2020.12.16 依田 隼弥 配偶者ビザ結婚ビザ国際結婚手続き日本語スペイン人 【2026年最新】スペイン人との国際結婚手続きと必要書類を行政書士が解説 1.国際結婚手続きの用語解説 この段落では、国際結婚手続きにおける専門用語を解説していきます。 以降の内容をご参照いただくにあたり必要となる前提知識ですので、ご一読の上、次の段落に進んでください。 ①国際結婚の成立とは? 国際結婚が有効に成立するには、双方の国籍国(本コラムでいうと日本とスペイン)において、法的に有効な婚姻関係にあることが原則必要とされています。 日本で先に結婚手続きを行うことを日本方式と言い、スペインで先に結婚手続きを行うことをスペイン方式と言います。 ②婚姻要件具備証明書とは? 外国人が、日本方式の婚姻を有効に成立させるためには、国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件(婚姻できる年齢に達していること、独身であることなど)を満たしていることが必要とされています。 もっとも、日本の市区町村役場で、外国人の国籍国の法律を全て審査することは現実的ではありません。 そのため、国際結婚においては、婚姻要件具備証明書を提出することによって、国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていると判断することにしているのです。 なお、発行国によっては、独身証明書などと言われることがありますが、独身であることのみならず、国籍国の法律が定めている婚姻の成立要件を満たしていることが明らかになるものであれば、基本的には婚姻要件具備証明書と考えていただいて差支えありません。 2.スペイン人との国際結婚手続きで注意すること スペイン人と日本人との国際結婚手続きの際、ご注意いただきたい事項を下記に記載いたします。 ①婚姻の形式的要件について スペイン法によれば、スペイン国外で成立した婚姻は、スペイン法に規定される手続き(15日以上の公示、裁判官・市長・公務員の立ち合い、証人の出席)に従っていなければ無効とされます。日本方式で婚姻しようとする際は、在日スペイン公館で婚姻要件具備証明書を取得する際に、これらの手続きが求められます。 なお、日本の市区町村役場は婚姻要件具備証明書を取得していない場合でも、婚姻届を受理することができます。この場合、日本法上は婚姻が成立しますが、スペイン法上では、規定された手続きに従った婚姻ではないため、無効となります。改めてスペイン法に従った婚姻手続きをしようにも、既に日本法上は婚姻が成立しているため、日本人側の必要な書類が取得できず、スペイン側の手続きができなくなります(この状態を跛行と言います)。スペイン法上は独身と扱われますので、後々大きなトラブルになりかねない状態です。 したがって、スペイン人との婚姻で日本方式を選択した際には、必ず在日スペイン公館で適式な手続きを行って婚姻要件具備証明書を取得してください。 ②婚姻可能な年齢について スペイン人の婚姻可能な年齢は、男女ともに原則18歳以上です。ただし、法的に親の保護から独立(未成年者の独立:Emancipación)しているなどの条件を満たせば、例外的に16歳から婚姻することが認められています(※かつて認められていた14歳への引き下げ特例は2015年に廃止されました)。 もっとも、日本法(民法)においては2022年の法改正により、婚姻年齢が男女一律で「18歳以上」に引き上げられました。日本の国際私法上、日本の婚姻年齢(18歳)に達していない未成年者との婚姻は、公序良俗に反するものとして日本側で無効と判断される可能性が極めて高いです。 ③再婚禁止期間について スペイン法には再婚禁止期間は定められていません。また、日本の民法では以前は女性に対して離婚後100日間の再婚禁止期間が設けられていましたが、2024年4月の法改正により、再婚禁止期間が完全に撤廃されています。 そのため、2026年現在では日本・スペインともに離婚後すぐに再婚手続きを進めることが可能です。 ④個別面接について スペインの婚姻手続き(日本方式における在日スペイン公館での面接、およびスペイン方式での面接)では、偽装結婚を防ぐために当事者を別々の部屋に分けて行う「個別面接(Audiencia Reservada)」が実施されます。 「相手の部屋の間取り」や「休日の過ごし方」、「お互いの家族のフルネーム」など、かなりプライベートで詳細な質問をされます。お互いの回答が一致しないと、婚姻の許可が下りないケースもあるため、事前に二人の記憶や認識をしっかりすり合わせておく必要があります。 ⑤結婚後の「苗字」について スペインは法律で完全な夫婦別姓が定められているため、国際結婚をしてもお互いの苗字は自動的には変わりません。もし日本人配偶者が「スペイン人の相手の苗字に変更したい(または二人の苗字を組み合わせた結合姓にしたい)」場合は、婚姻成立後6ヶ月以内に、日本の役所や大使館へ別途「氏の変更届」を提出する必要があります。 3.日本方式による婚姻手続き 本題の国際結婚手続きについて解説していきます。 ここからは、日本人とスペイン人が日本方式で婚姻をおこなう場合の必要書類を記載します。 なお、市区町村役場によって若干の相違があるため、事前に役所照会することをお勧めいたします。 ①日本の市区町村役場において必要となる書類 <日本人の方にご準備いただく書類> 婚姻届書(日本人同士の場合と同様のものです) 本人確認資料(運転免許証又はパスポート等) (2024年の戸籍法改正により、本籍地以外の役所に提出する場合でも戸籍謄本の添付は不要となりました) <スペイン人の方にご準備いただく書類> 婚姻要件具備証明書※(日本語訳を添付)…