コラム

COLUMN

帰化申請で必要な日本語能力とは?日本語テストもある?

帰化申請で求められる日本語能力のレベル 「国籍法」には日本語能力について具体的な定めは記載されていませんが,実務上は小学校3年生程度の日本語能力が必要とされています。 【帰化申請で求められる日本語能力】 日本語で会話ができる 日本語で書かれた文章が読める 日本で文章を書くことができる いくら日本語での会話がスムーズでも,読み書きができないと帰化は許可されません。 帰化して日本国民になると,選挙権が与えられます。読み書きができないと,候補者の名前が読めず投票用紙に名前を書くこともできません。そういったことから,読み書きができることが求められているのです。 自分の日本語能力レベルを確認する方法 ご自身の日本語能力がどれぐらいのレベルなのか,気になる方もいらっしゃると思います。ここでは,日本語能力レベルを確認する方法について,2つご紹介します。 【方法1】法務局での「事前相談」で確認してみる 現在お住まいの住所地を管轄する法務局で,帰化申請の事前相談ができます。この事前相談では,これまでの経歴や帰化したい理由などを伝えて,申請できるかどうか,申請できる場合はどんな書類が必要なのか,担当官からいろいろと教えてもらえます。このとき一緒に,担当官へ「日本語能力レベルが気になっている」ことも相談してみてください。その場で,簡単に確認してもらえるはずです。 なお,法務局での事前相談は予約制です。予約できるのは平日のみで,法務局によっては曜日や時間帯が決まっているところありますので,電話で確認してください。 【方法2】日本語能力の試験を受けてみる もう1つの方法は,日本語能力の試験を受験してみることです。もし過去に受験したことがあれば,ひとつ参考になるでしょう。 【小学校3年生レベルとは?】 日本語能力試験(JLPT):「N4」以上 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic):「A2」以上 日本語能力の試験を受験していたとしても,法務局の判断で別途,日本語テストが実施されることもあります。 日本語能力試験については, こちらのホームページ で試験日などの情報が公開されています。 日本語能力をチェックされる場面 帰化申請で実際に日本語能力をチェックされるのは,いくつかの場面があります。 【チェックされる場面】 ①法務局での事前相談 ②「動機書」など作成した書類の内容 ③法務局での申請受付 ④申請受付後の法務局での面接 ①の事前相談で『日本語能力が不十分』だと判断されると,日本語を勉強してから申請するように勧められることもあります。また,申請受付をする際に,その場で日本語のテストを受けるよう指示される場合もあります。申請受付の際に日本語テストがなかった人でも,その後の面接で日本語テストが行われることもあります。 日本語テストの内容とは? 帰化申請で行われる日本語テストは,おおよそ15分程度で終わるものです。 設問の内容は法務局によってさまざまですが,以下のような内容が多いです。 【日本語テストの内容】 漢字の読み方を書く ひらがなを漢字に直して書く ひらがなをカタカナに,カタカナをひらがなに直して書く 文章を読んで回答を選ぶ いつくかサンプルを用意しましたので,試しにやってみてください。 【漢字の読み方】…

経営管理ビザから経営者用の高度専門職ビザがあるのをご存じでしょうか?

1.高度専門職とは? 高度専門職とは,特に優れた知識や技能を持っている外国人向けに用意されているビザで,在留期間や活動内容,家族の帯同などでさまざまな優遇措置があります。 優秀な外国人材(=高度外国人材)を積極的に日本へ受け入れることを目的に導入された制度で,学歴や職歴,年収,資格など一定の項目ごとにポイントを設定して,その合計ポイント数が70点以上あると「高度外国人材」として認定され,優遇措置が受けられるようになります。 (1)3つの分類 活動する内容によって,ビザの種類がイ・ロ・ハの3つに分類されています。 3つの活動類型 このビザが該当する活動 ①高度学術研究活動 「高度専門職1号(イ)」 本邦の公私の機関との契約に基づいて行う研究,研究の指導又は教育をする活動 ⇒研究所の研究員,大学の教授,専門的な教師など ②高度専門・技術活動 「高度専門職1号(ロ)」 本邦の公私の機関との契約に基づいて行う自然科学又は人文科学の分野に属する知識又は技術を要する業務に従事する活動 ⇒エンジニア,技術者など一般企業に努めるホワイトカラー層 ③高度経営・管理活動 「高度専門職1号(ハ)」 本邦の公私の機関において事業の経営を行い又は管理に従事する活動 ⇒会社経営者など この3つの中で,経営管理ビザと同じく事業の経営や管理を行うものは,「高度専門職1号(ハ)」です。 (2)高度外国人材とは? 平成21年5月に行われた高度人材受入推進会議で,高度外国人について次のように定義づけられました。 『国内の資本・労働とは補完関係にあり,代替することができない良質な人材』であり,『我が国の産業にイノベーションをもたらすとともに,日本人との切磋琢磨を通じて専門的・技術的な労働市場の発展を促し,我が国労働市場の効率性を高めることが期待される人材』が,高度外国人材ということです。 ざっくりイメージで言い換えると,『日本人を巻き込んで日本経済発展のためにアクティブに働いてくれる優秀な外国人』といったところです。 (3)優遇措置がある 高度専門職には,他のビザと比べて優遇措置が主に7つ用意されています。 【7つの優遇措置】 ①永住許可要件の緩和 ②親の帯同の許容 ③家事使用人の帯同の許容 ④在留期間「5年」の付与 ⑤配偶者の就労 ⑥複合的な在留活動の許容 ⑦入国・在留手続の優先処理 高度専門職ビザについては,別コラム「高度専門職ビザの取得条件とは?」でも解説していますので,ぜひお読みください。 2.経営管理ビザと高度専門職(1号ハ)ビザの違い 経営管理ビザと高度専門職(1号ハ)ビザの違いで最も大きなものは,前述した「優遇措置」の有無です。 比較表にまとめましたのでご覧ください。   経営管理ビザ…

