コラム

COLUMN

新型コロナウイルスが配偶者ビザに与える影響

1.2021年8月11日現在の水際対策 配偶者ビザを保有していれば,日本に新規入国できるのか。 これから配偶者ビザを目指す方にとって,この点が最大の関心事ではないでしょうか。 現在は,日本上陸前14日以内に上陸拒否対象の159の国・地域に滞在歴のある外国人については,原則上陸拒否とする運用です。 しかし,「特段の事情あり」として,例外的に入国することが可能なケースもございます。 では,どのようなケースで「特段の事情あり」として扱われるのでしょうか。 ここからは,「特段の事情あり」として扱われる類型についてご紹介します。 ①再入国許可(みなし再入国許可を含む。)による再入国 ただし,一部の国からの入国については例外があります。 ②日本人・永住者の配偶者又は子の新規入国 ③定住者の配偶者又は子で,日本に家族が滞在しており,家族が分離された状態にあるもの ④「教育」又は「教授」の在留資格を取得する者で,所属又は所属予定の教育機関に欠員が生じており,その補充がないと当該教育機関の教育活動の実施が困難となるなどの事情を解消するために入国の必要があるもの ⑤「医療」の在留資格を取得する者で,医療体制の充実・強化に資するもの ⑥「外交」又は「公用」の在留資格を有する又は取得する者 ⑦入国目的に公益性が認められる者 ⑧その他人道上の配慮の必要性がある場合 新規入国という点で見ると, ②に記載のとおり,日本人の配偶者,永住者の配偶者,またはそのお子様については,新規入国は可能です。 また,③に記載のとおり,定住者の配偶者やそのお子様については,条件付きではありますが,入国できる可能性はあります。 つまり,配偶者ビザ保有者は日本に入国することが可能です。 他方,観光を目的とする短期滞在ビザや就労ビザについては,現在の水際対策によって,入国することはできません。 もっとも,親族訪問を目的とする短期滞在ビザについては,一部の国で入国の実績があります。 この点については個別の判断になりますので,ご希望の際はご相談ください。 2.コロナ禍でも配偶者ビザで入国できる? 上記で見たとおり,配偶者ビザ(日本人の配偶者や永住者の配偶者等)については,特段の事情があるとして,日本への新規入国は可能です。 本チャプターでは,それらを前提に配偶者ビザでの入国手順を見ていきます。 ①コロナ禍の結婚手続き 配偶者ビザを取得するためには,法的に有効な婚姻の成立が必要です。 しかし,新型コロナウイルスの影響によって, ・本国での書類が取得できない ・一方の国でしか婚姻を成立できない ・日本に来ることも相手国へ行くこともできない など,様々なイレギュラーが想定されます。 この点,整理をすると, 新型コロナウイルスの影響による場合であったとしても,日本での婚姻手続きが執れない場合には,例外なく配偶者ビザを取得することは困難です。 つまり,「将来結婚をするので配偶者ビザをください」という申請は許可されないということです。 仮に,必要書類の収集ができないような場合には,残念ながら当該書面を取得できるまで,お待ちいただくしかありません。 次に,日本のみで婚姻が成立している場合について記載します。 国際結婚については,原則両国での婚姻履行によって成立と考えます。 しかし,この点については,例外があります。…