機材の運搬作業(他の現場に移動する場合等) 参照:出入国在留管理庁(特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領) なお,上記業務に住宅内部の清掃を目的として従事することはできず,関連業務に従事する割合が清掃業務を超えることも認められません。 3.「特定技能」ビルクリーニングの協議会 ビルクリーニング業の特定技能協議会は,協議会員の相互連絡や情報共有などを目的として設立されており,初めて特定技能外国人の受入れを開始してから,4ヶ月以内に加入する必要があります。 また,協議会の目的達成のために,次の事項について協議または情報共有を行うとしており,協議会員は必要に応じて,協議会からの要請に協力する必要があります。 特定技能外国人の受入れに係る制度の趣旨や優良事例の周知 受入れに係る人権上の問題等への対応 特定技能所属機関等に対する法令遵守の啓発 特定技能所属機関の倒産時等における特定技能外国人に対する転職支援(特定技能所属機関が支援義務を果たせない場合における情報提供等の必要な協力) 就業構造の変化や経済情勢の変化に関する情報の把握・分析 地域別の人手不足の状況の把握・分析 前号を踏まえた大都市圏等への集中回避に係る対応策の検討・調整(看過しがたい偏在が生じた場合の協議会による大都市圏等での受入れの自粛要請や大都市圏等の特定技能所属機関による特定技能外国人引抜きの自粛要請等を含む。) 特定技能所属機関に対する構成員であることの証明 円滑かつ適正な受入れのために必要なその他の情報,課題等の共有・協議等 上記事項に掲げるもののほか,上記の目的を達成するために必要なこと 参照:厚生労働省(ビルクリーニング分野特定技能協議会設置要綱) なお,特定技能外国人を受入れする企業は「建築物製造業」または「建築物環境衛生総合管理業」の登録もしている必要がある点について注意してください。 4.特定技能ビザ取得の外国人の要件 外国人が,ビルクリーニング業で特定技能ビザを取得するためには,次の2つのいずれかの要件を満たす必要があります。 4-1 技能試験・日本語試験に合格…