【入管法改正】企業内転勤2号ビザとは?新設されるビザを行政書士がレポート

そもそも「企業内転勤」ビザとは? 「企業内転勤」ビザは就労ビザのひとつで,海外にある会社から日本国内にある会社へ,期間を定めて転勤や出向する外国人向けに用意されているものです。 「企業内」とありますが,同一企業に限定されているわけではなく,議決権20%を保有する「関連会社」への出向でも,この企業内転勤ビザの対象となります。 転勤して行う業務は,「技術・人文知識・国際業務」ビザと同様の業務を行うこととされており,ホワイトカラーの業務内容に限定されます。 詳しくは,企業内転勤ビザとは? をご覧ください。 修行のための転勤は対象外 企業内転勤ビザは,たとえ100%子会社であっても,技術や知識を習得するための,いわゆる「修行」を目的とした転勤は対象外となっています。 例えば,地方の生産拠点で勤務している従業員を本社の別部門に異動させて,研修やOJTを通して技能を習得してもらい,一定期間後に元の生産拠点に帰任するということは,ある程度規模が大きい企業であれば珍しくありません。 海外に生産拠点を置く日本企業でも,従業員教育の一環としてこのような転勤をさせたいニーズは多くあります。 しかし,これまでの企業内転勤ビザでは,想定されていませんでした。 研修ビザはあるけれど… 外国人を日本へ呼び寄せて研修を受けてもらうためのビザとして「研修」ビザがありますが,この研修ビザで想定している研修は,従業員ではなく部外者を一定期間招き入れて,あれこれ教えてあげます!というものです。 開発途上国などの人たちが,日本の先端技術を学びに来るためのビザをイメージしてもらうとわかりやすいかと思います。 技能を学んで本国に持ち帰ることが目的なので,研修に参加しても報酬(給与)は発生しませんし,プログラムの一環として実際に業務に携わることもできません。転勤して一定期間修行する目的では使いにくい(使えない)のです。 待望の「企業内転勤2号」ビザとは? 改正によって新たに追加された「2号」ビザでは,技能などを習得することを目的に,講習を受けて実際にその技能を使った業務を行うとことが可能になりました。 【入管法別表第一の二】 改正前 改正後 本邦に本店,支店その他の事業所のある公私の機関の外国にある事業所の職員が本邦にある事業所に期間を定めて転勤して当該事業所において行うこの表の技術・人文知識・国際業務の項の下欄に掲げる活動 一 本邦に本店,支店その他の事業所のある公私の機関の外国にある事業所の職員が本邦にある事業所に期間を定めて転勤して当該事業所において行うこの表の技術・人文知識・国際業務の項の下欄に掲げる活動   二 本邦に本店,支店その他の事業所のある公私の機関(当該機関の事業の規模,本邦の事業所における受入れ体制等が技能,技術又は知識(以下この号及び四の表の研修の項の下欄において「技能等」という。)を適正に修得させることができるものとして法務省令で定める基準に適合するものに限る。)の外国にある事業所の職員が,技能等を修得するため,本邦にある事業所に期間を定めて転勤して当該事業所において講習を受け,及び技能等に係る業務に従事する活動(前号に掲げる活動及びこの表の育成就労の項の下欄に掲げる活動を除く。) 改正入管法で新たに規定された活動内容を見る限り,修行目的での転勤に使えそうです! 詳しく見てみましょう。 ◆誰が?◆ 本邦に本店,支店その他の事業所のある公私の機関の外国にある事業所の職員 ⇒「本邦に本店,支店その他の事業所のある公私の機関」は,「法務省令で定める基準に適合するものに限る」とされており,事業規模や受け入れ体制について基準が設定されるようです。研修を担当する従業員の名簿,組織図,研修場所の写真など,受け入れ体制に関する資料の提出を求められることが予想されます。 ◆何のために?◆ 技能,技術又は知識を修得するため ⇒修行目的にできる部分です。どのような技能,技術または知識を修得するのか,どうやって修得するのか,研修カリキュラムや計画表などが重要な指標になるでしょう。 ◆どんな活動ができる?◆ 本邦にある事業所に期間を定めて転勤して当該事業所において講習を受け,及び技能等に係る業務に従事する活動 (前号に掲げる活動及びこの表の育成就労の項の下欄に掲げる活動を除く) ⇒業務しながら技能等を修得できるようになるので,これもまた修行目的にできる部分です。業務に従事することができない「研修」ビザと大きく異なる点はここです。 なお,技能等の修得を目指しながら業務に従事する活動は「育成就労」ビザと似ていますが,育成就労ビザの活動内容と重複する部分は,企業内転勤2号ビザの対象外となります。…

日本版「デジタルノマド」ビザとは?専門行政書士がわかりやすく解説します

デジタルノマドビザの概要 まずは,デジタルノマドビザの概要について大枠を抑えましょう。 このビザは, 外国の企業に所属(またはフリーランスを)していて 日本に滞在しながらITを活用したリモートワークをしたい外国人とその家族 …のために用意されたビザです。 取得にはいくつか条件があって,申請すれば誰でも許可されるというわけではありません。 また,取得したあとも「アルバイトできない」「更新できない」などの制約があります。 まずは取得要件から確認していきましょう。 デジタルノマドビザの取得要件は? ノマドワーカー本人向けのビザとして「特定活動(告示53号)」ビザが用意されています。 このビザの取得要件は以下の4つです。 【ビザ取得要件】 (1)日本への滞在期間は6か月を超えないこと (2)査証免除国かつ租税条約を締結している国・地域の外国人であること (3)申請時点で年収が1000万円以上あること (4)医療保険に加入していること それぞれ詳しく見てみましょう。 (1)日本への滞在期間は6か月を超えないこと デジタルノマドビザで許可される在留期間は「6か月」となります。 このビザは,更新することができない点に注意が必要です。また,中長期滞在者に通常交付される「在留カード」についても,このビザでは交付されません。 (2)査証免除国かつ租税条約を締結している国・地域の外国人であること デジタルノマドビザは,取得できる外国人の国籍が限定されています。 以下のいずれかの国・地域の国籍等を持っている方のみ,ビザ取得の対象となります。 【対象の国・地域】 アイスランド共和国,アイルランド,アメリカ合衆国,アラブ首長国連邦,イスラエル国,イタリア共和国,インドネシア共和国,ウルグアイ東方共和国,エストニア共和国,オーストラリア連邦,オーストリア共和国,オランダ王国,カタール国,カナダ,グレートブリテン及び北アイルランド連合王国,クロアチア共和国,シンガポール共和国,スイス連邦,スウェーデン王国,スペイン王国,スロバキア共和国,スロベニア共和国,セルビア共和国,タイ王国,大韓民国,チェコ共和国,チリ共和国,デンマーク王国,ドイツ連邦共和国,トルコ共和国,ニュージーランド,ノルウェー王国,ハンガリー,フィンランド共和国,ブラジル連邦共和国,フランス共和国,ブルガリア共和国,ブルネイ・ダルサラーム国,ベルギー王国,ポーランド共和国,ポルトガル共和国,マレーシア,メキシコ合衆国,ラトビア共和国,リトアニア共和国,ルーマニア,ルクセンブルク大公国,台湾,香港 (3)申請時点で年収が1000万円以上あること デジタルノマドビザは年収規定があり,ノマドワーカー本人の年収として,申請時点で1000万円以上あることが必要です。 年収の証明として,就労した国で発行された納税証明書や所得証明書を提出します。 (4)医療保険に加入していること デジタルノマドビザを取得するには,海外旅行傷害保険などの医療保険に加入していることが必要です。 補償内容としては,以下の3点すべてをクリアしているものでなければいけません。 死亡,負傷や疾病に係るもの 負傷や疾病への治療費補償額が1000万円以上あるもの 日本に滞在予定の全期間をカバーできるもの 家族も一緒に来日できる デジタルノマドビザには,家族向けのビザとして「特定活動(告示54号)」も用意されています。 このビザを取得することで,家族も一緒に来日することが可能です。 ちなみに「家族」とは,ノマドワーカー本人の配偶者と子どもです。親や兄弟姉妹などは対象外です。 【配偶者・子のビザ取得要件】…

外国人のスポーツ選手やコーチの在留資格(就労ビザ)とは?

スポーツ選手はプロかどうかでビザの種類が変わる 外国人スポーツ選手は,プロ選手なのかどうかでビザの種類が変わります。 選手の種類 報酬 該当するビザ ①プロ契約しているスポーツ選手 あり:興行収入 興行(基準2号) ②企業などの実業団に所属する選手 あり:給与収入 特定活動(告示6号) ③上記①②以外の選手 なし 短期滞在 ここで言う「プロかどうか」は,技術レベルの話ではありません。 お金を稼ぐのかどうか,稼ぐならどうやって稼ぐのか?という話です。 上記①②③について,詳しくみていきましょう。 ①プロ契約しているスポーツ選手=興行ビザ(基準2号) プロスポーツ選手とは,企業や団体とプロ契約を結び,プロチームに所属してチケットやスポンサーから興行収入を得ている選手のことです。 興行ビザを取得するにあたって,プロとしての実績は特になくてもかまいませんが,報酬額は日本人が契約する場合と同等以上でないといけません。 興行ビザに該当する例としては,日本のプロ野球選手,Jリーグに所属するプロサッカー選手,Bリーグに所属するプロバスケットボール選手,ゴルフトーナメントに出場するプロゴルファーなどです。 【興行(基準2号)ビザの取得要件】 報酬額が日本人の場合と同等以上であること。 興行ビザについては,別コラム 興行ビザのポイントを徹底解説! もぜひお読みください。 ②企業などの実業団に所属する選手=特定活動ビザ(告示6号) 実業団チームに所属して活動する選手のことです。企業の広告塔として,契約先企業から選手に報酬が支払われる場合は,興行ビザではなく「特定活動(告示6号)」ビザになります。 【特定活動(告示6号)ビザの取得要件】 本邦の公私の機関内のクラブチームが,興行を事業の目的とせず,自社の宣伝や技術を競う目的で行うスポーツの試合に参加させるために契約(雇用)したものであること。 クラブチームの所属機関が,スポーツの試合を事業として行っていないこと。 オリンピックや世界選手権など国際的な大会に出場経験があること。 日本の公私の機関に雇用され,月額25万円以上の報酬を受けること。 ③それ以外の選手=短期滞在ビザ 賞金がない大会に出場するために,短期間だけ日本に滞在する場合は,興行ビザや特定活動ビザではなく「短期滞在」ビザで十分足りることもあります。 短期滞在ビザは海外にある日本国大使館・領事館での申請となります。賞金や報酬が発生する場合は,短期滞在ビザでは来日できない点に注意が必要です。 監督やコーチなどの指導者は「技能」ビザになる 選手ではなく,監督やコーチなどの指導者は「技能」ビザが必要です。 ただし,活動内容によっては選手同様に「興行」ビザが必要になるケースもあります。ますは「技能」ビザのケースから見ていきましょう。 指導者の「技能」ビザ取得要件…

千葉県で帰化申請するには?【千葉地方法務局・松戸・柏・市川】

千葉県で帰化申請できる法務局は4か所 千葉県を管轄する法務局は「千葉地方法務局(本局)」で,千葉市中央区にあります。 県内にはこれ以外に支局が10,出張所が4,サービスセンターが1,計16か所あります。このうち,帰化申請できる国籍事務を取り扱っているのは,本局,松戸支局,柏支局,市川支局の4か所です。現在お住まいの市町村によって管轄となる法務局が異なりますので,下の表で確認してください。 帰化申請先 管轄の市町村 千葉地方法務局(本局) 043-302-1317 千葉市中央区中央港1丁目11番3号 (松戸支局,柏支局,市川支局の管轄以外すべて) 千葉市,銚子市,船橋市,館山市,木更津市,茂原市,成田市,佐倉市,東金市,旭市,習志野市,勝浦市,市原市,八千代市,鴨川市,君津市,富津市,四街道市,袖ヶ浦市,八街市,印西市,白井市,富里市,南房総市,匝瑳市,香取市,山武市,いすみ市,大網白里市,酒々井町,栄町,神崎町,多古町,東庄町,九十九里町,芝山町,横芝光町,一宮町,睦沢町,長生村,白子町,長柄町,長南町,大多喜町,御宿町,鋸南町 松戸支局 047-363-6278 松戸市岩瀬473番地18 松戸市,流山市 柏支局 04-7167-3309 柏市柏6丁目10番25号 柏市,我孫子市,野田市 市川支局 047-339-7701 市川市大野町4丁目2156番地1 市川市,鎌ヶ谷市,浦安市 なお,相談や申請は予約制となっています。事前に電話で予約を取ってから行くようにしましょう。 千葉地方法務局での帰化申請の流れ ここからは,帰化申請の流れについて解説します。 申請する法務局によって実際のフローが異なる場合がありますので,事前相談などで予約を取る際に改めて確認するようにしてください。 ①管轄の法務局へ「事前相談」の予約 予約は電話で行います。上の一覧表を見て管轄の法務局へお電話ください。 混雑状況によっては,予約が1か月以上先になってしまう場合もあります。 ▼ ②法務局にて事前相談 この事前相談で,申請に必要な書類についての説明も受けられます。本国の書類などで,取得できないものがある場合は,ここでしっかり相談しておきましょう。 ▼ ③必要書類の収集 事前相談で指示された書類を集めます。集めた書類には有効期限があり,法務局へ申請する時点で有効期限が切れてしまうと取得し直しになります。申請を予定している日から逆算して計画的に取得しましょう。 ▼ ④申請書類の作成 役所などで集める資料のほかに,ご自身で作成する書類が10種類以上あります。申請書の書き方がわからない場合は,再度予約を取って法務局で教えてもらうこともできます。 ▼…

経営管理ビザでアルバイトは可能?専門行政書士がわかりやすく解説!

【結論】アルバイトできるケースもある 結論から申し上げると,経営管理ビザでアルバイトできるケースもあり,絶対にできないというわけではありません。 経営管理ビザを持っているだけではアルバイトはできません。なぜなら,経営管理ビザは事業の経営や管理を行うためのビザなので,アルバイトはこれに該当しないからです。 では,一切アルバイトが禁止されているかというと,そういうわけでもありません。 本ページでは,アルバイトできるケースはどんなケースなのか?について,このあと詳しく解説していきます。 経営管理ビザで許されている活動の範囲とは? 経営管理ビザで許容されている活動は,入管法で以下のように定められています。 【入管法別表第一の二】 本邦において貿易その他の事業の経営を開始し若しくは本邦におけるこれらの事業に投資してその経営を行い若しくは当該事業の管理に従事し又は本邦においてこれらの事業の経営を開始した外国人(外国法人を含む。以下この項において同じ。)若しくは本邦におけるこれらの事業に投資している外国人に代わつてその経営を行い若しくは当該事業の管理に従事する活動(この表の法律・会計業務の項の下欄に掲げる資格を有しなければ法律上行うことができないこととされている事業の経営若しくは管理に従事する活動を除く。) このように,経営管理ビザは「日本で事業の経営をする」か「日本で事業の管理をするか」と定められているので,アルバイトで収入を得ることは資格外の活動ということになります。 「資格外活動許可」を取ればアルバイトできる? 資格外の活動を行うには,別途「資格外活動許可」というものを取得する必要があります。この資格外活動許可には,「包括許可」と「個別許可」の2種類があります。 包括許可とは 働く場所や仕事内容,契約先を定めないで,包括的に「週28時間以内で働く」ということの許可するものです。を取るやり方です。留学生がコンビニや飲食店などで行ういわゆる一般的なアルバイトが,この包括許可になります。 経営管理ビザの場合,包括許可を申請しても実務上ほぼ「不許可」となります。 個別許可とは 一方の「個別許可」は,仕事内容や契約先を個別に定めて許可するものです。許可された内容以外のことはできません。経営管理ビザの場合,この個別許可であれば,経営管理ビザの方でも許可となるケースがあるのです。 【個別許可されたケース】 本業:経営コンサルティング会社を経営 アルバイト:特定の大学と契約を交わし,客員教授として経営に関する講義を週に何コマか行う まとめると, 経営管理ビザの方は,収入を補強するために空いた時間でコンビニや飲食店などでアルバイトすることはできませんが,本業との関連性が強く,特定の機関と契約のうえ行うものであれば,アルバイトとしてできる可能性がある。 ということです。 黙ってアルバイトしたらどうなる? 知り合いからちょっと頼まれたレベルの仕事であったり,月に数回しか行わない仕事であったりすれば,「黙ってこっそりやってしまおう」と考える方がいるかもしれません。 しかし,このようなことは絶対にやめましょう。こっそりアルバイトをしたとしても,アルバイト先から税務署や労働官署に届出したデータから入管側に知られるでしょう。また,許可を取らずに資格外の活動をすることは,入管法で明確に禁止されています。最悪の場合,1年以下の懲役もしくは禁錮もしくは200万円以下の罰金に処せられる可能性もあり,せっかく始めた事業を途中で手放して帰国することになりかねません。 資格外活動については別コラム「法定外活動の際に問われる資格外活動罪とは?」もお読みください。 よくあるお問い合わせ 経営管理ビザでのアルバイトについて,よくあるお問い合わせをご紹介します。 本業の営業時間後であればコンビニでアルバイトできますか? できません。 本業に専念する時間が十分に確保されていたとしても,コンビニでアルバイトをして収入を得ることは認められません。 アルバイトではなく,事業として追加することはできますか? できます。 目的が「収入を増やす」ということであれば,アルバイトではなく,別の事業を手掛けて収入を増やすという方法もあるでしょう。これであれば,経営管理ビザの活動範囲内となるので可能です。ただし,経営管理ビザを更新する際に,追加で事業を行うことになった経緯や理由の説明を求められる場合があるので,それに備えて必要な書類等はしっかり保存しておきましょう。 資格外活動許可はどうやって申請しますか? 資格外活動許可は,管轄の入管へ申請します。必要な書類は以下の通りです。 【申請に必要な書類】…

高度専門職ビザの取得条件とは?ポイント制度,優遇措置,1号と2号の違いを解説!

1.高度専門職ビザとは? 1-1.高度専門職ビザとは? 高度専門職ビザは,経済成長や新たな需要と雇用の創造に資することが期待される高度な能力や資質を有する外国人(高度外国人材)の受入れを促進するために2015年に創設されました。 高度外国人材を積極的に受け入れるために,高度専門職ビザには,在留期間「5年」(高度専門職2号に該当すると「無期限」)の付与や複合的な在留活動が許容されるなどの優遇措置があります。 また,高度専門職ビザの入国・在留手続は優先的に処理されるため,受入れ企業側にとってもメリットがあります。 以下の表をご覧ください。 出入国在留管理庁が発表した報道資料によると,令和4年6月末末時点で3万4,726人の外国人が高度専門職ビザで在留しているとされています。 高度専門職ビザを保有する外国人数の動向は,我が国の経済的発展の観点からも注目すべき指標と言っても過言ではありません。 1-2.高度専門職1号 高度専門職ビザは,「高度専門職1号」と「高度専門職2号」に大別されます。 そして,高度専門職1号は活動内容に応じて,さらにイ・ロ・ハに分類されます。 高度専門職1号に該当する職種と具体例は,以下の通りです。 高度専門職1号イ 高度学術研究と呼ばれ,日本の公的機関や民間企業等との契約に基づいて行う研究,研究の指導または教育をする活動が該当します。 具体的には,大学等の教育機関で教育をする活動や,民間企業の研究所で研究をする活動がこれに当たります。 また,これらの活動と併せて,教育や研究の成果を活かして事業を立ち上げ自ら事業経営をすることも可能です。 高度専門職1号ロ 高度専門・技術と呼ばれ,日本の公的機関や民間企業等との契約に基づいて行う自然科学または人文科学の分野に属する知識または技術を要する業務に従事する活動が該当します。 具体的には,所属する企業において,技術者として製品開発業務に従事する活動,企画立案業務,ITエンジニアとしての活動などの専門的な職種がこれに当たります。 また,これらの活動と併せて,関連する事業を立ち上げ自ら事業経営をすることも可能です。 技術・人文知識・国際業務ビザの活動内容と重なる部分が多いですが,技術・人文知識・国際業務ビザのうち国際業務に該当する活動は高度専門職1号ロには該当しないため注意が必要です。 高度専門職1号ハ 高度経営・管理と呼ばれ,日本の公的機関や民間企業等において事業の経営を行いまたは管理に従事する活動が該当します。 具体的には,会社の経営や,弁護士事務所・税理士事務所などを経営・管理する活動がこれに当たります。 また,これらの活動と併せて,活動内容と関連する会社や事業所を立ち上げ,自ら事業経営することも可能です。 上記のように,高度専門職1号は他のビザとは異なり,複合的な在留活動が許容されている点に特徴があります。 また,在留期間は現行の制度で最長の「5年」が一律に付与されます。 これは安定的に高度外国人材を雇用する企業側にとってもメリットとなります。 1-3.高度専門職2号 高度専門職2号は,高度専門職1号で3年以上活動を行っていた方が対象になります。 高度専門職1号の活動と併せてほとんどすべての就労活動を行うことができます。 具体的には,高度専門職1号イ・ロ・ハのいずれか,またはこれらの複数の活動と併せて以下のビザで認められる活動も行うことができます。 ※「教授」,「芸術」,「宗教」,「報道」,「法律・会計業務」,「医療」,「教育」,「技術・人文知識・国際業務」,「介護」,「興行」,「技能」,「特定技能2号」のビザに対応する活動 高度専門職2号のビザの在留期間は,高度専門職ビザに該当する活動を行っている限りにおいて「無期限」です。 また,複数のビザにまたがる活動ができる点に特徴があります。 1-4.高度専門職ビザの1号と2号の違い 高度専門職1号の場合,在留期間は「5年」です。 一方,高度専門職2号の在留期間は「無期限」となります。 在留期間が無期限となる結果,以降の在留期間の更新許可を受ける必要がなくなります。 また,高度専門職1号の場合,主となる活動と併せて,これと関連する事業の経営活動を自ら行うことが認められます。…

経営管理ビザから永住ビザへの申請で重要になるポイントを解説

永住ビザを取得するための要件とは? はじめに,永住ビザを取得するための原則的な要件を確認しておきましょう。 【要件1】素行が善良であること 1つ目の要件は「素行善良要件」と呼ばれ,日常生活において法律を守り,社会的に非難されることのない生活を営んでいることが必要です。身近なものでは「交通違反」がありますが,1~2回程度の軽微なものであれば影響しませんが,繰り返し違反を行っている場合は「素行不良」となってしまうので注意が必要です。 【要件2】独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること 2つ目の要件は「独立生計要件」と呼ばれ,永住ビザの申請する方が自分で生計を立てるための収入源を持っていること,または,その方と同居している家族が世帯全体の生活を支えられるほどの収入源を持っていることが必要になります。 【要件3】その者の永住が日本国の利益に合すると認められること 3つ目の要件は「国益適合要件」と呼ばれ,永住ビザを申請する方が日本に永住することで,日本にとってプラスになるかということです。 原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。 罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。公的義務を適正に履行していること。 現に有している在留資格について,入管法に規定されている最長の在留期間をもって在留していること。 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと。 などがあります。 永住ビザについては,永住ビザ 要件 で詳しく解説しています。ぜひお読みください。 経営管理ビザから永住ビザを取得するための4つのポイント 続いて,経営管理ビザならではのポイントを4つに解説します。永住許可申請をする直前のタイミングでは準備できないものもありますので,今から準備するつもりでご確認ください。 (1)役員報酬が年間300万円以上あること 年収について明確な金額の基準はありませんが,就労系の在留資格からの永住申請の場合は,最低でも年収300万円は必要だと言われています。経営管理ビザで会社を経営している方の場合は,役員報酬が収入源となりますので,役員報酬を年間300万円以上(月間25万円以上)に設定しておくことが望ましいでしょう。 役員報酬はいつでも変更できるわけではありません。会社の決算状況にもよりますが,ゆくゆく永住ビザを希望されているのであれば,永住ビザ申請が可能な時期(原則,在留10年以上,かつ,就労資格または居住資格を取得した日から5年以上)の5年以上前から役員報酬を年間300万円以上に設定しておいたほうが良いでしょう。 (2)経常損益が黒字であること 会社には法人格があり,法律上は経営者=会社ではありません。そのため,経営者である申請人個人が永住ビザ申請を行う際に,会社の経営状況の良し悪しは本来関係がないはずです。しかし,経営者の役員報酬は,会社の財務状況によって大きく左右されるのが一般的です。財務状況が悪くなれば,役員報酬を引き下げて欠損を圧縮することがあり得ます。最悪の場合,役員を解任されることもあり得るわけです。 そこで,経営管理ビザからの永住ビザ申請の場合は,安定した収入を確保できているかどうかという観点から,申請人が経営する会社の安定性・継続性も審査対象とされています。 会社の財務状況が債務超過(負債が資産を超えていること)にある場合には,経営者である申請人個人が安定した収入を確保できているとは言えません。また,債務超過にはなくとも,欠損が連続している場合には,これも役員報酬を引き下げられる可能性が高いため,安定収入の確保の観点から問題視される傾向にあります。直近2事業年度は経常損益が黒字で回っていることが望ましいでしょう。 (3)会社として社会保険に正しく加入していること 申請人である経営者個人の納税状況は当然ですが,永住ビザの審査においては会社の納税状況も審査対象になります。特に近年は,社会保険の加入の有無,社会保険料の適正納付は厳格に審査されています。 会社は社会保険(厚生年金保険および健康保険)の強制適用事業所とされ,役員一人だけの従業員がいない会社でも社会保険に加入する義務があります。また,社会保険料は労使折半とされ,会社が保険料の半分を負担しなければなりません。 経営者が永住ビザ申請を行う際には,年金事務所が発行する社会保険料納入証明書を提出しなければなりません。社会保険に加入していない場合や,社会保険料を納付していない,あるいは納期遅滞がある場合には,永住ビザの審査において大きなマイナス要因になります。必ず社会保険に加入し,社会保険料を適正に納付するようにしてください。 (4)1年間のうち出国日数が半分を超えていないこと 日本で経営者として活動している外国人の方には,日本以外の海外でも事業を展開し,グローバルに活躍されている方が沢山います。そういった方は,必然的に出国日数が多くなる傾向にあります。 永住ビザ申請においては出国状況も審査対象になり,その頻度や日数からみて日本に活動の本拠がないと評価されるような場合には,永住許可はされません。概ね1年の半分以上(=183日以上)を出国している場合には,永住許可の可能性は大きく下がります。 ただし,出国理由が合理的なものであり,かつ,出国の頻度や期間が相当と言える場合には,出国日数が多くても活動の本拠が日本にあると評価されるケースもあります。海外出国が多い場合には,海外での事業活動や出国理由を示す他,たとえば本社機能を日本に集中させているなど事業活動の本拠が日本にあることを積極的にアピールするようにしましょう。 永住ビザ申請の必要書類 ここからは,永住ビザ申請で提出が必要になる書類についてご紹介します。 【共通の必要書類】と【在留資格別の必要書類】に分けてご紹介します。 【共通の必要書類】 永住許可申請書 写真(縦4cm×横3cm)…

経営管理ビザが不許可になる理由とは?更新や再申請のポイントも解説!

経営管理ビザとは?基本的な要件をチェック まずは「経営管理ビザ」がどのようなビザなのか,基本的な要件を確認しておきましょう。 経営管理ビザは,就労ビザのひとつで,日本でビジネスを行う外国人向けに設定されているビザです。 入管法では以下のように規定されています。 【入管法で定められている活動の内容】 本邦において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動 ※外国法事務弁護士、外国公認会計士その他法律上資格を有する者が行うこととされている法律又は会計に係る事業の経営又は管理に従事する活動を除く。 技術・人文知識・国際業務ビザで会社員として働いている方が退職してフリーランスになる場合や,留学生が卒業後に会社を立ち上げて起業する場合は,経営管理ビザに変更する必要があります。 経営管理ビザを取得するには,大きく4つの要件があります。 【経営管理ビザの取得要件】 事業所が日本国内にあること 資本金500万円以上(または従業員が2名以上)であること 必要な各種届出を済ませていること 事業の安定性と継続性があること これらの要件を全てクリアしているだけでなく,クリアしていることを立証する必要があります。ここが,ほかのビザと比べて経営管理ビザが難しいとされているところです。 経営管理ビザが不許可になる理由5つ ここからは,本題である「経営管理ビザが不許可になってしまう理由」について解説していきます。主な理由を解説していきます。 【理由1】立証が十分にできていない 経営管理ビザの申請では,要件をクリアしていることを自身で立証していく必要があります。 【立証の例】 資本金500万円をどのように集めたのかを,資料とともに説明。 事務所が実際に存在することを,賃貸借契約書や図面,写真とともに説明。 事業を安定して継続できる見通しを,事業計画書とともに説明。 これらの立証がしっかりできないと,許可を取ることはできません。 【理由2】ビザの要件を満たしていない 前述のとおり,経営管理ビザには大きく4つの要件があります。このうちひとつでも満たしていない場合は,許可を取ることはできません。 人材紹介業など許認可が必要な業種であれば,ビザ申請前に許認可を取っておかないといけません。 【理由3】事業の安定性・継続性が認められない 経営管理ビザで最も重要になるのがこの「安定性」と「継続性」です。事業が継続しなければ,事業の経営・管理を行う活動も継続することができないからです。 新規に経営管理ビザを取得する場合,「事業計画書」で安定性と継続性を立証していきます。この事業計画書には,ビジネスモデルの説明だけでなく,市場調査のレポート,売上の予測,原価や人件費など経費の予測,利益率の予測など細かく策定する必要があります。 【理由4】事業所の確保が認められない 経営管理ビザでは,事業所として認められる要件があり,それ以外では不許可になってしまいます。 【事業所として認められないもの】 賃貸の場合は「事業所用」自宅をそのまま事業所としている 事業所として借りた物件が契約書上で「居宅用」になっている シェアオフィスやバーチャルオフィスで区画が明確に分かれていない どのような事務所であればいいのか?については,別コラム「経営管理ビザが認められる事務所の条件とは?」もぜひお読みください。 【理由5】事業内容が認められない これは,事業内容がそもそも違法である場合です。完全に違法でなくても,審査部門で違法の疑いがあると判断されてしまえば,許可は取れません。 更新では「事業の継続性」が重視される…